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2003年6月19日都議会文教委員会
「定例会の事前説明と請願審査で、都立両国高校定時制の理不尽さを追及」


(1)生活文化局の消費者対策審議会の答申についての、質疑・意見。


〇曽根委員 今回の答申について、私も消対審の委員でしたので、何回かにわたって審議会の中で意見を申し上げてきまして、大体それらの意見は、最終答申の中にかなり盛り込んでいただきました。それで、議会の場でも改めてこの答申に基本的に賛成するとともに、都によって積極的な施策の具体化と推進を求めていく立場から、大きく二つの点について意見を申し上げておきたいと思います。
 まず、今回の答申の特徴は、消費者被害の広域的な拡大傾向や、詐欺的な商法が、例えばITなども使ったかなり巧妙なものになり、広域行政である東京都が専門知識と権限を強化しながら、新たな被害救済の対策に急いで乗り出すことが求められていることを明らかにしたこと、また、都がそういう点で全国の自治体のトップランナーになるように求めている点が特徴だと思います。

 その際、現状で、公的な窓口に都民被害者の相談がまだ三%程度しか届いていないという現状から見て、都民の相談窓口としての都の消費生活総合センターの役割は引き続き重要であり、都民、関係者の期待も強い。したがって、これまで都が果たしてきた相談機能の役割を絶対後退させることなく、むしろ強化充実していくことが、多くの委員から発言されました。これに沿って文言も書き加えられました。
 以上の点も踏まえて、新たに、専門性を高め、また、他のさまざまな機関や団体との連携を強めてネットワークをつくっていく取り組みを進めると同時に、これまでの都民相談の受け皿機能も充実を図れるように求めておきたいと思います。
 その点で、九六年以来減らされてきたセンターの職員や都の関係職員の体制を改めて充実を図るよう、強く要望しておきたいと思います。

 もう一つは、被害者救済を質量ともに高めるため、民間団体との連携は不可欠ですが、とりわけ企業側の団体については、それが消費者被害への救済に前向きかどうかの客観性、公平性の厳密な検討が必要とされ、都として一定の基準を設けるべきことが最終答申に書き加えられました。
 先ほどもお話がありましたが、私は、この問題と関連して、都と民間団体の連携を進める場合、民間団体の中で、特に、あくまで消費者の利益を守るという立場で一貫して活動し、歴史も実績もある消費者団体との連携を重視し、必要な支援も行いながらネットワークづくりを進めるよう要望いたしました。
 例えば、都の消費生活センターが休みの休日も含めて相談窓口を開いている団体など、さまざまな努力がこの分野で行われております。これらをきちんと評価し、協力し合うことが必要だと考えておりますので、この点も改めて都に推進を求めておきたいと思います。
 それから、以上のほかにも、センターの職員の方からは、自分たちの専門性を高め、またそれを区や市町村に伝えていくためにも、研修などの充実、権限の強化が必要との要望が出ておりますので、現場の声を真剣に受けとめて受け入れる努力をお願いしたいと思います。
 以上で意見は終わります。


(2)私立専修学校にも大阪府のように経常費補助の実現を


〇曽根委員 今回出されました請願の項目は幾つかありますけれども、大きく分けると、一つは、現在都が行っている、例えば設備の整備とか図書購入整備に対する補助、また育英資金の貸付額の増額、充実という内容、もう一つは、国に対して、または都が独自に経常費の補助などを行うという新しい分野の助成を求めている内容に分かれるかと思います。
 それで、専修学校が、私立学校に比べても決して見劣りしないさまざまな教育的な要望にこたえた活動をしており、その社会的役割が非常に大きいということはいうまでもないと思います。逆の意味で、昨年起きました千代田学園問題を見ても、一つの専修学校が一たん健全な経営が維持できなくなり破綻するという事態になれば、数千の生徒と父母に何がしか影響が出るということは、私たちも経験したわけです。
 したがって、その社会的な役割から見て、私は、今までの個別の支援、設備や図書購入などに限られている支援を、やはり国へも要望しながらも、都が経常費の補助というものを考えていく必要があるだろうというふうに思いまして、少し調べてみました。
 すると、東京と同じように大都市を抱える大阪府では、経常費の補助をもう既に行っているということを知りました。それで、都の方もつかんでおられると思いますので、大阪府でどのような専修学校への経常費補助を行っているか、ご紹介いただきたいと思います。

〇中澤私学部長 大阪府における専修学校専門課程への補助についてでございますけれども、この対象経費は経常費全体ではありませんで、その一部である教育研究費を対象としております。つまり、人件費は対象外ということでございます。経費は年間約二億三千万円の予算規模となっておりまして、また補助対象も、府内の学校法人全体ということではありませんで、幾つかの除外事項を設けて、全体のおおむね八分の一程度の学校に限定し実施されていると聞いております。

〇曽根委員 大阪の経常費補助のやり方というのはなかなか実態に即しているなと思ったんですが、もちろん額は二億数千万円ですから、東京都の行っている設備や図書購入の補助と大体同等額ですよね。しかし生徒数が、東京の場合は二十万近く、大阪の場合は十万弱ぐらいですから、ちょうど半分ぐらいになりますか。生徒数の全体の規模からいうと、大阪は都の二倍程度の割合になるのかなというふうに思うんですが、ここは、何でも専修学校であれば専門課程で援助するよというのじゃなくて、結構もうかっている有名なチェーンの英会話学校なんかありますよね。そういうところは自力で十分できるじゃないかと。だから、利益が十分計上されているところは対象としない。むしろ、いろいろ社会的役割はあるんだけれども経営が厳しい分野、そういうところに絞って、全体でいえば八分の一程度。しかし生徒数にしてみれば、一人当たり一万円をちょっと超える額の補助になっているんですね。これはかなり大きいと思います。
 そういう意味で、国に求めるのは当然としながらも、大阪の場合を一つの参考にしながら、これは、専修学校というのは集中しているわけですから、大都市特有の需要の一つとして国に求めていくためにも、都が独自の経常費補助の具体化を検討すべきときではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

〇中澤私学部長 都は従来から私立専修学校の振興に努めてきているところでございますけれども、専門課程の運営費補助につきましては、大学、短大と同じように高等教育機関として位置づけられていることから、国と都の役割分担に基づいて、国の責任において補助制度を創設するように要望してきたところでございます。
 大阪府などでの実施例は確かにございますけれども、生徒数や学校数の規模を勘案いたしますと、都においての分担の考え方を超えて実施に踏み切るのは、都財政への影響も少なくないことから、慎重を期さざるを得ないという状況にあるというふうに考えております。
 このため、都としては、専修学校の専門課程に対しては、教育設備整備費補助及び研究用図書等整備費補助などの充実に努めてきたほか、高等課程でも今年度から新たに専修学校障害児教育事業費補助を創設したところでございます。
 今後とも、私立専修学校が環境の変化に対応してさらに個性的で魅力ある学校づくりが進められるよう、振興策を推進していくつもりでございます。

〇曽根委員 ぜひ検討を要望しておきたいんですが、今お話の中でいわれた、高等教育課程であるというお話なんですけれども、例えば大学には都の育英資金はやめたわけですが、高校と同じように、この専修学校の生徒さんを対象にしているわけですよね。そういう意味で、解釈いかんによっては、これを大学とは区別して補助をするという考え方もあろうかと思います。
 それから、都財政の問題ももちろんあるわけです。無視はできません。しかし、大阪で二億ちょっと。全体の一千億を超える私学助成等の規模から見て、今芽を出すといいますか、一つ大きな踏み出しをして、額はともかくとしても、そういう制度を国に求めていくための一つの−−大阪と東京は最近いろんな意味で連携していますから、ほかの問題もともかくとして、この分野でもぜひ協力して、東京もやり大阪もやっているということで、国に対して大都市の自治体が要求していく一つの分野にしてほしいということを要望して、私の質問を終わります。

(3)都立高校統廃合計画への請願陳情その他の審査

〇曽根委員 それでは、四件の請願陳情について順次質疑をしていきたいと思います。
 最初に、都立夜間定時制高校の統廃合計画の見直しと生徒の就学保障に関する陳情、これと内容的には両国定時制問題がダブっておりますので、両方を提起しながら、特に具体的には、両国の問題がかなり今も意見が出ていましたが、非常に重大な問題でありますので、ここを中心にまずお聞きしたいと思います。
 この夜間定時制統廃合計画、これは三部制への移行という問題が、定時制に入学する生徒にとって、夜間定時制が持っている教育条件、それのよさである少人数でまとまりのあるクラス、教員との距離の近さ、近距離の通学、ハンディやさまざまな障害など、夜間だからこそ通いやすい条件を崩すことになってしまうおそれが強いということは、さきに、既に昨年、私ども指摘をしてまいりました。そして、何よりも三部制を受検する子どもが、当然全日制志望から移ってくる場合の方が数の上でも多いことを考えますと、今、夜間定時制を志望したり、またはそこを受検せざるを得ないというさまざまなハンディを抱えた受検生にとっては、三部制の受検でもはじかれ、行き場を失いかねないという問題が今後予想されるということも指摘をしました。
 さらに、両国の場合には、台東商業の場所に三部制をつくった場合に、都内のほかの統廃合に比べても、現在の夜間定時制への通学に比べて、例えば小岩地域など、一時間ぐらいも通学時間が延びる場合が出てくるなど、二重に不利な条件が重なっております。またさらにいえば、移転先の台東商業の敷地が極めて狭いという問題もあります。
 これらの問題について、我が党は繰り返し、当事者であり最大の影響を受ける生徒が、今、夜間定時制に、どんな家庭や仕事などの社会環境の中で通ってきているのか、また、生徒自身が今の学校環境をどう思い、後輩のためにはどんな定時制高校を望んでいるかを本格的に調査し、意見を聞くことなしには真の改革の方向は出てこないし、それを無視して統廃合を進めれば、改革どころか必ず大きな禍根を残すことになるといってまいりました。
 この全く象徴的な問題が、この台東商業への両国定時制の移転問題だと思います。残念ながら、問題は引き続き何の根本的解決も得られないまま事態が進んでいるといわざるを得ません。で、夜間定時制の生徒による弁護士会への人権問題としての提訴も既に行われ、今後、国連の人権委員会への訴えなどに拡大しようとしています。改めて、夜間定時制統廃合問題の抜本的な解決をこの場で求めておきたいと思います。
 以上を踏まえまして、この両国高校定時制に関するさらなる理不尽、今回の請願で問われている内容に入りたいと思います。
 まず、この両国定時制の生徒を、今年度入学生からは、卒業前の学年進級段階で現在の台東商業に移転させるという問題、これは、昨年六月の統廃合案の段階では出ておりませんでした。その後、十月の最終的な決定の直前に持ち出されたものです。当事者の生徒にとっては、例をいいますと、大島南高校と同じく、同じ統廃合対象の生徒の中でもさらに不公平な扱いをされる重大な問題であるにもかかわらず、時間的にはじっくり検討される余地もなく決められたものであります。しかし、昨年十月の決定を受けて、その報告質疑の中で、この委員会で、我が党も含めて多くの質問が集中したところです。指摘は共通していまして、第一に、中高一貫校を立ち上げるために仮に定時制が台東に移転するとしても、いきなり両国が一貫校の生徒で満杯になるわけではなく、学年進行の段階では、少なくとも両国夜間定時制に入学した生徒が同じ学校で卒業できるように配慮するだけの物理的な条件はあるんじゃないかと、先ほどもちょっとありましたが、その問題。第二に、逆に、狭い台東商業の校舎には、厳密にいえば新旧四つの学校の生徒がひしめくことになり、余りに条件が悪いんじゃないかという問題。第三に、何より、学年進級途中で移転させた場合、通学条件悪化のために心ならずも中退という生徒が出たらどうするかという問題などが指摘をされました。
 これらの指摘を受けて、当然、今まで教育庁が、当事者、関係者等の理解と協力が不可欠であり、そのために最大限努力するとしてきたこれまでの姿勢からも、何らかの検討と移転計画の改善を考えてきたと思いますが、その点についてどうか。また、できないとすれば、その最大の理由は何かをお答えください。

〇山川都立高校改革推進担当部長 両国高校の生徒を初め、幾つかの定時制高校の統廃合のもとで、台東地区昼夜間独立校に統合するということでございますが、その統合された学校が相互に支障なく教育効果を発揮できるように、これから具体的に検討の場となってまいります基本計画検討委員会の中で、その具体的な対応策について検討してまいりたいというふうに考えておりますし、私どもといたしましても、その検討委員会の中で、今委員からご指摘があったように、いかにしてそれぞれの学校がそれぞれの教育条件を十分発揮できるようにするための工夫を策定するかという観点から、この基本計画検討委員会の中での検討を進めたいというふうに考えております。

〇曽根委員 統廃合計画には、先ほど申し上げましたように、私たち基本的に賛成できませんが、しかし、それぞれの学校がそれぞれの勉学条件を崩すことなくやっていけるように最大限努力するという姿勢から見て−−私は、皆さんにも行っていると思いますが、この守る会の方々から資料をつくっていただいたんですけれども、つまり、両国高校でこれから中高一貫校になっていったときに、どういうふうにして中高一貫校に移行していくのかという図をいただいたんですよね。そうすると、平成十八年度は中高一貫校は、開校するといっても、今までの両国高校との違いは、中学の一年生の三クラスが入ってくるだけと。これはある想定があると思いますが、中学一年生が三クラス入ってくるだけ。要するにあとは高校生ですよね、全部。それから二年目も、中学一年生と中学二年生の三クラスずつ、六クラスが中学生の部分であると。三年目は中三までで九クラス。つまり、今までの全日制高校との違いである中学生部分が入ってくるというのは、最初の年度は三クラス、次の年度は六クラス、三年目にしても九クラスなんです。大半は高校生なんです。したがって、学習や教育の環境からいって、確かに新しい要素は加わるわけですが、どうして最初の年から定時制、ことしの入学生はわずか三十数名、この生徒たちを台東に押しやらなければ、この教育条件が守れないのか。中学生三クラスのために、別に夜間教室を使っているわけでもない、その一部を使う、二クラスですよ、二クラスの教室を使うだけの定時制を台東に持っていかなきゃならないのか。どうしてもそれが譲れない問題なのかということを、ずっと見ていて思うわけですよ。それがどうしてもそちらの、両方の教育条件を守るために最大限努力した結論とは思えないわけです、これは今までも意見が出てきたわけですが。
 それから、もう一つ申し上げました通学の時間の問題も、先ほどから意見がありましたので細かくは避けますが、これも守る会の方から、皆さんと同じように私も資料を送っていただいた。地図をつくってくれたんですよね。これを見ますと、台東商業の近くからは一人も入学してないわけですね。それは当然だと思います、今入るのは両国高校の場所なんですから。三年先に台東に移りますよということを、入学の際もしくは受検の際に断ったというんだが、入ってくる受検生たちにとってそれがどれほどの意味を持っているのかということを、その受ける生徒の側に立って少しでも考えたら、それがほとんど意味がないといいますか、だから両国をやめますというわけにいかない生徒たちが両国定時制を受けてきているんだということがすぐわかるはずなんです。
 それで、資料を教育庁からいただいて、見ました。これをいただきました。これが受検のときに生徒に配ったものだということです。あとは中学校にも、先生のところに行っているようですが、生徒本人にはこれですよね。これはそちらからいただいたものですね。これは、三年後に台東に行きますという文書じゃないんです。両国高校定時制の入試についてという文書で、受検日が書いてあって、それの第三項目めにちょっと書いてあるだけなんです、三年後は台東ですよということが。それに比べれば小石川の方で配っている、これは学校でつくったものでしょうけど、十八年度から学習場所が変わりますよと、こっちの方がよっぽどわかりやすいんです。これは比べてもしようがないですけど、こんなもので、わかりましたと、周知徹底を徹底してやっているといえるものかというんです、この文書が。この紙一片で、それでもう三年後には文句いえませんよ、あなたたちはと、そういっているだけのことですよ、これは。学校側もしくは当局側のアリバイづくりにすぎないと私は思うんです。これが本当に周知徹底になって、両国定時制を受ける生徒たちがこのことを了解したというふうに信じるとさっきおっしゃったけど、本当にこれで信じられるようなことをやったと思っておられますか。その点をお聞きしたい。

〇山川都立高校改革推進担当部長 委員ご指摘の文書でございますが、文書自体はその文書でございますが、機会といたしましては、願書を提出するときの個々の生徒につきまして、あるいは入学選抜の面接のときに、あるいは合格発表のときに、さらには入学手続の段階で、今の文書を文書としてお渡しした上で、東京都の教育改革の改革全体の推進の中でこういうことになっておるということも含めて、口頭で説明をしたというふうに私どもは聞いております。したがいまして、文書としては一枚でございますけれども、各機会、それも学校の先生が一人一人の生徒に口頭できちんと説明をして理解を求めるということをたび重ねてやっておりますので、私どもとしては十分周知されているというふうに考えております。

〇曽根委員 周知をやったと。これによって、両国定時制を受けるような生徒がどういう影響を受けるのかなと思って、この春卒業した方ですけれども、両国定時制の生徒の方に話を聞きました。卒業生ですけどね、今の時点では。女性の方なんですけれども、この方のクラスは四学年通じて十人の生徒がいて、十人とも全員そろって卒業できたと。なかなかそういうことは難しいらしいんですけど、そういうふうに非常にまとまったクラスで、その人は中学時代に不登校の経験があって、それから中学校には復帰したんだけれども、高校をどこ受けるかを自分で悩み、いろいろ考えたそうです。その結果、先生に相談したら、最も近い定時制は別の学校なんだけれども、両国の定時制が非常にいいということを先生からアドバイスを受けて、わざわざ自転車で三十分ぐらい毎日通ったそうです。東向島から両国の定時制に通ったと。ほとんど休まなかったそうです。そういうふうにして、みずから定時制の中でいろいろな学校を選んで、両国定時制を受けてきている、そういう生徒が結構いるそうなんですね、この両国定時制というのは。そういう意味で、すばらしい伝統も実績も持っているんだなと思います。そういう生徒にとって、三年後は台東に行きますから、それは我慢してくださいと。だからといってやめるということはあり得ないと思うんです。そういう両国定時制だからこそ受けてきた生徒たちに、最後までその環境を守ってやりたいと思うのは、学校、教育者としては当然だと思うんですね。そのために本当に努力をするのかということが問われていると思います。
 それで、具体的にはいろいろなことがあると思います、これから三年間まだありますからね。先ほど山本委員からも、ある意味で、何といいますか、深川商業ですか、こういうところも含めて検討したらどうかというアイデアもありましたが、例えば、先ほどあったように、台東商業に移ったら、今の一年生では考えられないでしょうけど、来年あたりから、二年両国で勉強して、三年目から台東に行ったときに、本当は二年あるんだけれども、あと一年で卒業できる、そのためには午後の授業も受けるということになるんでしょう。そういう条件をやりたい生徒にはやらせるとか、いろいろなことを考えておられるようですが、では、それだったら、夜間の定時制に残りたい、しかも、台東まで行かなくても、今のクラスがまとまって移れる夜間の定時制を探してほしいというような希望だってあるかもしれない。わずか三十数名。三年たったら、全員残っているかどうかというのはわかりませんが、その人数の生徒たちがまとまって動きたいといったときには、そういう希望も含めて考えてやらなくちゃいけないと思う。それが教育庁としての責任だし、どうしても動かさなきゃならないんだったら、それぐらいのことを考えて当たり前だと思うんですが、最大限生徒たちの−−これから三年間かけて生徒たちも考えると思うんですよ。そのときにとれる、最大限尊重する方法をとるとお約束いただけますか。

〇山川都立高校改革推進担当部長 現在、両国高校に十五年度に入っていただいている生徒につきましては、働いている生徒、アルバイトも含めて働いている生徒、全く仕事をしていない生徒など、多様な生徒がおりますので、そのニーズについても多様なニーズが考えられるというふうに考えております。そういう点で、例えば台東地区の昼夜間定時制高校に行かれた場合に、例えば夜間よりも昼の午前なり午後なりを受けたいという生徒も、これは出てくる可能性もありますし、あるいは今、委員ご指摘のように、やはり私は夜の中で勉強したいんだという生徒、いろいろな形が出てくるというふうに思っております。昼ないし午前中、午後ないし昼夜間定時制高校のメリットを、さまざまな形でぜひ自分もやりたいという生徒につきましては、そういう形で学べるように努力をしてまいりたいというふうに思っておりますし、また、どうしても夜学びたいという生徒で、現在の両国高校が困難であれば近くの学校でもいいということで学びたいということであれば、他の学校と連携をいたしまして、円滑に転校ができるような対策についても私どもは考えてまいりたいというふうに思っております。

〇曽根委員 基本問題はここではなく、夜間定時制を全体で半分以下にしてしまうところに最大の問題があるわけで、これは何としても私は認められないんですが、しかし、事態は進んでいる中で、私がさっき申し上げたように、今三十数名、卒業年度までに何人になっているかわからないけど、そういう生徒たちがクラスごとまとまって動きたいんだという希望だってあり得るというときの対応も含めて考えてください。
 それから次に、夜間定時制の統合計画の見直しの陳情の中で、地元の声をちゃんと聞いてほしいということがどの項目からも共通して出されているわけです。その中に、第二項目めに、「特に、区議会や市議会等から意見書が出されている地域については、夜間定時制高校の存続を再検討するため、十分な話し合いをすること。」というふうにあります。このことがどういう意味なのかというふうに陳情者の方にお聞きしましたら、これは、ある区議会が何度も統廃合見直しの意見書を出している、しかし、全然、教育委員会で論議された様子がない、全く無視されている、これはひどいんじゃないか、教育庁がいつもいう、地元の声を大事にするというのが全く守られていないんじゃないかという不信から、この項目が出ているようなんです。それで、そうした地元の、高校見直し、統廃合に対する異論、反対や見直しを含めて意見書や何かが出た場合に、それが教育委員会できちんと論議されて、しかし、こうなんだというような論議がされたという事実はあるんでしょうか。

〇山川都立高校改革推進担当部長 教育委員会におきまして計画を決定する際には、今お話のありました地元区市町村議会から提出された意見書の提出状況について、詳細に教育委員会にご報告をし、議論の際の参考としております。
〇曽根委員 事務局である教育庁が報告していることはわかりました。それを受けて、教育委員の人たちが議論をしたというのは、この高校改革問題での教育委員会の議事録が公開されておりますので、私、この間なるべく見るようにしているんですが、どうも論議された感じがないんですけれども、どこか具体的にありましたか。

〇山川都立高校改革推進担当部長 毎回の教育委員会の会議でございますが、各委員の識見に基づきまして熱心な議論がなされているところであります。都立高校改革推進計画についても、熱心な議論を通じて計画が決定されたところであります。

〇曽根委員 要は、ないということだね。
 品川区議会の意見書、これは昨年十月の教育委員会の直前に議決されたものなんですけど、石原慎太郎知事と清水司東京都教育委員長両名にあてて出されたものです。この中にはこういうくだりがあるんですね、後半に。「なお、品川区議会は、過去二回にわたり、品川区内の都立定時制高校の存続に関する意見書を提出してきましたが、当該(案)の取扱いによっては、当区議会の意向が無視される事態が生じかねないので、重大な関心を持たざるを得ません。」と書いてある。これはよほど腹に据えかねているなと。文章上は、役所の文書ですからこういうふうになっていますが、要するに、今まで二回出したんだが、ナシのつぶてじゃないかという意味合いがあると思うんです。こういうふうにほとんど、地元の意見書を区議会から出しても無視され続けているというのでは、結局、建前は一応尊重といっても、地元自治体や議会の声すら、それもまとまった正式の意見すら無視されるということに対して、今回の陳情が出されているし、地元の声があると思うんです。
 私、前にも、意見書について質問したときに、たしか新宿の小石川工業に関する意見書も、区議会議長名で出ているから、これは議長個人の意見であるというふうな答弁があったということを批判したことがありましたが、同じように軽視が続いているんじゃないかといわざるを得ないんです。
 それで、教育委員会の懇談会の中で、統廃合を決める十月の前の月、九月には時間をかけて−−教育委員会じゃなくて、その後に懇談会をやっていますね。その中ではいろいろと意見書などについて意見も交わされているというふうにちょっと仄聞したことがあるんですが、懇談会の方ではそういう意見なんかは出るんですか。

〇山川都立高校改革推進担当部長 先ほどもお答えいたしましたように、公開の会議の席上でも、あるいは懇談会の中でも、関連する事項について、テーマにつきましては熱心な議論がなされているところでございます。

〇曽根委員 都民が見えるのは、公開されている教育委員会の議事録だけなんですよ。そこでは、私が見る限り全然、意見書が取りざたされたことはない。しかし、懇談会ではどうも本音でいろいろ、ここにはこういう意見書が出ているけど、どうのこうのという意見が交わされたというふうに仄聞しているんです。これは、懇談会の中身について、非公開ではあるけれども、担当の方からお聞きしたりしているときにちょっと話が出たんです、大島南高校とかね。私は、そういうやり方は、地元の自治体や議会に対して非常に失礼なことだと思います。意見書について教育委員会で論議をするのであれば、やはり公開の場できちっとやるべきだと思う。そうでないと、地元の意見を受けとめたことにならないと思うんです。そういう点で、軽視しないで、今後は、いろいろな場面がありますが、ぜひ地元の議会または自治体の意見については尊重してもらいたいということを申し上げておきます。
 次に、久留米高校について簡単に幾つか質問します。
 久留米高校の問題は、率直にいいまして、請願の文章についてはちょっと抽象的だなというふうな印象を受けたので、代表の方にお話をお聞きしました。そして、追加の資料を後で郵送していただきました。
 それは、「統廃合計画を見直すこと。」というのはわかるんだけれども、「全日制の募集停止を行わないこと。」という意味がどういうことを求めているのか。理由の中には、サッカー部などクラブ活動が盛んなので、募集停止をおくらせてほしいという意味らしいんですが、これを詳しくお聞きしましたら、十九年度新しい総合学科高校として立ち上げる、しかし、そのときまでに今の久留米高校全日制が全員卒業してしまうということになると、完全に生徒がいなくなってから総合学科高校になるということになる。すると、クラブ活動はそこで切れますわね。生徒が、クラブ員がいないんですから、コーチその他の謝礼も出せないので、全部コーチなんかも、お願いしてやめてもらわなきゃならない。完全に伝統が切れてしまう。それで、一学年、二学年、できれば久留米高校の三学年、二学年の生徒がいる間に総合学科の一年生が入って、学校は違うけれども、生徒同士は同じ学校で勉強しているんだから、今大変盛んなサッカー部をうまくつないでいけるようにしてほしいという意味だということでした。この点については非常にもっともな要望で、統廃合はもうとめられないとするならば、せめてそこだけでもということだと思います。この点については、クラブ活動など盛んなこの久留米高校の特徴を残す、生かすという意味でもぜひ実現をしてもらいたいんですが、いかがでしょうか。

〇山川都立高校改革推進担当部長 久留米高校の募集停止時期にかかわるご質問だというふうに理解しておりますが、募集停止時期につきましては、今お話がありましたように、平成十九年度に東久留米地区の総合学科高校が開校いたしますので、その年度を考慮しながら、公立中学校卒業生の就学計画を定める中で決定をしてまいりたいというふうに考えております。

〇曽根委員 今申し上げましたように、その募集停止を仮にやるとしても−−私はこれもおととしかな、昨年の二月か、統廃合ひどいじゃないかという話をしましたので、もう繰り返しませんが、やるにしても、学年で上級生が残っているうちに次の総合学科の生徒が入ってきて、クラブ活動は一緒にやれる余地を学校側に残すということは可能でしょうか。

〇山川都立高校改革推進担当部長 いずれにいたしましても、募集時期のこととかかわり合いを持ちますので、今説明を申し上げましたように、募集時期につきましては、十九年度開校を考慮しながら、公立中学校卒業生の就学の計画の中で定めてまいりたいというふうに考えております。

〇曽根委員 だとすれば、久留米高校が頑張って全国大会にも何度も出ている。ちょっと私も現場に行って写真を撮ってきました。ちょっと見にくくて申しわけないんですが、学校に行くと、まず正面玄関のところに、定時制サッカー部、三年連続全国大会出場と。これは大変なことですよね。東京にひしめくサッカー部の中で、私立も含めてでしょう、優勝して、もしくは第二位までに入って全国大会に出るというのは。これは三年連続。すごい努力ですよね。こういう努力をしているクラブの活動の伝統を継承していくために、都として最大限の配慮をするということはできないんでしょうか。

〇山川都立高校改革推進担当部長 私どもも、久留米高校のクラブ活動が大変盛んで、数ある貴重な実績をつくっていることについては十分認識しているところでございます。新しい学校の設置によりまして、これまで部活動等、久留米高校が積み上げてきた伝統、実績が失われてしまうのは避けなければならないと私どもも考えております。同窓会等の学校関係者や地域の協力も得ながら、伝統や実績が引き継げるよう努めてまいりたいというふうに考えます。

〇曽根委員 よろしくお願いしたいと思います。何よりもかぎになっているのは、募集停止の時期をどうするか、この問題で、学校の関係者は、もうこの統廃合が避けがたいのであれば、募集停止の時期を教育庁が適切な時期におくらせることによってそれが可能なんだということを切に訴えておりますので、よろしくお願いします。
 それからもう一つ、第三項目の校舎の補強工事について。
 これも抽象的な表現なので、耐震工事はもちろん必要なことなんですけれども、どういう真意なのかと。その中で聞いたことなんですけれども、実は総合学科をつくるときに、もともとは建てかえて新しい校舎をつくるという話があった。校長先生によると、そのとき、晴海高校の写真を持ってきて、こういう学校になるんだという説明があったと。ところが、その後しばらくすると、建てかえはできなくなった、現校舎を活用するということで話が変わっちゃったと。それはもうさんざんやりとりをして、そういうふうになったんだと思いますが、しかし、せめて、校舎の改修をするなら、今盛んな運動部、サッカー部だけじゃなくて、野球部もテニス部もバスケットもある、これが練習できるように、グラウンドの中に出っ張っている格技棟を体育館と合築することによって、グラウンドをいわば使いやすくできるんだということをいわれました。そこで現場で写真を撮ってきたんですけど、これが大きなグラウンドの方で、公式のサッカー場のコートがとれる、都内の高校では唯一の場所だそうです。しかし、本当にぎりぎりなんです。ところが、こっち側に格技棟があるんですが、格技棟を挟んで、もう一個サブグラウンドというのがあるんですね。これはもう猫の額のような感じです。細長い土地なんです。格技棟が体育館に取り込まれて引っ込めば、このサブグラウンドと大きいグラウンドがつながって、一遍に二つのクラブの練習などができるようになる。全面改築はできないまでも、これぐらいのことはやってもらいたいというのが切なる願いでした。これは、この項目だけ見たんじゃわからないんですけど、そのことが非常に大きな要望であるということなので、この点についてもぜひ配慮をお願いしたいんですが、いかがでしょうか。

〇山川都立高校改革推進担当部長 新しく発足いたします総合学科高校の施設整備につきましては、これまでも学校関係者と教育庁関係者の話し合いの中で、協議の中で、具体的な形態も含めて現在話を進めているところでございますが、今年度実施設計を行う中で、また具体的なものを策定してまいりたいというふうに考えております。今お話のあるような部活動の問題も含め、学校関係者ともさらに話し合いながら、新しい学校にふさわしい整備内容としていきたいというふうに考えております。

〇曽根委員 ぜひ、校長先生を初め学校の先生方や生徒さんと話をしてもらいたいと思うんです。校長先生はことしの年度末で退職なんだそうですけど、「校長室より」というのを出していまして、なるほどなと思ったんですけど、ことしの目標は「生徒が躍動し、生徒のためなら何でも取り組む地域と連携した開かれた学校!」。この「生徒のためなら何でも取り組む」というのが、校長先生のみずからに課したスローガンらしいです。ですから、生徒のために、自分は退職するんだけど、財産を残すとすれば、このクラブ活動とグラウンドだといっているわけなので、私は、これは本当に最後の最後の非常に切実な願いだということで受けとめていただきたいと申し上げておきます。
 最後に、小石川高校の中高一貫校見直しについての陳情について聞きたいんですけれども、これも陳情者の方が訪ねてこられて、実は木村さんというのは生徒さんで、今、三年生の人で、外四百五十二人の署名についても、このうち五十人程度は父母も入っているけれども、四百人ぐらいは生徒自身の署名だということでした。ただ、とったのがことしの二月から三月にかけてなので、既に卒業した生徒さんも、何でも卒業式の前日ぐらいに卒業生のクラスに行って署名を協力をお願いした。全部のクラスを回っているんですね。そういう努力をして集めたそうです。
 この人たちがどうしてこういう署名に取り組んだのかと思ったら、もともとは生徒会で一時ニュースを出したりして、中高一貫校になることが自分の学校にとってどうなのかというニュースが出回っていたのが、結局、昨年かおととしですか、生徒会が、もう中高一貫校にすることについては生徒会としては反対をしない、あとは、それぞれ生徒さんで自主的にやるのはご自由にというようなニュースが出たんだそうです。それで、全体、がっかりしてしまったんだけれども、どうしても納得のいかない、あるクラスの六人の生徒が呼びかけて、署名をやろうということになった。
 ただ、どういう署名をやるかも全く手探りだったので、まずアンケートをとって、中高一貫校になることについて賛成か反対かという意見をいろいろ集めたんだそうです。そしたら、その中で、賛成の中にも反対の中にもあったのが、上で勝手に決めてやっているんじゃないかという不信感だった。だから、もっと自分たちの意見や学校生活をきちんと見た上で、中高一貫が本当に小石川にふさわしいのかどうかについて見直してほしいというのが、この陳情の趣旨だそうです。
 そこで、私も前からいっておりますが、やはり高校改革は生徒自身の願いや要望を聞くこと抜きには本当の改革はできないという、これは一つの非常に象徴的な例だと思います。
 そこで、小石川のこの生徒さんも含めて、現在高校に通っている生徒さんたち、この署名に先立って行ったアンケートを見る限りは、大変しっかりした考え方を持っています。賛成も反対もある。非常に冷静に、教育庁の取り組んで検討した経過も知っています。ですから、そういう生徒さんたちが、なおかつ自分たちの後輩に何を残したいと思っているのか、その点について直接意見を聞くべきだと思いますが、いかがでしょうか。

〇山川都立高校改革推進担当部長 生徒たちの意見も直接聞くべきではないかというご意見でございますが、教育庁の関係者や、また学校の校長、教職員等をメンバーといたします基本計画検討委員会が現在立ち上がりつつございます。この委員会の今後の運営の中で、必要に応じて、何らかの方法で生徒や学校関係者の意見を聞くことは可能であるというふうに考えております。

〇曽根委員 検討委員会の中で生徒たちの意見が直接聞けるように、反映できるようにすることはまず何よりも必要だと思います。同時に、請願陳情がこのように都議会に直接、生徒から出されたのは極めて珍しいことで、昨年、定時制の生徒の皆さんからの要望書が教育庁の方にありましたけれども、こういうように生徒自身の声が、ほかの県はもちろんですけれども、東京都だってどんどん出てくるわけです。中高一貫校というのは新しい試みですから、生徒たちの意見も大いに聞くべきだというふうに思います。
 それで、中高一貫校についてこの生徒たちが心配していることの中で、一点だけ聞いておきます。例えば中等教育学校になった場合、小石川への入学ができなくなるような、今、六年生ぐらいの子どもでしょうか、小学生が出てくる可能性があるというふうな心配が地域にあって、こういうことについてもどうなるのか気がかりだという声があるようです。割合あの学校が名前が知られていることから、小石川高校を受けたいと思って、前々から目指しているという子どもたちが現にいるわけですね。そういう子どもたちが、中高一貫のはざまでちょうど受けられなくなってしまう、受検できないということはやっぱりあってはならないと思いますが、こうした場合のことについては考えているでしょうか。

〇山川都立高校改革推進担当部長 今ご指摘のような事態は、これから中高一貫校として開設する場合の、例えば工事が必要なのか必要でないのか、その期間がどのくらいかかるのか、あるいは就学計画がどうなるかということの関連で、募集停止の時期がいつになるかによって、理論的にはそういう事態が生ずるケースは考えられます。
 現行の高等学校と中高一貫教育校の接続方法については、現在検討を行っているところでありますが、中高一貫教育校への移行に際しましては、小石川高校への進学を希望する生徒が受検機会を失うなどの不利益をできるだけ受けないよう、さらに検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

〇曽根委員 残念ながら、中高一貫校に対する見直してほしいという陳情請願は、私の知る限り、たしかこれ一件なんですよね。大人の人たち、例えばPTAや地域の人、または学校の先生たちやOBの人たち、そういう人たちから出た意見や要望については直接聞くこともするし、受け取るけれども、生徒の声は直接は聞きません、校長を通じてくださいというような姿勢では−−中高一貫について、今ようやく都議会に声が届き始めたところだと私は思うんです。一番まじめに考えているのは生徒自身なんですよ。その声をやっぱり貴重なものとして受けとめる姿勢が、私はどうしても必要だと思う。今までのようなかたくなな態度を改めて、生徒自身の声を直接聞く、校長とかを立ち会わせるようなこそくなことをしないということを強く求めて、高校改革についての質問を終わります。
(4)都立図書館の視力障害者サービスの交代は許されない

〇曽根委員 前のお二方と一部ダブりますので、そこは簡潔にやりたいと思います。
 先に、今、石川委員からお話のあった月曜開室、これはたしか、以前、月曜日は中央図書館も休館だったものが、一般の利用者の方には月曜日もあけるようになった時点で、やっぱり頑張って視覚障害者のサービスの部屋もあければ、こういう問題はなかったと私は思うんですね。その時点で、視覚障害者の部分だけあかないで、一般利用者の方はあいた、ここから格差ができちゃったわけです。ですから、一日も早くこの格差は埋めてほしい。これは教育庁の努力次第でできることだと私は思いますので、要望にとどめますが、ぜひ一日も早く実現をお願いしたいと思います。
 それで、サービスの低下をしないようにということで、職員定数のお話が出ているんですが、私の記憶では、非常勤の方を正規の職員のかわりに一名雇ったということですが、たしか経験のある方だというふうに先ほどもお話がありましたけれども、それにしても、勤務時間については、非常勤ですから、正規職員の方に比べれば大幅に時間数は減らざるを得ない。ということは、同じサービスの事業はしているけれども、そこの窓口や職場に複数いたものが一人になってしまう時間があるとか、そういった点での違いがあるというふうに理解してよろしいでしょうか。

〇鈴木生涯学習スポーツ部長 平成十五年度に配置をいたしました嘱託員につきましては、勤務日数が少なくなるということから、平成十四年度に比べまして、全体の出勤延べ人数ということでは減らざるを得ない状況にございます。しかしながら、これまでの利用実態に応じまして勤務のローテーションを設定するということで工夫をしておりまして、したがいまして、現在までに特に利用者対応について問題があるということはございません。

〇曽根委員 わかりました。もちろん、利用実態が落ちることがあれば、この陳情の趣旨からいって、やはりどうしても問題が残ると思うんですが、そういうことは教育庁の側から見ればないとはいうものの、障害者の利用者の方から見れば、例えば、陳情者のお話でこういうのがあったんです。あそこは公園の中にある図書館なので、公園の入り口から図書館の入り口まで行くのにも、初めて行く視力障害者の方にとっては非常に難しいということから、前もって連絡をすると職員の方が案内をしてくれる。ガイドヘルパーがついていない場合には、そういうこともサービスの一つとしてやってもらっていた。こういうことがなかなかできにくくなるんじゃないかというおそれを感じているというお話がありました。こういう点でも、きめ細かいサービスがレベルダウンしないようにお願いしたいと思います。
 それにしても、やはり正規職員で三名を確保しなければ、時間数でいうと下がってしまうので、どうしてもどこかにやっぱり無理がくると思いますので、正規職員の確保、これに全力で取り組んでいただきたいということを要望しておきます。
 それから、予算全体で大幅に減っているということから、確かに対面朗読や利用数が減っているというお話が先ほどありましたが、結局、対面朗読をしてくれるボランティアや、また専門の委託者の方がいるわけですね。この方の報償費が一時間当たり変わることがないとすると、予算全体が減った分、対面朗読ができる時間数、回数が減ってしまうことになるんじゃないかと思うんですが、単価の方は、この間、どの程度でやっているんでしょうか。

〇鈴木生涯学習スポーツ部長 平成十五年度の対面朗読に対する有償ボランティアの報酬につきましては、前年度と同額でございます。
 ご指摘の対面朗読につきましては、私どもとしても、利用者に対して即時性が求められるサービスであるというふうに認識しております。したがって、お断りすることがないよう配慮をし、事業の執行については十分留意してまいりたいというふうに考えております。

〇曽根委員 実は、教育庁の担当課長さんにお聞きしたところ、対面朗読は一時間千二百円、録音朗読が千五百円ということで、これ以上は単価は下げられないと。ボランティアという名前はついているが、実際には非常に専門的な仕事で、なかなかそれができるというのは、一般の市民の方がぽっと来てボランティアできるものではないということから、これ以上下げると本当に交通費も出なくなってしまうということから、この単価は維持していきたいというお話でした。したがって、予算が減った分は、やっぱり利用回数の方を減らさざるを得ない。対面朗読は断れないとすると、録音朗読の方が減ってしまうということが、利用者の方が心配されている点だと思います。この点についても改善を求めて、質問を終わります。

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