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 体験的マンションレポート3

  近隣との騒音問題をめぐって

●最近では、
マンションの床のコンクリートの厚さは、20センチメートルを超える物が多くなってきましたが、中古マンションの場合は、30年前のマンションで10〜12センチ、20年前の物で15センチぐらいが一般的です。

 私のマンションは、71年竣工で公団の建物ですが、床の厚さは12センチ、畳やフロア―の下は根太の上にすのこ状にこまえ板がしいてあるだけで、上下階の音はかなり聞こえてしまいます。

●入居する前にも、前の持ち主から下の部屋の居住者からピアノの音を注意された事があるとの連絡事項はあったものの、実際は想像以上に大変でした。

 引越しの挨拶でうかがおうとしていた途端に、片付けの音を注意され、その後も子供の足音で何度も注意。何回かお詫びに行きましたが、「この団地では小さい子供のいる家族はみんな出て行く。私は音で迷惑をかけないように下に住宅の無い場所を購入した」と言われました。その時、壁際に大きなオーディオの装置があったのが気になっていたのですが、そのうち、夜中にトイレに立っただけで床下から大音響が聞こえるようになりました。

●二人の娘には「忍者歩き」だと言ってすり足歩行を教え込み、夜に下の人が帰ってくる頃からはひっそり暮らす努力をしましたが、努力も空しく今度は、部屋内を通っている配水管を何かで激しくたたくようになりました。

 この「管たたき」は、さすがに同じたて系列の他の居住者から苦情が出て、下の方と我が家の間だけの問題では無くなりました。

●管理組合役員の立会いで、我が家の足音が下の階でどの程度の音になるのか、区役所から騒音計も借りてきて調べ、「常識の範囲内」との判断が出ましたが、下の方は納得せず、その後も夜中の「カンカン」が続きました。

 ここまで来ると、床に防音材をはったぐらいでは解決できないと判断しました。

●私の場合、当時はすでに区議会議員に当選しており、いつまでも近隣の住民とトラブルを抱えている事も出来ないし、しかし自分の活動地域で他に適当な住いも見つからなかったので、275戸の大きなマンションの利点を生かして、マンションの中で移転先を探すことにしました。

 結局、入居して4年後の88年夏に、現在の619号室に移って来ました。

●部屋の大きさも日当たりも全く同じ条件ですが、旧宅の売値は2600万円、新居の売値は2760万円、この差額は、私が売却する住宅の新しい住人にこの間の経過をすべてきちんと説明し、その分の価格引下げに応じざるをえなかったからです。同じマンションでの移動ですからやむをえません。

手数料の80数万円(契約料の3%)や引越料も含めると、約250万円が騒音問題解決の必要コストということになります。

●私の場合、これだけの費用をかけても、子供の成長やマンションの人間関係を考えれば正しい選択だったと思います。旧宅を買ったのは、奥さんと二人暮しの土建組合の人で、静かなくらしなのにやっぱり「カンカン」攻勢をうけたようです。しかしがっしりした体格の方で、下の階に行って「断固、身勝手を許さない」と宣告したら、しばらく後にはやらなくなったそうです。

●このマンションの買い替えの時に、私はもう一つの落とし穴にはまりそうになりました。それは、売りと買いを同時に進行させねばならないときに、陥りやすいトラブルです。その問題は次の回で。(第4回に続く)


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