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2002・2・18 文教委員会(請願陳情審査)議事録本文

私立学校に通う子供たちが不況の為に通学を断念せずに済むように

●私立幼稚園父母負担軽減補助の切り下げを批判。

○曽根委員 初めに、前の質問者の方とダブっているので、意見だけにしておきますが、私立幼稚園の父母負担軽減についてですね.
 これは、平成八年から所得制限が入って、三年間経過措置があって、今回、単価の見直しがあるわけです。私、どうしても生活が厳しい世帯に厚くして、その分を所得が相対的に高いところに泣いてもらうというのならば、生活のいわば厳しいところに対する手厚いという言葉を使っていいと思うんですけれども、そこは変わらずですよね.相対的に高いところについては単価の見直しで下げるということは、この数年間の実質所得や、それから生活消費レベルの下がっている傾向から見て、乳幼児を抱える家庭にとっては、非常に大きな影響がやはり心理的にもあると思うんですよ.
 そういう点では、公立がどんどん減っているときですから、私立を選ばざるを得ない.その私立がまた援助が減るということでは、やはりこれは、ここの請願の願いにも出ておりますように、父母保護者の願いからはやはり逆行だと思うので、この点は改めて指摘をし、改善方を要望しておきたいと思います。

●さんさん幼児園(類似施設も認可されていない)の支援について

 それから、請願の一三の第二四〇号で、さんさん幼児園の請願なんですけれども、昭和四十八年当時に認可幼稚園が不足しなために、緊急避難として、今、類似施設に対する補助が行われているわけですね.しかし、それ以後は、特に幼稚園が不足してはいないので、それ以後に出発した類似施設というべきものについては援助がない.
 したがって、現実に現時点で、両方同じような形で、認可を受けない形であるが幼稚園が運営されていながら、片方には補助があるが片方にはないという現状があることは事実でありまして、そういう点からいえば、この請願者がこれだけの実績、二十周年のパンフレットを送っていただいたんですけれども、あるわけだから、この補助がぜひもらいたいという請願の要望はもっともなことだと思います.
 九三年以来の請願だそうで、ぜひ趣旨を酌み取って採択を希望したいところですが、残念ながら委員会としての全会派の合意が得られていない現状では、こういうふうにならざるを得ないのかなというふうに思います、。
 ただ、生活文化局には、新しく今度幼稚園問題を担当されて、ぜひ考えていただきたいのは、今、私立幼稚園、認可を受けている幼稚園でさえ非常に経営が厳しくて、ちょっと甘い経営のところはどんどんつぶれている現状ですよ.公立もどんどん減っています.
 したがって、そういう中でも何の援助もなく頑張っている幼稚園というのは、これはこれで相当特色がある内容を持っていると思うんですね.そういうところを何らかの形で評価をして、支援ができないのか.その方策についてはぜひ検討をお願いしておきたいと思います。
 では、質問に入ります。

●私立高校通学生の家庭の苦しみに救済の手を

 私は、私立高校の問題を中心にして、今の経済状況のもとで生徒を通わせている家庭が抱えている厳しい実態に即した私学助成のあり方が必要ではないかという立場から、いくつか質問したいと思います.

 これはもう前置きを置く必要はないと思いますが、非常に今、私立に通わせている世帯というのが、この間の不況や、特に中高年のリストラの対象としては最も影響を受けている階層だと私も実感を持っています.

私の学校時代の同級生にも、山一の部長さんがいたんですけれども、大体私ぐらいの年代の人が結構そういう立場で、第一線で頑張っている人が多いんですが、娘さんが有名な私立学校、高校に適っていて、自分の身をどうするかということもあるんだけれども、その娘さんを私立に何とかあと一年か二年通わせるためには、今住んでいる場所も動くことはできないということで、非常に苦しんでおられました。

その方は何とか次の外資系の会社が引き取ったんでしたよね、あそこは。 そこに再就職ができたので、何とかほっとしたというお知らせが最近ありましたが、こういう状況がもう数年間続いている思うんです。

 そこで、こうした家庭に対する援助策として、一つは特別奨学金がありますが、それからもう一つは、経常費の補助の中に入っている減免制度がありますよね。
 ともに私は充実が必要だと思うんですが、一つは、経常費の補助の枠の中に入っている、家計が急変した場合に対する授業料減免制度について、一つは、経常費の枠の一中に入れてしまうのじゃなくて、学絞への援助とは別に、家計急変の世帯に対する援助ですから、これは別の概念として独立させる補助ができないものかどうか。

 それから、今は、経常費の中で、その学校に減免の制度がなければならないということが前提になっていますが、これが非常に少ないんですよね.高校で三削ぐらいですか。小中学校の場合、二削ぐらいしかない.その他の学校ではやってない。なぜならば学校が三分の一、減免分を負担しなければならない。残り三分の二は補助が来るけれども。そういう隘路があるということですね.

 この三分の一字校負担というのを経常費の中に残すのであれば、極力減らして、学校が自分の身を削らなければ、大変な家庭に援助ができない、援助制度がつくれないというようなことのないように、できるだけそのハードルを低くするということはできないだろうか。
 この二つの点についてお聞きしたいと思います.

〇谷川私学部長 まず第一点日の授業料減免を経常費から切り離してというお詣でございますけれども、経常費補助自体が、教育朱件の維持向上、保護者の経済的負担の軽減、私立学校の経営の健全化、この三つを目的としている包括的補助金でございます。

 授業料減免制度につきましても、帰国子女の受け入れなど、経常費のほかにさまざまな項目がございまして、それらと同様に、学校法人の実績に応じて補助をしていきたい、このように考えております。そのため、一部項目のみを別枠にした場合、標準的運営方式そのものに影響を与えるのではないか、そのために慎重に対応していきたい、このように思っております。

 第二点目の授業料減免制度、三分の一設置者が負担しているために普及しないのではないかというご指摘でございますけれども、私立学校も公教育を担っていることには違いございません.設置者において三分の一程度は負担していただきたい.我々といたしましては、この授業料減免制度を充実させていくために、十二年度に、従来三分の一の補助だったものを三分の二に引き上げたり、今後もまた、学校側に理事長、校長会を通じて積極的に制度をつくるようにお願いしていきたい、このように思っております.

〇曽根委員 これ以上は、来年度予算の審議もありますので、そこに譲りたいんですが、私、二つ矛盾があると思うんですよ。
 一つは、学校に対する経常費補助の中に、家計急変などさまざまな事情を持った家庭に対する支援策が入っているというのは、そういう家庭がその学校に例外的に存在する場合には、そういう子どもさんも通える学杖ということで運営する、その健全性を保つという意味での補助があるという意味では、まだわかるんです.
 しかし、今、例外的な状況というよりは、かなりの割合で大変な家庭が出てきている。現に発生してきているという状況のもとでは、私は、家庭の方に着目をした援助の仕方を考えるときがもう来ているというふうに思います。
 それからもう一つ、三分の一負担の問題では、既に改善がされてきて三分の一まで来ているということですよね、学校の側の負担はね.

〇谷川私学部長 はい.

〇曽根妻貞 そうですよね。ですから、これは、私は、家庭の段楷ととらえたい。三分の一を四分の一にしても、そうい、つ意味では理屈上問題はないんじゃないかと思うので、ここはよく私学の側と話し合って、できるだけ普及が促進されるように、単に啓発だけで行かないというのはもうはっきりしているので、それはぜひお願いしたいと思います。

 次に、特別奨学金について、これは単純な話、所得基準の引き上げが必要じゃないかということと、もう一つは、私は、今、どの家庭も大変な、実質所得が全体的に落ちている時代ですから、一律補助という要望がここに出されているように、全体を授業料に対する補助を入れるということを、かつて東京都がやっていたわけですが、復活する必要があると思うんですが、いかがでしょうか.

〇谷川私学部長 特別奨学金の件でございますけれども、東京都といたしましては、私学を取り巻く補助制度の中で、先ほども申しましたけれども、経常費補助を基幹的な補助と考えてございます。
 保護者への直接的な経済的負担の軽減も、一方では、先生ご指摘のように、重要だとは認識しております.ただし、一定の所得水準以下のものについての補助を行っておる状況の中で、所得状況を考慮しないで、全世帯を対象とする一律補助は困難ではないか、このように思っております。

○曽根委員 前にお聞きした家計急変などの場合の補助があり、これは当然ながら所得制限もあるわけですよね.学校ごとに決めているという個別の所得制限つきの補助と、それから、私学に通う家庭に対して全体を補助するというものと、それの組み合わせこそ、本来のいわば全体と個別という意味では整合するんじゃないかと思うので、その点も検討いただきたいと思います.

●都財政の付けを私学助成に回すな

 それから、少し経常費補助の全体の像について聞きたいんですけれども、今回も全体は三十億円程度削減になっているわけで、標準運営費の二分の一というのは堅持しているといいながらも、毎年、大体三十億から、多いときはもっと下がってきている。そこには、背景として、財政健全化計画や石原知事になっての財政再建堆進プランによる見直しが入れ込まれている。
 実際には、今年度についてお聞きしますけれども、どの程度影響をそれぞれの計画によって受けているんでしょうか.

○各川私学部長 今年度、十三年度でございますけれども、財政健全化計画による見直しの影響が二十二億円でございます.また、財政再建堆進プランによる見直しが、十三年度、二年目でございまして、十億円の滅、それから、生徒数の減による規模滅その他で三億円の減という形になってございます。

○曽根委員 生徒の規模が少なくなったためにクラス編制が下がったりして、それは仕組み上、当然、減といわざるを得ないと思うんですね。これを変えようとなると、相当大変すから、経常費補助の考え方そのものを変えるのは。しかし、財政健全化計画や財政再建堆進プランの二分の一の枠組みの中で変えた部分というのは、例えば教職員の共済制度の中身をもっと実態に即してとか、そういうことですよね。

 しかし、考えてみれば、私学と公立の高校を比べても、制度そのものが根本がかなり運ぅゎけですから、私学の方を、削るところだけ公立と違う実態のところに合わせる.じゃ私学が、公立はほとんど子どもさんたちとるのに宣伝していないけれども、私学は宣伝しなければならないというのはどうなのかということで、今度は別枠ができたわけですね.実現する見通しになったわけだ。 いろいろな違うところがあると.だったらば、実態というならば、もうちょっとふえる方だって考えていいんじゃないか。そういう意味では、二分の一補助というものを維持していくためには、そういった中身についても下げる方の見直しだけでいいのかという問題があると思うんですが、いかがでしょうか。

○谷川私学部長 先生今おっしゃいましたように、今度ふやすところもあるというお話もございまして、我々といたしましては教職員の実態の数、共済組合の実態の違い等々を配慮して、より実態に近づけることによって、減する部分を減する、増する部分は増していく、このような基本姿勢で臨んでおります。

○曽根委員 その点で、今回は、都内生の就学促進補助が実現したというのは、私は評価したいと思うんですね.これは一回、知事査定のときにつかなくて、私は、局の方が復活要求を正式に出してほしいというムうにいったんだけれども、いろいろな運動、私学協会の皆さんの要望や何かが実現して、今度改めて復活で出たんですけれども、そういう経過をふまえつつ、要望を見直すというならば、実態に合わせるというならば、ぜひ両方の実態をよく見た今後の改善をお願いしたい。

●私立幼稚園の預かり保育への支援の充実を。

 最後に、私立幼稚園の今取り組んでいる預かり保育ですね。これも私、非常に重要な取り組みだと思うんですよ。どれぐらいに今伸びてきているんですか.

〇谷川私学部長 これは十二年度の数値でございますけれども、学校法人、個人立の幼稚園を含めた活動園八百五十余園中、四百六十六園が実施してございます。一園平均で十人強のお子様を預かっていると.また、実施園の割合でございますが、九年度二四%、十年度三七%、十一年度四四%、十二年度五四・六%と、年々充実されてきている、このように思っております.

○曽根委員 ある意味で、保育園に預ける親、それから幼稚園に預ける親、それぞれありますけれども、幼稚園といえども、午前中で基本的に終わりという時代でなくなったと。
そして、午後の分もいろいろな形で保育したり、または保護者に対するさまざまな教室を開いているところもある。いろいろな形がありますので、一概に全部オーケーとはいいませんが、やはり保護者の生活実態に即して、幼稚園側が生き残ることも含めて、大いに工夫するというのは、私は努力を多としたい.

 それに対して、やっと今回、今まで経常費の援助の中に入っていたこの補助が、今度外に出して補助をするということになったので、やはり過半数を超えたのでそういうことも検討してきているのかなとも思いますが、さらに中身も充実を図っていただきたいということを強く要望しておきたいと思います.これで私の質問を終わります.

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