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 体験的マンションレポート(22)・10・30

「超高層マンションの問題点をもっと明らかに

●最近の「サンデー毎日」という週刊誌で、超高層マンションの危険性について、特集記事が載っていました。マンションの中でも、とりわけ都心の利便性の高い超高層マンションは人気が高く、調査によれば、50戸以下の小規模マンションの販売率が70%程度にとどまっているのに比べ、超高層は95%と「完売」に近い状態だそうです。

 もしこれが事実なら、いまだに超高層マンションについては、その快適さや眺望などプラス面だけが強調される一方、重要なマイナス情報が十分与えられないまま、売られ続けていると考えられます。

「超高層マンションの問題を報じた「サンデー毎日」

●サンデー毎日では、超高層住宅の深刻な影響として、妊婦や子どもの身体の異常をあげています。

 東海大学の逢坂文夫講師のグループが横浜で行った調査で、最近第一子をうんだ女性1191人の「流産経験率」は、1〜2階居住者では6・9%、3〜5階居住者が5・6%、6〜9階が18・8%、10階以上が、38・9%という、かなり相関性のある結果が出ていることを紹介しているのです。

●この原因は以外と単純なところにあって、高層階に住んでいると外への外出がおっくうになり、それが体調にも微妙に影響し、蓄積してくるということです。

 したがってこのことは、毎日外にでかけて体を動かすという人間らしい生活がおくりにくいということであり、妊婦だけに限らず、子どもや高齢者にも当然当てはまることでもあります。

 出勤などで毎日いやおうなく出かける人は、案外気がつかないことですが、とくに出かける必要が無い、主婦や高齢者、乳幼児などにとっては、玄関を出てから1階の地上に降りるまでの3ないし5分の時間は、かなり大きなバリアーになることは確かでしょう。

●しかも日常のことはまだしも、地震災害や火災、何らかの事故や停電などの場合、もしエレベーターが何日も何週間も動かないという事態になれば、外への避難や連絡が非常に困難になり、生活は破綻に陥ります。

 わたしはその点でも、超高層住宅を積極的に建設するからには、エレベーターが緊急停止してからの、高層階の居住者の避難、寝たきりや要介護者の階段での搬送、生活用水や飲料水その他が確保できる保障がなんとしても必要だと訴えてきました。

(技術的には、外付けタイプのゴンドラ方式など、可能なはずです。)

●もうひとつ、居住者だけでなく近隣住民への影響という点でも、超高層は様々な問題をかかえています。

 例えば、日照や電波障害はもちろんのこと、自家用車の出入り、風害もかなり心配されます。

●91年に熊本市に区議会で視察に行った時、ちょうど1ヶ月前に台風が通過した後でしたが、被害が大きかったため、まだ多くの住宅が、瓦を吹き飛ばされたまま、修理が間に合わずに工事用のブルーのシートをかけたままになっており、あちこちに見られました。

●ところがしばらくバスで高架の高速道路を移動しながら上から眺めているうちに、その被害に法則があることに気がついたのです。

 水田地帯でも街中でも、ブルーシートのかかった住宅は、ちょっと高めのビルの周囲に集中しています。ある場所では、一つのビルの周辺に、ちょうど花の芯を青い花びらが取り囲む様に5〜6軒の住宅が青いシートで覆われていてびっくりしました。明らかに風が巻いたのための被害です。

●赤羽北の旧雪印工場の後に、20階建てのマンションが、道路の脇に巨大な壁のようにそそり立つ計画になっています。雪印前の交差点は、ちょっと強い風がふいただけでも、危険な被害がおき兼ねないと、私は心配しています。

 例えば、道路のすぐ脇に、超高層のマンションがそびえることになれば、マンションの高層階から、ベランダの植木や、ちょっとした物が落ちただけでも命に関わる被害さえ起こりかねません。

●私たちの街の身近な問題として、超高層住宅問題を今後も考えていきたいと思います。

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