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2003年12月1日文教委員会
都立高校統廃合計画、心身障害学級見直しなどについて請願・陳情審査

●水元高校は周辺地域の条件が大きく変化した

○曽根委員 私からも、水元高校、また第四学区志村高校問題、それから九段の定時制の
父母の方から出されている、それぞれについて質問していきたいと思います。
 水元高校については、先ほどほかの委員さんから出された質問で、地元の高校を愛する気持ち、私も都内の各高校についてもいろいろと勉強させていただきましたが、地元の委員さんがおっしゃる話につけ足すことはいささかもありません。水元のすばらしい教育実践について知り抜いている委員だからこその発言だと思います。
 また、その発言の中にある、何とかこのすばらしい実践と、それから地元の生徒たちが、だんだん子どももふえている中で、学校を何とか残してほしいという地元の声にこたえたいという気持ちは、私は、何とか生かされる方向で検討がされるべきだと思います。

 ただ、全体として高校計画について二つの大きな問題が浮き彫りになっていると思います。その一つは、第一回目の計画が九七年ですから、もう既に六年たっており、第二次計画からも既に四年たっています。その間に、やっぱり生徒の人口推計も含めて、社会状況の大きな変化があります。それについては、私も三年間この文教委員会におりまして何度かお聞きして、全体の計画としては、三十校程度減らす計画を二十八枚にしたり、若干の手直しをすることで人口増には対応していきたいというお話でした。

 しかし問題は、人口の推計というのは地域ごとにかなりなアンバランスがあって、葛飾のように人口急増も視野に入れなければならない地域もあるわけです。そういう点からいうと、各学校が置かれている地域、特に統廃合で非常に大きく影響を受ける地域での人口増にどう対応するのかというきめ細かさがあっただろうか。この点はやっばり考慮しなければならない問題があると思います。それが一つです。

 それから、やはり学校というのは人でつくっているもので、ある高校を統廃合で、例えば水元の場合は総合学科になるわけですが、先ほどお話のあったように、水元でやってきた実践が、そこで頑張ってきた生徒や先生たちでつくり上げてきたもの、それが、多少計画に生かされるとは思いますが、新しい総合学科高校で本当に実質的に残っていくんだろうかという心配があるわけです。

 そういう点で、きょう出されている請願、私も、小松さんからきょう速達で送ってきた手紙をいただきまして、読ませていただきました。
 三つの項目を見ますと、もちろん計画の見直しを求めているわけですが、とにかく計画がどうなっていくにしても、地域の実情、それから関係者の声、特にこの地域は、地元の住民で学校を支えてきたという非常に強い自負があって、その声を何とかこの計画に生かしてほしいんだという思いにあふれている三項目だと思います。そのための意見聴取の機会をつくってほしいとか、意見を再度くみ上げてほしいということだと思うんです。

 そこで、教育庁としてこの間、この計画が出てからもう四年たっているわけですが、どのようにこうした地元の声、関係者の声をくみ上げ、反映させる努力をしてきたのか、この点についてお聞きしたいと思います。

○山川都立高校改革推進担当部長 学校あるいは地域の声の反映のお尋ねでございますけれども、新しい学校をつくる場合に、その学校の骨組みになります基本計画検討委員会というものを立ち上げまして、新たな高校の基本的な骨組みなり教育理念なり、学校像を決めていくというような形をとっておるわけですが、その基本計画検討委員会の中に、当該校の校長先生や教職員あるいは同窓会の方の参加を得て、そうした検討の中身をまとめていくということが一つでございます。
 さらに、そこでまとまった中間のまとめにつきまして、保護者や地域にお住まいの方々に率直にご開陳する中で、またそこでいろいろ意見を聞きながら、最終的なまとめをまとめていくということで、基本計画をまとめております。
 また、それ以外につきましても、個々に学校あるいは地域からのご要望がある場合につきましては、その都度、前向きに対応させていただいてきております。

○曽根委員 そうしますと、教育庁としては、計画の大筋は決めているけれども、地域の声を聞く耳は持っているし、それによって計画の中身を、どの範囲かはともかくとしても改善をしていくことにやぶさかではないということだと、基本姿勢として確認をさせていただきたいと思うんです。
 であるならば、私は、この三つの項目、もちろん地元の方が求めているのは、募集時期を一たん延期して、統廃合そのものを見直してほしいというのが本意であることは間違いありませんが、しかしここに出されている、もう何度目かになる請願の内容、考え抜いて出されたと思います。
 地元の声をさらに聞く機会を頻繁に持って、何とか地元の声を反映できる道を開いてほしいと、その機会が今、十分でないということだと思うんです。そういう点での努力という点では、私たち議会としても、この請願は趣旨を生かして採択ということができるものではないかというふうに私の見解を申し上げておきたいと思うんです。

●志村高校は廃校決定後に人気上昇

 それから、先ほど申し上げました問題の条件の変化、もう一つの条件は、学校自身が、水元もそうですが、人気校になっているという現状をどう評価するかということなんです。
これは二つ目の、第四学区の志村高校に関してなんですが、志村高校も第二次計画で廃校が決定されたんですが、その後、その廃校を決める、いわば一つの物差しになった第一次募集における定員割れですね。つまり人気がないという状況から大きく改善をしたというふうに聞いているんですが、この志村高校において、決定前にどの程度の第一次募集の応募倍率だったのか、それからその後どの程度になっているのか、数字でお答えいただきたいと思います。

○山川都立高校改革推進担当部長 二次募集につきましては、平成六年度、七年度、八年度に実施をいたしましたが、その後、九年度からは一次募集で定員が確保できております。
計画策定後の一般入試における募集人員に対する受験倍率でございますが、計画策定後の平成十二年度が一・四八倍、十三年度と十四年度が同率の一・三六倍、十五年度は一・五九倍でございます。

○曽根委員 水元の二倍という話が先ほどありましたから、それに比べると若干見劣りするかもしれません。
 しかし、計画を決める前に何年か連続して一次募集で定員割れをしたために、二次募集にかけなきやならなかった、そういう高校が、計画が出てから、これは恐らく計画が出たからだとも思います、率直にいえば。その学校を何とか守りたいという地域の思いから、学校の関係者もー生懸命中学校を回ったんだと思うんです。
 その結果、今、一・五九倍という、私は人気校といってもいいと思うんです。 志村高校は、確かに交通の便は余りよくなくて駅から遠いんですね。したがって、地元の中学生にぜひ来てほしいと、たくさんの中学生が受験するようになり、それだけ学校の活性化も図られれば、何とか計画は見直しできるんじゃないかという思いも、関係者はあったと思うんです。

 そういう変化が起きている、このこと自体が、私は、計画が出てからとはいえ、都立高校をもっと良くしていきたい、守っていきたいという思いから、学校が活性化していくということは、現状において評価していいものではないかと思うんですが、こうした、その学校の持っているエネルギーというか、活性化の変化、そういうものについて、決定から四年たって改めて考えるという余地はないんでしょうか、そういう基準というものは考えられないんでしょうか。

○山川都立高校改革推進担当部長 二次募集実施校であった志村高校が、九年度より一次募集で定員を確保できるようになったという意味では、委員ご指摘のように応募者増と見ることも可能であるというふうに私どもも考えております。
 しかし、第二次実施計画におきまして、都立高校の適正規模、適正配置等の観点から、志村高校と北野高校の発展的統合を決めた方針の見直しをしなければならない特別の状況の変化があるとは考えておりません。

○曽根委員 板橋も葛飾区と同じく人口がふえ続けている区で、私が住んでいる北区のようにいまだに人口が減っている区とは違って、やっぱり今後の高校の生徒定員の不足というものが予想される地域であります。

 そういう点からも、しかも志村高校は、場所は確かに、東京全体から見れば通いにくい場所かもしれませんが、板橋の区内の生徒にとっては、非常に地元色の強い、地元に支えられた学校ということができると思います。クラブ活動も大変盛んですし、なくなると決まって募集停止が迫っているにもかかわらず、地元からの生徒の応募がこのようにあるということは、私は、第二次計画、既に最終計画が出された後ですけれども、統廃合計画の見直しにかける一つの特別の条件と考えるそらいの度量の広さを教育庁にぜひ持ってもらいたいということを強く要望しておきたいと思うんです。

●都心の定時制高校を残す意義を問う陳情

 それから、九段の定時制の方から出された陳情は、大変複雑な経緯があるようで、お闇きしましたら、九段高校が既に千代田区に移管されることが決まっているために、いわば千代田区の方にお願いしても、実際には九段高校定時制を廃止して、ここは中高一貫校になるんでしょうか、そういう方針を変えることは難しいという判断から、そこに学んでいる、また学ぼうとしていた夜間定時制の生徒たちが、またその後輩たちが行く学校を保障してほしいという趣旨で、その周辺の夜間定時制について何とか存続してほしい、または募集停止を延ばしてほしいということだそうです。なかなかいろいろ考えたんだなというふうに思います。

 そこで今、九段高校の定時制課程というのはどういう特徴を持っているのか、そこに通う生徒の階層だとか条件で、ほかの定時制と比べてどういう特徴があるのかを教えていただきたいと思います。

○山川都立高校改革推進担当部長 九段高校定時制の生徒の特徴ということでございますが、ご案内のように、都心の交通の便の大変よい場所に立地をしておりますので、品川区を除く都内の広い範囲から生徒が通ってきております。さらにはまた、年齢層も、若い世代から熟年の世代まで、かなり幅広い生徒層が通っているのが特徴でございます。

○曽根委員 私も、九段高校定時制のパンフレットをいただいて見たんですけれども、いわば交通の利便地域にある定時制高校として、まさに都心に働きながらでも学ぶ、そういう条件を持った学校ということを一つの宣伝文句にもしていました。その点では非常に貴重な存在だということができると思います。
 それから、この陳情を寄せていただいた方も、その子どもさんは千葉に住んでいて、千葉から都心に通っていると。その勤めが終わった後に九段高校の定時制に行っているという、いわば千葉都民の一人として生徒さんが通っている、そういう形もこの九段の場合にはあり得るということ。これは結構人数がいるそうなんです。

 そういう点から、本来ならば私は九段高校定時制を守るべきだと思いますが、この方々が陳情しているように、これがもしどうしてもなくなるのであれば、その周辺の都心の夜間定時制を残すということはもっともな話だと思います。
 それで、東京都の計画では、今、こうした夜間定時制高校の生徒たちを昼夜間定時制高校に受け入れるというふうにしているわけですが、実際にはどうなんでしょうか。私も前に指摘したことがありますが、カリキュラムの点でも、それから時間帯、そして何よりも、入ろうと思ってもなかなか入れないという現状からも、受け入れは実際には大変難しいんじゃないかと思いますが、見解をお聞きします。

○山川都立高校改革推進担当部長 今ご指摘の昼夜間定時制高校につきましては、多様で弾力的な教育課程の編成等を通じまして、現在、夜間定時制課程に通っている生徒を広く受け入れる学校として設置をしてまいります。
また、通学の利便性を考慮して、できるだけ交通の便のよい場所に設置をすることといたしております。

○曽根委員 私は、夜間定時制に行っている生徒たちの現状というのは、先日もちょっと質問で取り上げましたが、小中学校でかなり不登校を経験したり、いじめに遭って、心や体のハンディも背負っている子どもたちがいる。夜間でなければ通えないという条件の子どももいる。そして何よりも、受験ということに対してやっぱり条件が非常に悪い。中学でもずっと不登校だったという子どもたちも結構いるわけです。そういう生徒たちが受験するときに、昼夜間定時制が今、非常に人気があって、むしろ、本来なら全日制に行くような子どもたちが逆に受けてきているという状況があるんじゃないかと思いますが、昼夜間定時制高校の現在の倍率、入学選抜における受験倍率はどのくらいでしょうか。

○山川都立高校改革推進担当部長 平成十五年度の入学者選抜における受験倍率でございますが、一学年相当の分割前期・後期の総計で、桐ヶ丘高校が四・四四倍、世田谷泉高校が三・四四倍でありまして、新宿山吹高校では一・六一倍になっております。

○曽根委員 新しくできた桐ヶ丘と世田谷泉の昼夜間定時制は大変厳しい倍率です。確かにべーパー試験はないというような新しいやり方をとっていますが、私は、夜間定時制に何らかの事情で行くことになるような子どもたちが、本当に昼夜間定時制に受け入れられるという日が一体いつ来るのか、この倍率では当分難しいだろうと。

 今までだったらむしろ全日制を受験していた子が、自分の好きな時間帯というか、都合の合った時間帯に学習できるということで、こちらを受けてくる方が圧倒的に多いんじゃないかという気がします。
 そういう点で、少なくともこの倍率が限りなく一倍に近くなり、今、夜間定時制に行っているような子どもたち、またこれから行くような子どもたちが、安心して受けられるといいますか、入れるようになるまで、少なくとも夜間定時制については募集を引き続き行っていくという、この陳情の趣旨は大変もっともだし、合理的な考え方ではないかと思いますが、行き場がなくならないようにするための対策についてのお考えをお聞きします。

○山川都立高校改革推進担当部長 今ご指摘ございましたように、昼夜間定時制高校につきましては、大変高い倍率からうかがえますように、保護者、生徒の期待が大変高い学校であるというふうに考えております。
 したがいまして、今後、全都の地域バランスを配慮しながら、昼夜間定時制高校につきましては整備拡充する中で、高い倍率の平準化に向けて努力をしてまいりたいというふうに考えておりますし、また、夜間定時制高校につきましても一定数残しておりまして、東京の交通事情等から通学可能な範囲に定時制高校が配置されているものと考えております。

○曽根委員 まず、昼夜間定時制の倍率が平準化するよう努力するということは、ふやしていくということでしょうけれども、今の計画は十校くらいですか、これでは私は、ほかの普通科高校並みの、もしくは一倍に近い倍率に下がることはかなり難しいだろうというふうに思うんです。

 それから、夜間定時制も一定数残っているとはいいますが、計画では半分に減ってしまい、さらには将来、解消していくという方針が出されています。
 そういう点でいうと、少なくともこの倍率が平準化するとすれば、それを待って、それから、ここに出されている都心の夜間定時制が軒並み廃止されてしまうということから、都心に足りないという、九段高校の持っていた特徴を生かす都心の夜間定時制を残すという点でも、陳情の趣旨は生かしていくべきだと思います。
 そういう点で、この陳情の採択をぜひお願いしたいということを申し上げて、終わります。

●東京の障害学級のレベルを落とさず、継承・発展めざすのはあまりに当然

○曽根委員 今回は、大渕さんを代表とするこの会の陳情は二回目ということで、前回は十万を超える、短期間での大きな署名をつけての陳情がありましたが、この方々が一番心配をしている現在の固定制または通級の学級制度がどうなるのかということについては、事実上の廃案といいますか、審議未了になった経過があります。
 今回は、議会としての全体が合意できるということを考えての項目だと思いますが、現在の心身障害学級の教育と教育条件を評価し、継承、発展させてほしいということです。
 私は、将来の、今の心障害学級などに通う子どもたちの学ぶ場として、先ほどお詰もあったように、ノーマライゼーションという言葉もありましたし、統合教育という言葉もありましたように、健常児と一緒の場で学ぶときが来るということについて、いささかも否定するつもりはないんです。
 ただ、そのことを目指していくという大きな目標と現状との間にどれくらいの距離があり、どれくらいのハードルがあるのかということについて、やはり私たちは無視することができないと。
 また、それにきちんとこたえなければ、陳情している父母の方々の心配も消えないということだと思うんです。

 前回のこの問題の質疑のときに私も紹介しましたが、今、心障学級に通っている子どもさんの、多いところでは半分くらいが、通常学級でいじめや不登校になって心障学級に移り、そこで初めて生き生きと学校に通えるようになった、見違えるように変わったということを綿々と書いておられる手紙が多数寄せられてきたわけです。
 したがって、簡単に通常学級に入れるようにするんだということだけでは、その不安は消えないということは明瞭です。
 
 そこで、私はまず第一に、東京都の心障学級が築いてきたものは何なのか。ほかの県や何かと大分違うわけですよね。拠点校方式があり、一定の学級を持ち、独自の教員配置も行ってきたと。
 ここで築いてきた成果とは何なのか、また逆に言えば、そこでの問題点は何なのか、このことをきちんと見きわめた上で、次のことを考えていく必要があるというふうに思います。
 都としての基本的な心障学級の評価について、改めてになりますけれども、お聞きしておきたいと思います。

○山際学務部長 心身障害学級につきましては、固定学級と通級指導学級があるわけでございますが、固定学級におきましては、障害のある児童生徒が一定の集団を形成して、安定した人間関係の中で成長することを可能にするなどの成果がございます。また、通級指導学級におきましては、地域や通常の学級の児童生徒との関係を継続しながら専門的な指導を受けることを可能とするなどの成果が挙げられると思います。
 また、課題といたしましては、東京では拠点的に設置をされているために、全小中学校における設置割合が全国と比較して二割程度と低く、通学や通級の負担があること、あるいは通常の学級との交流が必ずしも十分でないことなどが挙げられます。

○曽根委員 後の方の問題点として、今、指摘をされた通常学級との交流が不十分というのは、私は当たっていないというふうに思いますが、その詳しい話はきょうは避けますけれども、確かに通学の時間が非常にかかっていて、障害を抱えた子どもさんが普通の子どもさんよりもはるかに遠い距離を、場合によっては交通機関まで利用して心障学級に通ってくるという実態がある、これは解決しなければならないと思います。
 それはまた、現状においては、心障学級を必要な学校に増設していくという中で一定の解決が図れるものだと私は考えております。
 むしろ、今、評価の中で二つの点がいわれました。一つは、安定した子どもの集団をつくり、そこでの成長が図れること、もう一つは専門的な指導が受けられること。短いご説明でしたが、その2つの点が、いかに心障学級に通っている子どもにとって重要なことなのかというのは、私自身もまだよくわかっていないと思いますし、東京都として本当にそこに重きを置いたことができるのかどうか、これから問われるのはその点だと思うんです。

 これは詳しいあれは避けますけれども、例えば通常学級に障害児の子どもが今でも入っています。そういうときに、確かに健常の子どもから見れば、障害を抱えているということの姿を目の前に見るわけですから、障害について学ぶこともできるし、その交流もできるという意味で、健常の子どもたちにとっては成長の一つの力になる。
 しかし逆に、障害を抱える子どもにとって、通常学級にぽつんといるということがどういうことなのかという目で見なければ、この問題は解決しないわけです。
 多くの場合、周りの子どもたちにとっては勉強になるんです。しかし、障害を抱えた子どもにとってはのけ者になっているという実態が、主観的ではあってもあるということから、不登校問題なんか起きているわけです。

 そこで私は、安定した子どもの集団、そして専門指導、これを東京都の心障学級の大きな成果としてきちんと残していくという点で、私は前に主張しましたが、国の法律の中に学級制度を書き込んでいいじゃないかと、特別支援教室だけじゃなくて学級制度という、一人の担任の配置基準があってグループが確保される、学習集団が確保されるという、その学級制度を書き込むことが私は必要だと考えています。

 しかし、いずれにしても東京都がこの心障学級の東京の成果を本当にきちんと認めて、これは継承発展させていくという姿勢があるということは、これは私は今後にとって非常に大事なことだと思いますので、その点については、今後、都としてこの成果を生かし、継承、発展させていくということについて確認をしておきたいと思うんです。いかがでしようか。

○山際学務部長 改善検討委員会の審議におきましては、都内の小中学校における特別支援教育のあり方といたしまして、心身障害学級における教育の成果と役割を継承しつつ、各区市町村の心身障害学級の設置状況や教育条件等の実情を踏まえた検討が必要としておりまして、今後、最終報告を受けまして、区市町村とも連携をとりながら、具体的な対応について検討してまいります。

○曽根委員 陳情一五第六三号は、前回の審議を踏まえて、あえてこの一項目で出されておりまして、今お答えのあったとおり、心障学級の教育とその条件を評価し、一層発展させる方向で保障してほしいという、この願い一点に絞られています。
 したがって、これは、今お答えのとおりであれば、まさに採択できる内容だというふうに私は思います。

 そのほかについては、具体的ないろいろな問題が出ていますが、前回既に質疑を行っておりますので、今回は割愛させていただき、陳情一五第六三号はぜひ採択をしていただきたいということを申し上げて、終わります。

●七生養護学校の教員処分の撤回を求める陳情について

○曽根委員 今回の陳情は、九月に出されました東京都教育庁からの七生養護学校を初めとする養護学校についての性教育問鬼などの調査報告並びにそれに基づく処分、これに対して撤回を求めているものです。

 二つに分けて申し上げたいと思うんですが、一つは、東京都が行った調査、そしてその処分については、私たちの会派としては断じて認められないという立場です。これは先日の委員会でも詳しく展開をさせていただきましたので、あえて繰り返しません。
 ここにおいて行われた教育内容に実質的に踏み込んだ東京都教育委員会のやり方は、東京都の教育史に、私は最大の汚点だと思いますが、そういうものを残すことだというふうに思います。

 それを踏まえまして、今回の陳情ですが、当事者の方々に断りなく出されているようです。この種の問題は、その処分を受けた教員の身分にかかわる重大問題で、その方個人の意向抜きにしては、この委員会での審議というのは、率直にいってちょっと問題があると思っているんです。
 やはり当事者間、特に教員の方を初めとする当事者のところで、今回の処分についてどう考えているのか、それから教育庁に対してどうするのか、このことが一番きちんと保障されなければならない問題だろうと思います。
 そういう点では、先ほど申し上げましたように、私たちの会派は、この報告や処分については断じて認められないという立場は明瞭ですが、この陳情に関しては結論からいうと、委員会として保留にせざるを得ないというふうに考えます。

●教材没収したままは不当。ましてや焼却などあれば重大な汚点

 それから、これと関連しまして、この処分にあわせて行われた性教育の教材について、いまだに不適切なものについてどうするのかということについてはっきりしていない。
 これは教員の処分も問題なんですが、ここで使われた教材というのは、全国の多くの学校で現実に教材として活用されているものが多いわけです。
 それが東京都の教育委員会において不適切だと決めつけられて、場合によってはこれから処分されるかもしれない、焼かれるかもしれないというのは、これまた大きな禍根を残すことになります。
 これは意見として申し上げますが、本当は質問を予定していたんですが、この陳情の扱いの関係で私は意見にとどめますけれども、教材について、それがどう使われたかが問題であるならば、そこでの議論はあり得ますが、どう使われたかではなく、その教材の存在そのものが不適切として否定されるならば、私はとんでもないことになると思うんです。人形一つとっても、どう使われるのかを問題にしてきたはずで、それを存在そのものを焼却処分する、抹殺するということになれば、これは教育のもう一つの大きな汚点になります。そういう点を指摘しておきたいと思います。

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