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2001年4月6日決算特別委員会の港湾局・都立大学事務局への質疑
●臨海開発関連の豊洲埋立で、港湾機能移転などしわ寄せが・・

◯曽根委員 私からは、東京港の今後の役割、これまでの実績を踏まえてどういう方向を目指していくのか、これを周辺の開発の状況等の関連も含めて、何点かお聞きしたいと思います。
 まず、資料として1の取扱貨物量の推移を見ますと、十年前に比べて、この決算年度十一年についていえば、総取扱量でいえば五位から三位、特に外貿コンテナの取扱量についていえば三位だったものが、現在は国内主要港の中でもトップというふうに役割を高めていることがわかります。そういう点では国内でもトップクラスの外貿コンテナを中心とした主要港であり、しかも国際的にも物流の拠点、いわゆるメーンポートになってきていることは明らかです。

 そこで、国際港としては、その次のページにあるような、主要港の中で、特にアジアの中ではシンガポールや香港のように、取扱貨物量の七割から八割が海外から入ってきて、また同時に海外に出ていくという、いわゆる国際的な中継港、いわゆる国際ハブ港ですね、こういう役割を果たしている港と、東京港のようにバックに巨大な消費地を抱えているために、いわば消費物資の受け入れ港、もしくは産業による製品の積み出し港というふうに、国外に開かれた入り口という役割を果たしている港とはおのずと国際的な役割も違ってくるだろうと思うんです。
 実態から見まして、東京港についていえば、これは都民の消費を支える、また産業を支えるという役割が中心だと思いますし、今後もこれは基本的に変わらないと思うんで、そういう点で海外のいわば中継貨物の取り扱いを競い合っている国際ハブ港などとの国際競争を、必要以上に争う必要はないというふうに考えるべきだと思うんですが、東京港のあり方について基本的な考え方をお示しいただきたいと思います。

◯高橋港湾経営部長 今、先生から、ハブ港、メーン港の違いについていろいろご丁寧な説明がありましたが、東京港の進むべき基本的な方向でございますが、東京港は大消費地東京に最も近く、消費生活物資を中心に扱う商業港でございます。そのすぐれた立地特性や充実した港湾施設が世界の船会社、あるいは荷主などの物流関係者に高く評価をされております。今後、消費者ニーズに対応いたしまして、コスト削減、あるいはスピードアップなど物流効率化が一層求められる中で、東京港の物流拠点としての重要性はますます高まっていくというふうに私ども予測をしております。
 都といたしましては、これまでの東京港のこういった特性を生かしながら、引き続き世界のメーンポートとして、東京及び首都圏四千万人の生活と産業を支える役割を担えるよう努めていきたいというふうに考えております。

◯曽根委員 基本的なあり方はそういうことになると思うんですね。そこで、最近、東京港の振興促進協議会などで関係者の協議が進んでいるわけですが、この中で、いわゆる三百六十五日二十四時間のフルオープンを目指すという方向が打ち出されているわけです。私は、確かに国際的な貨物がどんどん入ってくる、いろんな時間帯、いろんな日にち、日曜日であっても今は船が動いているということでいえば、その受け入れを随時行えるようにするという点は、受け入れ体制としてはそういう方向を目指すのは当然かと思いますが、例えば先ほどいいましたように、中継貨物をどっちが取り合うのかというような競争のためではなく、また、そういうふうな競争に参入する必要はないわけで、そういう意味でいわば東京都民にとって必要な物資が日常きちんと入ってくる、また輸出港としての役割も適切に果たしていくという範囲で充実をさせていけばいいんじゃないかというふうに考えております。

 それで、一つは、そうした二十四時間フルオープンということになれば、当然、港で働いている方々の労働条件がどうなるのか、必要な人員の強化はされるのか、こういう点がちょっと心配なわけですね。かつては海外の港、それから国と海外の政府との関係でも多少のあつれきがあったこともあります。そういう点で、現在検討中の港の機能の充実という点では、労使間を含めて関係者の合意のもとに進められるべきだというふうに考えるわけですが、このフルオープンにする必要性について、また、それに基づく合意という点での局の認識をお聞きしたいと思います。

◯高橋港湾経営部長 二点のご質問にお答えをさせていただきます。
 まず最初に、二十四時間三百六十五日フルオープンが必要かというご質問だと思いますが、東京港を初めとする我が国の主要港湾は、他のアジアの諸港と比較いたしまして、港湾の利用にかかわるトータルコスト、こういったものが高い、あるいは利用時間に制約があること、さらにはいろいろ諸手続が煩雑である、こういったことから港の使い勝手に非常に問題があると、こういうことがかねてより指摘をされております。
 そういったことから、その総体的な地位を低下させておりまして、今、急速に国際競争力を失いつつあるという認識に私ども立っております。
 東京港が引き続きメーンポートとしての地位を維持していくためには、港湾を取り巻く規制の見直し、あるいは効率的な荷役体制、利用者のニーズに対応した低コスト、高サービス体制の変革が不可欠であるというふうに考えております。
 もし仮に東京港がメーンポートとしての役割を喪失することになりますと、物流コストの上昇、物資供給の不安定化、流通時間の増大など、都民だけではなく首都圏の生活と産業に多大な影響を及ぼすことになります。このため、東京港では、先生、今ご指摘ありましたが、一昨年、平成十一年四月に官民一体となって東京港をどういうふうに使うかということでアクションプランというものを策定いたしまして、港湾荷役サービスの拡充など、やはり使いやすい港づくりに努めているところでございます。
 一方、国におきましても、港湾運送事業法あるいは港湾労働法の改正が行われておりまして、港湾運送事業の規制緩和も図られ、日本全体の港を使いやすいものにするという努力が図られているところでございます。このように港湾をめぐる環境は大きく変化をしておりまして、国際港湾である東京港におきましても、二十四時間三百六十五日フルオープン、こういった港湾サービスの充実を図っていかなければならないというふうに考えております。
 もう一つのご質問でございますが、フルオープンに当たっていろいろ労働条件を含めて労使間のいろんな話し合いが行われるべきだろうということでございます。おっしゃるとおり、こういったフルオープン化の実施によりまして、港湾労働者に過度の負担がかからないよう配慮する必要があると考えております。
 このフルオープン化の実施に当たりましては、日曜荷役あるいは夜間荷役、こういった労働者の交代制勤務の導入が不可欠でございます。世界の主要港湾もほとんどといっていいぐらい、先ほど先生が挙げたいろんな港でもそうなんですが、二交代、三交代という形で交代制勤務による二十四時間体制をとっております。残念ながら我が国では、そういった体制がまだとられていない状況でございます。
 そういったフルオープンに対応するため、今後は具体的な勤務条件、例えば時間外勤務など新たに必要となる労働コスト、こういったものをだれが負担するかといったような問題、あるいは荷役の必要に応じた柔軟な交代制勤務、これにどう対応するか、こういったことを検討していく必要があるというふうに考えております。
 いずれにしましても、こうした勤務条件につきましては、基本的には事業者と労働者の双方で実施に向け十分な話し合いをしていただき、具体的な条件を探っていくことが必要であるというふうに認識をしております。私ども港湾管理者といたしましても、これまで港湾法等に基づきまして、港湾労働者等の労働環境の改善を図るために、福利厚生施設等の管理、整備をしてきたところでございます。今後、二十四時間フルオープン化が実現した場合には、必要に応じて福利厚生施設の整備に努めていきたいというふうに考えております。

◯曽根委員 今お話しのあったように、アクションプランを見ますと、二十四時間、当然交代制勤務という新しい本格的な体制も必要になるということから、福利厚生施設の必要性なども明記されておりますので、これは当然だと思います。同時に、日曜荷役の促進ということでいうと、何といいますか、企業間の労働者の相互融通なども考えていかなければならぬとか、余り人数をふやさない中でうまくやろうというニュアンスもその記述の中に見えるので、そういうふうに考えていくよりは、私は、このフルオープンにするに当たって──これまではコンテナの導入などによって港で働いている雇用人数というのは極端に減ってきたわけですよね。ひところの恐らく五分の一ぐらいになっているんじゃないかと思うんです。それが改めて、本当に二十四時間開港していくために、むしろ雇用の場を広げるといいますか、交代制勤務で人員も増強して十分な人を配置するということが可能になるならば、これが一番いい方法だと思うんですね、今、雇用が非常に厳しいときですから。そういう方向でぜひ積極的に検討していただくようにお願いをしておきたいと思うんです。
 それからもう一つ、国際的な入り口として、玄関としての役割を果たす上でも、あそこからさまざまな形で国内に物資が供給されていく。特に内貿関係のふ頭の整備というのは、東京港のもう一つの機能として大変重要だと思うんです。現在、内貿は臨海開発地域に囲まれた形で十号地を中心に行っているわけですが、この充実を目指すという点でいいますと、いわばスペースその他なかなか今後、課題が多いのかなというふうに思うんですが、この内貿機能の充実という点についての局の考え方をお聞きしたいと思います。

◯高橋港湾経営部長 先ほど先生から紹介いただきました当委員会の資料でございます内貿貨物の推移を見ましても、ある程度横ばいでございましたが、最近の国内経済が非常に低迷をしている中でかなり貨物量が停滞をしております。そういった中でも私ども、こういった国内物資にどうやって対応していくかということで、一つは、いろいろ環境面の配慮を図りながら、経済性、効率性、こういった観点から、多様な輸送手段があるわけでございますが、そういった中からとりわけ長距離貨物輸送、こういったものを海上輸送が選択されるようモーダルシフトを推進する、こういうことが重要ではないかというふうに考えております。そのためには、コンテナ船あるいはローロー船等の船舶の大型化、高速化に対応する岸壁の整備、こういったことを初めといたしまして、広い荷役ヤードや駐車スペースを有するターミナルが必要だろうと、このように考えております。
 このため、東京港におきましては、既存のふ頭の再整備を進めるとともに、新たなユニットロードターミナル、こういったような整備を計画いたしまして、既に、先ほどご紹介がありましたが、内貿の拠点でございます十号地その二ふ頭におきまして、ローロー船対応のユニットロードターミナルの整備を実施したところでございます。これ以外にもいろいろ、十号地のふ頭におきまして、内航コンテナ船の拠点を整備しております。さらに、外貿コンテナふ頭におきましては、関税法上の制約から、これまでは内航船舶が接岸をできませんでしたが、一部規制緩和と関係官庁への働きかけによりまして、内航船の利用が可能となりまして、外貿コンテナ貨物の効率的な国内海上輸送が実現をしておりまして、実績が年々増加をしております。
 今後ともこういったモーダルシフトというものを推進していく中で、輸送革新に対応した施設整備などをやりながら、内貿機能の充実に努力をしていきたいというふうに考えております。

◯曽根委員 充実を進めていく上で、やっぱり耐震補強、耐震強化が不可欠だと思うんですけれども、たしか九七年に私、事務事業質疑のときに、日の出ふ頭が大正時代からの岸壁がそのままになっており、桟橋を支える柱がもうさびついて細くなって、本当に重量物を載せると大変なことになるんじゃないかというように重大だということで、直ちに改修をというふうにお願いしました。そのとき余りはっきりしたお答えはなかったんですが、この日の出ふ頭を含めて内貿などのふ頭の強化、改修がどういうふうに進められているのかをお聞きします。

◯小池港湾整備部長 ただいまご質問の老朽化しております内貿ふ頭の改修の件でございますけれども、私ども港湾局といたしましては、築造以来長い年月がたっているふ頭につきましては、平成七年度と平成八年度の二カ年にわたりまして、ふ頭施設の健全度調査を実施しております。その際、補修が必要と認められました箇所につきまして、安全性の確保や施設の延命化を図るために、順次計画的に対策を講じてきております。
 ただいまご質問のございました大正十四年に東京港において最初に築造されました日の出ふ頭についてでございますが、これにつきましては、四バース三百八十二メートルにつきまして、平成十年度からコンクリートくいの補強及び床板の打ちかえを実施しておりまして、平成十三年度、今年度には完了する予定になってございます。
 また、主に西日本方面と結ぶ内貿雑貨輸送の拠点となっております十号地その二ふ頭では、全バースで二十四バースあるわけですが、二千四百二十メートルにつきまして、平成十一年度から鋼矢板及び鋼管くいの腐食対策を平成十六年度完了目途に実施しております。
 なお、十号地その二ふ頭につきましては、液状化する部分につきまして、昭和六十三年から平成八年度まで、六バース八百十メートルについて既に液状化対策を実施してございます。さらに、北海道定期航路の輸送拠点であります品川ふ頭の内貿三バース四百七十六メートルについては、平成十年度及び平成十一年度に鋼矢板の腐食対策を既に実施済みでございます。

◯曽根委員 日の出のふ頭についても十年度から、もう今年度で終了するということで、ほっと一息というところなんですが、引き続き老朽化した内貿ふ頭の整備を急いでいただきたいと思います。
 それと、十号地とともに、いわば内貿関係のもう一つの拠点でありました豊洲のふ頭ですね、島の関係、それから、ばら物、鉄鋼ふ頭などがあそこにあったんじゃないかと思うんですが、これは今、開発との関係で移転していると思うんですが、豊洲にあったふ頭はどこにどういうふうに移転したんでしょうか。

◯高橋港湾経営部長 今ご指摘の豊洲ふ頭でございますが、現在は鉄鋼の民間専門ふ頭、それと内貿雑貨の公共ふ頭がございまして、鉄鋼あるいは伊豆七島など離島向けの雑貨等を取り扱っております。これらの施設につきましては、港湾計画等に基づきまして、沖海側、海側に移転を再配置をいたしまして、機能の更新、向上を図ることとしております。
 跡地利用につきましては、この地域にありますエネルギー関連施設跡地を含めまして、ふ頭全体におきまして、業務、商業などの複合地域として開発をし、この地域の活性化に資することとしております。
 移転計画でございますが、民間のこの鉄鋼ふ頭につきましては中央防波堤の内側埋立地に移転をする、内貿雑貨公共ふ頭につきましては十二号地のふ頭に移転する、こういう計画を立てております。
 なお、既に公共ふ頭でございました石炭ふ頭は、平成十二年五月に中央防波堤内側埋立地への移転を終了しております。

◯曽根委員 豊洲のふ頭というのは、島の方々を含めた、ばら物といいますか、いろんな雑貨のものを扱うふ頭として、私は大切な役割を果たしていたんだと思うんですよ。それが、先ほどは港湾計画に基づいてとありましたが、要するに豊洲を再開発して都市にするということから、それも、私は陸側で防潮堤ができるというふうに、そうすれば十分の一ぐらいの費用でできるというふうに指摘しましたけれども、六百億円ぐらいかけてわざわざ周りの海を埋め立てて防潮堤をつくることまでやって、それで豊洲の開発をやると。その連動で、ここにあったふ頭があちこちに移転せざるを得なくなった面があると思うんです、もちろん機能もアップさせるのは当然ですけれども。そういう実態があったということは指摘しておかなければならないと思うんです。
 今後、東京港のこうした内貿ふ頭の充実の上で大きなネックになるのは、今回の豊洲の開発、そして、かつては臨海開発が青海の北半分まで食い込んできまして、あそこにあった大型のバースに使えるふ頭を三百五十メーターぐらい食い込んだわけですね、北から。今テレコムセンターなんか建っているところまでですけれども。こういうふうに港湾の用地を都市開発にとられていくというのが、それで港の機能はどんどん南へ下がっていて、あと残っているのは新海面処分場しかないわけで、この先埋め立ては基本的にできないということですので、本当に港の役割をきちんと守っていくためには、これ以上都市開発に追い立てられるという関係にしないことが重要だと思うんです。これは港湾計画全体の問題になりますが、今後の東京港のあり方として、港湾機能の充実確保、このことに全力を挙げていただくように求めまして、質問を終わります。

●都立大学の改革は、基礎研究の充実から

◯曽根委員 都立大学については、最近、都立四大学の統合の方針といいますか、方向が打ち出されるなど、どのような方向で今後発展させていくのかがいわば大きな課題となっているわけです。
 ここでやる議題ではありませんが、我が党としては、まず、都民にこの間の論議の成果をきちんと明らかにしながら、公開の場で議論を進めていくこと、密室で協議をしないこと、また、大学のいわば現場を担っている方々の意見を大いに尊重することなどについては、意見をいってきたところです。
 それを考えていく上でも、一昨年度になりますが、十一年度、九九年度の決算の内容について、私は基本問題について幾つか聞きたいと思うんです。
 今資料をいただいたので、少し傾向も出ているんですが、大学の関係でハード、ソフト、ハードの方は校舎維持管理費、施設整備費など、また研究費のソフトの部門も含めて、平成九年度、九七年度をピークとしてその後若干下がってきているんです。一割ちょっとですけれども、もともとぎりぎりの予算の中で運営をされていたわけですし、それが一割以上減らされるということになれば、必ずどこかにしわ寄せが出るんじゃないかというふうに心配なんですけれども、一つは、校舎維持管理費などについて、この削減分というのはどういう形で影響が出ているのか、そして、今後もこのまま続くとするとかなり大変だと思うんですが、今後についてはどのように考えておられるのか、お聞きしたいと思います。

◯二村次長 校舎維持管理費につきましては、大学の建物管理のための経費でございまして、都の厳しい財政状況を受けまして、平成九年度以降は予算が減少しているところでございます。そのため、本学におきましては、委託業務の内容の見直しであるとか、効率的な執行のための工夫などの内部努力によりまして、教育研究に支障が出ないように努めているところでございます。
 また、本学の校舎等は建築後既に十年以上が経過しておりますので、平成十二年度に行われました外部監査報告におきましても、長期的視点に立った施設設備の大規模修繕計画等の策定の必要性を指摘されているところでございまして、今後、計画の策定を含め、適切に対応してまいります。

◯曽根委員 建物は、十年たちますと、さまざまな面で大規模改修というのが必要になるわけで、これからそういった面での予算、むしろふやしていかなければならないというふうに思うんです。
   〔委員長退席、田島副委員長着席〕
 それから、もう一つの面として、この同じ九一年度ですか、平成三年度に比べて学生の数も、当時の四千七百人余りから、九九年度、平成十一年度には六千三百人余りと、約一・五倍に学生は定員をふやしているわけですよね。そういう意味でも、利用する学生の数がそれだけふえているわけですから、清掃その他校舎の維持管理、設備関係も含めて、当然ながら、予算としてはふやして当然のところでありますので、予算の確保に全力を尽くしていただきたいということを、まず申し上げておきたい。
 それからさらに、大学のいわば真髄であります研究予算、これも平成九年度、九七年度をピークとして減り続けてきているわけです。この減少というのは、やはり大学のいわば価値を決める教育研究に影響を与えざるを得ないというふうに思うんですが、そういった面で、今の状況についてお聞きしたいと思います。

◯二村次長 大学といたしましても、研究費等は大学の研究教育におきまして不可欠なものと認識しているところでございます。そうでありますが、厳しい都の財政状況の中では、一般財源によるものにつきましては、研究費や施設整備であっても、これが削減の対象となるというものでございまして、しかし、研究費につきましては、受託研究費や提案公募型研究、あるいは教育研究奨励寄附金など、外部資金の導入に積極的に取り組み、受け入れをふやしていくことで、研究水準や研究環境の確保を図ってまいりました。また、施設整備につきましても、緊急性や必要性の観点から執行内容を精査して、予算の効率的な執行に努めてきたところでございます。

◯曽根委員 特に、今、教育研究費の中に外部資金の導入に力を入れているというお話がありました。私たちも、多摩には中小企業で頑張っているところもたくさんありますし、そういったものと大学との連携、これは労働経済局所管のところでもお聞きしたことがあるんですが、こういったものを大いに促進していくこと、そのために、一定の財政的な面での協力も当然あってしかるべきだと思っております。しかし、大学のいわば基礎的な研究部門については、これは企業もなかなか参入してこない当面採算性が不透明な分野が多いわけで、この部分を担っている大学の基礎研究部門は、これはやっぱり公費できちんと確保しなければならないというのが大学の役割だと思うんです。
 そういう点で、研究費について、東京都の予算から一律に、ほかの経費と同じように一五%だとか一割だとかカットしていくというやり方は、この分野については改めるべきじゃないかと思うんですが、事務局としてのお考えはいかがでしょうか。

◯二村次長 先ほども申し上げましたように、私どもとしては、厳しい都の財政状況を踏まえまして、限られた予算の中で最大の効果を上げていくというスタンスで、私どもこの予算の執行に携わっております。各教員の方々の教育研究に支障のないように、今後とも努めてまいります。

◯曽根委員 例えば、昨年知事も視察に行ったそうなんですけれども、理学部の生物学ですか、乾燥に強い植物の研究ということで一躍非常に注目を浴びた研究があったわけですが、これは、もともとは植物学としては大きなテーマとして一つの遺伝子研究も含めた植物学の研究の一部門で、企業参入するにはまだ先の見えない分野として地道に基本予算、研究費でいえば公費の予算でやってきたものだと思うんですが、これが今回非常に世界的にも大きな成果を上げたということで注目をされたわけです。これはたしかいわゆる研究奨励費といいますか、教員の研究奨励費でもってやってきた研究だと思うんですが、それを確認したいと思います。

◯二村次長 先生がただいまご案内の乾燥に強い植物の研究でございますが、本学では、小柴助教授がこの問題について非常に大きな成果を上げられているところでございますが、この小柴助教授は国からの科学研究費補助金なども得ておりますけれども、一般財源の研究費もその研究の基盤になっているところでございます。

◯曽根委員 つまり、企業はこういう分野は最初はお金を出さないんですよね。しかし、乾燥に強い植物ということになれば、今後、環境緑化、例えば都市緑化にしても、それから砂漠化の防止にしても、国際的に非常に大きな価値があるというふうにいわれているわけですね。聞くところによれば、世界のトップスリーに入るぐらいのレベルの研究の成果が上がりつつあるということをお聞きしているんですが、これはやっぱり基礎研究費が辛うじて確保されて、少なくなりながらも確保されてきたからこそ、こういうのが生まれてくるわけですよね。海に例えれば、企業の研究というのが養殖場であるとすれば、自然の海を豊かに守ることが基礎研究をいわば支えているわけで、そこから大粒の真珠も出てくるけれども、養殖場の真珠というのは小粒のものが、粒はそろうけれども、確実性は高いけれども、ある程度以上のものはできないと。やっぱり大きな研究の成果というのは、基礎研究の豊かな海の中から生まれてくるというものだと思うんです。そういう点では、ぜひ今後、研究、基礎的な部門の研究の充実に一層努力をしていただきたいということを要望しておきます。
 それからもう一つ、都立大学で、学生数もふえている中で、就職を担当する職員の数が実質的には一名しかいなかったというふうに聞いているんですが、この決算年度である十一年度はどういう体制で、それまでと比べて何らかの対策は打たれたんでしょうか。

◯二村次長 平成十一年度からは、就職担当係長を配置しまして、就職ガイダンス等の企画の充実を図るとともに、採用活動で大学を訪れる企業の対応が従来に増してできるようになったと思っております。また、就職ガイダンスの回数をふやすとともに、模擬面接会やディベートトレーニングなどの就職講座も始めたところでございます。さらに、学生のさまざまな疑問等に助言を行うため、企業について知識豊富な本学同窓生によります就職相談を開始したところでもございます。また、インターネットを利用した就職情報の収集のために、就職資料室に就職用パソコンを新たに配置したところでございます。

◯曽根委員 それで、この決算年度である九九年度、平成十一年度については、それまでと比べて学生の就職希望者の就職率は、全体的には厳しい傾向なんですが、都立大学としてはどうだったんでしょうか。

◯二村次長 平成十一年度の就職率は、本学では八八・一%でございまして、平成十年度の八八・六%と、二年続きまして九〇%を割り込んだところでございます。

◯曽根委員 ほとんど希望者全員就職できていたこれまでと違って、テンポイント近く就職率が下がっているということは、確かに全体的には大学生の就職、大変ですけれども、やはり放置できない問題だと思うんです。聞くところによれば、今年度についても、体制を強化するよう予算要望にも出されたようですけれども、実際にはなかなか財政当局からも認められていないというふうにお聞きしていますけれども、どういった点で実質的な強化を図っていくのかという点での、就職指導といいますか、お世話の体制の強化について考え方を伺いたいと思います。

◯二村次長 今後の就職支援のあり方でございますけれども、十三年度につきましては、当面の措置として、現員の中で就職支援の強化を図るために、十二年度の就職担当係長の一名に二名をふやしまして三名体制としたところでございます。それに加えまして、就職活動の支援の企画であるとか実施を行う、教員を中心とした委員会を設けたところでございます。また、就職ガイダンスの回数をさらにふやすとともに、進路決定の参考となるため、代表的な企業による業界の説明会を開催することとしております。さらに、就職資料室のパソコン利用の支援として就職ホームページを立ち上げるなど、就職支援の充実強化を図ることにしているところでございます。

◯曽根委員 これまでは、係長級にしたとはいっても、部下のないたった一名の就職指導の職員ではなかなかやっぱり限界があったと思うので、そういう点では、三名にふえたということは三倍ですから、大きな前進の一歩だと思いますが、できるならば、学生課並びに大学職員全体が全くふえていないという中で、この分野にしわ寄せが来るということのないように、新たな定数増という形での職員を確保することが望ましいと思うんです。なかなか全体は厳しいですけれども、ぜひ、大学の今後の発展、特に統合構想などが出ている中で、大学としての自治、自立性を守りながら、学生との関係、また研究の分野でもさらに前進を果たせるように努力を期待しまして、質問を終わります。

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