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2007年11月29日公営企業会計決算委員会(交通局)
都営地下鉄連続事故の背景に急激な委託の実態が!

○曽根委員 先ほど来、都営地下鉄については、四十数年来の悲願である黒字転換を達成した一方で、今年度に入ってから、七月の浅草線に続きまして、改札のプログラムミス、そして十月の大江戸線の停電事故と立て続けに事故が起こっているわけで、都民の関心・不安は、やはり効率経営を追求する一方で、安全が軽視されてはいないかという点にあると思います。
 そこで、私は、少し具体的にこの事故の経緯などについてお聞きしたいと思いますが、決算ですので、昨年まで取り組んできた委託業務の進捗、その中で安全問題がきちんと確保されているのかというところからお聞きしたいと思います。
 七月の浅草線事故の直接の原因となったのは、軌道の保守点検業務だといわれていますが、どういう業務を軌道の保守点検にづいては委託しているのか、何件ほど委託しているのか、そして工事などの際の都の職員の立ち会いはどういう範囲で行われているのか、この点についてお開きしたいと思います。

○鈴木建設工務部長 私どもは、砕石道床のつき固め工事を請負業著さんに委託しているところでございますが、都営地下鉄の砕石道床区間は四線で六十五キロございます。毎年、その五分の一ずつを機械あるいは大型機械、通常のタンパーと称する小型の機械もございますが、それと大型機械で実施しているところでございます。
 その砕石道床のつき固め工事は、各線の軌道保守その他工事工種別単価請負工事、ちょっと長ったらしいんですが、こういう工事に含まれております。
 同工事の主要な工種は、レールの交換、まくら木の交換、先ほど申し上げました大型つき固め機械による作業を含む軌道整備道床関係及び締結装置関係などがございます。
 このうち、当局職員が立ち会う工種は、レール交換とまくら木交換でございます。他の工種は、当局が認定する請負者の軌道施工責任者が立ち会うこととしております。
 この軌道施工責任者は、地下鉄の軌道工事に五年以上の実務経験があり、地下鉄関係の総合的知識を有する者を当局が認定したものでございます。

○曽根委員 報道の中では、事故の原因となったと思われる工事の際に、都の職員は現場にいたという話もあるんですが、ちょっと巌密にいいますと、大型のタンパーですか、機械を現場まで運転してくる、その同乗といいますか、立ち会いというか、これには都の職員がいたけれども、まくら木交換などではない砕石のつき固め工事については、都の監督はなかった、都が認定する委託会社の責任者がついていたということですね。
 七月八日の未明の工事は、このつき固め工事ですから、都の工事についての監督はなかったと思うんですが、当然、初歩的なこととして、砕石もしくはその近辺に電気ケーブルが走っている。それを傷つけ、未明の工事でしたから、その後、始発が走る際に、通電した際にショートを起こしたというようなことらしいんですが、なぜ傷めたことがチェックできなかったのか。この原因については、もう三カ月たっていますが、究明され、報告がされているんでしょうか。

○鈴木建設工務部長 当該事故の発生から一週間以内でございますが、私どもの方で、現場の作業を監督した者あるいは作業員あるいは私ども、現場で再現実験等を行いまして、いろいろ調査いたしまして、調べた結果、当日の作業の責任者、さっきの軌道工事責任者でございますが、ケーブルが収納されていたコンクリート製のトラフのふたが損傷しているのを発見したと。ところが、トラフ内の饅電ケーブルの損傷は見落としたということでございます。
 また、そのことについて、当該作業のときに、マルチプルタイタンパーという大きな車両があるんですが、それと、いろいろな資材を運ぶためのモーターカー二台が一緒に行っておりますが、それぞれその指揮をする、指揮をするというのは、具体的に、指令、いろいろ調整をしたりする職分でございますが、そういったものについて報告がなかったということでございます。

○曽根委員 初歩的なことかもしれませんが、しかし、そこに電気の技術の専門家がいなかったということで、ケーブルを保管している容器が壊れていることはわかったけれども、中のケーブルがどの程度傷んでいるかのチェックまではいかなかった。また、そのことについての報告が重視されなかったからこそ、届かなかったと。
 私は、都の職員がこの事故の場合も立ち会っていなかったことが大きな要因の一つではないかと。まくら木交換だけではなく、こうした、いってみれば小さい工事なのかもしれませんが、都の職員の立ち会いや、また、こういう初歩的なミスが起きないためのきちっとした委託会社も含めた研修を徹底する必要があると思いますが、いかがですか。

○鈴木建設工務部長 大型つき固め機械による作業、ほかでもやっておりますが、電気関係も含め、
地下鉄関係の総合的知識を有する軌道施工費任者が立ち会い、確実な安全の確保に努めてきております。このため、電気関係職員の立ち会いは通常必要としておりません。

○曽根委員 こういう事故が起きなければ、必要ないということで済まされるかもしれませんが、一たんケーブルを傷つけた場合、それが本当に中でショートする原因になるのかどうかについては、初歩的なミスといっても影響が大きい問題で、これで全線がとまるわけです。そういう意味では、これはたしか始発から十一時間も動かなかったわけですね、浅草線は。都民への影響という点から、やはり真聾に検討すべきだというふうに申し上げておきます。

 今回、大江戸線についてもやはり停電事故が起こったわけですが、こちらの場合、私が思うに、非常に要素が絡んでいると思うんです。まず、変電設備の保守点検に不備があったということがいわれていますけれども、電気の保守点検の委託は何件あって、そのうち、都の職員が立ち会っていない件数は何件ですか。

○室木車両電気部長 平成十八年度に発注いたしました電気設備の保守点検業務委託件数は五十一件でございます。そのうち、当局職員が立ち会いを行っていないものは四件でございます。

○曽根委員 この事故が起きる原因となったミスのあった現場、練馬の変電所というふうにいわれていますが、この現場の立ち会いの有無、そして、四件というものがどういう工事について立ち会いがないのか、敢えてください。

○室木車両電気部長 今回の都営地下鉄変電所の保守点検委託につきましては、当局の職員の立ち会いを行っておりません。

○曽根委員 四件の中身。

○室木車両電気部長 立ち会いを行っていないのが四件でございまして、今回の都営地下鉄変電所、
変電設備ほかの保守委託業務、それから、三田線のホームゲート及び都電荒川線の保守委託、点検委託、あとは駅舎の照明点検清掃委託、これが駅の出入り口とホームと二件でございます。合計四件でございます。

○曽根委員 さすがに電気は影響が大きいですから、大半のところは工事に立ち会っているようですが、四件だけが抜けていて、そのうちの一件、変電所の設備点検で不備があった。先ほどの浅草線同様、やはりそこに都の職員がいなかったということは、私は事実として重いと思うのです。
 ホームゲートの点検や駅のいろんな清掃、照明ですか、そういったこともさることながら、変電所の設備点検にもしミスがあれば、今回のように電車がその線でストップするということは当然起こり得るわけで、なぜこれは工事の立ち会い、都の職員が必要ないのか大変疑問に思います。

 しかも、こういったものはマニュアルがあるはずで、大体、常識で考えても、指さし確認を全部きちっとやれば、最終的に電源を入れ忘れるというようなことは、今回それが原因というふうな報道がされていますが、あり得ないと思うんですが、この変電所の設備点検では、指さし確認というのは徹底されているんでしょうか。また、やられたんでしょうか。

○室木車両電気部長 ヒューマンエラー防止のために、指さし確認は非常に重要であるというふうに認識しておりまして、私どもも、職員に対して、基本動作の励行の中で、この指差確認喚呼をきちっとやるようにという指導をしております。今回、保守点検を委託した委託会社に対しても、同じように指導しているところでございます。

○曽根委員 実際にどうだったのかはこれからまだ調査だと思いますが、そういった委託会社の技術者に対する研修は都として直接行っているのか、それとも会社の方で行っているのか。

○室木車両電気部長 交通局は委託会社に対して、局の教育訓練実施要綱に準じた安全教育訓練を行うよう義務づけております。
 なお、この訓練につきましては、委託会社から提出される報告書により確認をしております。

○曽根委員 今度のことを見ても、重要な業務について、特に変電所の設備点検などは、一たん、ミスがあれば全線に影響するということから、本来ならば都の直営できちんとやるべきじゃないか。
 少なくとも都が直接研修したり立ち会いを行うべきじゃないかというふうに思うんですが、いかがですか。

○真木車両電気部長 交通局では、局が主催している安全講演会への委託会社の参加、当局職員と委託会社の業務費住着をメンバーとした委託安全会議の開催、安全パトロールの共同実施など、必要に応じて委託会社の技術者に対し安全研修を実施しております。

○曽根委員 講演会の参加だけでいいのかと、やっぱり疑問は残ると思うのです。
 私、もちもん都の交通局ではありませんが、エネルギー供給関係の大手の会社の電気関係の技術者の方からちょっとお話を問いたんですが、やはり委託で変電設備などを外注に出していると。この場合は、指さし確認をするだけじゃなくて、全部、札かシールを張って、保守作業にかかるときに、最初にずっとスイッチやドアの施錠などについて札をかけていく。作業が終わったら、全部その札を外して、もとのリストに戻していく。その札が抜けていたらば、要するにそこのスイッチを入れ忘れているか、切り忘れている。そういう徹底をやるそうです。今回の場合でも、そういったところまで研修なりマニュアルをきちっとつくるということは、都の直接の責任だと思います。
 その大手の会社でも、一たん事故を起こすと、その下請の委託会社はもう仕事がもらえない。したがって、ミスをした社員はいたたまれなくなって、しばらく後に自殺するというような悲劇もあったそうです。
 私は、委託会社またはその作業員の責任だけに帰することは絶対許されないと。これは、きちんとしたマニュアルで一〇〇%安全を確保するために努力をし尽くしたかどうかの都の責任の問題だと思いますが、いかがですか。

○室木車両電気部長 委託会社に対しましては、チェックリストにより作業手順をきちんと確認するように指導しております。今回もチェックリストを使って作業したという報告を受けておりますけれども、現在、原因を調査中でございます。

○曽根委員 くれぐれも都の安全確保、事故の未然防止の責任の重さを忘れないように、今後も対
処していただきたいと思うのです。
 先ほど局長の答弁の中にも、事故が起こらないように未然の防止も大事だが、起こった後の対応力、この点でも重視しなければならないというお話がありました。この点でも、私、大江戸線の事故は、これまで取り組んできた効率化の中で問題を抱えているんじゃないかと思うのです。というのは、今度の事故が起こった駅の近くの駅が連続して外注になっているということなんですね。直近の新江古田駅から四駅、立て続けに全部外注駅なんですね。委託駅なんです。都の職員がほとんどいないという状況だったと思うんですが、その外注になっている駅の数は、大江戸線の場合は何駅中何駅なのか。放射部の中では何駅中何駅か。
 外注の駅には都職員はいるのか。体制についてお聞きします。

○高根電車部長 大江戸線の駅は三十八駅ございまして、そのうち、平成十八年度末で十五駅で駅業務の委託をしております。また、大江戸線放射部の光が丘駅から都庁前駅間は十一駅ございますが、そのうち四駅を委託しております。
 委託駅の体制でございますけれども、駅の責任着である助役は局の職員でございまして、駅係員の仕事を委託職員が行っているところでございます。

○曽根委員 この体制で、これは偶然だとは思いますが、新江古田駅手前で、今回、電車がとまった。普通ならば、停電しても次の駅ぐらいまでは惰性で届くはずなのが、ここはたまたま上り坂だったというようなことも聞いていますが、その新江古田駅の方から事故現場にはだれが駆けつけたのか。それから、ほかのところからの応援はどうやって、だれが駆けつけたのか。
〔発言する者あり〕

○高根電車部長 停電事故発生後、運輸指令の指示によりまして、当該駅の助役が列車に駆けつけるとともに、隣りの練馬駅、それから担当乗務区及び本局からも職員が直ちに応援に出向き、お客様の避難誘導に当たったところでございます。
〔「逸脱しないでよ、逸脱」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員 それから、大江戸線の電車はワンマン運転ですよね。これは聞いてもいいと思うんですけれども、ワンマン運転の運転士とツーマンでやっているほかの線の運転士との研修に違いはあるんでしょうか。

○高根発車部長 ワンマン運転、ツーマン運転についてでございますけれども、研修については、運転士になるときの必要な研修は同じでございます。しかしながら、運転士につきましては、すべて車掌の実務経験を二年以上経験した者がなっております。さらに、ワンマン運転士につきましては、職場におきまして定期的に車掌業務に関する内容の研修を行ってございます。

○曽根委員 実は、この事故でとまった電車には、同僚議員であります松村友昭議員がたまたま乗車
しておりまして、車内から彼自身が救出されるのに一時間ぐらい、全員が出てくるのにやっぱり二時間以上かかったんじゃないかということでした。
 そのときに、つぶさに運転士の方の動きを彼は見ていたんですが、研修は特別にワンマンだからということで若干多いようですけれども、たった一人で運転士と車掌の役割を果たさなければならないということで、応援が来るまでしばらく時間がかかる間、とにかく車内を走り回っているという状況だったそうです。大変な、もう電気消えちゃって、どんどん蒸し暑くなってくる、倒れる人も出てくるという中で、一人での対応をしばらくの時間やらなきゃならなかった。
 駆けつけた職員は、こういう外注が進んでいる中で、主にはタクシーで来られたそうですけれども、そういうときに、これまで進めてきた委託事業のあり方が、この事故を見てもやはり問われているということをいわざるを得ないと思うんです。
 そして、最後にちょっとお聞きしますが、警告書が二件の事故については出ていると思うんです、浅草線と大江戸線の。これの受けとめと今後の防止対策について、今、現状はどうなっているのか、お聞きします。

〔「それは本来、常任委員会でやることじゃないの。決算の場でしょう、ここは。逸脱しているよ」と呼ぶ者あり〕

○高橋委員長 曽根委員に申し上げます。質疑につきましては、平成十八年度の決算の審査から逸脱しないように行っていただきたいと思います。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、答弁しよろしくお願いいたします。

○児島参事 浅草線の事故と大江戸線の事故について、二件警告書が出ておりますけれども、浅草線の部分につきましては、原因の究明の徹底、障害後の早期復旧対策について報告されることが求められております。現在、これらの報告の内容について、国土交通省の指導を受けながら、取りまとめ作業を続けているところでございます。
 そのうち、再発防止策について、できることについては既に実施しており、既に保守作業者に対する教育指導の徹底や、停電時における作業マニュアルの変更などを行っております。
 また、今回の大江戸線の警告につきましては、交通局としては真撃にこれを受けとめ、今後、早期に原因を究明するとともに、再発防止に努めてまいります。

○曽根委員 先ほど来、私の質問について、決算の内容から逸脱しているんじゃないかというお話がありますが、とんでもありません。今回の事故にあらわれている内容をしっかり見ていけば、これまでずっと何年にもわたって急速に進んできた都営地下鉄の業務委託の問題が浮き彫りになるからこそ、今回の事故の問題を取り上げざるを得なかったわけで、まさにこれは決算の内容なんです。
(発言する者あり)
 そして、今回の警告書について、今まで進めてきた効率化、これはもう事実として先ほどもお話がありました。これが行き過ぎて安全軽視になっていないかどうかについて、今お話を伺っても、真摯な反省というのが感じられません。
 これまでの取り組みについて、黒字を目指すということで、これまでの決算の中身で、黒字をついに達成したということの背景に、やはり問題がある。特に委託化の問題については、都の職員もしくは東京都がきちっとかかわるべきものまで委託に、言葉は悪いですけれども、丸投げにしていないかということについて、やはり私は警鐘を乱打したいし、もしこの点についてのきちっとした都の分析がなければ、こうした事故が繰り返されるおそれが高いといあざるを得ないと思います。
 停電というのは軽い事故じゃありません。震災などのときには、これは最も起こり得る事故の一つです。そういう点でも、もし全線でこれが起きたらどうするのか。都の駅の職員は確保されているのか、事故対応の駅の職員は。委託会社の社員は、今回は現場に行っていないわけですから、どんどん委託駅をふやしていっていいのかという問題が問われているということを申し上げて、交通局についての質問を終わります。

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