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体験的マンションレポート26号

「高層火災の恐ろしさと、防災設備の威力を実感させた桐ヶ丘団地火災」

●5月31日、桐ヶ丘団地の再生計画で完成し入居後、それほどたっていなかった18階建て高層住宅の17階で火事がありました。詳しい調査結果はこれからですが、お年寄りの一人ぐらしで、コタツの布団が火元のようです。居住者の方は、布団に入っていた腰から下に大きなやけどを負いました。

●しかし、さすがに超高層に近い高さの都営住宅の高層部分だったため、火と煙を感知した防災感知器が作動し、ただちに室内のスプリンクラーから水が噴射され、布団から外に広がっていた火炎はこれでおおかた消火されたようです。

●その後、防災センターからの警報で、同じ団地の住民とセンターの要員が建物内の消火器を集めて駆けつけ、コタツ布団の中にくすぶっていた火も消しとめ、無事火災は鎮火したとのこと。結局、かけつけた消防車のホースによる放水をまったく行わずに住民の方の命を守ることができました。

●重要なのは、この建物は18階で、消防から防災センターの設置を義務付けられ、要員が配置されていたこと。しかも11回より上の階には、廊下だけでなく室内にもスプリンクラーが設置され、これが作動したおかげで、かなりの水が下のお宅に漏れ落ちましたが、大事に至らずにすんだことです。

●同時に、つい最近団地住民の災害対策訓練をやったばかりで、そのときに覚えておいた消火器の使い方が、役に立ったことです。

 やはり、なんと言っても訓練を日常的にやっておくこと、特に消火器の使い方は、繰り返し練習しておくことがいかに大切かを痛感させられます。

●赤羽消防署にとっては、高層部分の火災は、3年前のわが赤羽台4丁目団地に続いて2回目だと思います。あの時、子供さんの大切な命を救いきれなかった教訓が、少しでも生かされていたことを信じたい気持ちです。

●地元のさがらとし子区議と、都の住宅局と桐ヶ丘団地について交渉に出かけました。そのとき、この火災でスプリンクラーの水が、下のお宅に浸透して大変だったということを都の職員が話していました。確かに水がかかれば建物や家財にとっては少なくない被害が出るかもしれません。

 しかし私の経験から言えば、上の階の火災で我が家が水でびしょぬれになったことより、一人の命を助けられなかったことの重みがはるかに大きいといわざるを得ません。

 その意味では、今後の住宅には11階以上の階だけではなく、もっと下の階でもスプリンクラーの設置は必要とされてくるのではないかという気がします。

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