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2004年3月19日文教委員会(生活文化局予算、青少年センター廃止、青少年健全育成条例改定を質疑)

「青少年のため」を口実に管理社会づくりの道をゆるしてはならない

○曽根委員 きょうは予算の審議なので、本来であれば、生活文化局所管の多くの分野についてそれぞれ質疑をしたいところですが、時間の関係もあって、割愛せざるを得ない分野もあります。

 最初にちょっと意見だけ述べておきたいんですが、特に生活文化局の中の仕事で予算上も大きく占めている私学助成については、これは予算特別委員会の代表の中でも申し上げましたように、今日の不況の中で私学に通わせている父母、家族の教育費の負担は大変重いものがあります。
 そういう点でも、家計急変や所得に応じた授業料の減額制度、減免制度については一層の拡充、また私学助成が第二次財政再建プランで名指しされているということについても、改めてこれが基本的な都民にとっての非常に不可欠な事業として、今後削減などがないように努力をしていただきたいということを最初に申し上げておきたいと思います。

●青少年センターは廃止するどころか、移転・拡充を

 きょう質問したいのは、最初に、青少年センターの廃止条例についてです。
この問題はもう何年か前から廃止の動きがあり、行政評価の中でも指摘をされてきました。私たち日本共産党都議団としても、最近現地を調査しまして、利用状況を見ましたが、確かに利用が飯田橋のころに比べても下がっているし、場所から見てもなかなか日中の利用がしにくいという弱点を持っています。
 しかし、それでも近くの都立芝高校の高校生など、近隣の青少年にとってはいつでも使えるフロアや、それから印刷機なども紙を持ち込めば利用できるなど、気軽に利用できる施設としての活用もされているわけです。
 こういう点から、今回廃止ということが条例で出されましたが、どういう根拠、また今後の青少年対策の上でのセンターの役割をどう引き継いでいくのかという考え方について、幾つかただしていきたいと思います。

 まず、廃止の最初のきっかけとなりました平成十三年度、二〇〇一年度の行政評価で、センターの実績評価だとかコストの問題で厳しい評価がされていますが、どういう問題点この点で指摘されたのか。そして、当局としてその問題点の原因は何だというふうに考えておられますか。

○高島都民協働部長 曽根委員の質問にお答えします。
 青少年センターについてのお尋ねでございます。平成十三年度の行政評価での指摘された問題点でございますけれども、東京都青少年センター類似施設、これは具体的にいえば東京スポーツ文化館、先ほど申しましたユース・プラザのことでございますが、この開設、それから区市等における青少年相談事業の実施を踏まえて、廃止することが適当とされたものでございます。
 この原因でございますけれども、基本的には今申し上げたことがその原因でございますが、社会経済情勢の変化に応じて施設のあり方を見直していくということだろうと思っております。以上でございます。

○曽根委員 きょうは私ども時間が限られているので、聞いた問題に的確にお答えいただき、簡潔にやっていただきたいんです。私が聞いているのは、センターの実績評価、コスト問題などで、この行政評価で何が指摘されているかということを具体的にお聞きしているので、総合評価を聞いているんじゃありません。その問題点の原因は何かということをお聞きしているんです。

○高島都民協働部長 行政評価におけるコスト評価、それからもう一点は何でございましたか。(曽根委員 「実績評価」 と呼ぶ) 実績評価でございますか。具体的に行政評価での様式のどこを先生が指しておられるかというのがあれでございますが、(曽根委員 「実績評価ですよ、ここに書いてある」 と呼ぶ) これでございますね。コスト評価という欄はちょっとないんですが、実績評価でございますが、二次評価でございますけれども、年間利用者数は目標を大きく下回り続けており、達成状況に問題があるというのが実績評価に記載されている内容でございます。以上でございます。

○曽根委員 時間が限られておりますので、的確な答弁をお願いしたいと思うんです。
 こういうふうにはっきり善かれています。しかも、そのすそ上の欄が投入費用のチェックということで、これは要
するにコスト評価になるわけです。そこには一人当たりの利用の経費が高いということも指摘されています。この原因は何だと考えているんですか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 コスト、投入費用のチェックのところでございますが、この二次評価を見ますと、一人当たりの利用に対する経費は、平成十二年度上昇したということでございます。
これは一人当たりの利用に対する経費でございますので、原因としましては、全体の経費が人件費の増嵩等により膨れ上がったということに対して、一方、利用人員が減少傾向にあったということで、その結果、一人当たりの利用に対する経費が上昇してきたということでなかろうかと思います。
 以上でございます。

○曽根委員 ちゃんと全部答えてもらえないので、次にいきますけれども、利用数の減少についても、目標を下回り続けている原因は何か、はっきりしていると思うんですね。
 青少年センターの利用状況、資料をきょういただきましたが、利用者数を見るとよくわからないんですよ、これはだれでも入れる施設ですから。
 ところが、貸出施設利用者数を見ると、歴然としているわけです、これは青少年の施設ですから。わざわざここに来て部屋を利用するという青少年が、平成五年、六年、七年までは三万人以上いたのが、八年、九年度に下がってきて、十年度以降は一万五千人台、最近ちょっとふえていますけれども、半分に減ったわけですよ。これは明らかに八年度末くらい、飯田橋のセントラルプラザから臨海に移った直後から、部屋の利用が落ちているわけです。
 こういう点も歴然としていますし、先ほど人件費とおっしゃいましたが、平成十二年度になる前に、このセンターにかかる費用は、平成八年度を境に、床の賃料が、それまでかかっていなかった飯田橋に比べて、年間大体数億円の床賃料を払う施設になっちゃったわけです。
 したがって、それがはね上がったことがまず一つあって、平成十二年度になぜ上昇したか。床の賃料の値上げがあったんです、この年、テレコムセンターの。
 それに応じちゃったわけですね、東京都は。ほかの民間のテナントはほとんど応じなかったといわれているです、当時は。だって(オフィスビル)全体は賃料は下がっているんですから。しかも臨海は場所が悪いということです。
 それが、東京都だけは、テレコムセンターの赤字が大変だからということで、わざわざ賃料値上げに応じてやって、それが私は反映したと思うんですよ。
そういう経過を見ても歴然としているように、飯田橋セントラルプラザから移ったのが間違いであって、青少協でもそういうふうに指摘を、私はしました。

 このセンターが利用が落ちたからということで、かわりの施設もできたから廃止するというのでは、私は利用者の立場、都民の立場からいえば、納得いかない問題だと思うんです。
 この間、テレコムセンターに移ってから払った賃料の総額はお幾らでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
飯田橋からの移転関係費用と、それから平成八年十二月から平成十六年三月まで支払いました賃料は、約二十億五百万円でございます。
以上でございます。

○曽根委員 七年ちょっとですから、年間三億円近い床賃料になります。これ、移転費用も入っていますから、単純じゃありませんけれども、坪単価にならすと、大体四万円から五万円になるんじゃないでしょうか。移転費用を除いたとしても、恐らく三万円くらいの床賃料をノ坪単価で月々払っていると思うんです。
 東京都はかわりの施設があるといいますが、こうしたいつでもフロアや印刷機などを使える、同様の機能を持った施設は、例えば区市町村でいえば幾つの区市町村にあるでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 きのうご質問いただきまして、急なお尋ねでございましたので、各施設ごとに印刷機などを使えるかどうかという機能確認はできませんでしたが、青少年を対象としました類似の施設は十一区五市一町ございます。そのほか、青少年がこういう目的に利用できる施設としましては、公民館、区民センター、市民センター等々があろうかと思います。以上でございます。

○曽根委員 十一区五市一町といえば、都内の自治体の半分以下なんですね。
 ましてや三多摩の方はほとんどありません。前に立川の教育センターの中に市民活動サポートコーナーというようなのがあって、印刷機が使えて、ちょっとした小さな集会室があったんですが、これはもう廃止されてしまいました、教育庁の方で。

 それで、私のいる北区も含めて、こういう機能を持ったところは余りないんですよ。公民館とか区民館という話もありましたが、青少年自身が申し込みできるかというと、大抵の場合、無理です。高校生以下は申し込みできません。親もしくは保護者が必要です。
 そういう点では、都としてのセンターの機能は区市町村で単純に今引き継げるという状況じゃないことははっきりしていると思うんです。
 そこで、都としては代替施設を持っているのかということで、先ほど区部ユース・プラザの話がありました。私、区部ユース・プラザの質疑、これは教育庁の方でやりましたが、これは完全な有料施設であり、公共施設ではなくて、基本的には民間施設です。PFIで完全に民間事業者が運営するものです。
 それで、そこでの機能と比べて、この青少年センターの機能は引き継げるというふうに考えておられるのでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
青少年センターで実施しておりました事業のうち、音楽室や集会室の施設貸し出し業、これにつきましては、何度も申し上げていますが、平成十五年度未に開設されます東京スボーッ文化館に引き継そということで、私ども考えておるところでございます。以上でございます。

○曽根委員 施設と比べてみても、有料だということももちろんなんですが、青少年センターの料金表をさっき見ていたら、音楽室なんかも手ごろな値段で借りられるわけです。
ちょっとした会議室も一コマ数百円の単位なんですよ。しかし、このユース・プラザの方には、まず第一、音楽室自体が半分以下になっちゃいます。
 それから、活動室というか、そういうものはほとんど、大したものはついていません。区部ユース・プラザはほとんどが宿泊中心なんです。機能的にいうと、こうした自由に使えるフロアもありませんから、気軽に行って、何か打ち合わせをしたり、ちょっと印刷機を借りたりということはあり得ない。
 こういう点でも、機能的には全く違う。同じ青少年対象ではありますけれども、機能は違うというふうにいわざるを得ない。第一、場所的にも今よりも便利になるとはいえ
ません。夢の島体育館のところですから。確かに新木場駅からは歩いてそんなにかかりませんが、都心からは遠くなりますので場所としては極めて不十分になるだろうというふうに思います。

 廃止を検討する前に、青少年対策で今いわれていることは、例えば、深夜のコンビニ前でたむろしているのは、善導策として、この後条例やりますけれども、なるべくそういうのはうちに帰らせようよと。深夜とか、昼間でも同じですよね。たむろしている青少年見たら、なるべくちゃんと自分の居場所に行きなさいといいながら、あんまり居場所はないわけなんですよ。居場所づくりというのが今後の課鬼だということは、青小協でも何度も確認されている。その居場所の一つというか、東京都として用意している青少年の居場所はこれだけなんですよ。それをなくすというのは、私は、青少年施策全体から見ても、後退になってしまうと思う。

 廃止を検討する前に、私は、例えば飯田橋のプラザも含めて便利な場所に移せば、利用もふえて、行政評価で指摘されたような欠点も補って、青少年の居場所として大いに活用できるものは再建できるんじゃないかというふうに思うんですが、こういう検討はされたんでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
飯田橋に戻すべきじやないかというお話かと思いますが、先はど申しましたように、この青少年センターにつきましては、近傍隣地にこのユース・プラザが新しくでき、ほぼ同じ機能が代替できる。さらに、相談事業については区市町村において充実していくということを踏まえて、今回廃止するという条例案を提出している次第でございます。以上でございます。

○曽根委員 何を聞いても、ユース・プラザしか出てこないんですけど、例えば、飯田橋のプラザ、今、床あいているんですよね。私もびっくりしたんですけど、あんないい場所何であいているのかと思うんですが、飯田橋セントラルプラザの空き床をちょっと調べてもらったら、東京都の持ち床、区分所有分は、わずかしかあいてないんですが、一番いい場所、三階、四階のところを東京燃料林産、これは特殊法人でしょうか、ここが所有している三階の全フロアと、四階の半分くらい、合わせて千三百平方メートルくらい今あいているんです。テナント探しているそうなんです。坪単価どれくらいですかねと聞いたら、大体一万五千円程度だと。そうすると、今のテレコムセンターの半額ですよ。しかも、飯田橋から歩いてすそでしょう。歩く必要ないくらい。
 何でこういうところを検討しないのかと。家賃も下がり、しかも青少年センターがもともとあったところですからね。こんないい話はないと思う。全く検討してないんですね。聞いてみたら、そんな問い合わせ全然来ないといってました。放っておくと、認証保育所になるそうなんです。それはともかくとして。
 私は、本当に青少年の居場所を東京都として広域的に行政としても確保していくということを、ちょっとまともに考えたら、こういう飯田橋のプラザもあいているということで、検討する余地は十分にあるだろうというふうに思います。
 それから、今回は廃止に向けて、手続上の問題、私、随分あると思うんです。例えば、廃止しますよという周知は、いつ、どのように利用者に行ったんでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 廃止の周知の徹底のお話でございます。この廃止につきましては、この廃止条例の提案に先立ちまして、昨年の十一月、当文教委員会に報告させていただきまして、それが新聞等にも出ておりますが、これがございます。それから、本年一月には、各区市町村の青少年の行政主管課長会などにおきましても、この説明をさせていただきます。
 こういう形を通じまして、利用者を含めた都民の方々にこの情報が流れるように配慮しましたが、あわせまして、この青少年センターに来ていただいている方々には、職員が状況を説明し、必要に応じて代替施設を紹介してきている。また、青少年センターのホームページにも、この廃止については掲載させていただいて、周知を図っているところでございます。以上でございます。

○曽根委員 いつ、ホームページなどに載せたんですか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
青少年センターのホームページに登載しましたのは、三月の一目でございます。
以上でございます。

○曽根委員 余り比較する対象じゃないかもしれないけれども、青年の家の場合、教育庁所管ですが、一年前に廃止を決定して、つまり廃止を決定してから一年間は予約があるために運営を続けるわけですよね。
 例えば、去年水元青年の家は廃止が決まってから、最終的に閉鎖されるのは、ことしなんですよ。ことし、府中がかかっていますけれども、恐くまたしばらくは、予約が入りますから。
 このセンターの場合どういうふうにしたか。これ、お聞きすると、また時間かかるからいっちゃいますけど、三カ月くらい前に、施設を改修中ということで予約をとめたんですね。それで、改修が終わるかなと思ったら、廃止だと。四月からもうあの施設は使えませんと。ホームページに載ったのは三月一目で、利用者の中でホームページを見ない人はたくさんいますから、施設に掲示されたのかというと、ほんの小さな掲示があるだけ。じや、利用者に回っているニュースにはいつ載るのか。三月三十目付のセンターのニュースに初めて載せる。

 こういう状態で、生文局としては、本格的な施設の廃止は初めてだから、なれてないのかもしれません。教育庁はなれているから、やり方、非常に手際がいいんです。
 しかし、少なくとも、利用者が現実に日々利用している施設を、万やむを得ず廃止するとしても、通常は、周知期間というのはあるわけです。それを、議会にかける前に公表するのはまずいとか考えたのかもしれませんが、こういうものは利用者のことをまず考えなくちゃいけないと思うんです。
この点は厳しく申し上げておきたいと思いますし、私は、私たちは認められませんけど、今回たとえ決めたとしても、やっぱり予約が入る分くらいは延長して運営したって、別にいいじゃないですか。そういうことを申し上げておきたいと思う。

 それから、ここで働いている職員の方は、ごく一部を除いてほとんど非常勤職員だそうです。何人そらいの非常勤職員がいて、その中で再就職が決まっている方はどれそらいおられるんでしょうか。
 そして、都としては、この非常勤職員の再就職に対して、きちんと責任を持って援助すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
青少年センターの非常勤の職員でございますが、昨年の十二月十六日現在でございますが、専門員の主任が、定数が三のところ、現員が二でございます。それから、専門員が定数十三に対しまして現員十二人となっております。
 それから、再就職の支援のお尋ねであったと思いますけれども、施設が廃止されることにかんがみまして、再就職の支援につきましては、自主的な求職活動に資するよう、都の他の職場での非常勤職員募集などの情報を速やかに提供したところでございます。以上でございます。

○曽根委員 それで、その再就職決まった人は何人そらいいるんですかね。都の支援、情報は提供しているというけれども。

○高島都民協働部長 各個人の再就職の状況につきましては、承知いたしておりません。
以上でございます。

○曽根委員 この非常勤の方々というのは、社会指導主事だとか、資格は持っているけれども、今そういう施設が非常に少ないので、再就職は極めて困難というお話でした。しかし、年齢的にはテレコムセンターに移ってから入った方が圧倒的ですので、まだ三十代前半くらいの年齢で、これからまだいろいろ仕事を探して頑張らなきゃならない。にもかかわらず、再就職が非常に難しいということでまだ一人しか決まってないそうなんですよ。
 もともと直営施設ですから、やっぱり常勤職員で対応すべきだったんじゃないかなと。
確かに退館時間の問題とか、青少年相手の仕事ということで、専門性とかいう問題はありますが、例えば、都立の図書館で見れば、専門性も持って常勤職員が夜間までちやんと勤務体制をつくってやっていますし、同じ社会教育で、現実にそういう職場もあるわけですね。
 ですから、青少年センターも、私は、常勤職員でやるべきだったなと。今廃止ということになって、非常勤の方がこれだけ、もう都としてはほとんど責任持たないわけですね。
 そういうふうになることを見ると、やっぱり都としての公共施設のあり方というのは、基本は常勤職員をちゃんと配置して、都民に対して責任持ったサービスができるようにするというのが、基本だなというふうに改めて痛感したわけです。
 それにしても、非常勤の方々が、再就職見つかるように、最後まで誠実に対応してほしいと思います。例えば、ここで行っている事業で、これは非常勤職員の中に入ってないかもしれませんが、ひきこもりを含めた相談活動、相談事業があるわけです。
 この相談事業で、数はまだそんなに多くはないかもしれませんが、継続的にひきこもりの本人や、その家族が相談をかけているというケースがあるそうです。そういう方々にとっては、ようやく相談場所が見つかって、相談員の方が決まって、その人とわずかでもコンタクトがとれるということが、社会への窓になっている。もしくは、さまざまな困難を抱えたひきこもりや、その家族にとっての非常に貴重な相談場所になっているということで、人と人との関係で、信頼関係がないと、この相談というのはうまくいかないそうで、やっているそうなんです。
それが今回は、ひきこもりの相談事業そのものは、生文の本局でやるということですので、ここでの相談で継続になっている方を、私は、きちんと責任持って引き継そためには、この相談員の方に、都の事業にかんでもらうということは当然だと思うんですが、いかがでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
ひきこもり相談事業、新規事業で、新たな相談事業を予定しておりますが、これにつきましては、既に、ひきこもり相談につきまして、かなりの経験と専門性を有している、そういう方にお願いしようというふうに現在考えております。ひきこもり相談の実績を有する大学の研究室、NPO、こういうところを中心に現在委託先を検討している最中でございます。以上でございます。

○曽根委員 確かに信頼できる一定の力量を持った人が集まっているところにお願いするというのは、場合によってはあり得るかもしれませんが、しかし、ここでせっかく経験を積んでいる、東京都としては唯一の相談場所だったと思います。そこで経験を積んでいる相談員の方に一定の報酬も払って協力してもらうということは、当然可能だと思いますが、いかがですか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
先ほどから申し上げましたように、ひきこもり相談事業につきましては、ひきこもり相談を過去かなり経験していただきまして、指導の経験豊富な、そういう機関もしくは人にこの事業の委託をお願いしようと思っておりますので、せっかくのご提案でございますけれども、現在のセンターの相談員をこの事業で活用するということは現時点において考えておりません。以上でございます。

○曽根委員 東京都がやっている施設で、せっかくそこを見つけて相談にかけてきた。ここは閉めますから、次は、じや、本局行ってくださいとなるんでしょうね。
しかし、ある相談員の方の話として聞いたんですが、そういうことはなかなかできないと。一たんその人に相談を始めた以上は、その人が次に就職する、どこになるかわからないけど、相談場所があればそこに行きたいということなんですよ。
 ひきこもりになっている方々で東京都に相談に来ているのは、まだごく限られた範囲ですね。実態調査もやりたいというお話だったので、そういう事業やるのであれば、今までせっかく積み上げてきた相談の実績やノウハウについて、ここでゼロからまた再スタートということは本当にもったいない話だと思います。再検討を求めておきます。

 それから、先ほども申し上げましたが、青少年健全育成の中で、青少年の居場所や活動場所づくりというのは、今後の大きな課題です。
 今日ではその拠点がセンターであって、役割はますます重要だと思います。都がみずから生み出した臨海開発のむだ遣いのつけを青少年センターにしわ寄せした上で、ほとぼりが冷めたら、今度はセンターとしての機能低下を理由に、頑張ってやっている独自の事業やひきこもりを含む相談の、十分ではないけれども、貴重な蓄積を放棄してしまうのは、私は断じて認められません。
 センター機能も、有料のユース・プラザや区市町村の一部にしかない施設では代替できません。廃止できる段階ではないと考えます。廃止を一たん中止して、当面継続し、場所も含めて、むしろ拡充の方向で、センターは再検討すべきだということを申し上げておきます。

●青少年健全育成条例改定案について

 次に、青少年の健全育成条例の改正案について、幾つか質問していきます。
私も、青少年問題の協議会の段階から、部会には入っておりませんが、検討に加わってまいりました。
 その際、基本的立場も申し上げてきましたが、社会状況を反映して、青少年をめぐるさまざまな問題に、場合によっては規制も含む対策を打たなければならないということは当然だと思っています。
 しかし、健全育成条例の中にも明記されているように、この基本は、青少年自身はもちろんですけれども、関係業界も含めて自主的な努力、そして青少年問題の都民への普及啓発、こういった問題を中心とすべきで、何よりも青少年が自分で考え、行動できる力、そして人権という問題をやはり最も重視して考えなければならないと思っています。

 その点で、答申づくりの中で、私、最初に、この間の経過、先ほども指摘があったように、極めて短期間の間に数多くの内容についての答申が出され、そして条例化をされるということ自体の中に、本当に十分検討がされたのだろうか、また、される余裕があったのだろうかという疑問を持たざるを得ないわけです。
 主な項目だけでも、不健全図書の規制についての、いわゆる個別指定と包括指定の問題、業界の自主規制の問題、また自動販売機の規制の問題、深夜外出の制限、深夜立ち入り施設の制限、刃物の販売制限、古物買い受け等の制限、スカウト、キャッチなどの規制の問題、生セラの規制の問題、調査指導体制の充実ということで警察官の立ち入り調査権を付与する問題、緊急指定の問題や、部分的ですが、買春処罰規定の整理もある。
中でも、私、非常に解せないといいますか、疑問に思っているのは、答申では明記されなかった罰則規定が、条例案段階で次々と出されている、つけられているということなんです。資料をいただいたんですが、余りよく明記されてないんです。答申では規制が必要というふうな表現にとどまったものの中で、条例案段階で罰則がつけられたというのは、どういう問題があるんでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
答申において規制が善かれているものが、条例案で罰則がついてきたものがある、答申に善かれてなかったものもあるんじゃないかというお尋ねだと思います。
 青小協の答申の中では罰則についてご議論があったわけでございますけれども、青小協の中でのご議論の趣旨としては、罰則を不要とする趣旨でなく、行政側の検討にゆだねるという趣旨であえて規制に罰則を設けるべきだということを触れないというようなご審議がございました。
 今答申を踏まえての条例案の検討に当たりましては、この規制の実効性を担保する観点から、既存の規制とのバランス、さらに実効性の担保、そういう観点から考慮しまして、個々の項目について審議をし、罰則を設け、提案させていただいた次第でございます。以上でございます。

○曽根委員 これがなかなか、量も質も非常に膨大なもので、私も整理し切れないくらいなんですけれども、例えば、今回、犯罪類型というと、法律用語でかたくなりますけれども、こういう規制、こういう規制という角度を拾っただけでも二十三くらいの種類の犯罪類型が入っている。
 そのうちの十一の類型が新しく今回加わったもので、それ以外にも、深夜の立ち入り施設の規制、これも施設が新しく加わっているわけですね。それも入れると十二、ほぼ半分くらいが新しい罰則規制になっているわけですよ。

 しかも、今、青少協の議論というのがありました。これは部会の中とか起草委員会の中でやられているわけですけど、起草委員会は非公開ですね、私も、部会の中での議論を記録をもらって読ませてもらったんですが、例えば包装の問題一つとっても、委員の中では、例えばある販売店で、うちは包装を義務づけなくてもちゃんとそういう区分陳列になっていますから、そっちの方に子どもが行けば、店主が見つけてちゃんと注意するというふうな規制の方法にしたいんだというふうな本屋さんがあっても、これが包装が義務づけということになれば、販売店の責任で包装しなきゃならない。そういう方法はとりたくないといっても、これは義務づけであり、しかも罰則がついているんですよ。そうすると、それを守らないと、店主が罰則を受けることになるわけです。

 青少年のことを考えれば、そういうところに近寄らない方がいいよということで、声をかけてあげる方が、私は青少年健全育成の立場からいうと、大人のやり方としてはいいな、誠実だなと思うんですけれども、今回、そういうことが許されない仕組みなんですね。
 というようなことをるる訴えている委員がいる。
 しかし、一方では、いや、これは、例えばコンビニのように、先はどちょっとお話ありましたが、店員がとてもそんな暇がないという店もあるんだから、一律にやる必要があるという意見があった。
 一方、それに対して、じゃ、コンビニではどれくらい区分陳列やられて、指定図書を売っているんだというと、コンビニではほとんど実態としては売ってないわけですよ。じゃ、何でそういうことをいうんだといったら、一般論としてそういうふうにいっているんだと。
 果てしない議論がいろいろあったわけですよ。あった中で、それじゃ、これは罰則明記という形にはなかなかならないから、答申は議会なり都民にゆだねるということにしましょうということで、罰則は明記しなかった。

 ただ、その際強調されたのは、この部会の話し合った論議は公開されるから、これをよく読んでもらって、青少年協では、部会ではこういう議論してますよと、それを踏まえて議諭をしてもらおうじゃないかということがここでいわれているわけですよ。
 しかも、その委員の方から後で連絡を受けて、私はここでこういうふうにして意見いってますので、ぜひ記録を読んでくださいといわれたので、私は取り寄せて、この部会の記録をもらいました。
 しかし、その後審議する文教委員の議員の方にこの部会の記録がちゃんと公表される形で回っているという話は聞いてないんですが、私はたまたま自分でもらったんだけど、公表されて、ちやんと狙上に乗っているんでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申します。
青少年健全育成審議会での各総会、専門部会、小委員会、これはすべて公開で行っております。また、その議事概要につきましては、ホームページで公表しております。以上でございます。

○曽根委員 一番大事なのは、十二月に一回答申案が出されました。私も、拡大部会ということで、出席をして、率直にいえば、その場で部会のメンバー同士でいい合いになったわけですよ。起草委員会だとか、部会の中で、ここの罰則とか、こういう規制について論議された記憶がないと、論議されてないことが何でこの答申案に入っているんだという意見まで出て、それで、一回それは答申案について固めるのはやめにして、一月九日に再度部会を開いたわけですね。ですから、この一月九日の部会が重要なんですが、これはもうホームページに載っているんですか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
一月九日の審議会でのやりとりもホームページで掲載されていると理解しております。

○曽根委員 後.で確認します。私もそれは確認してないんで、確認しますが、私、むしろ青小協なり、その事務局を務めている生文局の方で、こういう議論があったんですから、当然文教委員会の前にこの部会のやりとりを、例えば要約版そらいだけでも、文教委員に積極的に配らないと、我々は自分で求めないと、そういう議論が行われたということはわからないし、私はたまたま青小協のメンバーだから、答申と条例案が大きく違うなということをわかるわけだけれども、そうでなければなかなか積極的につかむことは難しいですよ。
 そういう点が、時間的に見ても、一月十九日でしたっけ、答申が決まって、そして、今日二カ月で最終決定の場面を迎える。果たしてこれで、文教委員会は我々審議できますが、都民の中にどれくらい本当に浸透して議論がされて、それを踏まえた議論になるのかなということは疑問を持たざるを得ないので、指摘をしておきたいと思います。

 次に、この中で一番問題になった不健全図書の指定の問題なんですけど、確かに包括指定は見送られたということになりました。しかし、個別指定にしても、今回新たな規定上の条文の中に、今までになかった東京都の基準に基づいて個別指定を受けるという、東京都の基準に基づいてという言葉が入ったわけです。この基準というのは、今までも内規としてはあったようですけれども、今後は条例上の規定として、どういう基準をつくるのかが問われることになります。

 私が一番心配しているのは、率直にいえば、はかの県で決まっている包括指定のように、例えばわいせつな図画が冊子全体の半分とか六割とかを占めた場合、それは基準としてひっかかりますよという基準がこの基準の中に盛り込まれれば、事情上の包括指定になってしまうんです。その基準に基づいて個別指定しているということになりますから。そういうことが絶対あり得ないのかどうかも含めて、この個別指定の基準、について都の考え方をお聞かせいただきたい。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
個別指定に当たっての基準のあり方についてのお尋ねでございます。これにつきましては、今ご指摘ございましたように、従来は知事決定ということで行政の内部決定の形で、公表はされてたんですけれども、必ずしも一般の方に知らしめる形にはなっておりませんでした。今回これを条例に基づく規則に格上げいたしまして、その透明性を高め、それから事業者も含みます一般都民の方に、その内容について理解していただけるよう、規則の形で内容を定めたいと思っております。
 その内容につきましては、一部多少文言整理ございますが、基本的には現在の認定基準と同じ内容のものを定める予定でおります。以上でございます。

○曽根委員 個別指定の中身については、これまで以上に、今回罰則も強化されるということもあって、どういう基準なのかということは、条例審議の本質的な中身として重要だと私思います。今まで内規だからということで、同じだからということで出さないということでしょうけれども、改めてこの規定の中身について、今後文言整理があるというお話ですが、社会状況の変化ということを理由に改定されるということは、当然あり得ると思うんですが、いかがでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
規則で定めます基準でございますので、今後の社会状況変化によって改定もあり得るかというご質問に対しては率直に答えれば、それはあり得るんだろうと思いますが、私どもは今回の改正条例案、それから先ほど申しました現在の認定基準とほぼ同様の新しい規則案といいますか、.私どもが考えております基準案、それを現時点においては、個別指定方式において使いますものとしては、一番有効なもの、現時点においては一番実効的なものというように考えております。

 そういう意味では、この当議会でご審議いただきまして、ご了解いただきましたならば、その新条例に基づく条例案、それからそれに基づき規則案をもとにしまして、最大限個別指定の実効が上がるよう努力してまいりたいと考えております。以上でございます。

○曽根委員 今までの条例上、基準についての厳格な規定がない場合と、今回は厳格に規定が設けられて、しかもその基準は都が定めるというふうにされた場合とでは、今の現状は同じでも、スタートの時点では同じでも、今後に大きな開きが出る可能性があると思います。
 特に都がその社会状況などの変化ということを理由にして、客観的な基準ということで、例えばわいせつな問題、それから、私もさらに心配なのは、非常に残虐なもの、残虐なシーン、そういった写真や図などを一定の割合含むもの、こういうふうに客観的な基準ということで設けた場合、例えば、戦争物のルポルタージュだとか、そういったものがひっかかってくる危険性が現実にあると思う。

 そういう規制が、中身の質だとか物によらないで、単なる量的な基準だけではかられるという仕組みを、私は、導入すべきでないし、そういう基準が持ち込まれる危険性を、入り口をあけるという点では、こういう規定の仕方は非常に問題があるということを指摘せざるを得ないと思います。

 それから、私、青少年協のときにも申し上げましたが、古書の買い取りの問題でちょっとお聞きしたいんですけども、確かに古物の買い取りの中には、青少年にふさわしくないものがいろいろあるということで、規制をかけているのは今までもあったわけですが、今回古書も含めて親の同.意が必要、原則禁止ということになりました。
 しかし、聞いてみれば、多くの県で古書、つまり古本の持ち込みについては、古物全体とは区別している県が非常に多いというふうに聞いているんですけども、はかの自治体ではどれくらいの県のところで書籍を除外した古物買い取りの禁止規定になっているでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
青少年からの古物買い受け等の規制を行っている県は四十道府県に及んでおります。そのうち今ご質問にございました書籍の買い受け等を除外している県は十九県でございます。以上でございます。

○曽根委員 そういう、県がなぜ除外しているかという理由ははっきりしていると思うんです。つまり、子どもたちにとっても、自分が読み終わった漫画とか、雑誌、その他の本、子どもの児童書などもありますね、そういうものも本屋さんに持っていくというのは、いわば日常的にあり得ることなんですよね。
 確かに中学生以下でも無制限でいいのかということはありますが、この場合は十八歳以下全部禁止になりますので、高校生であっても、自分でアルバイトなどで稼いでいる子どもであっても、原則禁止、親の承諾書を持ってきなさいという話なんですね。
 しかし、自分で稼いだお金、お小遣いで買った本を、何で本屋さんに持っていってできないんだというのは、常識的に見てもちょっとやり過ぎというふうにやっぱり思わざるを得ない。だからこそ、半分の県で除外しているんだと私は思います。別の形でそういうことに悪用されないように、万引きなどに悪用されないようにという手はほかで打っていると思う。

 私は、この点も、案外小さいことのようですが、青少年の、いわば自主的な活動や自分自身で何がいいか悪いかを考えて判断する力を養っていく、そういう力を養うというよりは、とにかく規制していくという考え方があらわれている問題として、私はこの点は手直しをした方がいいというふうに指摘をしておきたいと思います。
 それから、先ほども話題になりましたが、警察官の立ち入り権の問題で、これは幾つか質問もあったので、ダブらないようにしますが、令状主義云々の問題ももちろんありますが、私、基本的に行政職員が今まで調査していた、今回はカラオケルームだとか、漫画喫茶その他対象が大きく広がるから、行政職員では賄い切れないで、警察官にお願いするということだと思うんですね。確かに、一千カ所以上のカラオケルームありますから、そういう意味じゃ、対象大変だと思いますよ。
 しかし、基本的には私は、これは青少年健全育成の立場で行う立ち入り調査なんですから、行政の責任として必要な職員を配置するというのが基本だと思う。場合によっては、都民の協力その他も得ることはいいと思います。
しかし、犯罪捜査を主たる任務としている警察官に、代行とはいえ、やっぱり証明書を持っているとはいえ、これをかわりにさせるということが果たして適切なのかという点では、非常に大きな疑問があります。
 犯罪捜査のあれに乱用してはならないというけれども、先ほどどなたかおっしゃったように、犯罪を見つけるきっかけにはなるという意味でいえば、積極的に立ち入り調査に警察官が乗り出すということはあり得るわけですよ。そこでいろんなことを見つけられるからね。そうすると、事情上犯罪捜査の入り口になる可能性というのはどんあるわけですよ。
 それはもちろん、実態として悪いことしているのがあれば、それは規制するのは当然ですよ。しかし、そういうふうに本来の青少年健全育成の立場でのやむを得ざる立ち入り調査がねじ曲げられることがありはしないか。この点でのお考えを聞いておきたいと思います。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 警察官の立ち入り調査についてのお尋ねでございます。これはもう先ほどから何度かお答えしておりますが、青少年健全育成条例の施行に必要な限度において、いわゆる行政調査として行うものでございます。また、営業時間内に行うものでございます。また、この条例において、先ほど申しましたように、犯罪捜査のために認められるものと解してはないというふうに規定しております。
いずれにしましても、この条例の施行に当たりまして、こういう趣旨が徹底して、立ち入り調査が円滑に行えるよう適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

○曽根委員 もし警察官をそういうふうに代行で使うのであれば、本当に厳密な、そのための運用の規定が必要だと思います。しかし、本来、本当に健全育成ということをまともに考えるならば、青少年センターのときもそうなんですけれども、金をけちらないでほしいんですね。金と手間。職員をちゃんと配置して、本当にきめ細かく、現場で見つけたときに指導できる人というのは、警察官だと難しいですよ。そういう点でも、そのための職員、できれば、私は、青少年に直接接することができる訓練も受けた専門の職員を、いろんな分野がありますから、福祉もあり、健康局もあり、教育庁もあるでしょうが、連携してそういう分野をふやしていくということを基本にしなければならないということを強く申し上げておきたいと思うんです。
 最後に、条例を今審議して決めてしまうということは、私、非常に拙速になりはしないかということを危供しているんですが、二つの問題をお聞きしたい。

 一つは、都民の意見を聞くこと。特に、この規制の対象となる当事者である青少年の意見を、どういう形かは、工夫が必要ですが、きちんと聞く場を設けないで、青少年のことを我々が決めてしまうということは、私はやっばり危惧するんですね。
 今は子どもたちにも当然ながら、国際条約になった子どもの権利条例によって意見表明権もあれば、人格権も大人と同じというのが基本です。したがって、自分たちの問題にかかわる、こうした重大な条例改定については意見を持っているはずです。これを全く認めないというのであれば別ですが、これは本来認めるのが当然で、そういう場を、決める前にやはり設けるべきじゃないかと思いますが、都民全体の意見も含めていかがでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 青少年を含めて都民各界、各層の意見を聞くべきではないかというお尋ねであろうかと思います。今回の条例改正に当たりましては、まず青少年問題協議会に諮問し、都民の代表の方々にご意見を伺っています。
 特に、その中でご報告しなくちゃいけないのは、いわゆる一般都民からの公募委員も二名いらっしやる、そのような方々からお話をお聞きしているというのがございます。それから、青少年問題協議会の審議の中で関係業界の方にもおいでいただきました。
 また、学識経験者の方にもおいでいただきまして、幅広く意見をお聞きしております。
 それから、青少年問題協議会の答申が出た後につきましては、パブリックコメントということで、青少年の方々の意見も含めて、多くの都民の方々から意見をいただいております。そのような各界、各層の意見を聞きながら、今回の条例改正案を作成し、今都議会に提案をし、ご審議をお願いしているところでございます。
以上でございます。

○曽根委員 青少年の意見を聞く場はどうなんですか。

○高島都民協働部長 青少年の意見だけを聞く場を設定すべきじやないかというお話でございますが、こういう青少年の健全育成につきましては、先ほど申しました大人の責任、親の責任ということが一義的じゃなかろうかと思っております。そういう意味では、子どもの立場の、青少年の立場の意見を聞かなくてもいいということを申し上げるつもりはありませんが、やはり基本的には、子どもを守る、青少年を守る大人、親御さん方の意見を聞いて、それを逆に、大人の方々、親の方々に対する規制につなげていくという形での条例改正案を作成したわけでございます。
 今回は、そういう意味で、改めて場を設定してございませんが、ただ、私ども、先ほど申しましたように、決して青少年の意見を聞くことを排しているわけではございませんので、パブリックコメントなどを通じまして、青少年を含めて都民各界、各層のご意見を聞き、それを踏まえて今回の条例案の提案に至ったという経緯でございますので、ご理解を賜りたいと存じます。
以上でございます。

○曽根委員 条例を決めるのは大人で決めなきゃならないんですよ。だからこそ、大人の勝手な決め方をしないために、有権者でない、選挙権を持ってない、政治的な権利を持っていない子どもたちの意見を聞かないと、どこもそれを反映される場所がなくなるんですよ。
 そのことを私は申し上げている。子どもの意見表明権というのは認められているんですよ。(発言する者あり)樺山さんなんか責任能力ないっていうけど、とんでもないですよ。
 渋谷の町うろついている子の意見を聞くのかって、それは必要ですよ、私にいわせれば。
どういう考え方で渋谷の町をうろついているのか、そこをつかまないで、一方的な規制をかけると、大きな間違いを犯すことになりかねないんですよ。

 例えば、きょうは質問の趣旨は持っていませんが、十六歳以下の青少年を深夜連れ出し同行、これは禁止ですよね。罰則も厳しいですよ。それはもちろん、ああいう事件があったからだと思います。ああいう事件を想定すればこれは必要だということになると思うんです。
 ところが、この条例というのは、つくられればひとり歩きしますから、この規定に当てはまる場合は、いろんな場合が考えられるわけですよ。
 例えば、私自身が深夜歩いていたら、そこにどうも素行のおかしい若い女の子がいたとしますね。どうもおかしいな、明らかに例えば援助交際やろうとしているんじゃないかとか、それに声かけたらどうなるか。
 その子が私の善意を認めないで、ぬれぎぬを着せられたら、どうしようというふうに考えますよ。その子が、例えば警察などに、私が無理やり何かを迫ったというふうに証言されたりした場合、これは(同行規定)にひっかかるわけだ。だから、正当な理由なくの正当というのが証明できるかどうかというのは非常に微妙な問題があるん
です。(発言する者あり) だから、そういう問題が、危険性があるからこそ……

○東委員長 お静かに。

○曽根委員 大人が若い人たちの行動に対して、大人なりの善意の目を向けて、いろんな声をかけたり、ここでは善導という言葉があったけど、やりやすくなるのかどうかということをよく考える必要がある。いろんな角度から。この間鹿は。こういう規定をつくる以上はいろんな場合があり得るということを考える必要があります。
 そういう点では、運用上非常に心配なものもあるわけですよ。
 したがって、私は、例えば、法律でも何年たったら、やっぱり改めて見直しをして、必要な改正を行うということを法律の制定の際に明記することがあります。例えば臓器移埴の問題でもありましたね。
したがって、この条例も、もしつくるのであれば、やっぱり一定の年限で運用を見直す、もしくは規定を見直すということを当初から明記するということはあってしかるべきと思うんですが、全くそういうことはないんですか。いかがですか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
今後とも青少年健全育成という条例の目的を踏まえて、適切な運用に努めてまいりたいと思っております。
以上でございます。

○曽根委員 高島さんの答えは極めて楽天的なんだけれども、一たん運用が始まったら、私、やっぱりいろんな事例が起きてくると思います。
 ですから、なおのこと、決める前に、いろんな、青少年自身も含めた、これに対する受けとめ、意見、十分に酌み尽くす必要があるんですよ。私のところにも、例えば、エッチな漫画を書いている漫画家の方からも意見が来ましたので、率直にお聞きしました。

 それから、若い人たちからの意見も来ました。全国津々浦々からメールが入ってきますよ、毎日のように。ちょ っと、この人何なんだろうなという人もいますよ。しかし、そういうマニアックな人も含めて、やっぱりそれなりに、東京都の規定が一番厳しくなるから、その人たちなりの良心や善意でもって心配しているわけです。
 そういう点では、私は、条例全体について全部だめということはいいません。しかし、一部ですけれども、非常に厳し過ぎる規定や、今後に、大きな包括指定につながるような危険な入り口があいてしまうという問題がある。
 したがって、私、青小協のいきさつからいっても、これが条例で決まってしまったら、青小協の一部の委員は、青小協にいてもしようがない、答申で決まった以上のことが条例で出てきちゃうというふうに反発する方もたくさんいると思います。そういう点でも、改めて青小協に戻して審議するとか、都民の意見、特に青少年の意見をもっと聞くとかいう場が必要だということを申し上げて質問を終わります。
以上です。

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