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2007年11月15日財政委員会事務事業質疑(収用委員会事務局)
露骨な圏央道推進の都の責任者の収用委員会選任は不公正

○鈴木委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 これより収用委員会事務局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましてほ、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。資料について理事者の説明を求めます。

○中田収用委員会事務局長 要求いただきました資料について、ご説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます要求資料第1号をごらんいただきたいと思います。
 平成十二年以降に在任した収用委員会委員の一覧でございます。表の左から順に、委員の氏名、在任期間、就任時の職業を記載し、公務員の職歴を有する委員につきましては、職業欄に最終職歴を併記してございます。氏名をゴシックで表示したものは会長経験者をあらわしております。
 また、太線枠内の七名は、現在在任中の委員でございます。なお、委員の氏名の下の括弧書きは専門分野でございます。
 以上、簡単ではございますが、資料の説明とさせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。発言を願います。

○曽根委員 簡潔にお聞きしたいと思います。
 資料をいただきましたが、これまでの大体過去十年ぐらいさかのぼって歴代の収用委員会の方々の職業、肩書きなどについての資料をいただきましたが、これを見渡しても、現職の方を除いてさも東京都の公共事業、建設局や都市整備局にかかわる公共事業の責任者をやった経験のある方は、現職の方を除いてはいないようなんですが、もう少し前にきかのぼって見ても、いわゆる行政経験者の中で建設局長とか都市整備局長などをおやりになった方は、なかったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○太田審理担当部長 歴代委員中、都市整備局、当時は都市整備局でございましたが、また、建設局などの局長経験者はお一人だけでございます。

○曽根委員 現在、収用委員会には圏央道の事業がかかわっております。そこでは住民の皆さんと、事業者は、直接は国ですけれども、東京都もかなり深くこの事業にかかわっているということで、双方の主張が論議をされていると。
 そういうときに、現職の委員長代理になるんでしょうか・・の方が、この圏央道事業を国とともに進めてきた東京都の建設局長並びに都市整備局長を経験された方で、その局長時代にこの事業を進める責任者でもあったと。こういう方が、いわば住民の側、そして事業者の側の相互の利害が関係するこの収用委員会に委員として選任されるというのは、ほかにだれもいなければ別ですが、行政経験者、東京都はもちろんですが、他の自治体の方も含めれば、あまたふさわしい方はいる中で、より適切な任命というものがあり得たのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○太田審理担当部長 収用委員会委員の選任につきましては、土地収用法は、収用委員会の公正中立性を担保するため、厳格な任命の要件と手続きを規定しております。
 なお、土地収用法はかなり専門的な法律でございますので、少々長くなりますが、これらの要件や手続きを、確認の意味を含めましてご説明をさせていただきながら、お答えをしたいと思います。
 まず、収用委員会委員の中に都市整備局や建設局の局長経験者がいるとのご指摘でございますが、法は、法律に経済または行政に関してすぐれた経験と知識を有し、公共の福祉に関し公正な判断をすることができる者のうちから、都道府県の議会の同意を得て、都道府県知事が任命すると規定しておりまして、局長経験者のように、都の行政に観してすぐれた識見を有する者を任命することは、法の要請するところでございます。
 また、知事による委員の任命に先立ち、住民代表でございます都議会のご同意をいただいていることからも、事務局としては当該委員の任務につきましては何ら問題がないものと認識しております。
 次に、土地収用法は、公共事業を施行する起業者や、土地所有者及び関係人と身分または職務の上で現に特別な関係にある委員につきましては、一時的に裁決手続から排除する除斥という制度を定めております。
 この除斥につきましては、収用委員会においても検討いたしましたが、当該委員を除く委員の全員が一致して除斥事由には該当しないと判断しております。
 なお、理事にはご理解をいただいているところでございますが、再認識の意味で、収用委員会の役割について原則的な説明をさせていただきます。
 土地収用法では、事業が収用に足る公益性を有するか否かについては別の行政庁が判断することになっておりまして、収用委員会は、その判断を前提として、既に収用を行う必要があると判断されたものにつきまして、主にその損失補償の内容を判断するものでございます。
 具体的には収用する土地の区域と、それに対する正当な補償額などを判断するものでありまして、このような判断事項に照らしても、ご指摘のあった委員に問題はございません。
 今後とも、公正かつ中立な立場で審理、裁決を行うという収用委員会の役割を適切に果たしていくためこ事務局といたしましても、委員の選任に当たりましては、法の定める厳格な任命の要件と手続を遵守していく必要があると考えております。

○曽根委員 決め事、ルールに従えば、これは別に違反ではないということかもしれませんが、私が申し上げたいのは、やはり、より適切な、もっといえば、都民的に理解の得られる選任が必要じゃないかということを申し上げたいわけです。
 極端な例をいえばこの収用委員会も、住民側の利益、そして事業者側の利益、双方の利益を争う、いわば裁判所的な役割も果たします。場合によっては、別の行政機関で選ばれて、既に収用すべきであるということが決まっているものだといっても、却下裁決というのもあり得るわけです。
 また、損失補償については、まさに住民の利益、事業者の利益が相反することは当然です。
 そういう点からいっても、いろいろおっしゃいましたけれども、公正中立ということが担保されなきゃならないことは、これは変わりないわけで、その点から、私は、過去にも例がないということとあわせて、現職の委員の中で中心的な役割を果たしておられる委員の中に、建設局長、都市整備局長を歴任され、しかも、今かかわっている、大問題である圏央道の事業に深くかかわった責任者をおやりになった方を選任するのはふさわしくないということを改めて申し上げて、質問を終わります。以上です。

○鈴木委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なしと呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で収用委員会事務局関係を終わります。

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