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2008年1月30日オリンピック特別委員会
申請ファイルはフェア精神に欠け欺瞞に満ちている

●わが党が指摘した競技施設計画のずさんさをこっそり手直し
○松村委員 まず、オリンピック競技会場、競技施設について質問します。
 申請ファイルでは、競技会場、規模などが明らかにされましたが、これまで我が党は開催概要計画書の問題点を明らかにし、競技施設の見直しが必要であることを指摘してきましたが、結局我が党の指摘どおり、水泳競技も、トライアスロン、テニス、射撃、ボート、ヨットなどなど、大幅に見直されました。
 そこで、その変更理由を、都民や議会の納得のいく説明をすべきですが、水泳競技についてはどういう理由でしょうか、お答えください。

○中嶋参事 お答えいたします。
 水泳会場についてでございますが、これは開催概要計画書上、東京ビッグサイトという予定でございました。この間、私どもとしましては、水泳会場につきましてさまざまな検討を行ってきたところでございますが、東京ビッグサイトでは水泳の競技施設がすべて仮設ということで、大会後に残りません。これは、先ほどの答弁でもいたしましたように、貴重なレガシーを残すという観点からも、水泳は人気競技でございますので、私どもとしては独自の視点から、IOCに勝てる計画をどうしたらいいのかという観点から、これまで検討してきたところでございます。
 水泳競技につきましては、今回、既存施設の活用がIOCの高い評価につながるという観点から、既存の東京辰巳国際水泳場を活用しつつ、水泳の四種目、これは競泳、飛び込み、水球、あとシンクロナイズドスイミング、この四種目でございますが、これを同一のエリアで実施できる会場として、新たに現在の辰巳の森の海浜公園を選定した次第でございます。
 また、今回、辰巳の地区にこの水泳会場を置くことによりまして、隣接する夢の島の馬術会場、ユース・プラザなどとあわせまして、オリンピックの六競技の会場をこの一帯に集積できることになりまして、オリンピックの雰囲気を体感できる空間を創出でき、より魅力的な計画とすることができるというふうに考えた次第でございます。

○松村委員 我が党はこれまで、現状のビッグサイトでは技術的にも物理的にも不可能と、繰り返し指摘してきました。
 これに対する答弁は、例えば昨年二月八日の当委員会では、当時の谷島推進部長は、今後とも、開催概要計画書に記載のとおり、ビッグサイトにおいて特設会場として水泳会場を整備すると断言しましたし、梶原招致本部参事も「ビッグサイトの土地、用地全体を活用した特設会場で開催する計画でございます」と答弁しているのです。これは議会の公式発言ですよ。これでは議会軽視のそしりを免れないではありませんか。もう一度この点を含めて、答弁をはっきりさせてください。

○中嶋参事 昨年発表いたしました開催概要計画書は、福岡と争った国内選考のときの計画書でございます。このときも詳細な計画を立てまして、今回の計画もそれをもとに、さらに精査した次第でございますけれども、昨年は昨年で、東京ビッグサイトにおきましては、選手村から非常に近いという利点があることから、こういった会場を選んだという、昨年は昨年なりの経緯がございます。
 その後、国内の立候補都市に正式に東京が選ばれました後、私どもとして正式に国内の競技団体あるいは海外のIOCに精通した専門家、こういった方々の意見を聞きながら、計画を精査してきたところでございますので、昨年の事情をそのまま横引きということは、これは指摘に当たらないというふうに考えてございます。

○松村委員 物事には私は経過というものがあるというふうに思います。もともと競技団体との話し合いの中でも、ビッグサイトの現特設場といわれていた会場では、技術的、物理的にできないんですよ。やるとすれば大幅改修しかない。では、皆さん方は、この隣接を含めた特設会場、特設会場と。 しかし、どこにその土地があるんですか。結局当時の競技団体に説明していたように、隣地の民有地、民間の土地を取得するなりして建てなければならない。
 しかし、新たな土地取得は一つもないんだ、そのような大前提ですから、結局それができないで頓挫し、一こういう変更になった。そのことを私は素直に認めるべきだというふうに思いますよ。そういう経緯が、議会の指摘があった中でのこういう変更ですから、今みたいに、新たな視点で考えればそちらのほうがよかったんだ、そんな説明で済むわけはないというふうに思います。
 では、なぜ最初から辰巳国際水泳場にしなかったんですか。

○中嶋参事 先ほどもご答弁申し上げましたが、昨年は昨年なりに、東京ビッグサイトが選手村から近いというような利点を考慮いたしまして、東京ビッグサイトを選んだ次第でございます。
 その後、繰り返しになりますが、国内の競技団体やIOCに精通した専門家、こういった方々と本格的に議論して、検討しました結果、私どもとして、現在は辰巳の森海浜公園を選んだという次第でございます。

○松村委員 結局、現辰巳の会場はオリンピックの水泳競技種目ができる規模でないということで、ここが選定されなかったんですよ。そういうことがわかっていながら、当初の選定の失敗をまたこういう形に持ってくる。私はこんな都民をごまかすやり方がIOCに通ずるわけはないというふうに思いますし、もっとオープンにし、フェアなやり方でやるべきです。

●7万平米の水泳会場を造るのに、「新たな施設」は申請せず
 しかも、こうした無理なやり方が新たな矛盾を呼んでいます。そこで、申請ファイルで明らかにされた競技会場について、いくつかの問題をただします。
 申請ファイル、これを私は手元に持ってきておりますけれども、この十五ページから競技会場の表1.1から1.4まで出ていますが、この表に基づいて、水泳など申請ファイルに、開催された競技会場と現状の施設を比較する表を、私、きょうつくってきましたので、こちらとともに質問したいというふうに思います。見えると思います。(パネルを示す)

 まず、水泳の辰巳の国際水泳場、これは今どういう規模か。この現状は、水泳場が八千百五十平米、観客席、固定が三千六百三十五で仮設が一千四百、合計五千三十五席、こういう規模が現在の辰巳の国際水泳場の規模であります。
 しかし、この申請ファイルには、ここで競泳、シンクロナイズドスイミング、それから飛び込み、水球をやるわけですね。そのために、開催概要計画書でもIF基準に基づく規模が載っておりますけれども、七万二千四百平米この競技会場には必要です。現状は八千百五十平米しかないんですよね。 しかも、競技会場に必要な観客数、席は二万人、これは競泳とシンクロナイズです。飛び込みが五千席、水球も五千席ということで、当然、前段に答弁があったように、現辰巳の競技場の施設では入り切れません。だから、この辰巳の森海浜公園で、今の答弁では一体的にできる、同一のエリアで開催できるというふうにおつしゃいましたけれども、どのように配置計画を立てるんですか、お答えください。

○中嶋参事 各競技会場共通でございますけれども、今回提出の申請ファイルにおきましては、競技施設の配置については求められてございません。競技施設をその会場の予定地にどのように配置をするかという詳細な配置は求められてございません。これにつきましては、今後、立候補ファイルを策定していく中で、関係団体と調整しながら進めてまいる所存でございます。

○松村委員 今、申請ファイルの競技会場、施設の配置というのは、ここにも書きましたけれども、既存競技施設、恒久施設の工事が不要なものですよ。ここに水泳会場で、この四競技を持ってきているんですよね。しかし、現の辰巳の国際水泳場の規模からいったら、これは五千三百席あるから、飛び込みか水球、どちらかの競技しかできないわけですね。
 あと競泳、シンクロナイズド、または水球、これはどういう形になるんですか。規模からいったら、現の辰巳の水泳会場の、これは何倍になりますか。九倍以上の面積の敷地のところに、今皆さん方、仮設ということをいいましたけれども、建てる、競技をするということになって、どうして既存の競技施設、恒久施設の工事が不要なものに、しかも水泳ですよ。四競技全部を入れているんですよ。これを申請ファイルで提出している。これはやはり虚偽というか、ごまかしなんじゃないでしょうかね。立派な虚偽だというふうに受け取らざるを得ませんよ。だって、既存の競技施設、恒久施設の工事が不要なものと。実際、じゃあ水泳競技はここでできるんですか、お答えください。

○中嶋参事 申請ファイルの表1・1におきましては、「辰巳国際水泳場仮巳の森海浜公園」というふうに載ってございます。現在、水泳会場は既存の辰巳の国際水泳場を活用しつつ、先生ご指摘になりましたような、オリンピック仕様にたえ得るような観点まで、オリンピックのためには不足するプールとか観客席、運営諸施設などを、この辰巳の森海浜公園全体を今後考慮に入れまして、仮設で計画する予定でございます。
 水泳というその単一の競技が一つのセキュリティーの境界内で実施されるという観点から、この会場は素直に考えて、水泳の一会場であるというふうに私ども考えまして、あえて既設部分と仮設部分とに分ける理由がないために、申請ファイルでは全体として既存の競技会場の表1.1の区分に入れさせていただいた次第でございます。

○松村委員 配置はどういう形になるのか。これからだということですけれども、結局、現地を見ても、芝生公園、ここしかない。ここに建てるのではないでしょうか。しかし、本体の現施設の面積の九倍ですよ。観客席では五倍もの施設を隣地につくる。これでどうして既存の競技施設、しかも恒久施設が工事が不要などという、こういう分類にするのか。
 全く都民にはこれではわからないじゃありませんか。今、IOCのそういう規定といいますか、そういうことはいっても、やはりIOCの理念というのは、既存の施設を活用して、少しでもお金がかからないため、有効活用にいっているのであって、そういう分類が違反しないからといって、私は、言葉を強くいえば、こういうごまかすやり方といいますか、これでは、逆に、私はIOCの精神に反するというふうにいわざるを得ないと思います。

 じゃあ大多数が仮設というならば、なぜこちらの申請ファイルの1・4の仮設施設に入れてないんでしょうか。

○中嶋参事 申請ファイルの表1.4に記載すべき競技会場は、建設予定の競技会場で仮設施設のみという分類のものでございます。ここでは、記載にもございますように、トライアスロンをお台場海浜公園でやるというようなものが一つございますが、トライアスロンの会場というのは今全くございませんので、これをお台場公園に新たにつくる、しかもオリンピックの大会を控えてつくるということで、この分類として入れているわけでございます。
水泳につきましては、先ほど来申し上げており−ますように、辰巳の国際水泳場、この既存施設を活用しつつ、辰巳の森海浜公国全体の中で、仮設会場も増設しながら、オリンピックにたえ得る競技会場をつくっていくという視点でございますので、この表1.4には当たらないというふうに考えております。

○松村委員 だったら、やはりこちらを、例えば飛び込みでやるんだったら、あと競泳、それからシンクロ、水球を仮設のほう・にきちんと記載すべきだというふうに思いますし、それでは、この費用はどうなんですか。仮設費用ということで、それぞれ例えばお台場海浜公園、トライアスロンは二十二億とか、潮風公園のビーチバレーは二十二億と書いてありますね。この仮設費用かね。金額も示されておりません。この衰にも入っておりません。一体どこがこの費用負担を持つんですか。

○中嶋参事 この競技施設の表の分類につきましては、私ども、IOCに計画を提出して、確実に立候補都市として選ばれるということを重視いたしまして、IOCの求めを厳密に守りながら記載をしてございます。それを最優先すべきというふうに考えてございます。
 そういった観点からいきますと、既存施設とか新たに恒常施設としてつくる新設施設、これについてのオリンピックのときだけの仮設部分の経費というものは、このIOCの申
請ファイル上どこにも記載すること革ま求められてございません。したがいまして、私どもとしては、既存の辰巳国際水泳場寧こ附属するオリンピック大会時における仮設部分の経費というものは、この申請ファイルには載せてはおりません。

 また、この施設整備全体につきましても、先ほどいいましたように、」辰巳の森海浜公園の中でどのようにこれから水泳四種目を行っていくのかという配置を、各競技団体や海外の専門家なども通じまして、詳細に計画、検討してまいりますので、その中で立候補ファイル策定に向けて、今後、施設整備については詳細を詰めてまいりたいと考えております。

○松村委員 結局、現地を知っている我々だから、そういう点でのイメージがわかり、こういう質疑をするわけですけれども、だって、IOCはこういうふうに出されたら、現在の国際辰巳の水泳場は、これは現施設の規模は書いてないんですから、できるというふうに受け取らざるを得ないじゃないですれしかも、こういう国際的な申請という公約ですから、もし仮設に載っていなかったら、後で仮設に入っていないと。仮設というのは大会運営費で賄うんですよ。この招致が終わって決まれば、IOCが厳格に管理するわけですから、本当に一円の狂いもないというか、しっかりやると思うんですよ。だったら、仮設に入っていなかった、今後いろいろ都民負担にかかっていく、こぅいう問題も出てくることを指摘せざるを得ないというふうに思います。後で認められませんといわれて、だれが一体責任をとるんですか。
 それから、話を進めますけれども、アーチェリーも、既存の競技施設、恒久施設の工事が不要なもの、こういうところに分類しておりますよね。でも、これもまたひどい話だと、皆さん思いませんか。こういう計画を立てた人、こういう分類に入れて申請した人、現地へ行って、見ているんでしょうか。だって、今あるユース・プラザのアーチェリー競技場というのは、射程が最長で七十メートル、十人が立ってやれる規模ですよね。もちろん観客席というか、こういうのはありません。
 ところが、オリンピックのアーチェリーで求められる規模というの時、フィールド面積で一万五千四百四十ですよ。これにいろいろな控室とか更衣室とか、そういう建築面積が七千八百二十平米。これだけじゃないんです。練習場はさらに大会競技よりも九十メートルの射程で二十二レーンとる。これは開催概要計画書にどんな規模かということが、イメージパースが載っているので、ぜひ見れば、私も専門家じゃないがわかるんですけれども、これが公式大会のあれです。
 ところが、これが練習場でしょう。ほぼ同面積ぐらいをとり、こちらの練習場の二十二レーン、練習場は九十メートルの射程、こちらは残すんですよね。そうすると、必要な観客席も四千人ですよ。 現在何もないんです。どうしてこれが、これまたそういうくくりだ、IOCがそうやってもいいというふうにいっているからといって、既存の競技施設を使うんだ、恒久施設の工事が不要なもの、これまたおかしいのではありませんか。逆に私は、都民は理解できないというふうに思いますけれども、これについてもご説明ください。

○中嶋参事 昨年の開催概要計画書において記載しましたいわゆるイメージ図は、あくまでイメージでございますので、、この内容をどうするかということも含めまして、これから立候補ファイルに向けて策定していくということを、まずお答え申し上げたいと早います。
 また、アーチェリー会場につきましては、現在ユース・プラザという、夢の島公園にあります体育館がございますけれども、これはかなり古うございますので、これを改築するというものがございます。そのユナス・プラザ内にアーチェリー場を改修して、整解す卑予定でございますが、申請ファイルにおける会場の分類では、既存の会場でも、・恒久的な工事が必要なものでありましても、その金額がかなり小さいものにつきま一しては、あえて記載しないというようなものが通例でございます。これに従いまして・、表の1.1に、アーチェリーについては記載したものでございます。
また、このアーチェリーの競技全体を、予選、決勝を含めまして、常設としてや.るのか、あるいは仮設をどう組み込まぜていくのかということもこれから検討してまいりますので、そういった不透明な中で、私どもとしては競技会琴として区分をした次第でございます。

○松村委員 これもこの程度にしますけれども、大体今の競技場と練習場を合わせて二十倍規模にやらなければ、オリンピックの基準に満たないんですよ。今のあそこのユース・プラザ全体の敷地面積を全部アーチェリーの競技場にするわけですよ。こういう分類の仕方があるといっても、先ほどもいいましたけれども、IOCの今のオリンピックの精神というのは、そういうことではないんです。どうしても既存施設の活用という中での競争といいますか、世界でオリンピックの計画の優劣を見る、そういうものとして出されているわけですから、これまた大きな問題だということを指摘しなければならないというふうに思います。

●「既存の施設を改修」といいながら現ユースプラザは影も形もなくなる!
 最後に、もう一つは既存の競技施設1、これは恒久施設の工事が必要なものということで、開催概要計画書どおり、バスケットボール、体操、トランポリンも含めて、それからバドミントン、こういう四競技を今のユース・プラザを活用してやる。これもその規模をぜひ見ていただきたいんですけれども、今のユース・プラザの規模は、メーンアリーナ二千七百八、サブアリーナを入れても三千八百程度ですね。これが要するにアリーナAをつくるということなんです。しかも、現在メーンアリーナには五百八十二席ありますけれども、これを今度は三万二百平米が必要だと、ユース・プラザ、アリーナAと言う計画です。これは三万二百平米ぐらいが必要なんです。総座席数一万五千人。ところが、現在五百八十二席しかない。
 もう一つのバドミントンをやる、こちらのほうはどうかといったら、今ここは、恐らくBと言うところは屋内プール、これのところの規模しかありませんから、二千百十五平米ですね。しかも、プールには座席はありません。これも五千人の観客数の座席をつくるということなんです。
 これがどうして、バスケットボール、バドミントンなどのユース・プラザA館、B館も、既存の競技会場の改修といっておりますけれども、改修どころか全くの新規施設の建設じゃありませんね、これは当然区分からいえば、こちらの新設の恒久施設のほうに入れなければならないんじゃないでしょうか。どうでしょうか。

○中嶋参事 申請ファイルの表1.3におきましては、建設予定の競技会場、恒久施設ということで、いわゆるここに新設会場を記載することになってございまして、オリンピックスタジアムとか、先ほど申し上げましたボートやカヌーの水上競技場、‥ここが記載されることになります。
 これらの施設につきましては、今現在、全く存在してございません。オリンピックのためにこれからつくるという内容のものでございまして、これを記載することがこの表1.3に求められているわけでございます。
 ユース・プラザというのは、夢の島公園に既に、老朽化しておりますが、体育館としてございます。これを改築いたしまして、新たにこの敷地内に新しい体育館をつくるわけでございますので、私どもとしては、既存の競技会場の恒久的な工事が必要なものという区分で出させていただいたわけでございます。

○松村委員この間題でも、昨年の二月八日の当委員会の答弁でいっているんですよね。
つまり既設であれば、そこを全面改修して新たなところに建てても、それは改修というふうにいっておりましたけれども、しかし、JOCが国内選考の二〇〇六年八月二十一日の国内立候補都市評価委員会、私、これ持ってきておりますけれども、ここでは東京都が同じような、それは新規じゃないんだ、改修なんだ、既存施設の活用だというふうに、IOCでもそういうことがいわれているというので、出したけれども、当時、国内立候補選考委員会のときに、JOCがそれは違う、国内の建築基準法に基づいても、これは新規施設だと、新設施設に入れている。これは公式文書ですよ。これをあなた方も認めているんです。もうこの間題については決着がついているんですよ。それをまたまた申請ファイルでこういう形で分類して出す。今盛んにそういうことが認められているんだ、そういう書き
方を求められているんだというふうにいわれますけれども、それは全く私は違うと。
 オリンピックの精神からいっても、こういう姑息なやり方ではなく、もっと都民にもわかるように、正々堂々とやるべきじゃありませんか。

 結局、開催概要計画書では、競技施設の新規は、この当時は二つとしていたんですよ。
 JOCによって、それは違うと。当時、国内選考のときには、駒沢も新規だ、それから、ユース・プラザのA館、B館も新施設だと。このときの選考委員会のところで、そういうふうに新規に認められたということなんです。
 まさに今度の申請ファイルを見ても、逆に競技施設の新規は、当初していた二つどころか、七つにも八つにもふえる計画となってしまう。まさに箱物行政の復活のオリンピック計画になってきたといわなければなりません。改めてそれぞれの競技施設の配置図と施設整備費を明確にすべきです。お答えください。

○中嶋参事 先ほど、国内選考時のJOCの評価委員会のお話がございましたが、一言申し上げさせていただきますと、今回の申請ファイルにつきましては、JOCとも随分協議した上で策定して、IOCに提出しているものでございます。
 また、今後詳細な配置図等ということでのご質問でございますけれども、私どもとしては、十一月の開催基本計画におきまして、大会全体にかかる競技施設の整備費の現在の見込みとして、恒久施設が二千四百六億円、仮設整備費が八百四十三億円という一定の見込み数字を出してございます。こういったことで全体図を示すことで、私どもとしては、オリンピック招致に対する都民、国民の皆様への説明というものは十分してきているのではないかというふうに考えてございます。
 また、その上での個々の競技会場の施設整備費についてでございますが、これも先ほどご答弁申し上げましたように、今後、国際舞台になってまいりますと、各国際競技団体が現地を見たり、あるいは図面を見ながら、我々と協議しながら、最終的に、IOCに勝てる競技計画をつくっていくという今度のステージがございます。こういった意味では、個々の競技施設の整備費については、その中で当然変動があり得るというふうに考えてございますので、今この段階で個々の競技施設の整備費の規模を詳細に議論すること、これは余り意味がないのではないかというふうに考えてございます。

○松村委員 都民の税金を多大に使い、その是非が問われているんですよ。あなた方が勝手に使えるというものではないわけですね。
 しかも、先ほどトータルでは過少な数字を出しているんですよ。私は過少としか思えません。そういう数字を出しているんだったら、積算根拠があるわけです。現時点の配置図を出し、それぞれにかかわる施設の経費をきちっと示すのが当然じゃないでしょうか。国際競争に勝てるんだ、勝てるんだ。そのためには都民に、そういう税金の使い方の問われるこの問題について、ひた隠しに隠して進めていくやり方というのは許せないと思います。

 また、このような箱物施設がふえれば、当然その後の維持経費も膨らんで、都民負担になります。どう見込んでいるんですか。

○中嶋参事 競技施設の構造や規模につきましては、繰り返しになりますが、今後詳細を詰めてまいりますので、大会後の維持管理につきましては、それらが決まった後、詳細に詰めてまいりたいというふうに考えております。

○松村委員 それらを含めて、オリンピックにかかわる費用についての全体図を一刻も早く都民に明らかにするように求めておきます。

●招致経費も3倍に水ぶくれ
 次に、招致経費について伺います。
 申請ファイルに招致経費が記載されています。招致経費についての招致本部の考え方が整理されたとして、説明を受けました。先ほども予算概要の表の話が出ておりますので、改めて説明いただいた資料をもとに、私どもこの表を作成したので、これをごらんに入れながら質問いたします。
(パネルを示す)
 まず、開催概要計画書では、招致経費、一番下にトータルを書いておりますけれども、開催概要計画書では招致経費とムーブメント推進経費、これを合わせて五十五億円、これは全部含まれていたんですね。そのうち招致本部の実施分、これが十五億円、それから招致委員会の実施分、これは四十億円というふうに出されていたんですね。
 それが、今度の新たな考え方が示された中で、百五十億円ですよね。招致本部実施分が七十五億円。招致委員会実施分七十五億円といっても、そのうち二十五億円を都が出す。招致本部を経由して、都が直接の補助金で出す。百億ですよ。結局百五十億、そして、そのうち百億が都負担、それで民間が五十億というふうになりましたけれども、なぜ百五十億円必要なのか、お聞きします。

○並木企画部長 概要計画書における招致経費五十五億円でございますけれども、開催概要計画書策定時には、IOCなどからの情報も少なく、他都市の状況、例えばロンドンなどの申請ファイルを参考にしまして、基本的な部分、五十五億円と見込みました。
 その後、東京都では、オリンピック、パラリンピックの開催に向けまして、さまざまな活動を展開する中、政府の閣議了解がなされるなど、オリンピックの招致が、都はもとより、国家的なプロジェクトとなってまいりました。
 これらを踏まえまして、今後、海外有力都市と熾烈な競争を勝ち抜きまして、傘下の区市町村の強力なご支援をいただく、こういったことから、改めて必要な経費を算定いたしました。
 その結果、先ほど委員のご指摘もありましたように、オリンピック招致本部実施分が七十五億、委員会実施分が七十五億、うち二十五億は都の補助となったわけでございます。

○松村委員 ならば、申請ファイルで百五十億となぜしなかったのか。招致経費を五十億で、そのうち都が三十一億、招致委員会二十億円と、このように記載されておりますね。
 百五十億かかるんだったら、きちっとそのことを申請すべきじゃないですか。

○並木企画部長 申請ファイル上の招致経費でございますけれども、先ほどもご説明をさせていただきましたけれども、IOCの立候補受付手順書には、招致予算に盛り込むべき具体的な予算項目、詳細は示されておりません。
 東京都は、国内招致活動などオリンピズムの普及啓発にかかる経費は、オリンピックの開催の有無にかかわらず、活動そのものが長期的な利益をもたらす、こういうことから招致予算には含めず、先ほどご説明しましたが、IOCが求めている大会計画の策定経費、それからIOC委員の賛同を得るための国際招致活動経費及び立候補申請料、こういった合計五十五億円を招致予算としたものでございます。

○松村委員 今度の答弁では、IOCがそういう基準というか、それを示していないから、何をやってもいいというか、どういう形でやってもいいということで、都の考え方で今までは五十五億円で一体だったのが、分けたと。
 しかも、先ほど来の答弁もそうですけれども、ひどい話じゃありませんか。オリンピックの開催の有無にかかわらず、これが遺産として残ると。冗談じゃないんでしょうか。賛成世論を高めるためにそういうキャンペーンをやる、その費用ですよ、多くは。開催がだめになったら、何でそれが残るんですか。全くおかしな、今盛り上がらないから、ますますそういう予算を本当に投入するという、これはひどい話だというふうに思いますし、もちろんこうした招致本部や招致委員会だけではなく、他局の予算も、先ほど資料も出されましたけれども、どんどん膨れ上がってくる。そういうことを考えたら、際限のないオリンピック招致ということになりはしないでしょうか。
 他都市でも同じようなやり方をしているのか、大阪の招致経費は四十八億円と聞きますけれども、ムーブメント費も含めたもので、まさに東京の場合、異常な金をかけたやり方になっているというふうに思います。

●民間資金集まらず、招致活動は今から借金まみれ
 もう一つ、じゃ、民間資金はこれまでどのぐらい集まったんでしょうか。

○並木企画部長 招致委員会におきます民間企業からの寄附金、賛助金につきましては、既に現在協力をいただいているサポート企業等につきましては、新聞、プレス等で発表いたしているところでございます。
 その他の企業と団体、現在最終調整を行っている状況でございます。したがいまして、現時点では、資金調達の戦略上のことから、金額を公にすることは控えさせていただきます。

○松村委員 いえないということは、集まっていない裏返しであります。この表で見ると、結局招致が決まるのが来年の十月ですよね。昨年の九月から来年の十月までの招致経費予算ですよね。これが百五十億円と。その年度ごとの経費を私は出してもらって、手持ちで持っております。これを見ますと、平成十九年度、二十六億円なんですよ、招致経費とムーブメント推進経費を合わせると。ところが、東京都の予算では、一億と六億、七億ですよね。しかも、最終補正で、これからやるから、七億出されております。どこかはいいません。これは今度の補正予算ですからね。それを含めたとしても、十三億円でしょう。ところが、皆さん方では、二十六億、平成十九年度使った招致経費とムーブメントをやっているというんですよ。
 もう今、二月に入ります。二月、三月と。あとの十三億円、これは全部民間資金ということですか。しかも、そういう資金が当てになっているのかどうかわからない。予算は七億、しかも今度の補正を入れたって、十九年度は十三億しかないんですよ。ところが、皆さん方は二十六億の事業をやるという。予算もないのに事業を執行しているのですか。その資金手当てを含めて、これらについてもお答えいただきたいと思います。

○並木企画部長 オリンピック招致活動経費につきましては、東京都招致本部と招致委員会と、こちらの役割分担に基づいて、今まで事業をやってまいりました。具体的には、申請ファイル、立候補ファイル等の国際的な招致活動、全国による啓発事業の推進など、これは委員会で行う。都のほうは招致委員会が円滑にできるよう実施していくということでございまして、今までの事業につきましては、その性格につきまして、本来都がやるべきものを委員会が代替する、それから補完するということで、役割分担を見直すということで、今回補正を行うものでございます。

○松村委員 そんなことを聞いているんじゃないんですよ。、予算が再度の補正を見ても十三億円しかないのに、何で二十六億円の予算執行をやるんですかと。それは民間から、先ほどお答えありませんけれども、あと十三億円は集まって、そして、事業をやっているということなんですか。端的にお答えください。

○野村委員長 松村委員に申し上げますが、予定時間が経過していますので、おまとめください。

○並木企画部長 平成十九年度の補正前の事業実施でございますけれども、招致委員会分につきましては、民間企業によります資金、こういったものが集まらない場合につきましては、借り入れ等ございます。こういったもので今まで事業をしてございまして、こういった事業を後ほど振りかえるものでございます。

○松村委員 これも恐ろしいものですね。予算が見込めないのに事業をやって、その分は借り入れでやっていると。結局民間が集まらなければ、本当にこの招致経費もとめどもない都の負担。下手したら百五十億、そのままそっくり都民の税金を使わなければならないような事態も、万が一というか、本当に出てくるという、これをやはり都民の前にきちっとしなくて、勝つためだ、勝つためだということでどんどん進めていくようなことは絶対許されないというふうに申し上げ、環境問題はちょっともうないので、最後に一言だけ、
 安藤忠雄氏が基本計画発表会で提案した計画は、どこでオーソライズした公式なものであるのか、招致本部の見解を伺って、私の質問を終わります。

○中嶋参事 安藤忠雄氏を中心といたします、いわゆるオリンピックのグランドデザインチームにつきましては、オリンピックの招致委員会に設置されておりまして、この招致委員会の決定のもとに、今回発表したものでございます。

●都民そっちのけのオリンピック・キャンペーンの異常な実態

○曽根委員それでは、一時間の残りの時間の範囲内で、私からも何点か簡潔に質問したいと思います。一時間の範囲内で、残り時間で質問したいと思います。
 まず、最近の知事を初めとした都の動きを見て、率直に聞きたいんですが、東京都政にとって一番大事なのは、都民のことなのか、オリンピックを呼ぶことのほうが大事なのか、どっちなんでしょうか。

○中村招致推進部長 お答え申し上げます。
 我々の意識といたしましては、どちらも大事だと認識しております。

○曽根委員 都民のために本当にオリンピックは役立つ、活性化になるんだというんだったらば、私はほかにやるべきことが山のようにあるはずだというふうに思います。
 例えば昨年の都民意識調査でも、都政に対する要望の第一は治安であり、高齢者、医療、防災となっております。しかも、「これからの暮らしはどうか」という質問に対して、毎年じりじりと「これから悪くなる」という方がふえまして、昨年九月の調査では、「よくなっていく」「楽になっていく」という人が三・九%しかいないのに、「苦しくなっていく」と、考えている人が四○・六%という状況です。
 こういうときに、東京都が東京オリンピックで夢をもう一度ということが通用するのかどうかが、私は厳しく問われていると思います。オリンピックだとか、また「十年後の東京」で盛り込まれた一体のインフラ整備など、私たちの試算では総額九兆円にも及ぶような投資に膨らんでいきかねない。直接の招致経費だけでも、今松村委員が質問したように百五十億円、加えて生活文化スポーツ局などでオリンピック対策のさまざまな予算が、「十年後の東京」の中にも五十五億円盛り込まれています。
 これに対して、知事の公約の都民減税とかもやめちゃいましたし、中学校までの医療費無料化とか、福祉の公約が幾つか先送りになっているという現状で、率直にいえば、都民が本当に求めている施策よりも、とにかくオリンピック招致というふうになっていやしないかということを、まず問題提起をしたいと思うんです。
 ちょっと具体的に聞きたいんですが、若い世代の夢を育てるとか、都民スポーツを育てることがレガシーになるんだというふうに、今度の申請ファイルにも書いてありますね。
 しかし、都民の、若者の状況を見ると、とにかく就職しても半分ぐらいアルバイトになってしまうとか、月十万前後の収入の方が多いとか、正社員になってもゴールデンウイークあたりでもう疲れてやめちゃうとか、暮らしで手いっぱいだという声を、私は多くの都民から聞くんですけれども、こういう中で、じゃ、その若者、ワーキングプア問題は何をやっているかといえば、例の低所得者安定プログラム事業ですけれども、これが、はっきりいえば、オリンピックにかけている人、物、金に対して、直接の給付時二十億円弱しかないし、窓口の区市町村はいまだに実施の見通しが立っていないという状況で、率直にいえば、どっちに力を入れているのかといえば、オリンピックのほうに都民そっちのけで力が入っちゃっているんじゃないかという実態を感じるんですが、どうですか、オリンピック本部として、そういうふうに都政全体から見て、思いませんか。

○並木企画部長 今回、昨年策定いたしました開催基本計画の中にも、二○一六年の東京オリンピック、パラリンピックは地球社会の贈り物ということで、目の前でアスリートの最高の力を発揮した姿を見て、子どもたちに夢と希望を与える、そういったことから、都の施策の中でも、例えば「十年後の東京」の施策の中でも必ず関連してくる、大きな事業だと考えてございます。
 したがいまして、オリンピック招致の事業に全局を挙げて取り組むことは、東京都の最重要課題との認識でございます。

●オリンピック招致おしつけで捻じ曲げられた「新元気出せ」事業
○曽根委員 招致本部だけじゃなくて、全局を挙げてオリンピック招致に全力を挙げると。
 先ほど、都民のことも両方大事だというふうにいいましたけれども、実態としては、オリンピック招致の名前で、いろんな事業を各局がやらざるを得ない。その中で、本来の都民のために使われるべき事業がゆがんできているというふうにいわざるを得ない問題について、具体的に聞きたいと思います。
一つだけ取り上げたいんですけれども、一つは、新・元気を出せ商店街事業の予算を使った商店街のフラッグのことです。かなりたくさんつくって、商店街におろしたようですけれども、どれぐらいの枚数をつくって、だれが費用を負担したのか、総額でどれぐらいになるのか、教えてください。

○中村招致推進部長 フラッグの枚数でございますけれども、約二万三千枚でございます。
 また、掲出商店街数ですが、百を超える商店街と九つの区の商店街連合会が実施しております。
 なお、総額につきましては、当事業は補助事業でございますので、額は確定していないため、お答えすることはできません。

○曽根委員 商店街には負担を負わせないで、都が本部とそれから産労局の予算の中でやったという話ですが、しかし、確かに元気を出せ商店街事業の予算が残っている、これを使えということで、一億円以上になりますね、二万三千枚ということになれば、これがいわばこの事業に使われたわけですけれども、本来、今商店街は数がどんどん減ってきて、地元負担があるわけですね、元気を出せ事業は。それを負ってまでこの事業を活用したいという商店街も限られてきているわけですよ。
 ですから、複数回数使わせてほしいとか、地元負担をなくしてほしいという声がやっぱり出ているわけですね。そういう方向に元気を出せ商店街事業も活用していくのが本来の姿であって、東京都から企画を持ち込んで、たとえ都が負担しますといっても、上から押しつけるやり方は、この事業をねじ曲げるものですよ。

 しかも、十一月から十二月にかけて、これがクリスマスとか年末セールの大売出しのキャンペーンの時期にぶつかったために、商店街独自ののぼりや横断幕と競合したという声もたくさん聞いています。本来、商店街から企画を出して助成を受けるという点に反するといわざるを得ないと思うんです。
 しかも、このフラッグを今度の夏の招致の候補の決定の時期だとか、さらに来年、五都市に選ばれれば、IOCが東京を訪問する。その時期にもまたかけさせるということまで計画があるというふうに聞いたんですが、事実ですか。

○並木企画部長 元気を出せ商店街の各事業でございますけれども、実は私も、商店街のイベント等に実際に顔を出しまして、その状況を見てきますと、商店街の皆さんからは、非常に活気が出ていいというおほめの言葉をいただいたのも事実でございます。
 それで、ことしの六月以降につきましては、今のマークが今度は五輪を使った新しいマーク、今準備中でございますけれども、これに変わります。この機に、また商店街の皆様と一緒に招致機運を盛り上げるということで、新たな取り組みを考えているところでございます。

○曽根委員 元気を出せ事業は、先ほどからいっていますように、あくまで商店街が企画して、それに対して支援をするという事業であって、上から持ち込むのはやっばりおかしいといわざるを得ませんし、それから、さらに繰り返し、それを一定の時期を決めて、商店街にその時期にかけさせるという事実上の押しつけになっているんですよ。
 商店街は行政からいろいろ面倒を見てもらっているのは事実ですから、断れるものじゃありません。自由な意思なんていうのは、そう簡単に表明できないんですよ、それは署名と同じですけれども。
 都内の小さい商店街ですけれども、このフラッグをおろされたときに、街灯に横腕がない。横腕がないから、かけられないんだけれども、わざわざ商店街がお金を出して横腕をつけて、それでかけたというところもあるんですよ。
 だから、商店街って本当にまじめで、行政がこういうふうにしたいといったら、いろいろあっても、まじめに従ってきているんですよ。しかし事業費が年間百万円もないような商店街の中で、十数万円もかけて腕木をつくらせて、それで協力させる。厳しいですよ、商店街は本当に。
 そういう中で、商店街の期待、信頼にこたえるだけの招致活動をやっているのか、まじめに、本当に都民のためにオリンピックをやろうとしているというふうには、先ほども計画を松村委員から指摘したように、なっていないという実態を私はいわざるを得ないと思うんですよ。

●世論調査の公平性を欠いたやり方
 それから、その一つの問題点として、私、世論調査について、先ほどもう各都市との比較はありましたので、それについては省略しますが、少なくともこれだけキャンペーンを東京都が一生懸命やっても、支持が六割だった。しかも、東京のほうが支持が低いというのは、都民の目は厳しいということ、全国よりも東京都民のほうの反応が厳しいということを率直に見なければならないと思います。

 大体インターネットを使ったものは限界があるというのは、四定でも私たち指摘をしました。率直にいって、中身について、一回に三千、二回で六千、回答を得たといいますが、一体どれぐらいの人に依頼を出して、回答率がどれぐらいだったのかということも公表されていない。これぐらいは少なくとも公表していいんじゃないですか。いかがですか。

○中村招致推進部長 今回の調査は、ビジュアル・アナログ・スケールという独特のインターネット調査を行いました。この調査は、委託いたしました日本リサーチセンターにモニターとして登録している約二十一万七千人の中から、都内や全国の人口構成や男女比を反映するよう、無作為に抽出し、回答をお願いしたものでございます。
 調査については、東京二千名、全国六千名という十分な標本数が得られるまで実施したものでありまして、回答率という形でこれをはかるものではございません。

○曽根委員 この会社には二十万ぐらいの登録があるというふうに会社のホームページに出ていましたけれども、その全部に依頼を出したわけじゃなくて、全国をブロックに分けて、人口比になるように、男女比になるようにということで、そこからピックアップしているわけですよね。もともと登録者自体が二十代、三十代が六割を占めるという、明らかに若い世代、インターネット利用世代に偏った登録者の中で、しかも指名して、個別にピックアップして、依頼を出しているんですよ。で、回答が六千になるようになっているんです。一体どれぐらいの人に出したのかわからないと、要するに無関心度が見えないわけですよ、今の発表の仕方では。
 少なくとも生の回答者の声だとか、一体どれぐらいに出して、回答率がどれぐらいあったのかというのは、普通の調査だったら、新聞でも全部出していますから、これぐらいは、今ないんだったら、近く出していただきたいんですが、いかがですか。

○中村招致推進部長 今回の世論調査につきましては、科学的な実証に基づいて実施していると我々は認識しております。
 なお、回答率などなどという問題もございましたけれども、こちらにつきましては、調査のやり方等が科学的であるという形で、我々はこれを進めていると認識しております。
 また、先ほど委員のほうから、公表したらどうかということがございましたけれども、調査の項目につきましては、先ほど答弁いたしましたように、今後公表を検討してまいります。
 以上でございます。

○曽根委員 時間ですので、これぐらいにしておきますけれども、ただ、今お話があって、科学的で公平性があるというふうにいいますが、これは無作為抽出じゃないんですよ。インターネット会社が直接割り振らなきゃできないんですから。個別に指名して、依頼を出しているんです。
 それから、これは私、会社の方に直接聞いたので、間違いないんですけれども、謝礼が出るわけですよね。それも、幾つかのメニューからインターネットで選んで、好きなものを選んでもらって、プレゼントするわけです、謝礼を。数百円程度のものだと一生懸命強調していましたけれども、会社の人は。明らかに主催者は東京都、その依頼を受けて、調査会社がやる。謝礼が出る。公平ではあり得ないんですよ、この調査は。はなから賛成が多くなるようにシステムができているといわざるを得ないし、会社のホームページにも、代表性に問題があるということは、インターネット調査の限界として認めているものであります。
 したがって、私は、都民の賛成、反対でいえば、厳しい目線があるということを受けとめるべきだし、招致経費の問題にしても、それに伴うさまざまな投資の計画にしても、いいかげんな浪費の計画をやめて、本当に都民に必要なものという点での抜本的な見直しが必要です。
 オリンピックの招致計画は白紙撤回し、もう一回本当に都民の意見を聞くべきなんですよ、ということを申し上げて、質問を終わります。

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