そねホームへ  都議活動目次  そねツッコミ運動録  堀船水害目次へ

 石神井川護岸決壊水害問題06−10-20

水害の責任者・首都高速に都が指導文書・首都高速の計画書づくりに住民要望の反映を!


10月6日付で、都の建設局が知事名で、昨年9月4日の石神井川の水害問題で、現地で工事をしていた首都高速鰍ノ対して、8月8日に行なった立ち入り検査の内容に基づいて、やっと指導文書を出しました。

 実際は、相手に渡されたのは10月10日になり、我々都議会議員への説明は10月18日にファックスでとどいたものです。

 この文書に基づき、首都高速は、11月中にも工事全体の是正計画を出すことになります。台風シーズンも終わりに近づくまで時間がかかってしまいましたが、この間重大な事故の再発がなかったのを幸いというべきでしょうか。 指導文書は以下の通りです。

18建河指第310号
平成18年10月6日

首都高速道路株式会社
 代表取締役社長 橋本鋼太郎 殿

                河川管理者
                東京都知事
                  石 原 慎 太 郎


   河川法第78条に基づく立ち入り検査の結果及び是正計画の提出について

 標記立ち入り検査については、平成18年7月14日付18建河指第178号で通知し、同年8月8日に実施したところである。

 これは、平成17年9月4日、首都高速道路株式会社が施工する石神井川の工事で溢水事故が生じたことから、事故の再発防止に資することを目的に、工事を承認した区間全域について検査したものである。

 立ち入り検査で実施した書類検査及び実地検査の結果、改善すべき事項について、別紙のとおり指摘するので、適切に対応されたい。

 なお、指摘事項を踏まえ、工事全体についての是正計画を早急に提出するよう指示する。


(別紙)

改善すべき事項

1 水防体制

 平成18年度の「水防計画書」は、水防計画区域を拡大し、工事区間全域を「水防計画区域」としたが、水防用資機材の準備量は平成16、17年度と同数程度となっており、水防区域の拡大に応じた必要量を確保すること。

 承認工事に係る水防上の責任の主体であることを再認識し、早急に具体的対策内容を反映した実効性のある水防計画を確立すること。

2 護岸高

 再度の被災を防止するため、以下について、護岸の適切な高さと十分な強度に留意し早急に改善すること。

(1)溝田橋から上流約50mの区間で右岸と左岸に約70cmの差異がある。

(2)鋼管天板の間隙を埋める鉄板に欠損があり、漏水の恐れがある箇所が数箇所見られた。

(3)U16,17付近の左岸に、延長約20mのH形鋼が残置されているため、左右護岸高に差異が生じている。

3 河床高

 社用橋付近で最大約2m程度の堆積が確認された。堆積物を除去し、河積の確保に努められたい。

4 目視点検及び安全管理

 応急補強した嵩上げ護岸について、承認工事が完了するまでの間、水防対策上、安全な措置を講ずること。

●都の担当者の説明では、

1。水防体制について・・以前の首都高速の水防計画書では、現に工事をしている箇所の水防対策しか計画書になかったが、実際には今回のように工事している箇所以外も、仮設護岸などで事故がおきることがありうる。そこで、18年度の水防計画書は、工事区間全域を水防対策の対象としたが、それにしては、資機材の準備量が足りない点を指摘したということ。

 また、いざ水位が上がって緊急対策が必要な場合に、計画書の担当者が到着に長い時間がかかる場所に住んでいるなど、実際の責任が取れない問題も指導したということです。(明記されていないので心配ですが)

2.護岸高・・(1)では、住宅のある水害を起こした側より、川の対岸の工場のある側のほうが護岸の高さも高く工事内容もしっかりしていて、昨年9月の水害は、仮設護岸が崩壊しただけでなく、その脇からも大量の水が溢れていたことに対して住民からの批判がもっとも強いことを考慮して、対岸との70センチの高さの差を改善するよう指摘した。

 「当然、高いほうに合わせる旨の指導と受け取ってよいか」と聞くと、「そういうニュアンスを込めたつもりだが、首都高速が、この指導文書に対して、どういう改善計画を出してくるかにかかっている」と言いました。 住民の要望に沿った計画を出させるよう、首都高速の計画づくりをしっかり注目する必要があります。


 そねホームへ  都議活動目次  そねツッコミ運動録  堀船水害目次へ