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震災レポートNO.3<11−0315>
スリーマイルの再来になりかねない危機的状態
「地震に強い」原発の宣伝はまやかしだった

●東京電力福島第1原発の1号機で12日に水素爆発がおき、14日には同じく3号機でも爆発が起きました。
 冷却水の注入がポンプの異常でストップし、水面が下がって燃料棒が顔を出したため高熱になり、水蒸気と反応して発生した水素に引火して爆発したものです。こうした事態を想定して建物の上部に水素がたまるのを防ぐ換気口をあけておくだけで、爆発は避けられたはずです。

●つづいて2号機でも14日午後から冷却水の注入がストップしたうえに、海水注入が進まず、燃料棒が水面から完全に露出して本格的な炉心溶融の危機に直面しています。
 その後、炉心容器内の気圧を下げることに成功し、海水注入が再開されましたが水位が回復せず、今度は炉心容器から格納器に水が漏れている可能性があり、燃料棒が露出した状態が長時間に及んでいます。
 スリーマイル島レベルの重大事態につながりかねない予断を許さぬ状態が続いていることになります。(15日午前5時現在)


●いずれの原子炉でも東京電力は、最初は真水による冷却にこだわりましたが、結局断念し、原子炉の再生が事実上不可能になる海水注入と、ホウ酸投入に踏み切らざるを得ませんでした。
 しかしもっと早くこれを決断していれば、住民の200人近い被爆や水素爆発、炉心溶融の危機は避けられた可能性もあります。
 海水注入が停止した原因がポンプ車の燃料切れだったという報道など、あまりに初歩的なミスも目立ちます。

●もともと東京電力は新潟地震の際に、地震に強いと宣伝してきた柏崎原発が大規模に破壊され、これまでの過信を見直すことが厳しく求められていたはずです。
 しかし現実には、柏崎原発より古いタイプの福島原発も、事実上何の対策もとられてきませんでした。
 東京電力は「想定外」を強調しますが、福島原発の地点の震度は宮城北部の震度7ではなく震度6程度だったはずで、注水ポンプが津波で冠水しストップする事態や水の補給ができなくなる事態も、海溝型の地震につきものの津波を想定していれば避けられたはずです。

●現在混乱しながら「計画」停電が実施されつつありますが、大企業の集中する都心や大規模な病院その他を除いて、信号機なども含め例外なく全ての電力供給が停止されて良いのかは、きわめて疑問です。公共交通や大規模事業所の節電協力など、もっときめ細かい対策が可能ではないでしょうか。
中小病院や家庭など、命を守るために不可欠な電力供給が途絶えないよう個別の対策もとられなければならないと思います。

●電力不足を補うために最小限のわれわれ都民の協力はやむを得ませんが、その要因をつくりだした東電と、それをさんざん甘やかし、ごまかしに事実上手を貸してきた新旧政府の責任は今後厳しく問われなければならないと考えます。

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