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 マンション相談室原稿  2001・11・18
 体験的マンションレポート(9)

 外壁改修実行委員会体験その3
 
「外壁のデザインをどう決める?」

●コンサルタントが決まって、いよいよ外壁の工事内容と、せっかく足場を組むのでできる工事をどこまでやるかを決めるのが次の課題でした。

 実行委員会はこの際、建物の表面に出ている部分は全てきれいに直すということを基本に工事範囲を広げました。屋上防水の改修、各階廊下の床と手すりのうち壁、外階段、鉄の手すり、各住宅のバルコニーと手すり、そしてドアの塗り替え等です。

●最大工事の、タイル張り外壁の改修は、(1)はがれるタイルを落として跡をタイルに似せて仕上げる方法、(2)タイルにモルタルを塗りつけ平面にして石材風の外壁剤を吹きつける方法、(3)平面の上にカラーアルミを貼りつける方法と段々高額になります。 実際にその方法で工事をした後の建物を見学した上で、結局(2)の方法に決め、実行委員会で色見本やシミュレーション図を見ながらケンケンガクガクの議論の末にグレーの組み合わせでデザインを決めました。

●いちばん難航したのはドアの色です。それまでは公団賃貸と同じ赤と青と緑3色が繰り返し並んだ格好で、評判も悪く、一色に統一することは決まったものの、どんな色にするのか、さんざん議論しました。

 ここで決断したのは、暖色にしても寒色にしても、どの色に決めても必ず不満が出ることが確かな以上、団地でいちばん長く過ごしている女性の方々の好む色に決めるのが一番不満が少ないということでした。結局ピンクとベージュと黄色の3色にしぼり、実行委員のドアに仮塗装し、希望者の投票でピンクの色に決定しました。

●94年秋からいよいよ工事が始まり、秋の長雨で少し遅れ気味ながら無事年を越しました。そこで起きたのが阪神大震災です。

 同じような地震が工事中に起きたら・・考えると心配で早く工事が終わるのを祈る思いでした。実行委員会は5年がかりの任務を終えて無事解散しましたが、管理組合理事長さんは、住宅金融公庫のリフォームローンで工事費を借り、都の助成金も利用したため2年間勤めていただき、大変な苦労をおかけしました。やはり最後に責任を持つのは理事会です。

●阪神の震災は、私にマンションという運命共同体のあり方をもっと真剣に考えなければという想いを持たせ、都議会でもマンションの課題を多く取り上げるようになりました。そんな時、私の生活と仕事に決定的な影響を与えた、わが団地初の火災と子どもの死という最悪の災害が起きました。次回はこの痛恨の体験をレポートします。


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