そね質問目次へ  そね都議活動   


  
財政委員会速記録

平成二十六年十月三十日(木曜日)

事務事業質疑「舛添知事の株式公金投入構想について」

〇曽根委員 私からは、多少のダブりは除きまして、公金管理委員会から、今回、アドバイザリーボードに組織改編を行ったことに関連し、知事の公金の株式運用に向けての発言が繰り返されていることに関連して質問をいたします。

 最初に、先ほど基本的な点は、別の委員からもご質問がありましたので、まず第一に、公金管理委員会、今までの組織と、今回、組織改編されたアドバイザリーボードとの役割の、共通点は当然あると思うんですね、それはどういうものか、そして、新たに加わったアドバイザリーボードの役割というのはどういうものかをお聞きしたいと思います。

〇松下管理部長 これまでございました公金管理委員会と、この十月に設置しました資金管理・活用アドバイザリーボードは、金融分野における専門家の委員が、会計管理局長に都の資金管理について意見を述べる会議である、この点は同じでございます。

 資金管理・活用アドバイザリーボードは、より効率的かつ機能的な運営を可能とするとともに、資金の管理運営の活性化に向けた検討を効率的に進めるため、公金管理委員会及び環境局より移管されたファンドの議論を行います投資評価委員会を改組いたしまして設立したものでございます。

〇曽根委員 すると、今までも、歳計現金を初めとする公金の扱いについて意見をいう専門家の役割と、同時にこれからは、環境局が今まで担ってきたエネルギー関係のファンドを、今度は会計管理局で扱い、それに意見を具申する役割をこのアドバイザリーボードが負うという理解でよろしいんでしょうか。

 先ほども関連質問がありましたので、そういうことを前提として質問を続けたいと思いますが、そうすると、当然知事からの指示があったと思いますが、どういう内容の指示、もしくはメンバーの推薦があったのであれば、そのことも含めて、アドバイザリーボードの立ち上げについて、どういう指示があったのかをお聞きしたいと思います。

〇松下管理部長 資金管理・活用アドバイザリーボードにつきましては、この七月にまとめられました東京国際金融センター構想に向けた取り組み、これにおきまして、投資運用の専門家等で構成されるアドバイザリーボードを整備し、より効率的な運用に取り組むとされたものでございます。

 メンバーにつきましては、公金管理委員会からの議論や成果を継続するため、一定のメンバーを再任しております。あわせて幅広い情報を持ったメンバーを新たに加えたものでございます。

〇曽根委員 メンバーも八人から六人に減らして、効率的に動けるようにということがあったようですが、同時に、私、この問題では二つの点で今後の動きを注視していきたいと思います。

 一つは、公金そのものの扱い、いわゆる都民の税金の管理運用に関しては、地方自治法で縛りがかかっているということは先ほどもお話がありました。しかし、このアドバイザリーボードの構想が、知事の国際金融センター構想の一環として出てきているということなんですね。ということは、東京都の公金もこの国際金融センターに、いわば実践的にも加わっていく投資家としての東京都を想定しているんではないかということは当然あり得ることだし、また、知事もその旨の発言をしているかに聞こえます。

 そうすると、そっちの面で、何らかの法的な改定か、もしくは解釈の変更によって、公金そのものをこの国際金融センターに、いわばつくられようとしている新たな市場に、東京都としても、いわば投資家として参入していく手立てに使うという危険を感じるわけですね。この点は、皆さんも認識は同じだと思います。

 同時にもう一つは、新たにファンドを担うというこのアドバイザリーボードの意見具申の場や、それから会計管理局の役割についてですが、ファンドというのは、本来、国際金融センターがそうであるように、投資対象というのは制限がないものです。

 かつて、ハゲタカといわれたファンドの動きを見てみても、金融機関が抱えたありとあらゆる業種の不良債権をバルクセールで買い取って、その中には、ものづくりの工場もあればラブホテルもある、あらゆる業種で、これは残せるか残せないかを判断して、売るものは売り、処分するものは処分し、生かせるものは生かしていくという、こういう非常にシビアな判断をやったのが、当時の不良債権処理のファンドの役割でした。

 これが、全く同じとはいいませんけれども、ファンドというものを、今は、環境局から再生エネルギー関係のファンドとして移ってきていますが、今後は福祉も含めていろいろ考えられる。

 そのときに、それぞれの分野を担っている事業局との関係を切り離したままで、環境問題や福祉問題の専門家でない会計管理局が、ファンドを主導的に立ち上げるということができるのかどうかということに、私、大変疑問を感じます。その点での連携がどうしても必要になってくるだろうし、これが際限なく広がっていくと大変危険な印象を受けざるを得ないということはいっておきたいと思います。

 それで、最初に申し上げた問題点の第一点目の公金管理の原則についてなんですが、改めて私からも、東京都はもちろんですが、国の方でも、地方自治法が、今の現状である限りは、元本割れをする危険のある分野に、歳計現金はもちろんですが、基金も含めて公金を投資する、もしくは運用することはできないということは明確だと思いますが、この点での解釈に、今後も含めて変更があってはならないと思いますけれども、いかがでしょうか。

〇松下管理部長 都の公金運用は、東京都資金管理方針に基づきまして、安全性の確保を第一といたしまして、さらに効率性を求める、そういった原則となっております。

 公金の管理は、地方自治法第二百三十五条の四第一項及び第二百四十一条第七項により、最も確実かつ有利な方法により行うという規定がございまして、この条文の解釈は、元本保証のある商品による運用と国の方でも明確に定めております。

 同じく都についても同様の考え方でございまして、これまで金融機関への預金や国債等の安全性の高い債券で運用してきておりまして、この方針は今後も変わらないと考えております。

〇曽根委員 ただいまの答弁が厳格に守られることを期待したいと思いますが、そういうことが明確であるにもかかわらず、舛添知事が、繰り返し、株式運用の可能性について検討をと述べている。これはどういうことなのかなと。

 知事が、今この問題で発言している内容について、会計管理局として認識はどうかということをお聞きしたいと思います。

〇松下管理部長 知事は、東京を世界的な金融拠点とする東京国際金融センター構想のその一環として、資金運用の多様化、効率化について発言をしておりまして、その中で公金の株式の運用の検討について、検討ということで言及しているものでございます。

〇曽根委員 私たちのひが目であればいいんですけれども、杞憂であればいいんですけれども、知事は何らかの打開策といいますか、公金を何らかの方法で株式投入できる突破口が開ける可能性を何か考えているのかなというふうに、少し勘ぐらざるを得ないんですが、その一つのルーツとして、私はやっぱり、かつて行われた新銀行への投資、このことを思い出さざるを得ません。

 というのは、これは偶然でしょうけれども、当時、その投資の準備の舞台となったのは、出納長室なんですね、今の会計管理局に当たるわけですが。こういうところを通じて、銀行を準備する、本格的に始めるときは産業労働局に行きましたが、やっぱり資金運用の道を広げて、拡大解釈で何かをやろうというときに、言葉は悪いけれども、歴史的にいえば使われてしまった経緯がありますので、その点は、特に注意をしておく必要があるということをいっておきたいと思います。

 現行の法令では株式運用はできないということは明確です。そこで、今後の問題として、他の自治体の例は先ほど質問がありましたので、私繰り返しませんが、自治体がこうした資金運用で失敗し損失を生み出した場合は、大きな損失を都民に与えるだけではなく、知事の、行政みずからの信頼を損ねるということは、これまでも私たち苦い経験をしたわけですので、その点では、くれぐれも運用については誤りのないようにお願いし、ほかの質問はダブりますので省略いたしまして、私の質問を終わります。



   そね質問目次へ  そね都議活動