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2006年3月22日財政委員会
住民税フラット化は介護保険や国保料の値上げに連動する

○曽根委員 私からは、税転移譲に伴う住民税のフラット化に伴う問題について幾つかお聞きしたいと思います。
 資料をいただきましたけれども、この中で、資料の第3号になるんでしょうか、現在、個人住民税が、二百万円以下、それから二百万円超七百万円以下、七百万円超ということで、税率三段階になっておりますが、国の所得税が大きく税源移譲されるに伴って、今度、住民税の税率が一○%フラットになるということで、それだけだとするならば、大変な低額所得のところに増税の影響が出ると。
 しかし、それでは余りにも改悪になるということで、所得税の方でそれを穴埋めするような措置がとられるというふうに聞いていますが、その点について、どういう仕組みで、実質増税を防ぐ手当てをとろうとしているのかをお聞きします。

○川村税制部長 今回の税源移譲におきましては、納税者の税負担を極力変動させないとの観点から、所得税と個人住民税とを合わせた税率は税源移譲前と後で変わらないように制度設計されております。
 しかし、所得税と個人住民税等では、例えば扶養控除の額が三十八万円と三十三万円というように、それぞれ人的控除の額が異なっておりますので、税率構造の変化のみでは調整し切れない部分がございます。このため、現在、所得税が課税されないで、個人住民税のみが五%で課税されており、税源移譲後に一○%で課税されるものを含めまして、全世帯で税負担増とならないように個人住民税の一定額を控除する調整措置を講じることとされております。
 また、いわゆる住宅ローン減税の適用者につきましては、所得税額が減ることによりまして、減税効果が少なくなる場合には、所得税で控除し切れない額を、個人住民税額から減額措置を設けることとされております。

○曽根委員 もちろん、こうした、もし実施するのであれば穴埋め策というのはやらないと大変なことになるというのは私たちがかねてから指摘していたとおりなんですが、それにしても、税率をいじるだけでは、一部ですね、特に低所得のところで対応し切れない部分が出ると。それは控除で対応するということですが、今回だけでこれが、税源移譲が終わるのであればともかくとして、これは、東京都が求めているように、いわば税源構造からいって、地方、やっている仕事に見合った独自の税源という意味では、これで十分という立場は私たちとっていないわけですね。

 したがって、今後も税振移譲を国に求めていくと。この点ではだれも異存はないと思うんですが、こういったフラット化という形でもって、個人住民税に移していくということが引き続き行われるならば、どこかで必ず破綻が起きると。つまり国の所得税の税額は相対的に下がっていくことによって穴埋めができない段階が来るだろうというふうにも思
いますので、もともとこうした所得税というのは、やはり所得の再配分という税金の基本的な仕組みの原則からいって、累進課税が望ましいという点を、改めて、私、強調しておきたいと思います。

 そのことともう一つ、とはいうものの、税金の総額は変わらないにしても、これは全国的には余り例がないと思いますが、東京の人口の大半を占める二十三区では、公租公課に住民税連動で影響が出るのではないかと思いますが、どういう点にどういう影響が出るでしょうか。

○川村税制部長 税源移譲後に個人住民税がふえることに連動いたしまして影響を受ける公租公課についてでございますが、国民健康保険税あるいは国民健康保険料につきましては、現在、全国の市町村のうち大半が個人住民税額を算定の基礎として用いておりませんので、ほとんど影響受けないと考えられます。
 しかし、ご指摘のように、ごく一部の区市町村−一例えば二十三区のように個人住民税を国民健康保険料の算定の基礎として用いておりますので、この場合には、何らかの調整措置を講じない限り、影響を受けることがあると考えられます。
 なお、いわゆる介護保険料のうち、六十五歳未満のものに係る国民健康保険税または国民健康保険料とあわせて納付される部分についても同様でございます。

○曽根委員 ごく一部の区市町村とはいうもの、東京都にとってみれば、人口の三分の二が二十三区に暮らしているわけで、そこに影響が出ると。
 しかも、国民健康保険というのは、所得が相対的には低い方、自営業、また高齢者が多いという点では、この保険料に影響が出るというのは非常に重要な問題です。
 どういう影響が出るかは、主税局にお聞きしてもなかなかこれはわからない問題かもしれませんが、何らかの調整方法というのは、今のところとられていないわけですよね。
 ということでいうと、今後、保険料としては、この資料の第3号でいうと、二百万円以下の税金の方が全体でいうと五四%ぐらいですかね。この方は税率が五%から一○%になると。じやあ払う税金は国の税金との相殺で変わらないにしても、税率が二倍に上がることによる国保料の値上げが当然予想されると。
 それから、一○%と、税率そのものは変わらない方も、五%までの部分については、変わるわけですので、したがって国保料もやっばり値上げになると。残り七・一%ぐらいのわずかな方、その方についても影響が出るというふうに聞いていますが、一番影響が出るのが、三百五万三千人になりますか、この方々が影響が大きいと。
 国保料というのは、各区市町村が保険者ですから、区市町村ごとに総額は、それ自体は変わらないとしても、その中で相対的に所得割額が上がったところに負荷が大きくなるわけですから、所得の低い方のところに区市町村の中での保険料の負担が重くなり、所得の高いところは軽くなるというですね。これは、あってはならない逆転現象が起きる可能性が強いわけです。

 したがってこれは、東京都や主税局の所管ではありませんが、何らかの調整措置が必要だということで、必要な、私たちも提案をしていきたいと思いますし、こういうことが、やはりフラット化に伴って起きるという点では、住民税はフラット化をやっぱりやるべきではないということを改めて主張しておきたいと。
 以上です。

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