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震災レポートNO.13 <11・3・25>

下請け労働者の被爆の危険が後回しにされていた
東電の下請け社員が高濃度放射線の汚染水に足をつけて被爆熱傷

●24日午後零時過ぎ、福島第1原発の3号機のタービンの置かれた建屋内で、作業員が最大180ミリシーベルトの放射線を浴び、うち二人はベータ線熱傷の疑いがあるとして、福島県立医大病院へ搬送され、今後さらに千葉県の放射線医学総合研究所に移される見通しとのことです。

●3人の内2人は、衣服からよりも足首の皮膚に直接放射性物質が付着したことでベータ線のかなり激しい被爆熱傷を起こしていると報じられています。
 原因は、建屋内の床に深さ15センチほど水が溜まっており、ひとりの作業員は会社支給の長靴でしたが、残り二人は普通の作業靴だったため、1時間ほどの作業でかなりの被爆量となったと見られます。

●原子炉本体ではなく、タービンエンジンの置かれた別の建屋の中にまで水が溜まっていると予想しなかったため、防護服はつけていたものの、足元には注意を怠ったもようです。
 しかし原発3号機には連日大量の放水が行われており、本体に隣接するタービン建屋にも何らかのルートで水が漏水していても不思議ではありません。
 床の水たまりの放射線は、後で測ったところ400ミリシーベルトと非常に強く、もし作業前に水が溜まっていると気づいた時点で計測していれば対策が取れたのではないでしょうか。

●3人は東京電力の社員ではなく「協力会社」、つまり下請けの労働者で、勤務会社の違いで長靴を支給された人だけが難を免れました。もちろん東電の正社員はこんな危険な場所には出動しないと思います。
 (あるネットの検索サイトには福島原発を元もと設計したGEの技師は日本にさえ来ようとしないと書いてありました)

●「暗くて気づくのが遅れた」と報告されたようですが、下請け労働者は、おそらく水に足をつけたまま作業することが、いかに危険かを指導されていなかったと思います。
 あの東海村のJCO事故のとき、防護服も着ずにステンレスのバケツでウラニウム溶液を攪拌釜から出し入れし、一定量以上入れれば「臨界点」を超えて核分裂が始まることの知識も与えられていなかった下請け作業員が二人亡くなったのと同じ構図です。何度同じ過ちを繰り返すのでしょうか。

●いずれにせよ、3号機本体から何らかのルートで、通常の炉心冷却水の1万倍もの高濃度の汚水が出てきていることから、3号機の炉心の核燃料が一部溶け出してきている可能性は、極めて高いといわねばなりません。
 徹底した水の投入とともに、冷却後の水の処理方法や今後の炉心封じ込めの見通しを、英知を集めて早急に明らかにしていく必要があります。

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