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●86年度は、1年間かけて給排水管工事の基本設計を決めるのに費やされました。11月には臨時総会を開いて工事会社を団地サービス(現在のJS)とし、総額1億円弱の工事費は積立金で全額まかなうことが決定されました。 むずかしかった排水管の交換は、廊下やベランダに新しい縦管を通すのは困難なため、室内の排水と空気ぬきの2本の縦管を、そっくり取り替えることになりました。そして排水管の取り替え工事の経験を持っていたのは、ちょうどそのころ赤羽台団地(公団の賃貸住宅)で配管工事をやっていた団地サービスしかなかったため、日ごろ「高い」と評判の団地サービスを敢えて選ばざるを得ませんでした。 ●排水たて管を室内で取り替えるには、工事対象の住宅だけでなく管の接続のために上と下も合わせて3フロアーの住宅に在宅してもらうか鍵を預かる必要があります。275軒全ての住宅でこの工事ができるかが大問題でした。管理組合の理事会は、居住者の理解を得るため毎週のように工事計画についてのニュースを発行し、宣伝にこれ努めました。その結果、多少日数はかかりましたが、空き家もふくめて全世帯の工事が実現。工事担当者も「賃貸では7割がいいところ。分譲で自分の財産だといっても100%工事ができたのは奇跡に近いです」と感嘆していました。 ●生活に影響したのは、7月ごろの室内の給水枝管のライニング工事。前回紹介したように、メーターボックスから室内4か所の蛇口まで鉄砂利を吹き込み、さびを落として樹脂を吹き込みコーティングするという工事ですから、丸2日間、水道が使えません。その間仮設水道をひきますが、夏場なので大変でした。 ●水道管工事と合わせて、個人の財産である流し台や洗面台を、希望に応じてオプションで新品に交換する工事を行い、工事費がサービスになったので大変喜ばれました。 意外だったのは、赤錆がなくなった代わりに水道水のカルキ臭がわずかに残るようになったこと。消毒用塩素が赤錆で吸収されなくなったためだそうです。 ●給水管工事が5月ごろから始まり10月まで。その後、排水管の取り替え工事が行なわれ、地下の本管まで全て工事が終わり、引き渡しがすんだ時は88年度の新しい理事長が引き継いでいました。漏水が起き始めてから、計画づくり、工事までふくめて足かけ4年がかりでした。 この経験で、次の大規模工事は同じメンバーが長期に準備できるよう改修実行委員会をつくりました。 その話はまた次回に。 (マンション体験レポートその7に続く) 体験的マンションレポートへ ツッコミ運動録へ そね都議活動 |