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2004年2月17日行財政改革特別委員会の質疑

石原都政の福祉・医療切りすてで都民のくらしはどうなったか
あらためて自治体のあり方を問う

○山本委員長 次に、曽根はじめ理事の発言を許します。

○曽根委員 きょうは、自治制度の方向についてということがテーマですが、道州制とか首都圏の構想なども出されましたけれども、先ほど、どなたかからもありましたように、自治制度も最終的には住民の意向で決まってくるということと、我が党は一貫して、首都東京も一つの自治体として、そこに住む都民の総意に基づく運営が第一義的に追求されねばならないし、そのための諸制度でなければならないという観点から、都民の目線から都政を論じてまいりました。

 同時に、今、東京都という自治体にとって、今後どのような自治制度のあり方を目指すのかということを考えていくためには、石原知事になってから間もなく五年と、この経過した今日までの都政のあり方を検証し、その上に立って今後の方向を論ずることが必要だと考えております。きょうは、その観点から、幾つか知事並びに各局長に質問をさせていただきます。

 この五年間の石原都政の特徴という点では、何といっても、この基本である東京構想2000、これに基づいて、どの分野についても改革が盛んに唱えられてきました。これは何を目指してきたのかと。
 同時に地方自治法では、自治体の使命として住民福祉の増進ということが掲げられておりますが、都民生活世論調査でも、やはり都民要望の最も強いのが、高齢者対策と医療、衛生対策です。この分野で都政がどう都民要望にこたえてきたかが、今問われているところだと思います。
 都の目指す福祉、医療のあり方、これをまず私は問題にしていきたいと思うんですが、これを最もわかりやすくあらわしたのが、高齢者対策、そして福祉、医療などについてのこの図であります。(パネルを示す)これは東京構想2000からとったものです。資料で今お配りをしております。

 ここでは、福祉サービスについて、企業や公益団体が中心となりサービスを提供するとされておりまして、行政はその仕組みをつくること、また、市場原理や地域の自主的活動だけでは提供できない分野を担うとされて、福祉サービス提供の中心から撤退をしていくという方向がわかりやすく打ち出されております。
 私は、まさにこのパネルのように、福祉の民間市場の仕組みをめざして進んできたのが石原都政の最大の特徴ではないかと思うんですが、結果、どういうことになったかということをまずお聞きしたいと思います。
 石原知事にお聞きしますが、この五年間で、自治体の使命として、住民福祉の増進と、この地方自治法に掲げられた課題で、東京都政はどのように前進したと考えておられるのか、お聞きしたいと思います。

○石原知事 福祉という言葉が人口に胎衆してから非常に長い時間たっておりますが、今なお大方の方々が、非常に狭い意味の福祉として福祉の問題をわい小化していると思います。
 我々が考えなくちゃいけない福祉は、基本的には、だれもが安心しで快適に暮らせる東京の実現でありまして、そのためには、狭義の福祉だけではなく、治安、医療、環境、雇用、インフラの整備など、さまざまな施策を複合的に実施することが必要であります。

 狭義の福祉についても十分に努めてきたつもりでありますが、現金給付と入所施設中心の画一的なサービスから、利用者が地域の中で必要なサービスを選択し、自立した生活を送ることのできる、利用者本位の福祉への転換を進めて、成果を上げてきたと考えております。

○曽根委員 治安とか、それから環境ですか、それから知事の過去の答弁では、都市再生も福祉なんだというような、知事の文明工学とでもいうべきものはいろいろ聞いてきました。

 もちろん、治安や環境、都市基盤もそれぞれ施策が必要なのは当然ですが、しかし、知事が、あれも福祉、これも福祉といいながら、結局、都民要望が一番強い高齢者対策や医療、衛生などの課題を大きく切り込んだ、そしてそこを犠牲にしてきたからこそ、我が党は問題にしてきたわけです。

 例えば、知事は、利用者がサービスを選択し、自立した生活を送ることができる福祉への転換というものをおっしゃいましたが、実際には福祉でどういうことが行われたか。

 この東京構想2000のもとで、2000年度から財政再建プランによる経済給付的事業、先ほど現金給付とおっしゃいましたが、この切り下げが始まりまして、昨年度で老福手当が全部なくなりました。それから、重度障害者手当も経過措置が終わって、今残っているのは老人医療費助成、マル福がごく一部の年齢に残っているだけです。

 この経済給付を中心に切り下げが、福祉局予算では八百八十五億円。これは第一次プランに基づく経常経費の削減の千八百十六億円の実に半分を占めています。
 なぜ第一次プランの中で経常費の施策の見直しの半分が福祉でなければならないのか、この点についてお
答えいただきたい。

○櫻井財務局長 都が進めております福祉改革は、高齢化の急速な進展や福祉ニーズの多様化、高度化の流れの中で、都民ニーズに十分こたえられるよう、都の福祉施策を新たな発想で見直し、大都市東京の特性に合った、利用者本位の施策に転換していくため、再構築を図っているものでございます。
 お話しの施策の見直しが福祉局の予算においても進められていることは、福祉改革が進展しており、それだけ福祉施策が都民ニーズに合った、利用者本位の施策へと転換されてきたことを示すものというふうに考えております。
 福祉施策につきまして、単純に予算額の多寡だけを問題にするのは意味のない議論であると思いますけれども、あえて申し上げれば、福祉局の経費について、十一年度予算と十五年度予算とを比較しますと、区市に移管しました児童扶養手当の支給分を除けば増額となってございます。

○曽根委員 今、児童扶養手当の移管があるから福祉予算は当然減なんだというようなお話でしたが、この姿勢こそ私は問題だと思います。ほかの道府県の多くは、区市に移管された児童扶養手当の分を子育て支援のほかの福祉施策に回して努力をしていて、一部を除けば、児童扶養手当の減があっても福祉費全体としては減らしていないわけです。
 しかし、東京は大幅にこれを含めて減らしているということを問題にしています。
 それから、先ほど、都民ニーズに合ったという、合ってきたんだというお話ですが、私、とんでもないと思うんです。手当だとか医療費助成制度を切られたのは、高齢者とか障害者の中でも、特に介護保険や支援費制度だけでは医療面、経済負担などで利用が困難な人が多いわけです。だから、新たな制度をやるのであれば、同時に経済給付も必要だという人が非常に多いということは、繰り返し私たち指摘してきました。

 例えば重度障害児の場合、私も何年か前に取り上げましたが、重度手当と育成手当、医療費助成を所得制限ですべて同じ基準で切られた家庭で大変大きな被害が出るわけです。あるご家庭では、重度手当で七十二万円。この重度障害児の方は余り病院にはかからなくて済むということで、医療費はそれほどかかっていませんが、それでも年間では八万円以上など、全体では百万円近い負担増と収入減が現に起きています。

 そうするとどうなるかというと、支援費で介護を頼みますと、この家庭の場合は中堅所得層だということで、一時間に千円の費用がかかります。この費用が、一時間で千円ですから、やはり非常に負担が大きくて、しかも手当がどんどん切られていますから、結局利用できない、家族介護で見るしかないというふうになってきているわけです。ご主人の給料も不況で目減りして、将来に展望が全く持てないというふうにお話しになっています。

 それからもう一人の重度障害児の母親の方は、障害者医療費助成は残ったけれども、一割負担になっているんです、今、老人医療と連動で。タクシーを利用したり、点滴を受けたり、その子の場合は長期の入院もある、ということで、入院期間は支援費が利用できないということで、出費が非常にかさんでいるというふうに訴えていて、いずれの場合も、新しい制度のもとでも経済給付が必要だということが共通していえるわけです。

 私は、こういう問題は福祉の問題に限らず、一人の重度の障害児というのは、それは一人の問題ですが、万人を照らす鏡だと思うんです。
 一人の、最も生きることが困難な障害児の問題を、その子どもにいわば行政の手を差し伸べる力を持っていながらやらなかった、やっていないということが、ほかの万人の方々の施策に大きく影響するからこそ私は取り上げているわけです。これはまさに自治制度の、住民自治の基本があるかどうかの問題だと思うんです。

 しかも、切られたのは予算だけじやなくて、都立の病弱児の成東児童保健院だとか都立の母子保健院など、大切な役割の施設も廃止になりました。まさにこの図のとおり、東京都の都立の福祉施設からも福祉サービスの提供、医療サービスの提供が撤退しているという状況です。

 私、率直にお聞きしたいんですが、成東児童保健院や母子保健院の施設の廃止の影響について、都は調査をしているんでしょうか。

○櫻井財務局長 お話しの施設は、医療技術の進歩による転地療養のあり方や地域における医療機能の連携、さらには法律改正等の時代変化などを踏まえ、必要性が薄れたと判断したため、廃止したものでございます。これらの施設につきましては、所管局において地元や利用者などとの協議を行い、廃止の影響などについて十分検討され、所要の対策を講じた上で廃止に至ったと理解しております。

○曽根委員 母子保健院も成東の児童保健院も、関係者の理解など、最後まで得られていなかったのは明らかであります。
 しかも、その後の子どもたちの様子も大変深刻なものです。行政として、こういう施設を廃止した場合、しかも、三十人ぐらいの子どもたちがその施設を卒業するまで待てなかった、そのほかの施設に散り散りばらばらにさせたわけですから、当然追跡調査をして、その影響はどうだったのかというのを検証することは最小限の責任だと思いますが、行政のこの基本的な責任を果たしたのかどうか、この点を改めてやるべきじやないかと思いますが、いかがですか。
   〔発言する者多し〕
○山本委員長 それでは、財務局長、答えられるところがあったら答えてください。

○櫻井財務局長 お話しの趣旨をよく所管局にお伝えして調整してまいります。

○山本委員長 ちょっととめて。

○山本委員長 再開いたしますが、ちょっと委員長から曽根理事にご注意を申し上げます。きょうは、基本問題について、これからのあり方、東京都のこれからの未来、それについてお話をしたいということでありますので、どうぞひとつその点お含みおいて質問をされるよう希望いたします。
 以上です。
 どうぞ始めてください。曽根理事。

○曽根委員 先ほどもちょっと申し上げましたが、一人の、最も生きることが困難な都民の問題をきちんと解決しなければ、知事は、木を見て森を見ないとよくいわれますけれども、一つの都民の問題を解決しなければ万人の問題がやはり大きく損なわれるという観点から私取り上げております。

 東京都が、例えば成東からほかの施設に行かなければならなかった子どもたちを、手だてを打つ力を持っていながらそれをしなかった、置き去りにしたということがもし事実ならば、これは多くの都民の同じような問題に波及する問題なんですよ。
 私、この母子保健院や成東の旧職員の方、それからこの問題を取材したジャーナリストの方、これは都政の大問題だということで、いわば地方自治体の根幹にかかわる問題だということで、ずっと追跡調査をしている団体があるんです。
 その方々に教えてもらったんですが、また私自身もそういう施設に行ったことがありますが、例えば、ある子は、児童養護施設に行ったけれども満杯で、大変な思いをしていると。
 自宅に戻った子どもは……(発言する者あり)この問題、最後までやらせてくださいよ。自宅に戻った子どもは、成東では学校に毎日通っていたんだけれども、自宅では結局、何とか通えるかと思ったけれども、病気、病弱児で
すから、学校に行けなくなって、結局不登校になってしまったというふうに、一人一人の子どもたちにとって大きな試練がその後も続いています。

 私は、行政は基本的課題としてこうした施設の廃止、子どもたちのその後についてきちんと調べて、誤りがあれば正すという立場をとるべきだということを申し上げておきたいと思うんです。

 次に、これら含めて、余り個別の問題をやるとあれだというので。経済給付的事業が経常経費事業の半分を占めて、八百八十五億円も削られた。こうした第一次財政プランのこの四年間の流れの中での都民のいわば痛みですね、この間題についてどのように知事は受けとめているのか。こんなの、しようがない問題だというふうに考えているのか。
 これは福祉の問題に限らず、第一次財政再建プラン、財政再建の名であればこの問題はどうでもいいのかということを基本問題としてお聞きしたい。

○石原知事 基本的なお話をいたしますが、昭和四十年代から大きく見直されることのなかったこれまでの福祉システムは、高齢化の急速な進展や福祉ニーズの多様化、高度化にこたえることができずに、もはや制度疲労を来しております。
 私は、長期的、歴史的視野に立って、見直すべき事業は見直し、必要な施策には財源を集中投入し、改革を進めてまいりましたが、一連のばらまき、経済給付的な事業の見直しと再構築は、利用者本位の福祉の実現を目指す福祉改革の一環として、真の意味での都民福祉の充実に資するものであり、既に都民の理解を十分得ていると確信しております。

○曽根委員 今、知事は、都民理解を得ているというお話ですが、私は、経済給付を対象に受けた、切り込みの対象になった、大体百万人以上の高齢者、障害者を中心にした方々だけではなく、今新たに第二次財政再建プランで切り込まれようとしている分野というのは、これは補助金を中心にしたものです。

 例えば福祉、教育の団体で私学助成とか、こういうものが名指しで挙げられています。それから、市町村の補助も幾つも対象に挙げられていて、既に幾つか合意されたものとして予算化もされつつある。また、継続協議でありますが、広く障害者が利用している、全都で二百カ所ぐらいになるんでしょうか、小規模作業所の補助金、これは市町村を通じて市長会などに提案されていますが、補助が高率だということで切られようとしている。

 高率の東京都による、市町村などを通じての補助、率が高いということが、例えばそれを受けている当事者のコスト意識を弱めてしまうだとか、それから自主的な取り組みがこれじや出てこないというような理屈をいっていますが、それぞれの分野で果たしている施設の役割、それから補助を受けているそれぞれの団体の活動、これはいずれも不採算の分野なんです。
 不採算の分野だからこそ、涙ぐましい努力で、補助を受けながらもかつかつで運営していて、例えば小規模作業所の方々も、これはどちらかというと重度よりは中程度または軽度の障害者が社会参加の一つの貴重な場になっているわけですが、こういうところの活動が事実上困難になってしまう。
 市町村の方は、じやあ補てんできるか。市町村の方の自治体としても、それでなくても障害者福祉全体としては膨らんでいるので、とても賄い切れないんだということをいっていて、私は、東京都が一方的に市町村それぞれの自治体を通じての補助金をこういうふうに上から切っていくというやり方は、断じて許されないというふうに考えます。

 こういうふうなことを本当に東京都がやっていくと、改めてこの図に戻っていうと、ここに目標として掲げられている、都民の住みなれた地域で自立した生活ということが達成されるのかということなんです。実際には、重度の障害者の問題も先ほどいいましたが、そうでない方々も障害者全般について見ても、これで本当にサービスに応じた適正な負担ができるのか。それから、サービスの提供主体から東京都が撤退した後に、民間企業が、もうからない、この不採算の分野に一体だれが乗り出してくるのか、それを支えるのは一体だれなのか、全くその保障がないというふうに私は思うんですが、いかがですか。

○石原知事 だれもが地域で自立して生活できる、ごく当たり前な世界をこの東京で実現するために、都はこれまでもさまざまな手だてを講じてまいりました。
 痴呆性高齢者や障害者のためのグループホームの増設、里親制度の充実、駅前での認証保育所の創設、ホームレスの自立支援、バリアフリー化の推進など、多岐にわたる施策に取り組んでまいりました。
 また、その担い手として多様な事業者の参入を促進するとともに、サービスの質を確保するため、都独自の第三者評価制度を導入しました。当然ながら、高齢者や障害者の入所施設の増設、子どもを虐待から守る児童相談所の充実などの取り組みも、ゆるがせにはしておりません。こうした取り組みは着実に成果を上げ、都民の理解を得ているものと確信しております。

○曽根委員 知事は、民間企業にどんどん参入させる今のやり方が、着実な成果などというふうに答えていますが、くこれまでの取り組みが果たしてきた役割をきちんと見てないと思うんです。

 私申し上げましたように、東京都が行ってきた都民サービスのそれぞれの分野では、やはり民間ではできないからこそ都立の施設が運営され、都立病院にしても、それから最も重い状態の子どもたちの施設にしても、また、地域での小規模作業所は民間の方々の力で成り立っているんですが、それを支えるのがやっぱり行政であったというのは、そういう公的な役割がほかにかえられないからこそ、これが確立をしてきたんだと思うんです。
 それが、サービスの主体が、一番中心に民間事業者が来る、企業が来る、適切な負担をすれば企業がやってくれるんだという考え方では、適正な負担ができない多くの都民がいるという現実のもとでは、お金がない人は受けられないということになってしまうわけで、今お話のあった児童相談所やそれから里親制度など、これらのものは都としてきちんと責任を持ってやるのは当然ですが、私が問題にしているのは、民間企業がサービスの中心になっていく、これは福祉に限らずですよ、今後どの分野でもそういうふうになっていくということが、都民の住みなれた地域で自立した生活を支える保障がなくなうていくことじやないかということを申し上げているので、この点について知事からもう一度きちんとしたお答えをいただきたいと思います。

○石原知事 東京が進める財政再建は、都民ニーズの変化にこたえ、東京の活力を呼び戻す施策の財源を生み出すための、将来を見据えた積極的な取り組みであります。
 そのためには、都のあらゆる施策及びその執行体制について大胆な発想で見直し、都の実情に合った新たな施策を自主的に展開できる財政基盤をつくっていくことが重要であります。
 自治体が住民に対しどのようなサービスを提供すべきかは、それぞれの地域の特性によるものでありまして、いろいろ例を挙げられていることもありますが、他の自治体の施策をそのまままねしても意味がないと思います。
 都はこれまで、認証保育所やディーゼル車規制など、都民のニーズに的確に対応した施策を先進的に進めてきたものと自負しておりまして、これからも都民の立場に立って必要な施策を積極的に展開してまいります。

○曽根委員 民間企業参入の例として今、認証保育所のことを知事はいわれましたが、認証保育所について、知事は盛んに企業参入の一つの大きな典型としていわれているんですが、率直にいえば、保育料の高さ、それから施設面でも、都のほかの、都内の認可園に比べて大体五分の三ぐらいの保育室の広さ、保育士の労働条件についても、やはり認可園に比べると劣るという大きな弱点を持っていて、預けている保護者の方々は、認可園にあきができればそちらに移っていくというのが大半を占めているということは、いろんなマスコミの調査、報道でも明らかなとおりです。

 大体、新しい福祉の、企業参入でつくるというときに、そこで働く保育士さんなど労働者の賃金が今の認可固よりも劣っているということ自体、私は非常に大きな問題だと思うんです。これでは経済の活性化の点からいっても逆行だと思います。
 同時に、多くの、圧倒的な多数の保護者にとっては、負担の問題や、それから保育の質の問題で不安があるという声は事実として上がってきていますので、やはり民間企業参入の問題点を改めてえぐっていく必要があるというふうに私は強調したいと思うんです。

 それから、知事は、ほかの地域のことをそのまましゃくし定規にまねしてもしようがないというふうにおっしやっていますけれども、しかし、福祉や医療の基本にかかわる問題というのは、どの自治体でも財政、確かに財政難もありますが、そこに悩みながらもいろいろ頑張っているわけです。

 一例だけちょっと紹介したいんですけれども、私たち、最近、宮城県の方に調査に行ってまいりました。宮城県、私たち別に与党じやないんですけれども、しかし、ここでもやっぱり福祉の分野についての、その部分についての努力をしているんですね。
 宮城県では、日本一の福祉先進県づくりを目指すという、浅野さんという知事の七年間の努力があるんですよ。「みやぎの福祉・夢プラン」というんですが、ここにも「日本一の福祉先進県づくり」というふうに掲げてあります。具体的にいろんなことをやっているわけですが、例えば、今後求められる考え方というところで、行政は、重い障害があるなど、最も支援を必要とする人々が、今何を求めているのかを掘り起こし、把握し、それにこたえることがで
きるよう、効果的に施策を推し進める必要があるということを強調しています。
 そして、お聞きした担当者の方は、要するに重度障害者に一人当たり行政コストが幾らかかるのかというようなやり方は絶対にやらない、こういうやり方から脱却するためにこのプランをつくったといっているんです。

 私はこれを聞いて、これはたしか四年前ですか、東京都広報にまで重度障害者の一人当たりのコスト、これが一千万円近いんだという、実際にはその制度を全部利用できない架空の計算をしてまで東京都広報に数字を載せた東京都の姿勢と対照的だと思うんです。

 これはまさに自治の、自治体としての基本姿勢の問題です。
 じゃ、具体的に何をやっているかというと、この考え方のもとに、筋肉が萎縮していく、難病中の難病であるALS、筋萎縮性の側索硬化症というんですが、最後は呼吸器まで動かなくなっていくという難病の患者さんのトータルなケアのプランをつくっているそうです。
 こういうやり方こそ東京都がきちんとやっていくべきじやないか、この姿勢に学ぶべきじやないかと思いますが、いかがでしょうか。

○山本委員長 ちょっと待ってください。速記とめて。
   〔速記中止〕
○山本委員長 速記を始めてください。
 曽根理事、発言をしてください。

  〔石原知事「これが続くなら退席するぞ、おれ」と呼ぶ〕

○曽根委員 いや、今、私が質問したところなんですけれども。

 私は、だから、これを一つの例としていっているわけですが、先ほどから一貫して私申し上げているように、自治体として、最も困難な状態にある住民の立場に立った行政を行うということが基本姿勢になければならないと、このことをいっているわけで、別に福祉だとか医療だとかに限っていっているわけじゃないんです。こういう自治体が現に県段階でも取り組まれている、取り組んでいる自治体があるということに東京都としてやはりきちんと学ぶべきではないか、そういう姿勢に立ちべきではないかと申し上げているんです。
いかがでしょうか。

○前川知事本部長 私は、事実をもってお話をされた方がいいと思うんですが、東京都がやっている福祉は、例えば心身障害者の施設については緊急整備をやるとか、あるいは早朝保育であるとか深夜保育が必要な人については駅前に認証保育所をつくるとか、まさに今いわれたように、因っている人々が必要なサービスを受けられるように最大限の努力をしている、それが東京都の福祉であります。

○曽根委員 緊急整備は私たちも当然のことだと思いますし、これが提案されたときから、もっと充実、拡充をと。(発言する者多し)
○山本委員長 静かにしてください。

○曽根委員 実際にはこの緊急整備計画は目標どおり進まなかったので、追加して延長したわけですよね。そのことは私たち求めてきたわけですよ。それは当然必要だと、基盤整備は。
 しかし、基盤整備をやる必要があるということを理由にして、これまで営々と行ってきた経済給付的事業を打ち切ることでどうなったかということを先ほど申し上げたわけです。

 私たちは、制度やそれから施設整備、必要なものはやらなきやなりませんが、それと同時に、それを支える、利用する方々の経済的な困難をきちっと埋め合わせる、軽減するための経済給付的事業はどうしても両方必要だという立場で申し上げているわけです。宮城県は、このような重い状態の人をきちんと行政がフォローするということが、県民全体、住民全体の福祉や医療の全体のレベルを底上げすることになるんだという確信を持ってやっているそうです。
 私は、東京都に、こういう姿勢に立ってきちっとやっていただきたいということを改めて強く申し上げておきたいと思うんです。

 石原知事が進めてきた福祉改革は、東京の自主的取り組みとか、それから改革とかいうことでやってきましたが、宮城のような姿勢とやはり大きく異なっているというふうにいわざるを得ません。

 しかも一方で、先ほども財政の問題をおっしやいましたが、都市再生には新たな負担まで国に約束して、大盤振る舞いを進めているわけです。

 財政の問題で先ほど、自治体の財政が限界があるということでお話がありましたが、確かに、財政再建プランで財政問題を解決するということで、投資的経費について減ったのは事実です。しかし、いまだに知事の都市再生構想に基づく都心のオフィスビル開発や、また首都高速道路、国直轄事業への都の負担も全然減ってないわけですよ。

 私、計算してみましたが、知事の四年間で、例えば一例として、国の直轄事業負担金、それから首都高速道路公団への財政支援、これが四年間で三千二百七十八億円ぐらいある。
 一年の平均で八百二十億円ですよ。これはちょうど経常経費の半分を占めた福祉関係の削減額とほぼ同規模です。
 したがって、財政難を理由にした第一次プランによる切り下げ、これが一方ではこうした国直轄事業やそれから首都高速道路への出資、これは知事も問題があるというふうに発言をされたことがあるわけで、本気でもって改善を国に働きかけるとか、それこそ国にきちんと物をいうとかいうふうにやっていれば、もっと改善の余地があったうはずであります。

 こうした取り組みをきちんとやらないで、都市再生にさらに羽田空港の再拡張など新たな負担を約束するという姿勢こそ問題だと思います。

 知事が進めていこうとしているこれからの都市再生の方向は、昨年私も予特で申し上げましたが、一つは、都の財政負担がこれからどこまで拡大するかわからないという大問題があります。
 それから、環境問題でも、ヒートアイランド問題もありますし、それから地球の温暖化の問題でも、二酸化炭素の発生を抑制できないという問題など、環境問題も深刻になります。何よりも東京都の都市計画として、都心を中心に車交通が、大変な量が、車の、自動車交通が発生してしまう。大気汚染その他の環境問題も一層深刻になるという問題を抱えているわけで、都市再生による、都心のいわばコントロールされていない拡大については、改めてこれについてのコントロールが必要だ、都市づくりはコントロールが必要であるということは、多くの専門家が今いい始めているところで、この点についても見直しが当然必要だと思います。

 一例をいえば、昨年、NHKの「あすを読む」という夜遅い番組がありますが、ここでも、斎藤さんという解説委員の方が、都心の都市再生問題について、「まちは生き物である、経済的側面で推しはかることはできないんだ、都市の主人公は建物や施設ではなく、そこに暮らし、そこに活動する人である、何よりも生活者の視点を大切にしてほしい」ということを述べているわけで、こうした声にきちんと耳を傾けて進めることが必要だと。

 知事のやり方に対しては、多くの都民から、都立大学の問題とか銀行の新構想の問題とか、やっぱり乱暴だという声が出ています。
 こういう声も聞いて、改めて都民の要望に基づく都政に立ち戻ることを求めて質問を終わります。

○山本委員長 質問はないようですので、曽根理事の発言を終わります。

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