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2001年4月4日決算委員会建設局への質疑
赤羽北再開発の150億円の赤字を追及、掘り船印刷工場計画は船運利用を要求

●赤羽北再開発は、公共開発として大失敗

◯曽根委員 私からは、資料でいいますと、六番の都施行の市街地再開発事業の資料をいただきましたが、これも含めて、都施行の再開発問題、特に私の地元北区で行われております赤羽北地区の再開発事業について、何点か質問したいと思います。  まず、最近になって、赤羽北を含む亀戸・大島・小松川地区並びに白鬚西地区、三地区での再開発事業の赤字額が合計で千五百億円になるという報道がされました。これは、財務局の方から出たようですけれども、この金額の中で、赤羽北地区の再開発事業の赤字額の分というのは、どれぐらいになるんでしょうか。

◯梶山市街地整備部長 起債の償還が終了する平成二十九年度までを推計した場合、欠損額は今ご指摘のとおり、三地区全体で約一千五百億円ですが、このうち赤羽北地区は約二百五十億円となる見込みであります。

◯曽根委員 ほかの二地区で千二百五十億円、赤羽北地区で二百五十億円で、全体の五分の一ではありますが、事業面積、規模からいうと、亀戸・大島が九十九ヘクタールですか、白鬚西が四十九ヘクタール、この面積規模からいって、赤羽北はその三十分の一ぐらいになりますかね。ですから、面積当たりの赤字額というふうに単純に比べられないんでしょうけども、面積規模からいいますと、ほかの地区に比べて、五倍ないし六倍の赤字が赤羽北地区の場合、発生する見通しだということが明らかになったわけです。  これは、地元の住民、近隣の方も含めて、大変大きなショックを与えたことは間違いありません。つまり、この赤羽北地区の再開発事業は、ほかの二地区に比べて歴史はそう長くなくて、事業着手が大体バブル崩壊の直前ぐらいですよね。九〇年ごろですね。したがって、事業が進んだのはバブル崩壊してからという事情があったわけですから、バブルが崩壊して地価が下がり出したという、下がり始めたころはともかくとしても、もう地価はそう右肩上がりに上がる時代ではなくなったことがはっきりした九五年、たしか青島知事も、もう右肩上がりではないというふうにいわざるを得なくなった、長期不況がいわば固定化された時期には、こうした赤字についても検討が行われるべきだったし、一定の計算もできたんじゃないかと思うんですが、当時一切、この赤字については、地元の関係者にも明らかにされないまま事業が進行して、今日に至ったわけです。  なぜ、もうほとんど事業が終息段階に入った今日にならなければ、公表できなかったんでしょうか。

◯梶山市街地整備部長 赤羽北地区の再開発事業につきましては、良好なまちづくりという公共事業の所期の目的をほぼ達成することができました。事業終息を迎えつつある今日、収支均衡を目指して、コスト縮減など、種々の改善策を講じてまいりましたが、今ご指摘の昭和六十年の都市計画決定や平成元年の事業決定の時点では、地価の下落はございませんでした。地価の下落が平成四年度から始まったわけですが、このときには地区外希望者の約六割の方が、転出者の六割の方が、そういう形で達しておりまして、この段階で地区内にぽつぽつと空地がそういう形で出てきております。こうしたことから、事業をそういう形で中止するというふうな、あるいは見直しをするというふうなことはできなかったと。  その後、バブルの崩壊によりまして、いわゆる土地や保留床の処分価格の大幅な下落が起こって、多額の欠損の発生が避けられないということが判明したわけです。将来にわたりまして適切に事業を遂行していくためには、こうした問題を明らかにすることがまず重要であると考え、本年一月二十四日の十三年度予算原案の発表に当たり、公表したものであります。

◯曽根委員 最初のお答えにあった良好なまちづくりがほぼ終息に近づいたと。果たして良好なまちづくりになっているかどうかについては、後でちょっとやりますけれども、後半のいわば虫食い状態になってきたときにとめられなかったんだというのは、私は、やはり地元の方には納得のいかない話だと思うんです。  この再開発事業がなぜ進むことができたのかといいますと、おかしな話ですが、これはバブル崩壊があったからこそ、半分近くおりました、なかなか売ろうとしなかった方が、自分の持っている土地の値が急速に下がり出した、売らざるを得なくなるところに追い込まれたといいますか、そのために、その後急速に土地の買収が進んだと思うんです。  そういう性格を持っていたので、さらに買った後の処分の段階になれば、さらにまた土地が下がったということで、東京都も赤字を出さざるを得ないと。私は、やはりその判断のチャンスといいますか、バブル崩壊直後、またその後、一定のチャンスがあったと思うんですよ。  また、もし東京都が事業を大幅に見直すという決断をするならば、自分はここへ残りたいんだという事業者の方、特に商店街の商店主の方はたくさんいたわけで、そういう意味では、もっと早くこの判断といいますか、むしろ客観的な、少なくとも赤字が見込まれるということぐらいは明確に示して、その上でどうするんだという判断があってしかるべきだったと思うんです。  もう一つ、私、思いますのは、最近になって、この赤字見込み額が発表された背景には、この赤字を減らすためには、さらに近隣の住民を含めて協力を求めるということで、今、行われておりますのは、最後に残ったF、G棟という再開発ビルの建設について、特定建設事業者という制度を使って民間に全部お任せをすると。そのためには、規制緩和を行って、十四階建ての計画を十七階まで引き上げるというふうにしたわけですね。都市計画審議会でも決定をした。  そのために、民間に売却する土地の値段も、当然ながら私は上がったと思うんですね。どの程度、この赤字の穴埋めに効果があったのか、数量的にわかれば、ぜひその点をお願いしたいと思います。

◯梶山市街地整備部長 今回の三階分の件ですが、今回の変更の目的は、駅に近い利便性の高い地域での良質な住宅の供給増加を行って、そして土地の合理的な高度利用を図ると、こういうことを目的としているものであります。  この結果、確かに敷地の効用が高まったと考えておりますが、この土地の売却価格への影響を把握することは、極めて困難であります。

◯曽根委員 事業者としてみれば、最終段階の最後のビルですから、できるだけ赤字を穴埋めしたいというふうに思うのは、事業者の側からいえば当然ですよ。しかし、そのためには、赤字額はどれぐらいかということをいわば明らかにして、その穴埋めのためには仕方がないんだということで、この計画をのんでもらう必要があった。私は、だから赤字額の公表というのは、いってみれば、さらに住民の協力を取りつけるために数字が出てきたんじゃないかなというふうに思わざるを得ないんですね。  その上で、住民に何を協力を求めるかというと、今までは十四階建てで、全部高さはそろえますよという約束が、最後の建物だけは十七階、当初は十八階と計画されたんですが、さすがにいろいろ反対があって十七階に下げたんです。高い建物をのんでくれと、これは再開発の住民ではなくて、再開発の直近に住んでいる地域外の住民に大きな影響が出るわけですね。そういうことを、いわば住民の協力を求めるためにやられたことではないかと思うんです。  これに対して、五十軒近くの方が非常に厳しい抗議をしているわけです。自分たちは、再開発で別にその立ち退き料をもらったわけでもなければ何でもない。地域外の方ですから。しかし、最初は公共の開発だということで、いろいろ我慢してきたけれども、最後になって、赤字の穴埋めのためにまた犠牲を負わされるのはとんでもないということで、今、知事に対する要請も何か行われているわけですね。  それで、私はこれからはまちづくりが終息段階で、今からもとに戻すということはもちろんできないわけですから、せめて最終的なまちづくり、例えば最近の内容でいいますと、駅に通勤する方の道路がちゃんと整備の計画に入ってなかったということで、その道路を加えるなど、若干の改善も行われていますので、さらに今後、駅前広場や、それから今度高くなる計画のビルの周辺、区画道路などなど、こういうところについては、地元に、地域内に住んでいる方はもちろんですが、地域周辺のまち全体との調和、住民の声、こういうものを配慮して、最大限尊重する必要があると思うんですが、いかがですか。

◯梶山市街地整備部長 先生もう既にご案内のとおり、当地区は、かつて老朽化した建物が混在しておりまして、バス通りも非常に狭く、交通渋滞の激しい地域でございました。  地元住民、北区、区議会の強い要望を受け、本事業を推進してまいりましたが、具体的には、北赤羽駅の駅前広場、それから環状八号線等の公共施設の整備、さらには、定住化促進などを目的として事業を進めてきたわけであります。  今日、そういう意味では、便利でにぎわいと活力に満ちた近代的なまちに大きく生まれ変わりつつあるというふうに思っております。周辺地域を含め、二十一世紀に希望と誇りが持てるような、そういうまちとして発展するというふうに考えているわけであります。  今、お話にありましたF、G棟の直近の方々に対しましても、都市計画の段階、あるいは特定権利者のそういった公募の話だとか、これまでもいろいろ話し合いを行ってまいりました。都市計画の内容である建物階数を、十八階から事業計画の段階で十七階にするとか、加えて、道路からの建物の後退距離、セットバックも六メートルから八メートルにするなど、ご要望に最大限こたえた計画としたものであります。  今後とも、地元住民の方々の理解と協力を得ながら、事業の早期完成に努めてまいりたいと思っています。

◯曽根委員 最後にお話しになった地元住民、これは、地域内はもちろんですが、先ほども申しましたように、ずっと開発に協力を惜しみなくしてきた、しかし今回、いわば計画の上乗せを押しつけられた近隣住民の方も含めて、よく声を聞いていただきたいというふうにお願いしておきます。  それと、まちづくりの評価の問題で、建設局としては、安全で、いわばきれいな建物、公共施設を整備するという点では、確かに見違えるほどきれいになったのは事実なんですよ。しかし、じゃ、にぎわいと活力が本当に北赤羽駅周辺のこの再開発地区を中心に生まれているのかなと。既にマンションもかなり入居していますけれども、昼間の、また夕方についても、買い物客が決して多いとはいえない状況ですよ。  私は、つい最近も、北赤羽駅から、建設局の方でつくったモールといいますか、アーケードの商店街がありますね、両側に二十店舗ぐらいありますか、ずっと歩いてみたんですが、入り口がマクドナルドとampm、そのあとは、バーがあったり学習塾があったり、食堂、プラモデル屋さん、クリーニング屋さん、雑貨のディスカウントショップ、お医者さんなどなどありますけれども、生活用品を売っている店がほとんどないんですね。宝石屋さん──魚屋さんが一軒と果物屋さんが一軒ありますが、そのモールをずっと突っ切ると、駅から二百メートルぐらいのところにライフという大きなスーパーがある。そのモールにある二十軒ぐらいの商店街の面積全部合わせても、恐らくライフに及ばないと思うんです。  どんなに勝負しても、日常生活用品ではライフにかなわないように形ができているんじゃないかなと。だから、恐らくその商店街は入れかわりの激しい商店街になるだろうと思います。かつてはそこに、ほとんど老朽化と今おっしゃいましたが、古いけれども結構生活にはなじんだ商店街があったわけで、そこにおられた方の大半は廃業するか地区外移転をされました。そういうところに追い込まれてしまったわけで、反対運動のリーダーの方が自殺するなど、住民の方にとっても、大変苦渋の選択の開発だったわけです。  今さら取り戻すことはできないにしても、これから住み、営業しなければならない方々のせめても利便性を高めるという点で、惜しみない努力をお願いしておきます。

●掘り船の印刷工場計画について

 それから次に、私、この間ずっと取り上げているんですけれども、河川部の方にお聞きしたいんですが、隅田川沿いに今度、大きな規模の新聞印刷工場が計画されておりまして、北区の堀船四丁目になるんですけれども、K21プランという名前がついていますが、これは、都市計画局さんや関係局さんにもお聞きしましたが、高速道路の中央環状王子線の出入口のランプがその近くにできることをねらって、その近くに新聞工場を持ってくるという計画で出てきたものです。  日量二百五十万部という日本で最大の印刷部数を出す。新聞社も一つではなくて、読売新聞と、もう一つ、朝日新聞を印刷する日刊スポーツ印刷社というところが入るわけですが、この工場の問題では、私は、これから二十一世紀のまちづくりを考える上で、二つの大きなエポックになるだろうと思います。  一つは、高速道路ができることによって、その出入口があく。そうすると交通渋滞が解消になるというふうに東京都は今盛んにいっていますけれども、もう一つは、その地域の様相が変わってくる。出入口を使って利便性が高まるということから、工場が進出したり企業が進出してくる、こういうことをむしろねらって高速道路というのはつくられるものだというのが、都市計画局のお答えでした。  出てきたのがこの新聞印刷工場なんですが、しかし、地元の住民にとって、例えば雇用が発生するとか活力が高まるとかいう施設でないことは、もはや明らかなんです。むしろ、いわば夜中の新聞配送トラックの騒音や排気ガスに悩まされなければならないということを、大変地元の方々は恐れているわけです。  もう一つのエポックとしては、私は、隅田川沿いに直接面してこの工場が建てられるということで、むしろこの工場に伴う物流を船便を利用するという可能性が開けており、また、このことについては、地元の荒川区長、北区長、都知事も含めて、環境アセスメントの意見の中で、そういう活用の方向をということで意見も出されているということから、これは、河川部が今管理しております隅田川のいわば活用方向として、非常に大きなチャンスを持っているんじゃないか、可能性を持っているんじゃないかというふうに思うわけです。  それでお聞きしたいんですけれども、まずこのK21プランについて、当然ながら船便の活用というようなことが検討されたと思うんですけれども、隅田川沿いで、今までは余り、新たな船着き場、荷物の上げおろしの設備、そういったものを認めてこない傾向にあったんじゃないかというふうに私は聞いているんですが、最近、モーダルシフトというようなことがいわれて、また環境の問題もいわれて、船便の活用、河川のそういった物流の利用という方向で、行政としても積極的な方向になりつつあるんじゃないかというふうに受けとめているんですが、それで間違いないでしょうか。

◯高本河川部長 荷揚げ用の船着き場でございますが、河川占用上は、従来から原則として、公的主体であれば設置を認めてまいりました。平成九年に河川法が改正になりまして、それ以降、平成十一年八月に河川敷占用許可準則が改正されました。それにおきましては、事業者等についても、必要やむを得ないと認める場合には、占用主体となることが規定されております。  したがいまして、占用の許可に当たりましては、河川の適正な利用及び一般都民の利用との調和を図りながら、個別具体的に適用を判断していく、このようになっております。

◯曽根委員 そういう意味では、民間の事業者であっても活用する道が開けてきている、行政の方ではそういうふうになっていると思うんです。ここ数年で見てみて私が知る限りでは、一時的な工事だとか、それから、しゅんせつや建設残土の積み出しとか、そういうことを除けば、継続的に、例えば工場の製品や原料を搬入搬出するような形で隅田川の河川利用という可能性が大きく生まれたというのは、このK21プランが久しぶりかなというふうに思うんですが、建設局の方ではこういう点は把握しておられますか。

◯高本河川部長 K21、いわゆる北区堀船印刷関連施設建設事業でございますけれども、この件に関しましては、先ほど委員ご指摘のように、都市計画局、当時の環境保全局、あるいは、私ども建設局等ともども、いろいろと局内で相談しておりますので、K21の事業につきましては承知しております。  なお、舟運の利用につきましては、私どもも、河川占用準則が改正されたことを踏まえまして、また、地元堀船交通環境問題対策協議会など、地元からの強い要請もございまして、新聞資材の輸送や、例えば工事期間中における建設資材、土砂の搬入、そのような舟運利用について、条件が整えば施設整備の可能性があることを事業者に伝え、検討を促してきたところでございます。

◯曽根委員 そのことはわかりましたが、ほかの例としては、私、例えば工場や企業で、最近、船着き場をつくって、残土その他は別にしても、継続的に使おうというような計画が浮上したことはないと思うんですが、どうですか。

◯高本河川部長 河川占用準則が改正された平成十一年度以降、新たな占用許可をしたものはございません。

◯曽根委員 この規模からいっても、それから、ちょうどその工場が河川に沿っているという点からいっても、ここで新聞の原料であるロール紙の搬入、これは、聞くところによると、品川ふ頭に船で来ているわけで、そこからトラックに乗りかえて、一般道もしくは高速道路を通って、わざわざ陸路を工場に搬入する計画だと聞いていますが、そういうことをしなくても、隅田川をさかのぼってくれば直接搬入ができるんじゃないかということなども含めて、河川利用がもしここで開かれるならば、いわば今後のいわゆるモーダルシフトの大きな道が開けるということになると思うんです。事業者にとっては、多少のやはり設備投資など負担ができるわけですけれども、そういうことも含めて、ぜひ積極的に取り組んでもらうように、都としてもお願いをしていただきたいところなんですが、先ほど、検討を求めたということでしたね。それで、検討結果については、どんな報告が来ているのかということについてお聞きしたいんです。  私が聞くところによると、検討したけれども、刷った新聞が配達先で二時間おくれになってしまう、だからできないんだという返事が来たらしいんですが、聞くところによると、工場から川のところまで、そんなに距離ないんですけれども、わざわざトラックに一回積んで、トラックで川べりまで持っていって、またそこで船に積みかえるという作業をわざわざ入れていることとか、船に積んでから、できるだけ配達先の近くまで船で運ぶということを想定しているとか、わざわざ時間が延びるような想定をしたんじゃないかと思われるような想定でのシミュレーションの結果報告というのが、荒川で住民説明で行われたらしいんですよ。どうも事業者の方は本当に、舟運利用といいますか、やる気があるのかなというふうに疑わざるを得ない気がするんですよ。  建設局の方にも当然報告があったと思うので、その点はどうとらえておられるのか、また、ロール紙の搬入については、これは技術的にも実際上も十分可能だと思うんですが、その点のご判断はいかがでしょうか。

◯高本河川部長 事業者から聞き取りしたところによりますと、新聞の配送がおくれるという結論が出るに当たりまして、さまざまなシミュレーションをしたというふうに聞いております。  ただいま先生おっしゃったように、場内の移送時間、あるいは船舶への積み込み、また船舶の移動時間、あるいは船舶が届いた先でさらにトラックへ積み込まなくちゃいけない、これらを含めまして、幾つかのケースを検討したというふうに聞いております。その内容につきまして、私どもは、これは事業者の責任においてそういう判断をしたというふうに考えております。

◯曽根委員 それは刷った新聞の配達についてなんですが、これについても、今、じゃ、本当にやる気になって計画したときに、できないことなのかという自主的なシミュレーションをやろうという運動も起きているわけですね。  それからもう一つは、搬入の方の、つまり品川ふ頭に着いたロール紙を船に積みかえて持ってくる、こちらの方は極めて現実的、実際的じゃないかと思うんですが、この点については報告ありましたか。

◯高本河川部長 ロール紙の搬入につきましては、途中の橋梁が支障になって、そこから上流に進めないというようなことで、ロール紙の搬入につきましてはできない、こういった報告を受けております。

◯曽根委員 そういう話らしいんですけれども、なぜできないのかというふうに事業者に詳しく聞くと、わざわざロール紙をコンテナに詰めて、コンテナ船で上流に上がるという想定をしたと。それは突っかかりますよ、コンテナだと。しかし、実際には、ロール紙というのは、コンテナに詰めて運ぶことはほとんどないそうなんです。ですから、船底の深い船に積みかえれば十分に可能と。しかも、帰りに積み荷をおろして船が水面に上がった後は、岩淵水門を通って、荒川を通って帰ればいいわけですから、この点も問題がない。専門家の方も含めて、技術的にはクリアできるという見解が出されております。  間もなく、四月七日に、自転車と路面電車と舟運の街づくりの会というところが、こうしたシミュレーションも発表したいということで運動を進めているらしいんですが、私は、建設局河川部としては、むしろ今まででいえば、治水、安全という立場から河川管理をしてこられたと思うんです。  ただ、今までのテリトリーではないかもしれませんが、これからは、まちづくりにそういう面でも一役買う、舟運利用による物流を河川利用によって広げるということについても、より積極的に、治水や安全だけではなくて、河川の積極的な活用という方向に、建設局の皆さんがぜひ一歩踏み出してほしい。報告を受けて、事業者の責任であることは当然ですが、もう一歩二歩、やはり働きかけるということが、私はぜひ必要ではないかと思うんですが、この点について、最後にちょっとお聞きしておきたいんですが、いかがでしょうか。

◯高本河川部長 この事業につきましては、本年三月二十一日に、環境影響評価書が事業者から都に提出されたところでございます。今後は、事業調査の手続を通じて適正に事業が進められるものと考えております。  ご指摘の新聞配送を河川でというお話につきましては、あくまでも事業者がその責任において配送の方法を決定するものだというふうに考えております。  したがいまして、地元の意向とかさまざまな条件のもとに、舟運を利用するかどうかは事業者が判断する、それに基づいて建設局としては、事業者から河川利用について施設設置のための占用をしたい旨があった場合、その内容を検討する、こういう流れになると思いますが、現時点、先ほど申しましたアセスの手続が進んでいる現在、建設局としては改めて事業者に働きかける考えはございません。

◯曽根委員 事業者の方は、河川を使うことは技術上は可能だけれども、実際上無理があるといろいろな理由をつけて、なかなか積極的になろうとしていません。アセスメント手続、もう最終段階に入っています。したがって、何が何でも押し通そうという姿勢にだんだんなってきているんですね。  ところが、アセスメントで道路の騒音調査をやってみると、五十カ所ぐらいで測定したうちの六割が基準オーバー、夜間で五〇デシベル、昼間で六〇デシベルを超えてしまうという結果も出ているわけで、特に夜間、この集配トラックが町中を走り回ることによる騒音の基準オーバーという問題は、今後、もし仮にこのアセスメント手続を強行突破したとしても、必ず地元との関係で残る問題です。私は、事業者は早晩、やはり船便の利用ということも考えざるを得なくなる事態が必ず来ると思います。  そういう時点で、建設局さんの方に、そういった計画の変更なり見直しの話があったときには、ぜひ個別にきちっと判断をしていただき、積極的にこれを進める方向で取り組んでいただきたいということを最後に要望して、質問を終わります。

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