そね質問目次へ  そね都議活動   


  
都市整備委員会 平成二十八年二月十五日(月曜日)


横田基地へのオスプレイ配備反対陳情の採択を求め質疑

〇中村委員長 次に、陳情二七第一一五号及び陳情二七第一一六号は、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

〇筧基地対策部長 お手元の請願・陳情審査説明表の五ページをお開き願います。

 整理番号2、陳情二七第一一五号、米軍横田基地へのCV−22オスプレイ配備計画に伴う環境レビューに関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情者は、横田基地問題を考える会代表世話人、井出由美子さんです。

 陳情の要旨は、都において平成二十七年十月十五日に防衛省が公表したCV22の横田飛行場配備に関する環境レビューについて、次のことを実現していただきたい。

 1、CV22オスプレイの事故率に関し、以前はMV22オスプレイよりも事故率が高いと説明していたが、環境レビューでは安全性に問題はないと説明している。この矛盾について、国、防衛省に説明を求めること。

 2、環境レビューの作成年月日は平成二十七年二月二十四日となっているが、公表は平成二十七年十月十五日である。なぜ八カ月も経過してからの公表となったのか、国、防衛省に説明を求めること。

 3、環境レビューの内容について、国、防衛省に説明を求め、それを広報等により都民に詳細に説明することというものでございます。

 現在の状況ですが、国は平成二十七年七月中旬に米側からCV22の横田飛行場配備に関する環境レビューの提供を受け、翻訳や内容照会などを行った上で、同年十月十四日、都など関係自治体に説明を行い、翌十五日、防衛省のホームページにおいて公表いたしました。

 CV22につきましては、平成二十七年九月末の時点で総飛行時間が約五万一千時間にとどまっており、十万飛行時間に達しないと有意な事故率の数値を算出することが困難であると国は米側から説明を受けております。

 また、国は今般、改めてCV22についての過去の事故の原因等について確認したところ、CV22に特有の苛酷な条件下での訓練活動が原因で発生した重大事故はなかったとしております。国はMV22の運用の安全性について、国が独自に行った事故分析評価や日米合同委員会合意により十分に確認されたものとしております。
 また、CV22の運用の安全性についても、CV22とMV22は、機体構造及び基本性能が同一であり、米側も我が国における運用に際してMV22と同様に安全を徹底することを確認していることから、MV22と同様に確保されるとしております。

 続きまして、七ページをお開き願います。

 整理番号3、陳情二七第一一六号、MV−22オスプレイのハワイ墜落事故の調査報告に関する陳情についてご説明申し上げます。

 陳情者は、横田基地の撤去を求める西多摩の会代表、高橋美枝子さんです。

 陳情の要旨は、都において次のことを実現していただきたい。

 1、MV22オスプレイのハワイでの墜落事故の調査報告書を、全文公開するよう日米両政府に要求すること。

 2、エンジンフィルター、空気ろ過装置が改善されていないMV22オスプレイの日本での飛行を直ちにやめさせるよう日米両政府に強く要求すること。

 3、オートローテーション、自動回転機能がないオスプレイの飛行は認められないので、MV22オスプレイの全機撤去と横田基地へのCV22オスプレイの配備撤回を日米両政府に要求すること。

 4、MV22オスプレイのハワイでの墜落事故に関する情報や、このことについての都の見解を、都の広報紙や公式ホームページなどで都民に知らせることというものでございます。

 現在の状況でございますが、平成二十七年十一月二十三日、米国は同年五月にハワイで発生したMV22オスプレイの事故について、調査結果を公表するとともに、日本政府に説明いたしました。

 国からは、MV22オスプレイの設計に根本的欠陥があるわけではないことが改めて確認され、また、マニュアルの改定や教育の徹底により、再発防止策がとられ、安全な飛行が確保されていると聞いております。また、国は、MV22オスプレイはオートローテーションが求められる場面はほとんど想定されないが、オートローテーションに係る機能自体は保持しているとしております。

 オスプレイの運用や配備のような安全保障に関することは、国の専管事項であり、国の責任で行うべきものです。

 都は、国において十分な説明責任を果たすとともに、CV22オスプレイの配備については、安全対策の徹底を米国に働きかけることを国に対して要請しております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

〇中村委員長 説明は終わりました。

 本件について発言を願います。

〇曽根委員 それでは、まず陳情二七第一一五号について何点か質問いたします。

 環境レビューについて、これまでここでいわれている三項目、ほかにも恐らくたくさんの疑問点があると思いますが、特に重要な三つの項目について、都のこれまでの広報や説明ではわからないので、改めて国に説明を求め、都民にも公表すべきであるという、この立場は私たちも当然と考えております。

 したがって、この陳情については採択すべきという立場から何点かお聞きしたいと思います。

 まず、都の先ほどの状況説明、そのほかさまざまな形での広報を見ても、CV22は正確な事故率が出せるほどの段階にはなっていないということがいわれました。また、過去の訓練での事故はCV22の持つ特有の苛酷な条件での事故ではなかったと、そういうことを国または米軍の方で説明しているので、今回についてはMVと同様ということで考えているというような、かなり大ざっぱにいえば、そういう趣旨かと思います。

 ということは、かつて沖縄にMV22オスプレイが配備される際に、政府の説明でCV22はMV22よりも事故率が高いということや、その原因はCV22の任務が極めて危険な特殊任務であって、それが原因になって、CV22の事故率が高いんだというふうな説明がされたと聞いておりますが、これは事実上、撤回されるというふうに受け取ってよろしいのですか。

〇筧基地対策部長 航空事故の事故率は、十万飛行時間当たりの飛行事故の件数として算出されます。国は従来より、CV22については運用導入されてからの飛行実績が浅いことから、事故率に占める各事故の割合は高くなるとしておりました。

 また、今般、改めて国がCV22の過去の事故原因等について確認したところ、苛酷な条件下での訓練活動が原因で発生した重大事故はなく、その上で改めてCV22の安全性について総合的に検討した結果、MV22と同等に判断するに至ったものと国から聞いております。

〇曽根委員 前回の説明は、事実上どちらの理由もMVが安全だということを強調するために、CVの方を危険だといってきたことの中身は事実上撤回されたといわざるを得ないと思います。それにしても、CVが危険だといえない理由は、単に飛行時間がまだ少なくて、本当に危険なのかどうかわからないというだけのことであって、今後、飛行時間が延びていけば、やっぱり危険だということになる可能性は十分過ぎるほどあるといってもいいと思います。

 しかも、CVの機体はMVと同じだから、過去の事故の経験もみんな特殊任務をやっているときの訓練じゃないから、だからMVと同様だというのも極めて曖昧な理由であって、これを理由にMVも安全だし、CVも安全だという根拠になるというのも、これは二重の意味で、私はごまかし、極めて無責任な主張だといわざるを得ないと思います。

 この間、ご存じのように昨年のハワイ事故に続き、二度目の重大事故が起きました。揚陸艦への着艦に失敗して、機体そのものが完全にだめになっちゃったんですけれども、そういった事故が続いたことから、最近の報道ではMV22の事故率もCV並みに高くなっているということがいわれており、そうすると、これまでの飛行時間も少ないから、CV22の安全性が確認できないと。しかも、比べる対象のMV22も最近事故がふえてきて、CV並みになっているという点でも、実態としては何ら安全性が確認されたというようなものではないということは明らかじゃないでしょうか。

 陳情者は二番目に、この環境レビューの公表に八カ月もかかったのは、アメリカ側と政府の側で何か裏でやりとりがあったんじゃないかということも当然不審に思っているというふうに思います。これは安全性の問題ですから、都民の知らないところで、このオスプレイの安全性にかかわる重大な情報のやりとり、ましてや環境レビューの記述内容の調整などが行われては絶対にならないと思います。

 最近も、アメリカ軍のホームページから、オスプレイがクラスAの重大事故だけではなく、クラスDの些細な事故も含めると、大体飛行時間九十時間に一回事故を起こしているというようなことが明らかにされた部分が何か突然、削除されたというような話も出ているように、その情報の出し方さえいろいろと操作されるというようなことがあってはならないし、この八カ月の間にどういうやりとりがあったのかということは、引き続きこれは問題にしていかなきゃならないと思います。

 そこでお聞きしますが、結論として、東京都はCV22について、MV22と同様に安全を徹底するという、アメリカもしくは政府の説明を是としているようですけれども、MVが最近続けて事故を起こしている、この実態については、私の勝手な予測ですが、CV22が非常に危険なので、専ら訓練をMV22でやっているんじゃないかと思えるような、最近の集中的な事故が、MVで集中しているということにあらわれているし、どちらにしても事故率が上がっているということは、飛行時間が延びれば安全性が確保されてくるだろうと。つまり操縦者がだんだん操縦になれてくるから安全性が確保されてくるだろうというような、統計的な安全の領域に入ってくるという、こういう説明では、もう最近の事故の状況を見ると説明がつかなくなっているんじゃないかと。

 こういう点での、いってみれば日本の基地に配備する際の安全性についても、この環境レビュー自体も歯どめにはならないし、安全の保障にはならないということになっているんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

〇筧基地対策部長 都は、都民に影響を及ぼすような米軍機の運用につきまして国等に情報の提供を求めておりまして、先ほどありましたような、お尋ねのようなCV22及びMV22の運用状況については承知しておりません。

 国からは、今般のハワイの事故調査結果によってMV22の設計に根本的な欠陥があるわけではないことが改めて確認され、また、マニュアルの改定や教育の徹底により再発防止策がとられ、安全な飛行が確保されていると聞いております。
 また、国が独自に行った事故分析評価や日米合同委員会合意等を通じて、MV22の運用の安全性についても十分確認されたものとしております。
 CV22の運用の安全性につきましても、MV22と機体構造及び基本性能が同一であり、米国も我が国における運用に際してMV22と同様に安全を徹底することを確認していることから、MV22と同様に確保されるとしているところでございます。

〇曽根委員 結局、米軍やその説明を受けた国がこういうふうに確認をし合っているから安全だと。東京都としては、それに従わざるを得ないというか、従うというか、そういうことだけで本当に都民の住んでいる住宅密集地の真ん中にある基地に、横田に配備されることについての安全性が本当に確保されるのかと。

 例えば、国の説明が、米軍の説明ですね、これが本当に信用できない場合はどうするのかということが、やっぱり問われてくるときが来ると思うんですよ。その場合、都の独自の判断基準、何もないということじゃ済まないだろうと思います。

 国の日米合意で、例えば訓練の高さだとかそういうものは決められていると思いますけれども、都独自に横田周辺のオスプレイ運航について、最低高度やヘリモードに移行する問題などについて、独自の約束を米軍とちゃんと交わすということはできないんでしょうか。

〇筧基地対策部長 国からは、米国はCV22オスプレイの我が国での訓練、運用に際しては、MV22オスプレイに関する日米合同委員会合意を含む既存の全ての日米合意を遵守する旨を明言していると聞いております。

 MV22オスプレイに関する日米合同委員会合意におきましては、運用上必要な場合を除き、通常、米軍の施設及び区域内においてのみ垂直離着陸モードで飛行し、転換モードでの飛行時間をできる限り限定することのほか、低空飛行訓練につきましても、原則として、地上から約百五十メートル以上の高度で飛行することなどが定められております。

〇曽根委員 こういう日米合意があり、これが前提となっているから、都独自の合意や約束は必要ないということだと思いますが、しかし、この日米合意自体も、本当にそれで安全確保されるのかという点では全く不十分だと私も思いますが、その日米合意さえ守られていないんじゃないかという実態は、現地にお住まいの方々にとっては、いわばもう既に経験済みだといわざるを得ないと思います。

 例えば、おととし二〇一四年に、七月十八、十九日にかけてオスプレイが初めて横田に飛来しましたが、このときには、幾つかのマスコミで映像や写真が報道されています。

 私が入手した報道の写真は、明らかに、オスプレイの少し上からヘリコプターで写真を撮っているんですけれども、もう高さが百五十メーター以下になっているんですよ。これは詳しく調べればわかることだと思いますが、恐らく東京都もその新聞報道は見ていると思います。しかも、それはもうほとんどがヘリモードになっているんですよ。まだ町田上空ですよ。そういう状態が現に写真でも報道されているのにもかかわらず、日米合意は守られているはずだと決めて、それで都独自としては何らの交渉も約束も考えていないというのは、これは都民に対して無責任だといわざるを得ないと思います。

 例えば、沖縄のMV22配備のときに環境レビューが出されましたが、これに対しても、当時、知事は仲井眞知事でしたけれども、仲井眞知事名で数十項目の質問を政府ないし米軍に出しているわけです。ちゃんと説明を求めている。これぐらいのことは地元の自治体として、都として行うべきだということは申し上げておきたいと思います。

 さらに、先ほどもちょっと事故の話がありましたが、陳情二七第一一六号についてなんですけれども、この点では、アメリカ軍の事故報告というのはわずかな文章です。これは明らかに事故の調査を行った上でのメディアリリースで、最終結論だけを簡潔に述べたというものであって、このバックには当然ながら調査のデータがあるはずです。それも含めた報告書、事故報告そのものをちゃんと出させると。

 少なくとも安全性に係るものは全部資料を出させて報告させ、都としては公表すべきだと思いますが、いかがですか。

〇筧基地対策部長 国からは、MV22オスプレイのハワイにおける事故の調査報告書は公表されておらず、国も米側から提供を受けていないと聞いております。調査結果の概要は米国が公表するとともに、国におきましても、防衛省がホームページにおきまして、その日本語訳と説明資料を掲載しているところでございます。
 国からは、事故調査報告書につきまして、米側に対して、米軍の運用や個人のプライバシーにかかわる部分について必要な編集作業を行った上で、日本側に提供するよう求めていると聞いているところでございます。

〇曽根委員 最後におっしゃった点は私、重要だと思いますが、つまり、もとになるこの事故報告書については、プライバシーその他に配慮した上で国が米軍に提出を求めているというのが現状だということですね。

 すなわち、この事故の最終的な原因や、その解決の方法についての分析や評価は、この詳しい報告書を見なければ結論は出ないはずだと思うんで、これはまだ決着がついていないということだといえると思いますので、これは強く早急に米国ないしは政府側に対する資料の提出を求めていくように、都に要望したいと思います。

 そこで、今回出されたメディアリリース及びその附属の資料だけ見ても、先ほどお話のあったように、オスプレイに根本的な機体の欠陥があるということじゃないんだというふうな結論を出すには、余りにもそれは曖昧というか、表面しか見ていないんじゃないかといわざるを得ない点が二つあります。そのことをちょっと聞きたいんですけれども、一つは、粉じんや砂じんが舞い上がった中で設計上ホバリングをしていられる想定時間がこの、それ以上にとどまったから墜落したんだけれども、その時間もより短くせざるを得ないというふうなことがメディアリリースでは書かれていました。

 しかし、この根拠は非常に曖昧だと思いますが、設計上の想定時間、砂じんや粉じんの中にとどまれる時間というのはどのように設定をされたのかということは、都はつかんでいるんでしょうか。

〇筧基地対策部長 国からの説明では、オスプレイが設計上、砂じんの中にとどまることができる想定時間については承知していないが、パイロットにはその時々の気象状況や砂じん等の状況を見きわめ、それに適応した航空機の運用が求められるとのことでございます。

 また、米軍は今回の事故を受けまして、飛行マニュアルの改定を行い、砂じん内における飛行時間を短縮したとのことでございます。

〇曽根委員 つまり、設定の時間は都としては把握していないということでしょうか。それを確認してよろしいですか。

〇筧基地対策部長 国からの説明では、オスプレイが設計上、砂じんの中にとどまることができる想定時間については承知していないと聞いております。

〇曽根委員 これは少なくとも最小限の情報、安全にかかわる重要情報だと思います。改めて、メディアリリースされた文書と資料を見ますと、この中に、設計上想定されている時間以上に砂じんの中にとどまるといった極めて例外的な原因により今般の事案が発生したということをわざわざいっている。設計上想定されている時間以上にというふうにこの中に明記されていますから、これは当然ながら、都側がこれをどういう時間の範囲で設計上想定されていて、今度変更したマニュアルをどれぐらいに変更したのか、変更したことで安全になったのかということは、この事故に係る一番大事なところだと私は思いますので、これについては少なくとも、今、知らないのであれば、当然国や、それを通じて米軍に確認をすべきだと思います。

 もう一つ、陳情者もいっているように、オートローテーション機能自体が機能しなかったんじゃないかといっていますが、これについては都としての認識はどうでしょうか。

〇筧基地対策部長 国からは、今回のハワイの事故では、着陸を試みようとして低高度でホバリングしている際に起きたものでありまして、オートローテーションを機能させるだけの高度がなかったと聞いております。

〇曽根委員 このオートローテーション機能があるかないかということは、オスプレイの沖縄配備の際にも大変重要な争点になりました。政府の説明では、オートローテーション機能自体は持っているんだという説明でした。

 しかし、私たちが入手した資料によると、日本政府がアメリカの説明で聞いているという、シミュレーションだと思いますが、オートローテーション機能というのは、それを始める高さは高度二千フィート、つまり六百十メートル程度の高さが必要と。それから、水平方向に時速二百二十二キロ以上で飛んでいないとこれは機能として働かないと。つまり、水平方向のスピードが相当出ていないと、このオートローテーション機能はオスプレイの場合は働かないと。

 したがって、今回の事故のように、既にヘリモードになっていて地上に近づいているときには、オートローテーション機能というのは全く期待できないということであって、これは大型であろうが、小型であろうが、ヘリコプターなどとは全く違うと、これは明らかになっているわけです。

 私も自衛隊のヘリコプター訓練の様子を−−今、動画でも見られますけれども、もう地上のすぐ上からでも、エンジンが停止した場合にヘリコプターのローターが自動的に回る、その垂直方向にヘリが落下しようとすると、ローターが回ってスピードを減速するという訓練を繰り返しやって、これを訓練をしなければ操縦できないということらしいです。オスプレイのプロペラの形というのは全くヘリコプターとは違いますから、そういう意味でも、このオートローテーション機能というのは、オスプレイが起こしている数々の事故等を防止する何らの力もないというふうに私は断定しても構わないぐらいの状況だと思います。

 そういう点では、私は今回の事故に関して、一番大事な安全性、それも機体の構造にかかわる安全性が問われているにもかかわらず、機体の構造には問題がない、オートローテーション機能を持っていると。そして砂じんを吸い込んだ、これが何秒間以上吸い込んだら危険なのか、こういうことについてもほとんどわかっていないという状況だと思います。

 この点を含めて、改めて政府側に対して事態の解明を行うように求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

〇筧基地対策部長 先ほどご説明申し上げましたように、国からの説明では、オスプレイが設計上、砂じんの中にとどまることができる想定時間については国は承知していないということですが、それは、パイロットにはその時々の気象状況や砂じん等の状況を見きわめ、それに適応した航空機の運用が求められるということでございます。

 また、今回の事故を受けまして、米軍は飛行マニュアルの改定を行い、砂じん内における飛行時間を短縮したということでございまして、こうした対応によって機体の安全性は確保しているものと国は考えていると聞いております。

〇曽根委員 これは余りにも、もう亡くなっているパイロットに対して、極めて問題のある説明だと思います。

 このアメリカ軍のメディアリリースでさえ、最後に、事故機の搭乗員は、エンジンの不調に対処するに当たり、NATOPS、これは訓練ですけれども、全ての緊急手続を打てる手は打ったということを評価しています。さらに、事故調査は、任務や訓練にかかわる搭乗員による誤った対応や過失により本件事故が発生したものではないと結論づけているということで、その操縦していた米軍の操縦士はマニュアルどおり手を打ち、それでも事故は防げなかったと。

 したがって、これは人為的なミスというよりも、やはりこの機体の安全性を確保するためにどれぐらいのホバリングの時間、しかも、地面が砂じんだった場合にどこまでが安全なのかという決定的なデータを持っていないまま、危険な航空機を飛ばしているという軍の側に問題があるんだということをいっているわけですよ。

 したがって、この機体の安全性というのは、じゃあ、その周りの状況によってどれぐらい変わってくるのかということだって、実はわかっていないわけですよね。

 私の知ったところでは、このエンジンはロールスロイスがつくっているようですけれども、結局その開発をアメリカ軍が急がせたために、砂じんの中での安全性テストはほとんどやっていないと。すると、つまりバックデータがないという、そういう中で、結局は今回CVは中東や、それからそういう砂漠地帯にも出撃をすることになるでしょうし、日本でいえば北富士演習場の火山の砂じんの多いところに行って訓練を現にやっていますし、ハワイでも同じようなところで事故を起こしていると。

 恐らく五、六年前でしょうか、CVがイラクに出撃したことがありますね。このときは機体が燃えちゃって回収できなかったわけですよ。このときも恐らくは、砂漠地帯に飛んでいっているわけですから、これと同じような原因による事故が起きているんじゃないかと思うんですが、残念ながら機体回収できませんから、最終的には事故の確認もできていないわけですね。

 したがって、これは機体の安全性は確認できたとは到底いえないということを申し上げておきたいと思います。

 最後ですけれども、こうしたオスプレイの横田配備について、最終的に都は、どの段階のどのレベルの安全性で容認できるのか、認められるのかと、この基準が最終的にはないじゃないかということが、私は非常にひっかかるわけです。そういう基準が軍事的な施設、もしくは防衛上の施設だから、民間機よりも多少危険でもしようがないんだということには、住宅密集地ですから、私はならないと思うんです。

 したがって、最終的には、安全性は民間航空機並みということを都としては求めていかなきゃならないと思いますが、いかがでしょうか。

〇筧基地対策部長 国は、MV22オスプレイの運用の安全性につきまして、国が独自に行った事故分析評価や日米合同委員会合意により十分確認されたものとしております。

 また、CV22の運用の安全性につきましても、MV22と機体構造及び基本性能が同一であり、米国も我が国における運用に際して、MV22と同様に安全を徹底することを確認していることから、MV22と同様に確保されるとしております。

 なお、オスプレイ等の軍用機と民間航空機は、その運用形態が全く異なることから、事故率等を単純に比較することは適当でないと考えております。

〇曽根委員 これは自治体の対応としては、私はやはり不合格だと思います。

 まず第一に、オスプレイのCV22、MV22についての安全性の最大のバロメーターである事故率が、今はっきりしていないということですよ。これが第一。

 それから、環境レビューや、それから日米合意についても、これが守られているということが東京都も確認していないし、我々はこの目から見れば明らかに市街地をホバリングに近い状態で飛んでいるんですから、これは守られていないという現地の声をちゃんと受けとめるのかということが二つ目。

 それから、ハワイの事故のこのメディアリリースを見ても、設計上の砂じんの中の想定時間も都としては把握していないし、それがどう改善されたといえるのかということもわかっていない。さらにいえば、詳しい報告書もまだ受け取っていない。分析もされていない。

 何よりも都が、軍用機と民間機は単純に比較できないといいますが、じゃあ、どこまで危険でもいいのかということを都として認められるのかどうかということですね。私はそんな基準は設定できないと思います。やっぱり民間機並みに安全性を確保せよということは自治体としてはいわなきゃならないと。

 都の基本姿勢という点でも、やはり都民にリスクを負わせるわけにいかないという姿勢をもっと貫いて、陳情者がお二人ともいっているように、米軍や国に対して強く迫っていくということで、この二つの陳情は採択をすべきだと考えます。

 以上です。



   そね質問目次へ  そね都議活動