議会質問2009年迄目次 2013年度議会質問へ  そね都議活動  

02・3・15文教委員会・生活文化局予算・議案質疑
(1)NPO支援センターの充実めざして

○曽根委員 それでは、ちょっと時間、幾つかテーマがあるものですから・・最初に来年度予算を主なかかわりとして、四つほどの柱で質問したいと思います。
 最初に、ボランティアセンターの機能の充実という問題で、資料をいただきました三ページにありますように、残念ながら、予算額としては落ちてきているわけです。NPO法人は既に千八百、都内で拠点を置き、そのうち、東京都が認証したのが千三百弱ですか、国が認証したものも五百程度、東京に拠点を置いているということで、全国最大のNPOの事務所が置かれている自治体であるというわけです。
 そういう点で、東京都のNPO支援を行っているセンターが、ボランティアのセンターと兼ねているわけですが、この規模や機能で十分とは到底思えない。また、局の方も、そう思っていないだろうと。そこで、どう拡充していくのかという点で、幾つか要望を含めて質問をしたいと思います。
 私は、一つの比較として、先日、実は教育庁の質問のときにも紹介したんですが、神奈川川県の県民活動サポートセンターというところを訪ねました。
神奈川県民5百万ぐらいですかねーーに対する県の施策として、横浜の駅から歩いて二、三分のところに大きな県のビルがありまして、その八階から十一階の半分までを使っており、東京のセンターに比べると数十倍の規模の面積を持っているものであります。
 ただ広ければいいというものじゃないわけで、その中で、機能として私が注目した一つは、活動している、そこを利用している団体で、活動のカや人材、そういうものを
見て、そこから十何人かのアドバイザーというのをお願いして、もちろん報酬は一定の報酬を払うんですけど、ほとんどボランティアですね、毎甘、交代でそこにいて、さまざまな団体の方や、また、ボランティアを希望する方がそのセンターを訪ねたときに、どういうところに届ければいいのか、どういう活動の仕方をすればいいのか、一から相談に乗ってくれると。このアドバイザー制度というのは、なかなかよくできているなと思ったわけです。
 東京都も、もちろんそういった相談の窓口はあると思うんですが、こういう神奈川県のやり方について参考にしながら、ぜひこのアドバイザー制度と同じようなスタイルのものを確立していただきたいと思うんですが、この点はいかがでしょうか。

〇中島都民協働部長 神奈川県民活動サポートセンター、私も、行って見てきておりますが、東京都の関係におきましても東京ボランティア市民活動センター、ここでボランティアや市民活動に関する相談の対応は当然実施しているわけでございまして、事業の重要な柱になってございます。
 センターには、団体や一般都民から、ボランティアや市民活動に関してさまざまな問い合わせや相談が寄せられているわけでございますが、平成十二年度は、約五千七百件の相談がございました.センターの場合は、専従の職員が都民からの相談に対応しているわけでございますが、それに加えまして、中間支援組織でNPO法人の設立の相続を受けていた方や、あと、公認会計士、税理士という方々も、毎週一同ご協力をいただきまして、専門的な相談に対応しているところでございます。

○曽根委員 そこで、東京都も、もちろんそういったことはやっている、年間六千件近い相談もあるわけですから、実績もあると思うんです。私は、大きな違いといっちゃ何なんですけれども、神奈川県のアドバイザーやそこに来られている方のお話を伺うと、どうしても公務員の職員の方の相談の乗り方は、こういうことは、本来どっちも違わないはずなんだけれども、行政の側のサイドから物を見る面がどうしても強いと。ここは、神奈川は、活動団体の方を置いているんですね。 したがって、行政の窓口に届け出に行くときに、こういうことはきちんとやっておいた方がいいと。もちろん不正なことはないんですけれども、いろいろコツがあるわけですよね。そういった面も事細かにアドバイスしてくれると。つまり、活動する団体の側に立っていろいろ相談に乗るというのが特徴なんです。それを、行政が、おおらかに窓口を置いてやってあげるという。太っ腹だなと思うんですけれども、東京都の生文局長も太っ腹だと思いますので、ぜひそういったあり方もね。職員の相談、全部やめろとはいいません。
 ただ、そういった団体の方の方が相談しやすいという場合もあるんですよ、いろいろな細かいことには。それをぜひ考えていただきたい、これが一点目です。
 二つ目に、これは極めて物理的なことなんですけど、非常に広い面積のフロアを持っている。さっき何十倍といいましたが、そんなにはならないかもしれませんが、十倍近いんじゃないでしょうかね.そこのフロアを使って、ちょっと写真を撮ってきたので拡大したんですけど、フリーに使えるフロアがあるんですよ。 (写真を示す) もちろん、ただフロアがあるだけじゃなくて、テーブルといすが置いてある。これが、テーブルだけでも全部で三十ぐらいあるんじゃないでしょうか。大低いつ来ても、どっかのテーブルはあいているわけです。いすが六つか八つぐらいあって、ちょっとした小さな作業や会議はできるわけです、そこで。
 最初のころは、受験生が朝から受験勉強に来たりいろいろあったそうですが、今はもう完全に定着して、あそこに行けば必ず打ち合わせぐらいはできる、軽作業はできると。これ、ちょっと軽作業してるんですけどね。これは非常に喜ばれているそうなんですよ。ほかにも、団体向けのロッカーですね。これは小型のものですけれども、上下になっています。これが四百ぐらいでしたかね。この二つがつながった大型のロッカーというのも二百ぐらいあって、合計五、六百のロッカーを、もちろん毎年抽選するんですけど、ここを利用している二千から・・常時利用が二千、一度でも利用した団体は八千あるそうですが、そういうところに抽選で一年間提供する。
 あと、レターケースというのも、これは都庁でもやっているようなお話を聞きましたけど、レターケースがあって、ここに郵便物やファクス、メールなどを送れば、ここの職員の方が団体別に仕分けしてくれる。これも、もちろん全部の団体には保障できないので、四百か五百の団体ですが。
 特に私、やっばり東京都として、今は大変でしょうけれども、フロアを何とか確保して、こうしたフリーに使えるスペースを、今のビルの中ではちょっと難しい、しかし、何か確保の道はないだろうかというふうに思うんですが、その点、いかがでしょうか。

〇中島都民協働部長 今のご質問の前に、先ほどの一間日のご質問の関係で、職員が私どもの方のボランティアセンターの方では相談というふうにお話ししたわけですが、これはあくまで東京都の職員ではございませんので、センターの職員でございますので、それだけはつけ加えさせていただきます。
 今のご質問の件でございますけれども、東京ボランティア市民活動センター、ここでも当然同様な事業を実施しているということでございますが、東京の場合には、NPOの数が非常に多いというような特殊な状況がございます.都内には、先はど来お話ししていますように、約五千六百のNPOが活動しているわけでございます。
 そのために、団体への支援ということにつきまして、できるだけ多くの団体が利益を享受できるような方法をとっていきたいということで、必要な事業に重点を置いて取り組んでいきたいというふうに進めているわけでございます.
 ロッカーなどの貸し付けについては、これは大変大きなスペースが必要となるということでございまして、貸与できるNPOがどうしても限られてしまうということがございます.東京のセンターにおきましては、ニーズの高い印刷機の設置や、今、委員のご指摘もあったようなレターケース、これについては同じようにやっているわけでございますが、そちらの方に優先をして利用に供しているということでございます。
 それで、いわゆるオープンスペースの問題でございますが、私も、その場所はよく知っておりますので見ておりますが、スペースからいきますと本当に広いスペースでございますので、その点では、私どもも、あれだけのスペースがあればいいなという気持ちは、正直、持ちます。ただ、現時点で、このセンターだけでそのスペースを確保すべきかどうかという点は、都には、私どもの生活文化局だけでも女性センタIとか消費者のセンター、いろいろな施設がございます。それから、区市町村に関しましてもかなり多くの施設がございます。ですから、そういう施設も含めまして、オープンスペースの使い方も考えてい
く必要があるだろうと思います.決して、現在十分であるという認識ではございません.

○曽根委員 工夫が必要だと思うんですよ.それから区市町村連携、東京だけでもさまざまな、実際上、NPOは各分野にあって、例えばウィメンズプラザでも、そういった団体がもちろん活動しているし、いろいろな場所があると.その中で、センターの役割として私が重視してほしいのは、やっぱり集会室。予約がどうして必要なために、そして大都市で活動する活動団体の最大のネックなんですよ.予約しないと.で、予約できないと、もう活動場所が定まらないという.
 そのために、フリーのスペースを、要望としては、都心に今あるセンター妻度、残念ながら教育庁の方で行ってきたサービスコーナ1が庚止されてしまうという計画で、これはこれで問題なんですけれども、多摩の拠点の方が少ないということもあり、ぜひその点を配慮していただきたい.これは要望にしておきます.そのためにも、予算の毒づけをぜひきちっとやっていただきたいと思います.
 最後に、幾つかのNPOの団体に、東京都に対する要望をお聞きしたんですけれども、大抵は、そういう意味では活動のための物理的なスペースめ問題が大きかったです。一つだけ認証の際の問題で、これは今後の参考にしていただきたいんですが、もう名前を出していいということなので、「賢治の学校」という、フリースクールの一種ですね、鳥山敏子さんという方で、この方は割と名前の知れ渡った方で、テレビの番組などにもでられたことがあると思うんですね.岩波にもこういった、子どもたちの問題についてさまざまな本を書いています。文部省の、よく出られる佐藤学さんとも親しいそうなんですけどね.
 その方が、「賢治の学校」というのを立川市にビルを構えてやっていて、大変な思いをしながら経営をしているんですが、NPOを登録する際に、学校という名前がついているということのために、相当苦労したらしいんですね.学校法人と間違いやすいのではないかということで、当然のことながら、教育庁や地元立川市の教育委員会などに問い合わせがあって、結局そこに行って、また別の交渉をしたり、結局認証を受けるまでに、一回書類を全部引き戻して、また再認証の申請をしたりしたために、数カ月かかったと。
 私は、ですからこれはやむを得ない面もあったと思うんですけれども、学校とか、例えば病院とか銀行とかいう名前のNPOもあったそうなので、なかなか難しい問題はありますが、一たんこういうものが認められて、「賢治の学校」ということで、NPO法人と頭にちゃんとつければ、誤解を招かないということで認証を受けたと。
 この実績があるわけですから、これからの学校という名前のつくさまざまな、フリースクールも含めた、学校法人ではないNPO団体も、認証がやりやすくなるだろうと。それが当然のあれだと思うので、ぜひ参考にしていただいて、まだ月に四、五十件の認証の申請があるそうなので、事務処理は大変でしょうけれども、頑張っていただきたいとお願いしておきます。

(2)都民の法律相談廃止問題
 次に、二つ目に、これは来年度予算で何で減額になっているのかなと思ったら、廃止に向かって進んでいるという、都民相談の中の、特別相談の中の法律相談ですね。弁護士さんが受けてくれるやつなんですが、法律相談、都庁の三階ですよね。やっておられる内容やこの間の実績について、概要をお聞きしたいと思います。

〇浅井広報広聴部長 法律相談は、月曜から金曜日の毎日、先着順で受け付けを行いまして、一人当たり三十分、無料で相談を受けております。午前、午後、延べ六人の弁護士が相談に当たりまして、一日三十人程度を受け入れております。
 主な相談内容としましては、不動産の契約に関すること、遺産相続に関すること、金銭の貸し借りに関することなどに関する法律的な相談でございます。
 法律相談の実績でございますが、この十年、おおむね毎年八千件前後ということで推移してございます。

○曽根委員 八千件で、結局頭打ちということですよね.一日三十件ぐらいですか.多少短く終わることがあったとしても、一日にできるキャパシティーは決まっていると.年間二百数十日で八千件。だから、もうこれ以上ふえないわけですよね、受け入れ枠は。それを目いっぱいやって、聞くところによれば、後から来られた方、電話で、きょうあいてますかと電話してこられた方で、やっぱりお斬りしなきゃならないのが毎日あるというふうに聞いております。
 そこで、こうした、ほとんど設定した枠いっぱい使われて、むしろあふれているぐらいに需要のある法律相談を、今、何でまた廃止しなきゃならないのか、率直にこの件をお聞きしたいと思います。

〇浅井広報広聴部長 廃止を判断した理由はいろいろございますが、大きな理由としては三点ございます。まず、この事業は、平成十二年度に行われました行政評価で指摘されましたとおり、基本的には、区市町村が地域の実情に応じた実施した方がきめ細かな対応が可能であるなど、区市町村で対応するのがふさしいものと判断いたしました。
 次に、現在では、法律相談は、すべての区市において窓口が開設されておりまして、地域における受け入れ体制が整っていること、また、法律扶助協会に加えまして弁護士会等においても相談窓口の拡充が進むなど、社会基盤も整いつつあります。
 以上から、法律相談につきましては、都が区市等と重複して実施していく必要性が薄れてきたと判断いたしまして、十四年度末をもって事業を廃止することとしております。

〇曽根委員 都の割合が薄れたというのは、例えば年間六千件なり五千件になっていると、区市町村の方にもみんな行くようになって。だったら、数字的に明らかなんだけど、もう満杯状態であふれているというのが、十年聞ずっと変わらないわけです.区市町村でも、もちろん満杯ですよ.それから法律扶助協会は、毎年、補助も削られている中でも頑張っているけど、そこも大変と。弁護士会の方は有料と。実は私も、事務所で月に二回、法律相談をやっているわけです。無料相談をやっていますけど、そこも大変.最近、人数が多くなっちゃって。予約がいっぱいになれば、お断りするしかないわけなんですよ。
 だから、東京都の役割が薄れた云々よりも、無料の相談を受けざるを得ないさまざまな事情がある。もちろん、お金の問題もあるし.これは、一体法律問題、どの程度のものなんだろうかと。弁護士、大体一回八千円から一万円ですよね、それを払ってまで相談することなんだろうかとか、そういうことも含めて、無料相談というものが、全体として必要とされている量に追いついていないと。行政や、私たちもやっているぐらいですから。
 それで、東京都は、その中でどういう役割かというと、非常に高い水準といわれているんですよ。これは、当事者はよくわかっていると思いますけど、最も信頼されています、行政の法律相談の中でも。それは、相談を受けた弁護士が、絶対それを仕事にしないということですよ。仕事にするとかというと、まずいわけですよ、後につながってきちゃうと。で、あくまで紹介すると.ちゃんと弁護士会と連絡する、紹介するという形ですよね。そういう形をきちんととっていることと、匿名性が非常に高いと。地元の区市町村へ行くと、どうしてもだれかに見られるということがありますよね。そういうのが困るという場合もあるわけですよ。
 私、東京都の法律相談というのは、そういう意味で、非常に現に水準も高いし、需要もいろいろな意味で高いと思うんです。これまでの実績についての生文局さんの評価も同じだと思うんですが、いかがでしょうか。

〇浅井広報広聴部長 この法律相談事業と申しますのは、昭和二十六年以来、半世紀にわたって実施してきた事業でございます。法律的な問題に悩む都民が、気軽に専門家に相談できる場として大きな役割を果たしてきたことは、事実だと思っております。
 ただ、相続事業の内容を分析してみますと、かなり地域的な偏在もございます・また、区市で行っている相談事業とのシェアを見ましても、もう九割方が区市の相談のシェアを占めておりまして、私どものところが一〇%ぐらいのシェアでございます。なおかつ中身を見ますと、新宿、中野、杉並、渋谷、世田谷といった五つの区の方のご相談が、この私どもの相談の中の四割を占めています。
 したがって、それを除きますと、シェア的には七%のシェアという形になっております。
 なおかつ、この事業が全国的な他の都道府県の状況とどうかと思って見ますと、四十七都道府県のうちで、法律相談をやっている府県というのは十三、三分の一。三分の二は市の仕事ということで、県では実施していないという状況にございます。
 こういった状況も加味しながら、今回こういう判断をさせていただいたというところでございます。

○曽根委員 ほかの県の状況は、そういったお話がありましたけど、交通の便など考えると、法律相談に県庁まで出かけていって帰ってくるというのが難しいというのが多いでしょうね。そういう点でいうと、東京都は、どんな端っこからでも、日帰りで法律相続に来るだけの利便性はあるわけですよ。
 それから私は北区に住んでいますが、そうすると、北区は、百人の相談者がいるうち、九十三人ぐらいは地元の相談に行って、あと七人ぐらいが東京都の方へ来ていると、こういうことですよね。それぐらいの割合になっていると思いますが、しかし、確実にそれだけの割合で東京都に来ている人がいて、それなりの事情があると思うんです。
 私は、そういう点で、今までの積み上げてきた東京都のノウハウや法律相談の二十六年以来の最も古い歴史があるこれをいきなり廃止というのは、いかんとも・・縮小やむを得ずというのなら、まだいろいろ考えようがあるんだけれども、廃止、やめちゃうと。それで、来年度は額を二割減らしてやるそうなんですが、来年度の位置づけというのは、どういう意味合いを持っているんですか。

〇浅川広報広聴部長 二割削減で実施いたします十四年度は、十五年度の事業廃止に向けまして、都民及び区市町村への周知を図るとともに、急激な変化を緩和する期間として位置づけてございます。

○曽根委員 法律相談に来る方は、まだほとんど知らないと思うんです、これが削減、廃止になっていくことを。したがって、来年度は周知期間ということです.私は、コンクリートしないでいただきたいと。来年度、この法律相談の廃止問題について知った都民が、やっぱり残してほしいという声は、私はほうふつとして出てくると思うんですよ。その時点でもう一回検討してもらいたいということを、これは要望にしておきます。

(3)文化施設の利用料金制導入問題
 それから、先ほど石川委員からも利用料金制の問題がありまして、今、生文局が所管している江戸東京博物館及び写真美術館、ここは、今のところ値上げの話は出ていないということは、大変不幸中の幸いかなと思います。しかし、石川理事もおっしゃったように、もう四月に粋が広がったら、早速値上げしようという動きは、生文局ではありませんが、あったわけですね。
 東京都美術館が、生涯学習文化財団ですか、今の運営は、そこから関係団体に対して、もう三月二十八日で利用料金制の粋が広がることが決まるから、四月一日からの申し込みは一八%値上げしますよという通知が行ったわけですよ、団体に。我々、まだ審議もしてないのに。それで、団体の人はびっくりして、相談に来られた。どうなっているんだという話。そしたら、結局、文書は撤回ということになりました.お聞きになっていますか、この話は。今度所管されるわけですからね。

〇三好文化振興部長 そういう話があったようなうわさは聞いております。

○曽根委員 うわさだけでも知っててよかった。もう四月から所管ですからね。それで、私、こういう、さっき石川委員もまさかといったんだけど、ほんと、こういう乱暴なことをやる財団が、運営主体が、今度、生文局所管になるわけなんですよ。ですから、江戸東京博物館や写真美術館は、今のところ値上げの計画はないと。東京都美術館についても、もしそういうことを考えるんだったら、考えないということが絶対あり得ないとはいえません。これは何年もたてばね.それは、時代に合わせて適切な負担というのはあると思いますよ、現に取っているんだから。ただ、考えるんだったら、関係団体、あそこは非常に定まっているわけですから、東京都美術館というのは.毎年使う団体は大体、
そういう点でも、相談抜きにこういう文書がポーンと行くというようなことは、絶対ないようにしてほしいんですが、いかがでしょうか。

〇三好文化振興部長 今回、利用料金制の導入によりまして、施設の使用料、観覧料につきましては、管理受託者である団体が定めることになります。その定めるに当たっては、当然原価を考慮しつつ、さまざまな経営努力や今後の利用動向などを勘案して、各団体において適切に判断するものと考えております。

○曽根委員 私は、生文局は所管ではあるけれども、主体はその財団になっていますから、ある程度物をいう場合にも、間接的な面もあると思います。ただいずれにしても、都民の共通の文化的な施設、財産として、運用に対しては東京都の権限は最大のものがあるわけですから、ぜひ、先ほどお答えのあった江戸東京博物館、写真美術館と同様に・・・。
 今回、文書は撤回されたけれども、計画そのものはどうなっているか、まだわからないんですよ。二十八日、仮に議決が終わったら、二十九、三十、三十一の間に財団の何とか会議を開いて、値上げを決定して、ぱ−んと四月一日からね。そんなことをやったら大変だと思いますけど、理屈の上ではないとはいえないわけですよ。そういうことがないように、ご指導をよろしくお願いしたいと思います。
 その上で、六十五歳以上の方のシルバー無料制度が、半額程度はいただきますというふうになったということがありますよね。それで、私、特にこの資料でいただいた施設の利用状況を見ても、どこかに利用の実態とあったと思うんですが、二ページですね、ここ数年の実績を見ますと、いずれも共通して、六十五歳以上の方の利用割合がふえているんですね。全体の利用人数は落ちているんです。例えば典型的なのは江戸東京博物館ですが、百万人以上の利用があったのが、今八十三万人ですよ。しかし、お年寄りの方は、着実に利用がふえているんですね。だから、割合が高くなるんです。これは、間違いなくシルバー無料制度効果だと思うんです。
 ですから、私、半額とはいえ有料にすることによって、今、江戸東京博物館でいえば二三%、たてもの園でいえば二七%、三割近い方がこういった高齢者の利用で占められている。気軽に利用できるということで親しまれている施設が、利用ががた減りしなければいいなと思っているんですね。そこを非常に危惧するんですが、所管局としては何らかの予測を持っていますか。

〇三好文化振興部長 美術館、博物館につきましては、展示内容をできるだけ魅力のあるものにするとともに、利用される方に、例えば解説ガイドでありますとかその他さまざまなサービスの向上などいたしまして、できるだけ多くの方に来場していただけるようにしていきたいと考えております。
 もちろん、料金の有料、無料ということもございますが、それ以外に、今申し上げた展示内容の工夫でありますとかサービス向上によりまして、さらに多くの方に来場していただけるよう指導してまいりたいと考えております。

〇曽根委員 我が党は、これは全庁的方針で、教育庁も生文局もほかの局も全部横並びで利用料金制が今回導入されるので、生文局さんだけに申し上げるわけじゃないんですけど、利用料金の上限を設定したことによって、枠内であれば、都議会の議決を経ずに、知事の承認で利用料金を設定できるわけです。サービスにも使えると思います、確かに。割引ができる。しかし、逆に、値上げも非常にやりやすくなる。
 そういう点でいうと、確かに料金は一定の額を、適切な額というのを決めなきゃならない。その点で、東京都としては財政難の折ですから、できるだけ収入はふやしたいと、先ほどお話のあったとおりですけれども.都民としては、この厳しいご時世なので、できるだけ出費は減らしながらも、楽しみの施設の訪問はしたいと。そのせめぎ合いの中で料金というのは決まってくる。東京都の財政事情は、そちらの方でいろいろ検討して出される。
 しかし、都民の側の事情を代表しているというのは、やっぱり都議会なんですよ。そういう点で、我々は責任があると思っているんです。そういう点では、都議会のチェックなしにある一定の枠までは、一・五倍が普通、上限みたいになっているのが多いですけど、そこまで上げられるということは、都民の声を非常に反映しにくい仕組みとして、私たちは、この利用料金制の枠組みというのは、小幅ならともかくとしても、今回のやり方には賛成できないというふうにいわざるを得ない。
 それから、シルバー料金も、先ほどサービス向上がありましたが、それはぜひお願いしたいことでありますが、半額といえども、江戸東京博物館などはかなりの料金になります。六、七百円になっちゃうんじゃないでしょうか。そういう点では、私たちもこれは、高齢者に有料化はやめてもらいたいということは意見として申し上げておきたい。

(4)食品の表示義務問題
 次に、四番目ですが、食品の適正表示、安全確保の問題について.これは、この間の経過は皆さんご存じのとおりで、牛肉を初めとして、悪質な大手の流通業や大手メーカーによって表示そのものが偽装されるという、とんでもない事件が起きました。食品表示その ものの信頼性が大きく揺らいだというよりも、崩壊したといってもいいぐらいです.そういう問題を引き起こす大きな要因をつくった点で、国の責任は重大だということは、いっておかなきゃなりません。しかし、今後の問題というのは、非常に難しくなったわけですね。
 この中で、東京都はいち早く、二月からの食品表示の緊急調査を開始したそうですが、この内容について、簡潔に教えてください。

〇中澤消費生活部長 食肉に関する緊急調査でございますけれども、食品には、品質保持期限など食品衛生法に基づく表示と、原産地などのJAS法に基づく表示があります。そのため、今回初めての取り組みでありますけれども、食品衛生法の表示にかかわる衛生局の関係部所や特別区の保健所と情報交換を行いながら、連携を図りつつ調査を実施をしております。 詞査は、二月二十日から三月いっぱいを調査期間としておりまして、この間に、スーパーマーケットや専門小売店などの食肉販売事業者と食肉バックセンターや卸売業者などの食肉処理業者を対象に立入調査を行います。
 また、従来は、表示調査は、表示があるかないかということを調べることも目的としておりましたが、今回の緊急調査では、原産地などの表示事項がどのような証拠資料に基づいて表示されているかなどの実態調査を行うこととしております。

○曽娘委員 表示の信頼を回復するというのは、非常に今後大変なテーマで、これだけで物事が解決しないことは、だれもがわかることです。しかし、最小限、今度の調査で明らかにすべきことは何かと。
 それは、少なくとも、ある食品についている表示が根拠になるものであると。
何らかの、例えば包装容器に卸から、もしくはメーカーからの包装容器にその表示がされていて、それが写し取られている。
 なりですね。厳密にいえばマニフェストということになるんでしょうけれども、少なくとも根拠をもって表示がつながっていること、これなしには、もう元から何も根拠がないという、ただ口伝えに、これはと
せこの産地のものだよというふうにいっているだけということになりますから、この点で、今回の調査で、ある程度実態が明らかにできて、今後の是正などの指導に生かせるのかどうか、ここだけ確認してお聞きしたい。

○中津消費生活部長 JAS法によりますと、流通事業者などは、原産地などの表示事項は食品の容器や包装の見やすい場所、あるいは送り状や納品書等に表示することが求められております。これは、今お藷のありましたように、生産段階の情報を小売事業者、さらには消費者に伝える重要な仕組みであります。                      

 今回の緊急調査では、食肉事業者や食肉処理事業者が、どのような証拠書類に基づいて表示を行っているのか、制度の運用の実態につきまして調査を行います。
 調査の結果、ご指摘のように、情報伝達が口頭で行われるというような、仮にそんなことがありました場合は、事業者の信頼関係、業者間の信頼関係を頼りにしているというふうなことがもしあった場合は、当該事業者の改善を促していく、情報伝達は文書で行うというような業界指導をしていくということでございます。 

○曽根委員 少なくとも、法に基づいて、法で定められている表示の伝達といいますか、 文書による伝達、これはもう最低限のことで、それに今、改善に役立つということですか ら、ぜひ生かしていただきたい。
  さて、その上で、その表示自体が偽装されたということが起きた。ただ、もうまさにそ んなことは当たり前の大手の流通会社の、子会社ですか、の中でやられていると。これは、この問題だけでは解決しない、まさに業界全体の信頼がございます。
  そこで、今後の解決の道として、牛肉については、最近、国の方で屠場まではトレースすると。屠場から先は東京都が頑張ってやろうかと。もしくは国に求めていくということをやると。

 それで消費段階までトレースできるようにしようと。牛肉は、何とか可能かもしれません、これは。
 しかし、では豚肉は、鶏肉は、もう既に偽装が起きている。野菜はどうする、ここまでくると、もうとてももちませんよ、これは。

 どこまでも信頼できないということで拡大していったら、それこそ流通市場は成り立たなくなると。
ですから別の解決の道を、もう一方で探っていかなきゃならぬということだと思うんです。
 それで、少なくとも今回調査を行ったその内容について、また結果について、都民に公表すべきは迅速に公表するということが、まず第一。それから今後について、もしこの問題の解決のために考えていることがあったら教えてください。

○中澤消費生活部長 消費者、都民の食品表示への不信を払拭するためには、行政の取り組みを的確かつ速やかに情報提供することが重要であるというふうに思っております。
 そのために、雪印食品への立ち入り調査を初め、食肉に関する緊急調査など、その都度報道機関に情報提供するとともに、JAS法の表示制度などの基礎的な情報や監視指導の結果等について、ホームページや定期刊行物により広く都民にお知らせをしてきたところ なお、食肉に関する緊急調査につきましては、三月末には調査が魅了いたしますので、調査結果がまとまり次第、できるだけ早い時期に公表をしたいと思っております。

 表示への信頼を回復するためには、今、委員ご指摘がありましたように、食肉に関してはトレーサビリティーを確保していくこと、あるいは、業者が消費者の信頼に基づく適正な事業活動をやっていただくことを、業界に要望もしております。
 また、私ども行政としても、そうした違反行為がないように、適切に監視指導をしていくということをさらに一層、地道に努めながら、全体としての表示の適正化の確保に努めていきたいと、こう思っております。

○曽根委員 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
 加えて、私、ここで一つ提案しておきたいので、参考にしていただきたいんですが、表示の問題で、先ほどいいましたように、すべての食品の表示を全部トレースする形ですることは、事実上不可能ですから、別の方法の解決として、生産者と消費者をいかに近づけるか。生産者の顔が見える、まあ最近そういうような一部出ていますよね。こういったものに対して行政が支壊する方法はないだろうか。そう考えてみると、かつて東京都が行ってきた消費者団体への支援、それから生産者団体では、例えば野菜供給や有機野菜への支援、これは残念ながら今、メーカーがずっと入り込んでいますから、大手が。
 余りもう、シェアがうんと小さくなっちゃって、予算も小さくなっているんですが、消費者の選択として、生産者がはっきりわかるという、そういったものについて、ちょっとコストはかかってもそれを選ぼうというのは、必ずこれから出てくると思います。そうした活動に対して、東京都が改めて支援の光を当てるということは、私は注目されてよいことだと思っているんで、その点は、ぜひ検討をお願いしたいと思います。

(5)消費生活条例
 この食品安全の問題も含めて、今度、消費生活条例が出されていますので、これを最大限活用していくことが必要です。消費生活条例は、非常にすぐれた改善点がありまして、例えば、消費に関するトラブル、あらゆるトラブルに対応してくれるということと、それで必要なあっせんについても、権限を持って相談員が取り組むことができる、また迅速に悪質業者を公表、勧告に持っていくことができる。

 それから消費者と事業者というのは、国はちょっと今おかしくなっちゃっているんだけれども、少なくとも東京都は情報力で、現にこういう格差があると、そこに構造的な消費問題の原因があるということを明記して、条例に盛り込んだ。こういうことは、大いに私たちも評価しているんですが、三つの点だけ、ちょっと引っかかる問題があるので、確認をしておきたい。

一つは、前文の見直しということで、この間、答申が出された中で、前文の見直しを四つにわたって提起しているわけですね。一つは、消費者問題の構造、先ほどいった情報のーシップが必要だという問題、そして四番目に、消費者の役割を前文に明示する必要があるという提案がされていて、この点は、今回の条例改正の前文の書きかえの中で、前文の一番最後のところで、「消費者の権利の確立に向けて主体的に行動することが期待されている」という現行の文章から、「みずからの消費生活において主体的に行動し、その消費行動が市場に与える影響を自覚して社会の一員としての役割を果たすことが求められる」というふうに見直しているわけですが、この部分が消費者の役割を明示した部分というふうに考えてよろしいんでしょうか。

○中澤消費生活部長 そのとおりでございます。

○曽根委員 この答申の文書を皆さんお持ちかどうかわからないんで、ちょっと私の方でべらべらとしゃべって申しわけありませんでした。
 そこで、私、これはこの審議の段階になって申し上げるのは非常に恐縮なんですけれども、この答申をつくる隙、私も消対審の一員としての責任があります。

 消対審の文章には、こう書いてあるんですね。「消費者は、自ら情報を収集し、学習し、適切な判断ができるような主体的行動が期待される」これは今までの趣旨と変わりません。
 「一人ひとりの消費者が、適切な商品等の選択を行う、適正な条件等で取引を行う、エコ商品の開発等について意見を述べる、商品や取引等に係わる苦情を事業者へ申し入れる、悪質事業者の誘いに応じない等の消費行動は、社会経済に影響を与え、さらに社会を動かし、公正かつ自由な競争が行われる市場づくりに寄与することになる」・・・。ここは、明らかに、消費者が非常に市場の流通に対して積極的にかかわり、前向きにかかわることによって市場が公正に動くことに寄与できるんだという形で、消費者の役割を論じているわけです。ここは、私、非常に重要だと思うんです。
 これが明文化されて、条例にも、文章を通じて提案されたものを見ますと、消費者は、その消費行動が市場に与える影響を自覚して社会の一員としての役割を果たす。

 これは、一見、言葉としては似た言葉を使っているんですが、同じ言葉を使っているんですが、この場合は、プラス面でもマイナス面でも見ることができるんですよね。
 現実に今起きている問題は何かというと、消費者の消費行動によって、食肉業者がまさに廃業の瀬戸際まで追い込まれているということなんですよ、現象的には。

 しかし、これは消費者の責任じゃないということは明白です。自覚的行動をとろうにも消費者の場合、情報がないんですから。私は、こういうプラスマイナスどちらともとれるような書き方ではなく、やっばりこの答申にあるように、消費者の積極的な役割の発揮、これが社会に影響を与え、市場によい影響を与えるというふうに、はっきり書くべきだったということを指摘をさせていただきたいと思います。

 それから、ちょっと時間の関係で、この後、指摘だけにさせていただきますが、もう一つ条例の中には、今回、十六条に、製造年月日の記載義務を外すというのが出てきます。
これは、JAS法が平成七年に改定されまして、その時点で、それまで賞味期限と製造年月日が義務づけられていたのを、賞味期限でよいと。企業の責任で、この食品はいつまでもちますよということを明記すればよいということで、国の法律は変わった。
 その後、七年かかったんですが、たまたま今回、条文の改正があったんで、初めてこの条文に出てきたわけです。私、平成七年ごろの記録を振り返ってみたら、我が党の大山議員が、この時点で消対審の中で、消費者はやっぱり自分で選びたいんだと、企業の責任でつけた消費期限だけじゃなくて製造年月日も併記してもらいたいんだということを、明確に意見として述べています。国会でも恐らくそうだと思うんです、私どもの党の意見は。

その点については、今回、条例に関して、もうすでに実施されちゃって全部消費期限しかついてないんですけど、こういうことが初めて条例に出ましたので、この点については明確に申し上げておきたい。
 最後に、四十九条ですが、これは悪質な業者の摘発といいますかね、監督、公表、これに至る迅速性を確保するということで、これまでは相当な期間を置いて公開による意見聴取を行わなきゃならないとなっていた。これじゃ手間暇かかるということで、今回は行政側が意見の聞く機会を与えるけれども、できるだけ迅速にするということで 「相当な期間」を外し 「公開」を外したという。「相当な期間」は外して結構、しかし 「公開」というのは、今日的には大きな意味があるというふうに私たちは考えており、公開の言葉は残すべきだというふうに意見を申し上げておきます。
 ちょっと私どもの一方的な意見で申しわけありません。「長いよ。もっとまとめなさいよ」 と呼ぶ者あり) 済みません。最後にテーマが残っているもんで、あと二十分ぐらいでやらなきゃならないんで、済みません。

(6)女性財団問題。
一時間という持ち時間の中で、どうしてもこれだけは最後にやっておきたかったので。
 女性財団の問題なんです。経過は複雑で、私もこの廃止問題が起きた後に文教委員になったものですから、苦労して勉強しました。財団の中でのいろんな議論もあったし、それに踏み込んであれこれいうことは、私もちょっとなかなかできないので、大きな意味で、今後の女性施策の発展を願う立場から、何点か質問したいと思います。
 まず最初に、平成十三年第一回定例都議会で、知事は、それまでの廃止方針はあるけれども、今後の財団のあり方については基本的にその存廃を含めて根本から見直し、十三年度内に結論を出していただきたいと答弁されました。これは、やっぱり女性財団を支えてきた方々の要望や陳情、それから都議会の私たちも含めて意見を申し上げたことの反映かなというふうに思います。
 これまで一年間いろんな議論があったし、何らかの提案がされたこともありましたが、今日ただいま、東京都のこの方針については、方針の変更やつけ加えるということはないんでしょうか。

○高西男女平等参画担当部長 東京女性財団につきましては、平成十二年度の監理団体総点検の結果、男女平等の促進を図る観点から、局、団体事業、一体的かつ効果的に運営するため団体を廃止するとされたものでございます。
 その後、お話のように、知事の考えが示され、これを受けて財団におきまして検討がなされ、存続を前提とした寄附行為改正案が、評議員会及び理事会に提案されましたが、否決されたところでございます。
 一方、ウィメンズプラザにつきましては、十三年四月から直営化しておりまして、基本的には財団事業を引き継ぎながら、ドメスチックバイオレンス相談ですとか、あるいは企業における参画侭進等に積極的に取り組んでいるところでございます。
 こうした状況の中、知事の方針に変更はございません。

○曽根委員 方針に変更はないとはいっても、実態は女性財団の担ってきた活動のかなりの部分は、ウィメンズプラザの運営も含めて、東京都の直営になっています。私たちは、直営事業になったものについて、今すぐ全部放り出せだとか、そういうことは絶対に考えておりませんし、これはこれで、ちゃんとやってもらわなければなりません。今、実質的に問題になり、また女性財団の方々が、それでもなおかつ女性財団をきちっと残してほしい、残したいと思っているのは、自主事業の問題だと思うんです。
 そこで、今お話のあったように、十二月二十六日に評議員会、二十七日に理事会か開かれました。財団を存続する寄附行為の改正案というのは、そこに提案されて、評議員会は残念ながら過半数に届かなかったようですが、二十七日の理事会は、これは当事者の方ですならなければ、四分の三以上を取らなければ寄附行為の改正はできないという規定で、届かなかったということでした。
 そのとき、副理事長で、恐縮ですけど、高橋生文局長が出席されて、この改正案に反対をされています。
 それで、この反対の理由についてお聞きしたいと思います。

○幸田総務部長 局におけます監理団体の取りまとめの窓口でございますので、私の方からご説明を申し上げます。
 今お話にございましたように、女性財団のこの寄附行為の変更という、理事会に提案され、評議員会でも議論された。
 この寄付行為の変更につきましては、ご案内のように、東京都の監理団体におきましては、人、物、金の支援といいましょうか、行ってございます。この根拠は、財団とそれから東京都との間で、いわゆる運営に関する協定書というのが通常結ばれてございます。この財団の寄附行為の中では、理事等々の変更でございますとか、寄附行為上いろいろな事項の変化に応じまして、変更ということが生じますので、その場合には、監理団体として事前に都の承認をする必要があると、こうなっていることがございます。
 そういうことを前提に、今回、この考える会という形で取りまとめられた財団の寄附行為改正案の中身について、東京都の監理団体の窓口の立場に立つ私の方からしてみれば、幾つかぐあいが悪いのかなと、こういうことがございました。

 そのうち大きなものをちょっと申し上げますと、例えば財政面で、財政規模を抑制し運営資金を寄附で集めるんだと公益法人としての存続性が危ぶまれると、こういうことがございまして、この健全な事業活動に要する金目の、歳入の確保、こういう点で非常に心配があったというふうに思っております。
 第二は、公益法人の場合は、事業というものが寄附行為上に明確に規定をされてございますが、原則として、その事業は、掲げられた事業はすべて行わなければならない。ところが、ご案内のように、財団の事業は、この直営化におきまして、従前委託をしていた事業は都の直営事業として、すべて、一部ないものもございますけれども、大部分が直営事業として行ってきてございます。そういうことで、財団の寄附行為上に規定された事業が、かなりの部分、都の直営事業として行われているという実態面があったという点で、ご提案の寄附行為の改正というのはいかがなものかと。
 それから、先ほど申しましたように、寄附行為等を改正する場合には、事前に都との承認というものが必要なんですよと、こういうルール、こういうことから、副理事長という立場にある局長が反対であると、こういたしたところでございます。

○曽根委員 今、大きく二つの点がお話になって、聞きようによっては、つまり一つは、都の承認が必要、そして千五百万円以上ですか、確実な継続性のある収入源が必要と。寄附は不安定だからというんでしょうね。都との補助でその分は賄っていたんでしょうが、それが東京都の方はお金を出す気がないということになったら、自動的にもうそれは難しいと。
 もう一つの問題は、寄附行為に書かれた事業は全部やらなきゃならないと。ところが、これは直営事業で、東京都はもう都の方に引き上げていると。したがって、これまた財団がどうもがいてみても、仕事は東京都に出ているので、これも難しい。
何ていうんですかね、これは。財団を残したいと頑張ってきた方々にとっては、安楽死を勧められているようなものだなというふうに思うんです。
 しかし、知事の発言というのは、財団のあり方については、基本的に存廃を含めて見直し、自分たちで考えなさいというふうに私は聞こえたんですよ。自分たちで考えた案が出た。そのためには、その案をもし実現しようと思ったら、東京都の協力なしにはできない。
そのときに、東京都は協力しないと。そうすると、最初から自分たちで考えろといったって、意味がないということになってしまう。現状が、そういうことにあるのは間違いないです。
 そこで、私は、ぜひ知事の、昨年、廃止方針からわざわざ知事の意見として、財団で考えなさいといったことを、一人の行政の責任者であり、監理団体を監理する都の責任者としての言葉として、正面から受け取るなら、そこで考えた案については、実現するために東京都も骨を折ってもいいよということが、私は含みとしてあっていいと思う。あったかどうかは別ですよ、あっていいと思う。そうじゃなきゃ意味ないんですから。

 そこで、これから寄附行為の掲げた事業をやらなきゃならない問題、いわば手続上の齟齬になっていると思われるこうした提案された問題を、私は実務的な面でも、また何よりも財団で自主事業を続けたいと思っている方々の熱意にこたえるために、ぜひ解決のために骨を折ってもらいたい。そうでなければ、本当に蛇の生殺しになってしまう。
 女性の多くの団体との関係、東京都との関係は、今後非常に悪化せざるを得ないと思います。これ
が第一です。

 もう一つは、財団がそうまでして生き残りをかけて残したいと思っているのが何かということで、ウィメンズプラザの運営については、実態として東京都が引き上げています。それでもなおかつ、本来はウィメンズプラザについてももちろん多くの方が意見をいっているわけですが、自主事業は、東京都には引き継がれていない。ここには、女性財団が発足当時から一生懸命取り組んできた先進的な研究や調査に対する、何かお金を出して助けたいと、大学の先生や女性のいろんな団体の方が自分たちで調査をして、そして今日の男女共同参画のさまざまな政策に結びついてきている、その成果をつくってきた研究や出版物、出版の事業、こういうものは、どうなんでしょうか。東京都がすぐに引き継いでいこうと考えているのか、どうなんでしょうか。

○高西男女平等参画担当部長 自主事業を引き継いでいないというお話でございましたが、基本的には自主事業も従前も……自主事業という名称ではございましたが、東京都の補助事業ということで、基本的に直営化とともに引き継いでおります。
 多分、お話の点は、テーマ研究とか、あるいは出版事業のことをお話しになったのかなというふうに思いますが、女性財団がやっておりましたテーマ研究につきましては、これまで実施してきたものでございまして、これは平成十二年度をもって計画的な研究が終了したものでございまして、たまたま直営化と年次が一致したというだけででざいまして、そのせいでやめたということではございませんで、もともとの当初の計画が終了したものでございます。
 それから刊行物でございますが、普及、広報のためには、現在も必要に応じて作成配布をしております。このたぴも、今年度事業といたしまして、ドメスチックバイオレンス防止のためのビデオを作成し、配布したところでございます。 販売につきましては、今後、状況により検討してまいりたいと考えております。

○曽根委員 先日、私どもの会派の女性議員が、その女性財団問題でのいろんな集まりに参加をしまして、そこでいろんなことを勉強したんですが、昔は日比谷図書館の一角に拠点をつくって、女性の団体の集まりを細々とやりながらここまで来たと。

 当時から、一番大きな、女性問題の研究や何かに、条件が非常に厳しい中で取り組んでいる研究者、調査団体にどうやったら援助できるかというのがやっぱり大きなテーマだったと思うんです。
 たまたま十二年度で計画事業、終わったらしいんですけれども、恐らく私は何らかの形で、自主的にこういう事業が行われなければならないし、行われていくだろうと思います。
 そのときに、東京都はこれに援助をするということは、私は当然あっていいことだし、その方法として、女性財団を存続し、規模はウィメンズプラザの当時に比べれば小さくはなっても、残っていくことはあり得る道だと。

 そういう点で、一部出版物や何かは東京都の方でもやるようですが、やっばり自主性、そして何といいますかね、自由に自分たちのやりたいテーマを追っかけられるという点での、各自主的な団体の予算を生かすという点で、この点もぜひ自主事業といいますか、出初から直営方式言っていたんじゃないの」と呼ぶ者あり) 共産党は、そのとおり、ウィメンズプラザができたときに、このプラザは直営でやるべきだというふうに申し上げたんです。だから今直営でやっていることについて、やめろといってないんですよ。

ただ、それが直営になっても、なおかつ残っている女性財団の活動があるんですよ。残すべき活動がある。この今後の発展を私は期待したいんです。
 なぜかというと、やっぱりこれから男女共同参画の、今回私も文教委員になったので、こういうプランをいただきました。いろんなことが書いてあるんですけれども、これに肉づけしていくのは、私は、東京都がこれまでもおっしゃってきたけれども、女性の多くの分野の団体との協力なしにはできないんですよ。実際、にない手になるのは、そういう方々なんですから。

 そして財団の問題でこんなにこじれた状態のままで、それで今後のいろんな意味のところを、どうやってこの問題を円満に解決して担ってもらうかということが、これから、前を考える、これからのことを考えれば、やっばり考えなきゃならない。
 それで、今私が申し上げた二つの要望をふまえて、東京都としては、さきの知事の方針、これをいわば前向きにとらえて財団の存続に協力をすると、何らかの援助をするというふうなお考えはありますか。

○高西男女平等参画担当部長 先ほども申し上げましたかもしれませんが、知事の方針に
変更はございません。都としましては、十三年度内に結論を出していただきたいと考えて
おります。

○曽根委員 結論をまつということですが、私は、理事会、評議員会の手続問題もいろいろあると思うんです。ここで持ち出す気はありませんが、理事会と評議員会はお互いに過半数でもって承認し合う関係で、まさに制度上、がんじがらめなんですね。知事が提案しても、それを、例えば理事会が過半数で承諾しなければ、選ばれなくなっちゃうんですよ。
 こういう関係は、膠着状態ですから、何らかの形で打開しなきゃならない。 それで、私は、この問題は解決を東京都の責任でお願いすると同時に、これとは別に、具体的にこういうプランもできて、これから男女共同のまさに社会づくりに取り組んでいかなきゃならない、そのときに、私は、プランに載っている団体もありますよね、

 同時に女性財団を担ってきた団体とも、垣根なしに、今後のことについては大いに語り合い協議し合うと、相談をするという関係をつくっていただきたいんですが、いかがでしょうか。そういう場をつくっていただきたい。

○高西男女平等参画担当部長 男女平等参画施策の推進に当たりましては、お話のように、都民、事業者、各種団体の連務と協力が不可欠でございます。東京都におきましては、そて、行動計画の策定及び推進に参画していただいているところでございます。
 また、東京ウィメンズプラザにおきましても、東京ウィメンズプラザ利用団体連絡会、こういうものを開催しまして、施設利用に当たっての意見、要望をお聞きしましたり、あるいは事業についての情報提供をしております。
 さらに、女性団体等連絡会議あるいはドメスチックバイオレンス被害者支援関係機関連絡会議などを通じまして、さまざまな都民や団体の方々とは、常時、意見交換を図っているところでございます。今後とも、こうした会義等を通じまして、都民や団体の方々と連携協力してまいりたいと考えております。

○曽根委員 最後に一言。
 今、都民のウィメンズプラザ利用者の方にもいろんな声をお聞きしてというお話がありました。それは大いにやっていただきたい。
それで、その声をお聞きする場が、平日の昼間やられているでしょう。参加する人は、仕事を休んで出るというわけですね。

 したがって、そういう会議一つとっても、私は女性の団体の代表者の方が出やすい夜とか土日、直営ですから公務員の方は大変でしょうけれども、直営にしてもレベルを落とさないという以上は、そういったことは当然配慮していただきたい。
 そして、これからの女性施策の発展、私たちもいろいろものを言っていきたいと。そのときに、やっばりこの問題は何としても解決してもらいたいんですよ。こじれたままでは、やっばり女性団体の多くの部分のエネルギーを失いますよ。ぜひ協力関係を再構築していただきたいことを強く求めて、質問を終わります。
  

議会質問2009年迄目次 2013年度議会質問へ  そね都議活動