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都議会百条委員会記録(05年3月29日)
(VTRなどを参考に曽根の責任で作成したもので、正式の議事録ではありません。)

そねはじめの尋問で新たな疑問がいくつも浮上

○山崎委員長 名取理事の尋問は終わりました。
 続きまして、曽根はじめ委員の尋問を始めます。

○曽根委員 それでは、証人尋問を濱渦副知事に対して行います。
 まず、ほかの委員の方からもありましたが、あなたが予算特別委員会で、社会福祉総合学院の現状について、「包括外部監査人によって、現在の問題として行われている補助金が正当ではないかもしれないという疑念が発しられた」とか、「その土地であり、建物等々も含めて財産が正当な形で、不法でない形で処理がされないといけないと思います」というふうに答弁をされています。
 先ほど来、不法という言葉を使った根拠を聞かれて、あなたは、将来の改善の問題だとか、一般論であるなどと述べていますが、監査人も、不法という言葉も、また認識も示しておりませんし、将来の改善の方向のことならば、「適法な形で処理がされなければいけない」という言葉を使うのが通例です。
 この場合、「不法でない形」と、わざわざ不法という言葉を使ったということは、何かに対して何らかの不法性を認識していなければ、この言葉は出てこないはずです。
 改めてお聞きしますけれども、あなた自身が何を根拠に不法という言葉をわざわざ使ったのか、もう一度明確にお答えいただきたい。

○濱渦副知事 具体的な想定をしているわけではありませんが、この委員会、議会でもありますように、不法入国とか、不法滞在とかいう、その不法になじんでおりますので、こういう言葉を使いましたが、その中身は法令に反するということです。

○曽根委員 その法令に反するということを、この問題に関して使ったということは、将来でのことであろうが、現在のことであろうが、何に対して不法性の認識をしたんですか。

○濱渦証人 具体的なものでございません。

○曽根委員 やはりこれは、不法という言葉を何も前提もなしに使う、しかも否定形という形で、不法でない形で処理がされなければならないということは、現在の形がやはり適法ではないという認識が前提になっていなければ、通常は出てきません。この点では、引き続き、先ほどもありましたが、我々は疑問を持たざるを得ないということを、まず申し上げておきたいと思います。

 それから、先ほど来これも質問がありましたが、副知事が、社会福祉総合学院が見直しによって民間の一学校法人に委託、また賃貸しされているという事実を知ったのはいつからですか。

○濱渦証人 東京都社会福祉総合学院については、平成十三年度の見直しによりまして、社会福祉事業団みずからの運営から委託運営になったこと、建物の一部を民間学校法人に貸し付けることは承知しておりましたが、しかし、監査人の指摘のような、建物の九○%相当が特定の学校法人によって使用されている事実や、その賃貸料が適正水準か否か不透明との問題は、今回の包括外部監査によって知ったところであります。

○曽根委員 簡潔にお答えいただきたいんですが、平成十三年度の途中に、社会福祉総合学院が見直しで貸し付けを行うということを知ったのは、その時点で知っていたんですか。

○濱渦証人 総務局の行政改革部から報告を受けました。

○曽根委員 次に、この間題について副知事自身が疑念を感じたといいますか、問題だと感じた以降、先ほどもお聞きしましたが、二月二日午後三時半ごろから、あなたと総務局長、財務局長、福祉保健局長の三局長の出席したブリーフィングが行われたということを聞いていますが、事実ですか。

○濱渦証人 事実です。

○曽根委員 そこで、あなたは三局長に対してどういう指示をされ、またどういう、この間題についての発言をされましたか。

○濱渦証人 細かくは記憶しておりませんが、詳細について精査をして報告をいただきたい。それも総務局長が中心になって関係各部長に指示をして、また財務局長、福祉局長が中心になって、そして財務局長、総務局長、全部局を挙げて協力をしていただきたいと、この旨お話をしました。

○曽根委員 私たちの得た資料では、あなたはこの調査を指示する際に、「おれがアメリカから帰ってくる二月十五日までに、この件についての事実経過を調査しておくこと、なお、包み隠さず報告すること」とか、「この問題は奥が深くかなり問題だ、場合によっては刑事告発もあるかも」という趣旨を述べたというふうにされているんですが、こういう趣旨の発言をされませんでしたか。

○濱渦証人 前段一部は正しいですが、後段は全くそういうことはありません。

○曽根委員 それでは、二月十五日、アメリカから帰ってくるまでに調べておくように、また、包み隠さず報告するようにといったことは事実であると。しかし、刑事告発という言葉は、いっていないということですか。

○濱渦証人 私は二月の四日ぐらいからアメリカに行きまして、日本に帰ってきて、十五日に帰る予定がありましたが、帰りまして風邪を引きまして体調を崩しましたので、十八日に報告を受けました。私の不在の間に、三局協力して、私にわかるように用意をしてくださいと、こういうお願いをしました。

○曽根委員 私が聞いているのは、後段が、言っていないというふうに先ほどお答えになりましたが、刑事告発があるかもというふうなことは一切いっていないということなんですか。

○濱渦証人 調査もされてないときに、そういうことをいうというのは考えにくいことです。

○曽根委員 その考えにくいことをおっしゃったんじゃないかと聞いているんですが、どうなんですか。

○濱渦証人 私はそれは否定しております。

○曽根委員 そうあなたはおっしゃるんですが、私たち委員会として要求した資料では「不存在」とされていましたけれども、当日のブリーフィングの状況について、そこに出席した人が書いたメモが私たちのところに届いております。
 それによると、明確に、「この件についてはかなり問題だ」と、「場合によっては刑事告発もあるかも」と副知事が発言したということが記録されています。現に私たちは、これをいただいております。こういう文書そのものが存在しているんですが、それでもあなたは否定されるんですか。

○濱渦証人 文書があることかどうか、それは知らないことですが、私がいったんではないんでしょう。

○曽根委員 それではどなたかがいったと考えられるんですか。

○濱渦証人 全くわかりません。

○曽根委員 公式の会議ですから、指示された内容については資料がきましたが、そのときに副知事が発言された記録が「不存在」というふうになっているんです。これは委員会の要求した資料が、これ公式会議ですから、ないはずはないんで、改めて委員会として強く要求するように、これは委員長にも取り計らいをお願いしたいと思います。

○山崎委員長 ちょっと待ってください。曽根委員、その資料ですが、我々全然、要求したけれども、なかった。そしてあなた方は持っている。それを委員長にちょっと見せてもらえますか。

   〔曽根委員、山崎委員長に資料を渡す〕

○山崎委員長 速記とめてください。

   〔速記中止〕

○山崎委員長 速記再開してください。
 ただいま曽根委員のお持ちの資料が、当委員会が要求した記録の中に、不存在というような部類に、たしか分けられていたと思います。
 今、お持ちのその資料が本物であるかどうかは別にして、万が一不存在でなくて、あったとするならば、これはそれなりに重要な問題でありますので、この点については改めて理事会で協議したいと思いますが、よろしゅうございますか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 そのようにさせていただきます。
 それでは、尋問を続けてください。

○曽根委員 もう一つお聞きします。
 我々は同じ二月二日の目付で、都庁内部で作成された弁護士意見(十七年二月二日現在)という文書を入手しています。これです。(資料提示)
 この内容は、練馬の社会福祉総合学院を民間学校法人に貸し付けたことは、都と事業団との無償貸し付け契約に違反するという趣旨が書かれています。副知事はこの文書の存在を知っていますか。

○濱渦証人 知りません。

○曽根委員 次の質問にいきます。
 あなたは、昨年九月二十四日に第一回会議が開かれた、都有財産利活用推進会議の委員長を務めておられますね。

○濱渦証人 日付は定かに覚えておりませんが、各局にお話ししたことはあると思っております。

○曽根委員 もう一度確認します。昨年九月二十四日に第一回会議が開かれました、資料も今回出てきておりますが、都有財産利活用推進会議、あなたが委員長で、櫻井出納長が副委員長。この会議の委員長、これを確認してください。

○濱渦証人 昨年八月の庁議によって知事からご指摘があって委員会を開きましたが、何日であったかは記憶にありませんけれども。正確ではありません、偽証にならないようにいいますが、そういう知事の指示のもとに開いたことはあります。

○曽根委員 確かに庁議での知事の発言が資料の前段に入っておりまして、それに基づいて、この都有財産利活用推進会議が開かれたということが資料によってわかります。
 この資料というのは、知事が予算特別委員会で、このように発言したことから出ているものです。「このことの発端は、私が自民党の川井さんでしたかな、いわれて、やっぱり端切れの土地とか、都の持っている財産がほったらかしにされて、それが一つ活用されると、随分交通の便にもつながったりして、そういうものをもっと積極的にやったらどうだという非常にいいサジェスチョンをいただきまして、それで、小さなもの大きなもの含めて、都有財産を有効に合理的に使おう、そのための調査をしようということにかかわりがございます」と。
 知事がこのような発言をして、端切れの土地などを活用するという、そういった検討の場を設けて、そのための調査をしようというところから発端があるという趣旨の発言をされているんですが、その根拠となった、その土地の活用についての検討の場は何だということで資料を要求したら、これが出てきたということで、あなたはそこの委員長と。
 この検討会議の中で、社会福祉総合学院の建物試算について検討したことはありませんか。

○濱渦証人 中でどういうことがなされるというよりも、私の報告にはそういうものはご
ざいません。

○曽根委員 あなた自身が委員長ですので、この検討会議の活動の中で、その検討の一つの材料として、社会福祉総合学院がもっと有効な活用の仕方があるんじやないかということが検討されたという経緯があれば、当然委員長ですから知っているはずですが、そういう事実はなかったんですか。

○濱渦証人 ございません。

○曽根委員 それならば、もう一つ、既に第二次になりますが、平成十五年の十一月に出された第二次財産利活用総合計画というのが策定されましたが、この計画に基づいて既に財務局と福祉保健局との間で、社会福祉総合学院と文京区小日向にある社会福祉保健医療センターとの統合について議論がされているという状況が、ちょうどこの利活用検討会議が行われた九月に同時に並行して行われていたということはご存じありませんか。

○濱渦証人 知りません。

○曽根委員 都有地の利活用ということを検討する、基本的には同じ趣旨の会議で、検討の場で、一方ではあなたが委員長で、都有地利活用の検討を進めていると。それとほぼ同時期に、一昨年十一月以来の第二次総合計画に基づく土地の利活用の検討が行われていまして、この中では具体的に、これは資料で今回いただいたんですが、二十五番ですけれども、東京都社会福祉保健医療研修センター、文京区の小日向にありますが、これを社会福祉総合学院のところに移転をさせて跡地は売却するということが具体的な構想として書かれていて、しかもそれについては、もう既に交渉がかなり煮つまっていて、昨年の九月十六日、ちょうどあなたが委員長の会議が開かれた前後ですが、財務局の財産運用部長が福祉保健局総務部長に面会し、この統合の取り扱いについて局了解の確認を求めたところ、現在社会福祉事業団が包括外部監査を受けているところなので、その結果が出るまで待ってほしいとのことであったという記録が資料の中にあります。
 その後、最終的には、現在敬心学園に貸している状況だから、これはできませんという事実上のお断りの話が十月の二十一日付で福祉保健局から返っていると、財務局に対して。
 これだけ具体的な話が、まさにこの三局のうちの二つである福祉保健局と財務局の間で、部長級でやりとりがされていたと。そこに今回の問題が同時並行に乗っかってきている。
 あなたが知らないということ自体がおかしいんじゃないですか、この検討を。どうなんでしょう。

○濱渦証人 すみません。聞き漏らしましたのでお尋ねしますが、十五年、十六年、いつですか。

○曽根委員 私が聞いているのは、昨年、平成十六年の九月に、財務局の財産運用部長の方が福祉陳健局の総務部長にこの続合についての確認をしたところ、待ってくれと。その後十月に、最終的には、福祉保健局が統合できないという旨の回答をしたという、この経過です。

○濱渦証人 私は知りませんでした。

○曽根委員 土地の利活用について責任ある立場にいて、先ほどは、ことしの二月の末になって初めて社会福祉総合学院の問題点について認識をしたとおっしゃいましたが、去年の秋に、あなたが責任者で、このように土地の利活用について検討をし、そこに参加をしている財務局、福祉保健局の間でかなり厳しいやりとりが、具体的にこの練馬の総合学院をめぐって行われていたと。それをあなた自身が知らなかったでは、私は済まされないと思います。
 改めて疑問が深まりましたので、次の機会に私たちも質していきたいということを申し上げて、私の尋問は終わります。

○山崎委員長 曽根はじめ委員の尋問は終わりました。

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