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 体験的マンションレポート07-08-24

 高層マンションの地震対策にやっと光が


●8月21日付読売新聞に高層マンション特有の地震対策について特集記事が掲載されました。


 特に、エレベーターが停止してしまった後の、高層階からの避難方法や、その後の生活上の苦労について、また高層住宅の建設に当って、地元自治体の指導要綱や防災案内パンフについても報道されました。ようやくマスコミもこの問題に注目し始めたと実感します。



●記事の中で、中央区が市街地開発指導要綱の中で、高層の新築マンションに、エレベーター機能と合わせて入居者の水や食料の備蓄倉庫の上層階設置を義務付けたことと、マンション住民向けのパンフレットを発行したことが描かれていたので、中央区のホームページを除いたら、それぞれ紹介されていました。(写真はパンフレットの表紙です)

●パンフレットでは、阪神大震災の被害を受けた高層マンション世帯の手記を載せていて、やっとこういう体験が日の目をみることになったかと思いました。

 これまで、高層マンションがその眺望のよさからグレードの高さが盛んに宣伝され、高値で売れていることから、これに水をさすような阪神大震災のマンション被害はなかなか大きく取り上げられることはありませんでした。もはや飽和状態に近いほど高層マンションが供給されてしまった都心区で、やっと高層マンションの危険性が公の宣伝物に乗り始めたと言うことでしょう。

●もうひとつは練馬区が、光が丘など高層住宅の自治会に44台の「階段用避難車」を貸し出したことも報じられています。(画像で紹介します)



 記事の写真をみると、これは私たちの団地でも防災訓練で使ったことのあるイギリスから輸入された「Eバックチェア」だということが分かります。

 この製品は、イギリスでは殆どの公共施設に設置が義務付けられているそうですが、大きな男性を乗せていても一人の力だけで階段を降ろせるように、下の部分にブレーキのかかるキャタピラがついているのです。ただ、使ってみて弱点だと思うのは、階段の踊り場に来たときにいちいち足を出す必要があり手間がかかること、また、降ろすことだけが目的のため、階段をあげることはできない点です。

 しかし、いずれにせよ練馬区も色いろ物色した末に、輸入品の「Eバックチェア」を選ばざるを得なかったということは国内で階段からの避難につかえる車椅子は他になかったということでしょう。

●私は3年前のわが団地の火災の時に、消防の水がエレベーターに入り込み、漏電で停止してしまったときに、折りたたみ椅子で高齢の女性を7階まで男性と二人で持ち上げたことがあります。

 また、2年前の7月23日の震度5の地震のときも、エレベーターが停止し、散歩から戻ってきた介護高齢者をヘルパーさんと居合わせた防災対策役員の女性二人で、車椅子ごと8階まで運び上げたこともあるそうです。

 つまりエレベーターが故障したり停電が続く場合には、避難で階段を降りるだけでなく上ることもできる車椅子が必要な人が出てくると言うことです。

●私は、昨年5月に階段昇降可能な車椅子を考案して産業技術高専(旧航空高専)の先生に相談に行ったことがあります。(はじめ通信06−05−24)

 先生は自分のところで研究してみることと合わせて、民商で出している商工新聞の「ものづくりのタネ」というシリーズ記事に載せてくれました。 (「商工新聞の画像)

 残念ながら、まだどちらのルートでも作ってみたいという話はありません。どうしてもいなければ、昔の夏休みの自由研究みたいに自分で製作してみようかとも思っています。


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