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 体験的マンションレポート5−11−10

初のマンション販売時の公共マニュアルを都が作成

私の質問の趣旨が一部実現


●全国初のマンション購入者への情報提供に関するマニュアル


 

東京都都市整備局は11月に全国初のとりくみとして、販売時を含めたマンション管理施策「マンション管理ガイドライン」をまとめました。(写真)

 ガイドラインは、維持管理に関する内容の書面通知など分譲事業者が購入予定者に説明することが望ましい具体的な事項、30年の長期修繕計画の策定、管理委託の履行状況の確認など管理組合が行うのが望ましい維持管理の具体的項目、水準をまとめています。

●ヒントは3月のそね質問

 実はこのヒントは、私が今年3月16日の都市整備委員会の質問の中で提案したものです。

 私は、東京都がマンション購入希望者に対し、販売事業者の宣伝を客観的に評価できるための情報や、住み続けるにふさわしいマンションを選ぶポイントなど公共情報を提供すれば非常に喜ばれると、マンションの販売・購入への公共支援を初めて提案しました。(質問本文は下記を参照のこと)

 これは私の「体験的マンションレポート」を見てマンションを買いたい人から「損をしない選び方は何か」などの相談が寄せられたことから、広域自治体の都が適切な基準やアドバイスを提供することが効果的と考えたからです。

 今回の都のマニュアルは販売事業者に適切な購入者への情報提供を求めるもので、間接的ですが私の提案の趣旨がとりいれられた内容といえます。

●さらに防災や老朽化対策支援を

 しかし、都内のマンションが10年間で倍増して120万戸を超えているのに都のマンション対策はまだまだ初歩的なものです。今後はマンションの火災・震災の予防と復旧、中古マンションの活性化支援など血の通った対策をどしどし提案し実らせていきたいと思います。


(以下、質問本文を紹介します)

マンションと居住者、購入希望者へのきめ細かい支援を

 次に、マンション対策について簡単に何点か聞いておきたいと思うんです。

 マンションについては、以前から分譲マンションの管理組合などが取り組んでいる長期の修繕計画づくりとか、耐震診断補強だとか、大規模修繕についてのさまざまな支援、日常的な管理の支援について提案をしてまいりました。

 きょうはマンションが今、次々と建設をされている中で、マンション購入を希望している都民、または都内に住みたいと思って探している方にとっては、物すごい量の情報がチラシだとか、いろんな形で出てくるわけです。この中に、公的情報というのは非常に少ないと思うんですね。

 今回たまたまですが、環境確保条例の中に分譲マンションについても、省エネを取り組んだマンションについての一定の東京都のマル的マークですかね、優良なあれを出すということが盛り込まれていますね、提案の中に。こういったものも含めて、東京都が一定の基準を持って、このマンションは、これは新築、中古に限らずですね、例えば防災対策はこの程度の水準はやっていますよとか、それから管理組合についてはちゃんと適切な規約を持っていたり、その修繕積立金もちゃんと持っているとか、それから環境対策、省エネその他でいい仕事をしているというようなことについて、買いたいと思う人たちに知らせるというのは、行政のサービス、今まで余りそういうことは考えられなかったことかもしれませんが、今日的には都民向けの非常にすぐれたサービスの内容になっていくと思うんです。

 既に一部は都の外郭団体が取り組んでいるというふうに聞いているんですが、その現状と、それからそれを充実させていくという点でのお考えを聞いておきたいと思います。

山室参事 お尋ねの優良なマンションの情報提供についてでございますが、都は既に東京都優良マンション登録制度を平成十五年度に創設いたしまして、東京都防災まちづくりセンターにおきまして、住宅の性能や維持管理等が一定の基準を満たした場合に、優良マンションとして認定し、登録する仕組みを用意してございます。

 また、その情報につきましても、ホームページ等で情報提供しているところでございます。

曽根委員 私もその話を聞いて、早速見たんですが、地味なんですよね。私も知らなかったんですけれども、購入希望者で、東京都の関連、防災まちづくりセンターですけれども、ここがやっている、そういう情報を出してくれているということを知っている人はほとんどいないと思うんです。せっかく情報を出しているんですけどね。

 私は、このまちづくりセンターでも構わないんですけれども、できれば東京都が直接、もっと具体的にかかわって、ホームぺ−ジでもいいと思いますけれども、本格な情報提供の場をつくり、宣伝もするということと、今度の環境確保条例のような、都市整備局以外の局でもいろんなことを、マンションに対して付加価値をつけるような基準が出る場合があると思うので、それを加えてグレードアップする。

 マンションを買いたい人は東京都のあのホームペ−ジを見るとわかるよ、知りたいことがわかる、業者の宣伝じゃない、いわば本当に知りたい真実の情報がわかるよというふうにしていくことは大いに可能だし、これだけマンションがいっぱい建っているときですから、やるべきだなということを提案しておきたいと思います。

 それから、既に取り組んでいることなんですけれども、相談マニュアル及び維持管理ガイドブックというのが何年か前に出されました。逐一、新しい制度や何かできたときにページの差しかえをしているということなんですが、一般向けの相談マニュアルについては、もっときめ細かな……。分譲マンションでよく問題になるのが浴室。実はこれは専用部分じゃなくて共用部分で勝手な改修はできないというふうに一般にされていながら、しかしそこを改修するというのはなかなか管理組合全体の仕事にはならないという非常に微妙な部分なんですね、浴室というのは。水漏れ事故が起きると、だれの責任かということで大問題になることがよくあるわけで、こういった一つ一つのマンション居住者が特有の悩みや相談にパッと答えられるようなものにぜひ改訂をすべきじゃないかというふうに考えているんですが、相談マニュアルや維持管理ガイドブックの改訂についての考え方をお聞きしたいと思います。

山室参事 分譲マンションの相談マニュアル及び維持管理ガイドブックについてのお尋ねですが、分譲マンション相談マニュアルにつきましては区市町村の窓口にお越しになる管理組合の方や居住者の方、そういった方に対する相談を受け付けるということで、これにつきましては、平成十年に発行しまして以来、毎年改訂をしております。こめ趣旨は、その一年間につきましていろいろなご意見をいただいている、そういったことをきめ細かくこのマニュアルに反映していくということでございます。
 それからガイドブックにつきましても、国の標準管理規約が改訂になりましたので、それに合わせて現在改訂を行っているところでございます。

曽根委員 毎年改訂はしているんだと思いますが、私も今まで余り具体的にこれについて意見をいったことがないんですけれども、ぜひこれから積極的に……。私も分譲マンション居住者なものですから、ついこの間もあるお宅のお風呂が水漏れしまして、原因を調べていったら、排水管に何かキャップみたいなのが詰まったんですけれども、それが縦管に詰まったんですね。横管に詰まっていれば、横管は各戸の中にありますから、そこで詰まっていたお宅の責任ですよね。しかし縦管までいくと、どのお宅から落ちたキャップかわからなくなるので、責任は管理組合に来ちゃうわけですね。そういう微妙なところの問題点というのが、やっぱり日常茶飯事にマンションでは起きるわけです。こういった問題にきめ細かく答えられるマニュアルになればすばらしいなと思いますので、私自身も提案をしながら、よりいいものにしていっていただければと思います。

 最後にマンションの問題で、これはどうしてもいわなきゃならない、先ほども長橋さんからもお話があったんですが、耐震の助成の問題なんですね。

 私は、個人住宅もやっぱり助成が必要だということは、この間の本会議でも河野議員からも一般質問でいわせてもらいました。分譲マンションについては、神戸のときにビルごと倒れたのがあるんですね。これはマンションじゃなかったかもしれませんが、住宅兼建物で道路に倒れ込んだわけですよね、ビルごと。これはやっぱり、一定の戸数規模以上のマンションの場合には、そのマンションが居住者にとって大変な問題というだけではなくて、地域に与える影響が出てくるということは、大きな震災などの場合、避けられないと思うんです。そういう意味では、社会に対する建物や財産の維持保全の社会的責任というのも私はあるんだと思うんですよ。
 一定規模のマンションというのは、今は法的に管理組合が義務づけされておりますし、率直にいって、自治体などから、維持管理が悪過ぎる、または建物が傾斜しているなどの場合、その原因を明らかにして安全対策をとることや、必要な耐震補強を行うことなどについては、例えば昭和五十六年以前の古い基準のマンションについては勧告指導がやっぱりやられなきゃならない場合があると思うんですね。

 そういうことも考えながら、同時に、それをやるのであれば、一方でやっぱり耐震補強などに対する助成が行われてしかるべきであろうという点で、今も一定の制度では何らかのカバーをしているとは思いますが、耐震診断、耐震改修工事について、こうした危ないマンションについての指導や勧告とあわせて援助もやるというような自治体の姿勢が必要だと思いますが、どうでしょうか。

野本市街地建築部長 マンションの耐震診断、耐震補強でございます。昭和五十六年以前のマンションにつきましては、東京都はこれまでも所有者に対しパンフレットや窓口等で耐震診断の必要性について普及啓発を行っているところでございます。

 また、マンションの耐震診断、耐震補強工事に対する助成につきましては、都は既にマンション改良工事助成制度においてその費用への支援を実施しております。

曽根委員 余り聞いてもしようがないので聞きませんけど、それほとんど実績ないんですよね、耐震診断、補強については。私、率直にいって、先ほども長橋さんがいわれたとおりで、震災が来てから、やっぱりあの制度は必要だったと、その何十倍もかかる費用を公的に負担しなければならない事態になってから後悔しても遅いわけで、もっとそれよりずっとはるかに安い費用で、今、手だてをとれば、公共的にも非常に低コストで耐震対策もできるし、居住者にも喜ばれる。何よりも人命が守られるという点をやはり考えるべきだと思います。



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