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2001年9月27日3定一般質問・河野ゆりえ議員質問
中小企業支援・介護保険の基盤整備を要求

 質問にさきだって、昨日の石原知事の発言について申しあげます。  知事は、わが党議員の質問中から不規則発言をくり返し、さらには「あまりにばかばかしいんで、頭に来た」などといって議員にたいする答弁をきりだすなど、あってはならない発言をおこないました。  このような発言は、議員と議会そのものを侮辱し、議会の品位を汚すものです。さらに公党を誹謗する発言をくりかえしました。今年の予算議会において、他党議員からも、「感情を露わにした不穏当な発言」、「議会の尊厳を蹂躙する、執行機関として越えてはならない一線を越えていた」と、きびしく批判されたばかりではありませんか。  くわえて、知事は、わが党議員が福祉の復活を求めたのにたいして、「こういう議論そのものが陳腐である」と答弁されました。この発言は、シルバーパスや老人医療費助成制度をもとに戻して欲しいという、都民の切なる願いにもとづいておこなった議員の議論そのものをみとめないものです。  都議選後も、福祉切りすての復活をもとめる世論と運動は後退するどころか、今議会にも 十一万人の署名が提出されるなど、あらたな広がりをみせはじめています。  このような都民の要望を都議会でとりあげ、行政に改善をもとめることは、議会の重要な仕事の一つであり、「陳腐」などという言葉で、議員の質問そのものをおとしめようとすることは、言論の府としての議会そのものを否定するものにほかなりません。  たとえ、どんな反対意見であれ、真摯に耳を傾けるのが、知事たるもののとるべき態度ではありませんか。発言の撤回と陳謝を求めるものであります。  中小企業対策について伺います。  戦後最悪の不況とリストラの嵐のなかで、中小業者の営業と暮らしは本当に深刻です。  私の地元江戸川でも、「仕事がまったくない」とか、「不良債権処理で融資のうちきられた」など不安と怒りの声がよせられています。そうした声のなかで一番の不安が融資の問題です。  中小企業をささえている地域の信用金庫、信用組合で話をうかがってみましたが、そこでの話は衝撃的でした。不良債権処理で国の金融マニュアルにどおりに処理すれば、七割・八割が不良債権扱いになる。「そんなことをしたら、ほとんどの業者がつぶれてしまう」「自分たちも倒産だ」というのです。銀行を中心に不良債権処理がすすむなかで、中小企業の資金繰りがさらに悪化していることも共通して指摘されるとともに、今日の時点にたったあらたな融資制度を求める声が高まっています。  こうしたもとで、東京都信用金庫協会は、うちきりとなった金融安定化特別保証制度に代わるあたらしい制度として、「中小企業再生特別融資」の創設を要望しています。  知事、この要望に応えて、国に対して事業資金円滑化のためのあらたな融資制度の実現を働きかけるつもりはありませんか。答弁を求めます。  制度融資の拡充も急がれます。葛飾区では、区として利子補給をおこなったところ大歓迎され、信用組合がその案内をもって区内企業を軒なみ訪問したと言うことです。そこで、都としても、協調金利にとどまらず、利子補給にふみだすことが、大きな支援になると思いますが、いかがですか。見解を伺います。  次に商店街支援についてです。江戸川区でも商店街の衰退がはげしく抜本的対策が急がれています。  このため、区が商業対策にとり組むとともに、商店街連合会でも消費者モニターによるアンケート調査を実施し、それにもとづく活性化対策をすすめています。  こうした商店街の支援策として、わが党がかねてから提案してきた区市町村がたてた自主的な計画を財政支援する商店街活性化総合支援事業がスタートしました。これを役立つものとするためにいくつかの提案を行いたいと思います。  その一つは、事業実施までのスピードアップを図るという問題です。この総合支援事業のやり方は、まず、区市町村が計画を立案し、翌年度から本格実施にうつすもので、今年は二十の自治体から手があがっています。いま、計画づくりがすすめられていますが、そのなかでだされている要望の一つが、できるだけ早く事業実施のための予算を用意して欲しいというものです。  そこで、今年度計画中の二十の区市については、来年度いち早く事業をスタートできるように今から準備をすすめるとともに、本年度計画づくりをせず、来年度、計画づくりをすることになる区市町村についても、事業施策に必要な助成が来年度のうちに受けられるようにすべきと考えますが、答弁を求めます。  また、関係者が心配しているのは、この総合支援事業によって、これまでの商店街対策予算がうち切られるのではないかということです。実際に、都の振興プランでは、現行の振興策を全面的に見直して、「補助制度を再構築」すること、都は専門的、緊急的課題への対応や広域的事業へ重点化すると明記されています。  これでは、商店街の支援を拡充するどころか、都が商店街を直接支援することから大きく手をひいていくことになりかねません。  知事、あたらしい商店街支援事業は、区市などが商店街振興の全体計画を策定し、支援事業を展開するというものですが、あわせて、都として、もっと直接的な振興事業をすすめていくべきと考えますが、答弁を求めます。  商店街から歓迎されている「元気出せ商店街支援事業」についても、間違ってもうち切るようなことがあってはなりません。今年度分についても、すでに申し込みが予定を上まわっていますから、予算を上乗せして、追加申請を認めるべきと考えますがどうでしょうか。それぞれ答弁を求めます。  さらに、商業を底支えし、地域経済の活力を取りもどしていくうえで、空洞化のはげしい製造業の生き残り支援策を緊急に確立することが求められていす。また、中小企業対策審議会などで振興策を検討することも必要だと考えますが、見解を伺います。  次に、介護基盤整備について質問します。  介護保険が実施されて一年半になりますが、サービス基盤の整備は遅れたままで、「選択できる福祉」といううたい文句とかけ離れた現状です。そのひとつが、特別養護老人ホームに入りたいと希望して入れない人が急増している問題です。私の住む江戸川区では千三百五十人に及びます。  ある方は、ご主人が徘徊のはげしいアルツハイマーで、精神病院などを転々としながら、もう何年も特養への入所を待ってています。くも膜下出血の後遺症の七十歳の女性は、申請をしましたが「五年ぐらいかかるかもしれない」と言われ、ひとり暮らしでもあり不安な気持ちを切々と訴えています。  私たちの調査では、特養の希望者は二十一の区だけで一万五千三百人、介護保険前のなんと一・九五倍になっています。ところが東京都の整備目標では、二〇〇四年度までに今後、三千四百床ていどしか増やさないことになります。都はこの目標で待機者は解消できると説明していましたが、見込みは実態と大きくかけ離れてきています。  知事、現在の計画は大幅に前倒しして整備を促進し、目標そのものを引き上げる必要があるのではないですか。  また第二回定例会で福祉局は、特養希望者の実態調査をおこなうと答弁されていますが、具体化はどうなっているのですか。都内すべての自治体・施設の現状とともに、希望者の生活実態にまで踏み込んだ調査が必要と考えます。お答え下さい。 特別養護老人ホームの整備数はここ数年、減り続けています。九九年度二十一施設、二〇〇〇年度十八施設、そして今年度の申請は七施設にすぎません。その背景には、都が介護保険実施にともない補助を大幅に減らした結果、運営がきびしくなり社会福祉法人の増設への意欲が低下している問題があります。  特別養護老人ホームに対する経営支援事業は、段階的削減・廃止をやめ、拡充するようつよく求めるものです。  特養の整備とあわせて、高齢者の方々が、介護や生活支援が必要になった場合も安心して住み慣れた地域で暮らし続けることができるように、多様な住まいを確保することも重要な課題です。  そのためには、まず第一に、すでにある制度を十分に活用していくことです。ケアハウスは東京でわずか十四カ所、痴呆性高齢者グループホームは三十一カ所、生活支援ハウスは一カ所にすぎません。他県とくらべても大きく立ち遅れています。  ひとり暮らしや高齢者のみ世帯が非常に多く、しかも増え続けているのが大都市・東京の特徴であるだけに、多くの人が老後の住まいについて、不安や悩みをかかえているのです。こうしたケア付き住宅の整備の遅れは、一刻も放置できないと考えますが、知事の認識と具体的対応を伺います。  知事は、高齢者の多様な介護付き住まいを確保するケアリビングの推進をうちだしていますが、私は既存の制度の活用と同時に、その枠内にとどまらない、新しいケア付き住宅のかたちを、東京から発信するよう提案するものです。 ケアハウスは介護が手薄で、グループホームは対象が痴呆性高齢者だけ、生活支援ハウスは食事サービスがないなど、既存の制度だけでは対応できない人がでてくるからです。 その点で、兵庫県の尼崎市をはじめとしたグループハウスの例が参考になるのではないでしょうか。阪神大震災のあと、高齢者の孤独死が大きな問題になったことに対応するため、ケア付き仮設住宅がつくられ、グループハウスへと発展しました。普通の民家に近い建物で、痴呆のあるなしにかかわらず、十人前後の高齢者が共同生活をしています。夜間も生活援助員やヘルパーが常駐し、孤独感から解放され二十四時間の安心が保証されています。介護保険の在宅サービスも利用できます。  東京でも、大田区の介護保険指定外のグループホーム「寿々」は、やはり痴呆の人も、そうでない人も、もてる力を出し合い支え合って生活しています。  こうした経験にも学んで、都としてのケアリビングのかたちを具体化し、制度に高齢者を当てはめるのでなく、高齢者の多様な実態と要求にあわせた制度をつくることが求められていると考えますが、答弁を求めます。  グループホームなどのケア付き住宅は、利用者負担が重いことも解決すべき課題であり、月二十万円をこえる場合も少なくありません。これでは低所得の人は、あきらめざるをえません。これを解決するため、東久留米市は市が借り上げるかたちで、利用者負担を軽減しています。  こうした自治体の努力に対し支援することをはじめ、用地費や建設費への補助、家賃補助など何らかの工夫をして、グループホームなどの利用者負担の軽減策を実施するよう求め、質問を終わります。

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