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05・10・25財政委員会事務事業質疑

出納長室に公会計制度改変について質疑

○曽根委員 私からは、先日もこの委員会で質疑を行いましたが、来年度から全面実施を予定しております公会計制度の改革ということで複式簿記の導入という問題について、追加して何点かお聞きしておきたいと思っております。
 先日、私の方からも、一つは財務会計の内容が一層重層的にといいますか、多面的に明らかになる、そういう可能性は一方で認めつつも、これが兼ねてから私ども問題にしてきました開発関係や、東京都が出資している第三セクターなどの行っている開発その他の行為に対する、いわば見えない、見えにくい借金や赤字についての解明を議会などで行うことに有効なのかどうかという点では、必ずしも直結しているのではなくて、出てきたいろんなデータの、やはり分析能力が問われてくるだろうという問題であること。

 それからもう一つは、やはり資産その他についての価値評価、そういったものがかなり突っ込んで明らかにされてくると思うんですが、こういったことが東京都が行う公的なサービス、都民向けのサービスを、お金の面からはかる方向が強調されてしまってはならないと。やはり公平に量と質、都民サービス全体を、都民にいかに貢献したかということを総合的にみなきゃならない問題だということも強調したところです。
 そういった観点に立って、実際にはこれは議決を要しないことになっておりますので、来年度から、私たちは懸念はしておりますが、全面実施に向けて準備を進めておられると思いますので、それを踏まえて、今年度、これから準備を最終的に行うべき課題、それから実施後の来年度に出納長室として、この財務会計システムの改変に伴う仕事というのはどういうものを考えておられるのか、その二点についてまずお聞きします。

○細野会計制度担当参事 来年四月の新たな公会計制度の導入に向けて、既に本年八月、会計処理のルールでございます東京都会計基準を策定し、発表したところでございます。
 現在は、新たな公会計制度の処理を迅速かつ正確に行うための新たな財務会計システムを開発しているところでございます。また、導入後の出納長室の役割ですが、この新たな財務会計システムの安定稼働、各局の経理部門、事業所等に対する実務の支援、また会計基準の追加改正等、またその管理です。そういったことを考えております。

○曽根委員 導入した後、実際に動き出した段階での皆さんの仕事として、当然会計基準が守られているかどうか、それからシステムが安定的に動いているかどうかの、絶えず点検や推進というのがあるというのは当然だと思うんですが、私、前回も申し上げたんですが、具体的に職員の方が初めてのことで全面実施ということで、トラブルが絶対に起きないということは、やっぱり言い切れないだろうと。そういった場合に、具体的な人的支援、例えばアドバイザー的なものを随時派遣できる用意だとか、もしくはもう具体的に実務にも入って応援できるような体制が必要じゃないかと。
 そういう恒常的な人的支援は考えてないというようなお話があったんですが、今のお話の中でいう実務支援、こういったものは、ある意味ではそういった人の、派遣してでの具体的な援助というものが含まれているのかどうか、この点を確認したいと思います。

○細野会計制度担当参事 導入した後の、その具体的な支援に当たりまして、そういった人の支援等を考えているかという点でございますが、今後は私どもは導入に当たりまして、さまざまな支援の取り組みを行っていく予定であります。円滑な導入を図るためには、さらにそれを引き続き来年度もやっていくことを予定しております。
 それで、具体的にはどういうことをやっているかということでございますが、まずやはり制度のいろいろな定着を図るための説明会、それからそれらをいろんなところでの実績を踏まえたマニュアルを作成いたしまして、これを今、これから庁内ネットワークでありますタイムズに掲載することによって、すべての職員がいつでも参照できる、そういった環境を整備していきたいと、このように考えております。

○曽根委員 ITというか、タイムズなど、そういった通信的なものは大いに活用するのはいいんですが、実際に現場は東京都はたくさん持っているわけで、全部が全部、そういったことだけでリモートコントロールでうまくいくとは限らないと思いますので、そういう点での具体的な援助を改めて強く求めておきたいというふうに思います。

 それから、これはやっぱりシステムを導入したことでメリットも当然あるんでしょうけれども、都民サービスが停滞したり、マイナスになったりすることは絶対にあってはならないわけです。そういう立場から心配なのは、本庁は何とかなるだろうと。何しろ皆さんがいますからね。
 しかし、東京都は、恐らく全部合わせれば数百か千の単位で出先機関があるわけです。そういうところは、経理の職員さんは数名、場合によっちゃ一人か二人しかいないという学校職場などいろいろあるわけで、そういうところでのいろんな事態に対応するのは、私、相当いろいろ緻密に準備をしても、問題が起きる危険性が、可能性があるんじゃないかというふうに思っておりますので、そういった小規模な事業所、学校などですね、例えばこそういったところでの問題点に対応するような仕事のシステムとか方法とかについては、お考えがあったらお聞きしたいと思います。

○細野会計制度担当参事 ただいまのご質問ですが、小規模な事業所、例えば学校等も含めましてですが、そういった職場に対してどのように対応していくかということでございますが、現在、先ほどご説明しました説明会を、これは事業所の職員も含めて実施しております。その中で定着を図っていきます。
 また、導入された後でございますが、出納長室は原則として各局の経理部門に対する指導、支援を行ってまいります。各局の事業所に対しましては、それぞれの局固有の状況に精通した局の経理部門から指導を行っていくことが望ましいことだと、このように考えております。しかし、円滑な導入とその運営が図られるよう、各局の事業所の職員も対象にした説明会、これを来年度も引き続き実施していきます。
 また、先ほども申しました実務マニュアルでございますが、導入後の実際の財務会計システムの運用を踏まえまして、随時、追加や改正を行いまして、各局の事業所の職員を初め、だれもがいつでも業務の参考とできるよう、充実を図ってまいります。

○曽根委員 一応、考えられる問題点については、今のお話のような対策を打つということだと思います。
 私は、これは皆さんに対していうべきことではないので、私どもの今の見解ということでお聞きいただければいいんですが、都立の学校の経理部門が今、再編になっていまして、恐らくこの会計制度のスタートと同時に、学校の経理職員が今、五〜六人ぐらいいると思うんですけれども、各平均して、二人ぐらいずつ召し上げて、学校経営支援センターというのをつくると。学校に残るのは四人ぐらいになっていくということで、そういった再編成が来年度同時にスタートするという予定になっているんですね。
 これは別の理由から私たち、非常に厳しく批判しているところですが、会計システムも同時に変わるという中で、学校に四人ぐらいしか残らない経理の職員に、やっぱり過重な負担がかかることのないように、ここは厳によく見ていただきたいと。
 やるからには、これは学校というのは一番都民に接する機会の非常に多いところですよね。もちろん子どもたちが中心ですけれども。そういうところでこそ会計システムの変更による齟齬が絶対に起きないように、これはやるからにはくれぐれも厳しく、その点については念を押しておきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。

<主税局事務事業質疑>
国の税制改悪に連動した都税・区市町村税の増税を質す

○曽根委員 きょう、資料で出していただきました国の税制改定に伴う都税収入への影響額ということで、平成十五年度から配偶者特別控除の見直し、上乗せ部分の廃止による影響以下、平成十六年度、十七年、今年度までの影響額について資料をいただきました。合計三百二十六億円ということで、これについては先日、たしか決算特別委員会で我が党の松村議員の方からも、その内容についての質疑を行ったところです。
 あわせて、きょう事務事業なのでもう少しちょっと、都税の影響はこれで出してもらったとおりだと思うんですが、区市町村民税です。こちらにも当然連動して影響が出ていると。これは区市町村の権限に属することですので、あくまで推定ということになると思いますが、大体税率についてはほとんど同じですので、都の方でも試算があると思いますので、この出されている平成十五年度から十七年度にかけての都税への影響と同じ、それぞれの項目について、区市町村民税にはどれぐらいの影響が出るとみられるのか、その点についてお答えいただきたい。

○川村税制部長 個人住民税に係る平成十五年度から十七年度までの税制改正の内容と、都内の区市町村民税への影響額を平年度ベースで申し上げますと、十五年度の配偶者特別控除の見直しによりまして約百八十億円の増、十六年度の公的年金等控除の縮減と老年者控除の廃止によりまして約百五十億円の増、十七年度の六十五歳以上の者に係る非課税措置の廃止によりまして約二十億円の増、同じく定率減税の縮減によりまして約三百八十億円の増、計、約七百三十億円の増と推計しております。

○曽根委員 都税の大体二倍から三倍近い増税になってしまうということで、都税と合わせますと、これは都民にとっては払っている税金は、お金に色はついていませんので、地方税の増税分ということで実質一千五十億を超える税額増になっていくと。これはまだ途中で、今、お金が実際に徴収されているのは平成十五年度の分ですよね。次の分も入っているんですか。公的年金控除などはこれからですよね。ということで、一千億円を超える増税が来るということで、都民一人当たり、単純に割り返せば一万円程度になるわけです。
 さらに、これは恐らくこれからのことなので、試算をするといってもまだしていないと思いますが、定率減税もまだ半減ですから、今、政府で議論されているように全廃ということになれば、私のざっとの計算でも千五百億円近い影響になるでしょうし、サラリーマンの、いわゆるサラリーマン増税といわれている控除、これが計画どおりに次々と廃止されたり縮小されていくと、これをはるかに上回る税金の影響になると。
 消費税も合わせると、ちょっとどれぐらいにまで膨らむかというようなことになっていくと思うんで、逐次、その間題が具体的に出た段階でも、私たち、正していかなければなりませんが、これは東京都や、もちろん区市町村がみずから求めて住んでいる住民に対して増税をしようということでやったものでないことは明らかなんですね、少なくともこの間題に関して。
 これを、国は国としてやるけれども、このご時世ですから、サラリーマンの暮らしも、それから中小零細業に関しても実質所得は下がっているんで、今まだ下がり続けている段階ですから、何とか凍結、もしくは影響が及ばないようにする法的、もしくは制度上の手段というのは、東京都や区市町村に現段階ではあるのかどうか、いかがでしょうか。

○川村税制部長 定率減税の見直し等を含めました税制改正事項につきましては国の権限でございますので、地方団体にはそうした凍結をするような権限はございません。

○曽根委員 私は地方自治制度の見直しがいわれている中で、もちろん税制度の見直しも、我々も含めて大いにいっていかなきゃならないという中で、こうして、いいことならいいんですよ、連動することは。都民に減税していくのは。
 たいがいの場合は、今は増税が連動してくると。東京都や区市町村が、さすがにここまではというような影響額が出てくるという段階で、それを遮断するような方法を、やっぱり地方として独立してとれるような制度が必要だということを、これからも私ども、いっていきたいと思うんです。
 それで、現在はそれは法的に難しいということで、それにかわって、例えばある意味では税金的な性格をもっている国民健康保険、これは区市町村が保険者ですし、それから介護保険など、一律にとられる公共料金の中でこれを還元する方法というのはあると思うんです。これは主税局相手の物言いにはなりませんが、国民健康保険料がこれに連動して、恐らくまた上がるということになると。
 介護保険についても連動するというのを、少なくともこれは区市町村や東京都が補助金も出しているわけですから、その権限で押さえる、もしくは値下げするということを、少なくとも一千億円以上の影響はもう確実に出てくるわけですから、それに見合った都民への減税、いわばさまざまな公的な負担の軽減措置というのを考えなければならないということを申し上げておきたいと思います。
 それから一方で、先日これはやったから繰り返しませんが、企業の恒久減税についてはそのまま残っていて、これが単年度で、この間お聞きした松村議員の質問によると二千十六億円ですか、単年度で。これがずっと減税が続いているということや、平成十六年度から開発その他について、研究開発についての減税が加わって六百億円、合計二千七百億円ぐらいの減税が法人に関しては行われて、これは見直しの見通しがないということも含めて余りにもひどいと。そっちの方をどうするんだという問題についてもあわせていっておきたいと思います。

 そこでさらに、そういうことを心配しでいたら、昨日の報道で自動車税について、これは都道府県税ですよね。自動車税の見直しということが総務省の中で検討されているという、中間的な報告が出たというふうに報道されたんですが、この内容と、それから経過について、もし知っていたらお聞かせいただきたい。

○川村税制部長 昨日、プレス発表されました自動車税のあり方に係る調査研究会の報告事項、中間のとりまとめについてでございますが、この研究会は地方税でも特に重要な役割を担っております自動車税や自動車取得税につきまして今後のあり方を研究するため、総務省に設置をされました学識経験者と実務者による研究会でございます。この研究会の目的は、答申という具体的な提案を行うということではなく、これら二つの税の今後のあり方を考えていく上で必要な検討事項を示すとともに、それぞれの課題を検討していく上での視座を提供するというものでございます。
 具体的な検討課題としては、第一に自動車税のグリーン化の評価と今後のあり方、第二に自動車税の中長期的なあり方といたしまして、環境に配慮する課税標準、税率区分のあり方や、小型自動車と軽自動車税の税負担の格差の問題、それから第三に自動車取得税の中長期的なあり方でございます。それぞれ現状の問題点や課題を踏まえまして、将来的な検討の方向性を示したものと承知しております。

○曽根委員 まだ何といいますか、提言や示唆の段階ということですので、直接すぐにこれが具体化が出てくるという段階まではいっていないようですが、恐らく早晩、これも出てくると思うんです。
 今お話のあったグリーン課税については、たしか東京都が先行して行ったものですよね。
環境に配慮した低公害車などについての取得を優遇するというもので、私ども、それだけだったら大いに賛成なんだけど、そのかわりに十年以上たった車を使い続けている者への増税があったんですよね。
 買いかえできるんだったらやるよと。しかし買いかえのできない人にあえてまた低公害車を買えない人に課税をふやすというのは、これは賛成できないという態度をとったんですが、今度の検討の中身をちょっとお聞きすると、グリーン課税の方が、もう大体新車の四割ぐらいになっているそうで、余り効果がないんじゃないかと。
 効果はあり過ぎて、減税をやり過ぎたということで、いわゆる古い車の増税の方に全部合わせるというような話も出たというように聞いているんで、それはとんでもないと。
 結局は全部増税になっちゃうわけですから。そういうような姑息なことをやるなということをいいたいのと、軽自動車の課税の強化ね。これは率直にいってまち場を走っている中小零細企業の車はほとんど軽ですよ。やっぱり税率が安いから、税制が安いから、やっぱりあえてこういう車を使っている、今の零細業の人たちの思いからすれば、ここに課税をまたねらってくるというのは、アルコール課税の問題もありますが、やっぱり非常に理不尽だということをいわざるを得ないんで、これが具体化をする前に、こういった庶民課税や中小零細企業に直撃するような課税のやり方はとるべきじやないということは、この際、まだ具体的な問題になる前ですが、いっておきたいということを申し上げて、私の方の質問は終わります。

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