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2008年3月14日財政委員会質疑

障害者への自動車課税強化を批判
都税現場であってはならない偽装請負が

●障害者の自動車購入に課税強化

○曽根委員 私の方から、まず最初に、この間報告されました自動車税、自動車取得税の障害者減免の見直しについて、何点か質問したいと思います。

 最初に、いただいた資料の最後の方にある代替時の減免の適正化というところについてお聞きしたいんですけれども、一年以内に車を買いかえる場合については障害者の課税減免はしませんよという制度で、今、自動車取得税、年間何千件くらいか、そのうち、これでもって課税減免が受けられなくなる方が何件くらい出てくるのか、これを導入する理由は何かということをお聞かせください。

○安田課税部長 まず、自動車取得税に関して、減免申請受け付けでございますけれども、平成十八年度、約七千件ございます。一年間に一回ということで、今回、見直しを考えているわけでございますが、このうち今回の代替取得時の減免の見直しによる制限を受ける方、二、三件といった状況でございます。
 見直しの理由でございますけれども、新規で減免車ということで登録されて、それを即時、移転登録をされる、そうした場合、、価格が大幅に減価されるといったことにより、実際上どういった理由かというのは、私ども、承知はいたしませんけれども、特定のディーラーによる、そういった価格が大幅に下がるといったことを利用されるものが、不適切な運用がなされているのではないか、そういった理由によるところでございます。

○曽根委員 二、三件の対象をはじくためにとりあえず導入すると。そうすると、二、三件というのは、大体実態のない新車を実態のない人に障害者名義で買わせて、それを直ちに転売する、そうすると、新車なんだけれども中古車になるから、それで課税が下がってだれかがもうかるというようなことが二、三件占めているだろうというふうに考えているわけですか。

○安田課税部長 私どもはどういった意図でといったことは承知しておりませんけれども、今、先生がおっしゃられたようなことも不適正な運用ということでやられているのではないかなということで、今回、見直しを考えているわけでございます。

○曽根委員 全く素人の推定ということになりますが、この制度の改定を行っても、今、私が紹介したような悪質なやり方はなくせないんじゃないかと思うんです。つまり、障害者の方が買いますよね。それを転売する相手は別の方ですよね。障害者の方が次に、一年以内にまた買って転売すればチェックできるけれども、ただ転売するだけだったらば、それはチェックされないんじゃないかと思うんですが、いかがですか。

○安田課税部長 先生がおっしゃったような悪質なディーラーによるやり方といったことは、それも今回の理由の一つでございますが、ただ、一年以内の買いかえといったことも、中には趣味で買いかえられる方もいらっしゃいますし、その買いかえる利用目的は、私どもは関知するところではございません。
 ただ、こういった買いかえ特例、買いかえ制限といった形が、事実上、仮に利益を得る目的でやっている、そういったディーラー等があれば、相当な程度、警告、また、そういった行為が自粛できるというふうに考えております。

○曽根委員 この制度についていえば、そういった悪質なケースが目立つということが、まず理由の筆頭に挙げられていたので、本当に悪質な人だったらば、障害者といえども、免許を持っていなくても車は買えるわけですから、名義を借りて、一年間は別にその人が買いかえなければわからないわけですから、幾らでも−−意図的にやればですよ−−やりようがあるなというふうに思いますので、これでもって、いわば不適正な利用をなくすることはできないと思うんです。
 同時に、もう一方で考えればこういうやり方というのは、ディーラーの探い関与抜きには事実上困難だと思いますが、要するに自動車販売業界に対して要請なり指導なりをしてきたことほあるでしょうか。

○安田課税部長 先ほども申し上げましたとおり、年間二、三台ということで、大体ディーラーも特定されているわけでございます。したがいまして、業界団体に対する指導性あるいは指導といったととは現時点で必要があるものとは考えていないところでございます。
 今回の措置によりまして、まずはそういった不適切な運用を自粛していただくということが第一点、大きな点がございますけれども、今後とも、今回の見直しによって状況を注意深く見守りながら、必要に応じて適切な対応をしてまいりたいと、このように考えておるところでございます。

○曽根委員 税というのは、基本的には公平にかけなげればならないものですから、こうした一部の部分であれ、制度で規制をかける場合は慎重でなければならないと。この制度をとったとしても、私にいわせれば悪質なやり方を根絶することはできないと同時に、業界の指導もまだやっていないということであれば、年間数件の話でもあるということで、まず業界の指導、要請じゃないかなというふうに思わざるを得ません。
 そういう点からいうと、本音のところは、毎年、一年以内に買いかえるような、いってみれば趣味の世界、ぜいたくの世界を障害者の名義でやっている、そういうことに対しては税金をかけてもいいんじゃないのと・・二回目からは・・そこに本音があるのかなというふうに思えてならないわけです。
 それで、お聞きしますけれども、こうした自動車取得税の免税の対象になっているのは障害者以外にありますか。

○安田課税部長 自動車税、それから自動車取得税、こちらの減免でございますけれども、下肢等障害のある方に対する減免、このほかに公益減免ということで減免をしてございます。例えば、具体的に申し上げましたら、公益のために直接専用するということでございますけれども、社会福祉法人が所有する自動車、あるいは−−今のは自動車税についてでございますけれども−−自動車取得税につきましては、日本赤十字社の救急自動車、こういったものを減免してございます。

○曽根委員 赤十字社の救急車なんかは当然だと思います。個人が買うものとして、私の記憶では、在日アメリカ軍及び家族の自動車取得税は免税対象じゃなかったかなと思うんですが、いかがですか。

○松田税制部長 米軍の構成員が所有しております自動車につきましては、日米地位協定に基づきまして、税率が特例としています。ですから、額は違いますけれども、課税はされているところでございます。

○曽根委員 免税じゃなくて減税だったわけですか。今回、障害者のみを対象として、アメリカ軍関係者の自動車を対象にしないのはなぜですか。

○安田課税部長 今回の見直しは、いわゆる障害者の方が日常の足がわりとしてご利用いただいている、そういった、されている車につきまして、現在すべて、金額減免という形で実施させていただいでいるところでございます。
 ただ、実際に障害者の方がご利用いただいている自動車の中には、いわゆる高級車、そういった自動車も含まれているところでございます。ただ一律にこれらの車を減免するといったことは、減免制度の適正、公平な運用の観点からは疑義があるのではないか。そういう観点から、一般の納税者の方との税負担の均衡を図る、そういった観点から実施させていただいくということで考えてございます。

○曽根委員 私は悪質なケースというのが非常に気になったので、ただしてみたんですけれども、そういう意味では、これは決め手にならないということと、それから、私の紹介したような悪質なケースをもし是正するのであれば、例えば新車であっても、実態は新車なのに、買いかえた途端に中古車扱いになって課税がバーツと下がると、取得税の課税標準額がいわゆる簡易課税方式になっていることも大きな原因の一つで、これは全国的にやっていますから、東京だけが変えるという簡単なものじゃないにしても、そちらの方を何とかする、実態に合わせていくという努力もあってしかるべきじゃないか、障害者の方の課税負担を重くして規制をかけるというやり方じゃなくて、さまざまな方法があるだろうというふうに思います。

 それからもう一つ、こっちの方が本体といいますか、影響が大きいんですけれども、三百万円以上の車を障害者の名義で買う場合に、三百万円を超えた部分については免税しませんよと。これの影響は、自動車税ですか。取得税と自動車税ですね。年間どれぐらいの件数が、免税対象があって、その中でどれぐらいのパーセンテージの方がこれの制度にかかってくるのでしょうか。影響を受けるんでしょうか。

○安田課税部長 自動車税でご説明させていただきたいと存じますが、平成十八年度の課税実績で申し上げますと、全体の課税台数、約三百二十五万台ございます。このうち障害者減免ということで減免させていただいております台数は八方六百七十九台ございます。
 このうち、今回の上限を設けさせていただくということで対象となる車、これは総排気量が二・五リットルを超える自動車でございますが、これが、減免車、先ほど申し上げました八万六百七十九台のうち一万二千七百四十七台でございます。率としては一五・八%でございます。

○曽根委員 意外と割合が高いなというふうに思うんですね。こちらの方は、不適正なやり方というよりも、まさに障害者の名義があるからといって、高級車ですか・・・三百万円以上の・・・そういう車に乗っているんだったら担税能力があるだろうから、その部分はかけさせていただきますよという、税の公平化ですか、そういう考え方だと思うんですけれども、重度の障害の家族がいたり、また、本人が乗っている場合で、どうしても大きな車でなければ、車いすごと、もしくは人工呼吸器などを積んで移動できないという場合に、やむを得ず大型な乗用車を買うことはあると思うんですが、そういう場合の実態を見た上での例外規定はあるんですか。

○安田課税部長 今回見直しをした、二・五リットルを超える自動車について一定のご負担をいただくという、そのそもそもの考え方でございますが、一つは、自動車税の減免制度、これはもちろん障害のある方々が日常生活において足がわりとして自動車をご利用される、そういった必要不可欠性、社会参加を促進していく上での税制上の配慮ということで考えて、実施をさせていただいているわけでございますけれゼも、一般的に足がわりという形で認識される車は、通常、一・五リットルを超え二リットル以下、そういった車が実際上一番多いわけでございます。
 今回、その上のクラス、二リットルを超え二・五リットル以下と設定させていただいた理由の大きな一つは、今、先生のお話にございました車いすを使用されている方々、この方々も利用可能なスペースが確保できる、そういったことを種々勘案すれば、二・五リットルまでは、やはり必要な足がわりとして当然認めるべきであろうということで、今回、そういった形で考えているところでございます。(曽根委員「例外規定は」と呼ぶ)
 失礼いたしました。二点目の例外、恐らく、障害者の方のためにリフトであるとか、そういった特殊な改造をされるといった例であろうかというふうに存じます。いわゆる8ナンバーの構造減免車、障害者の方のための専用で改造された、そういった車につきましては、今回の見直しの対象にはしておりません。全額減免をさせていただく。ただ、そういった8ナンバーの構造車に至らないけれども、一部構造を変更されている、そういった方々には三百万円プラスその改造費、そこまでを、自動車取得税につきましてでございますけれども、減免の対象とさせていただく、このように考えているところでございます。

○曽根委員 本格的な8ナンバーはともかくとしても、普通の車でも、改造してリフトなりをつけるとなれば、安くても数十万円、百万円単位でかかり、本格的になれば数百万円の改造費が要ります。そこまでお金が出せない方が大多数ですから、できるだけ大きくて車高の低い車を買って、自宅の前でスロープを何かうまくつくって、車いすを押し上げて乗せて運ぶという方が、私の知る限り圧倒的です。改造費まで出ないんですよ。そういう方については、三百万円を超えるという場合には減免がそこで切られるということで、私は、一部例外規定はありますけれども、もう少しきめ細かく、もしぜいたく・・・余りにもだれが見てもぜいたくだとか、障害者が使ってないとか、乗せていないと、全く関係ない使い方をしているとかいう、一部の、だれが見てもちょっとという、眉をひそめるような使い方を排除するためにやるんであれば、障害者の、やむを得ず大型の使い方をせざるを得ない障害者の本人や家族の方がこの制度で迷惑を受けないような、影響を受けないようなきめ細かい対策は、やはりやっていただきたいと。それは難しいでせよ。難しですけど、やっぱりそこまで踏み込んで、規制をかける以上は、そういった実態に合わせた課税を、障害
者の分野は特にやっぱり心がけていただきたいということは申し上げておきたいと思います。

●都税事務所での偽装請負の実態について

 時間の関係もありまずので、次のテーマにいきます。
 昨日の予算特別委員会で古館和憲委員から、東京都の都税事務所の個人事業税関係資料の閲覧及びコピー、この業務の委託が偽装請負になっているという問題提起をいたしました。これは重大な問題なので、事実関係をきちっとしておかなければならないと思います。

 きのう、残念ながら時間の関係で使い残した資料もありますので、きょう、私がちょっとそれも引き継いでやらせていただきたいと思います。
 これは、質問に入る前にお断りしておきますけれども、いろいろ主税局の方からも事情をお聞きしまして、昭和四十年代の初期から・・・国の制度でしょうね、これは・・・確定申告を出せばそれが地方税の課税資料としても使えるよと。納税者本人にとっては大変助かる制度ですよね、これは・・都税事務所としても、コピーをとるだけで、本人から改めてまた資料提出を求めなくても、コピーでもって処理できるわけですから、これは非常に効率がよくなるという面はあると思います。したがって、これは必要な作業だと思います。当時は、コピー機なんていうのはありませんから、マイクロカメラというものを使っていたと。そういったものは特殊な機械ですから、恐らく使える人は限られていたし、業者も限られていたでしょうから、今日のようなだれでも使えるコピーによる作業というのとは全く違った様相で作業がされていただろうと思います。その段階の違法性は、私たちの知るところではありません。

 しかし、コピー機が普及して、だれでもコピーができるようになったこの時代に、引き続きこのやり方でずっとやってきているために、もう請負会社の方は、自分のところで作業員をつけなくても、だれでもいいわけです。ある意味ではね。普通の人ならコピーできますから。そこで、人材派遣会社にこの作業員をお願いして、フジスタッフというところの派遣の方が来ているという例があるということは、きのう紹介しました。
 その請負会社は、東芝ビジネス・アンド・ライフ、という会社なわけです。これが都内の都税事務所の約半分を担当しているわけです。残り半分は、キリスト教奉仕団という福祉の関係のところだと聞いていますが。
 私たちが問題にしたのは東芝の方で、それというのは、東芝の請負った作業場で働いている労働者の方から、これはもう偽装請負であり、二重派遣ではないかという率直な訴えがあったわけなんです。公的なといいますか、まさに東京都そのものの仕事としてやっているところで、もしこういう違法行為が事実であれば重大なことですので、私たちは事実をたださないわけにはいきません。
 昨日のやりとりの中で、それは違法か違法でないかという論議がありましたので、きょうの私の質疑については、速記がきちっと固まり次第、この内容については、東京労働局に持っていって判断を仰ぎたいと思います。ここでいろいろ論争しても、やっぱり決着はつかないだろうなと思いますので、そういう形にさせていただくと。
 ですから、きょうは客観的に事実関係を明らかにして、お互いにこういう考え方だよということを出し合っていきたいと思います。
 それで、最初にどこのだれかという話がありましたので、それは後できちっとやりますけれども、まず、きのうちょっと使い残しました仕様書のことについて、これは個人個人の問題ではなく、東京都が東芝に対して、こういう仕様でやりなさいということの・・・契約の一部といっていいですよね・・・仕様書になっているわけです。その中から、やはりここは問題だよと思うところを二カ所、線を引いてピックアップしてあります。

 まず、上の方で委託内容そのもの、ここに「東京都の職員が指示する個人事業税に関する資料を受託者負担により設置する電子複写機・・コピーですね・・コピー機を使用してプリントする際の補助作業を委託する」んだと書いてあります。
 それで、線が引いてある、職員が指示する課税資料・・この職員が指示するという中身は、どういうものを指しているんでしょうか。

○安田課税部長 コピーを業務委託しているわけでございますが、何をコピーするかといったその判断については当然、当局の職員が判断するわけです。したがいまして、それがなければ、受託した事業者の作業員の方もコピーが全くとれないというわけでございますので、例えていえば、その時点で、この書類をコピーしてください、こういう依頼が、いわば発注といったことに当たるのではないかなというふうに考えております。

○曽根委員 つまり、職員が指示するということは、職員がたくさんの確定申告の書類の中から個人事業税を課すべき人の資料を抜き出して、これを渡すということが、これが発注なんだという解釈でよろしいんですか。もう一度確認しておきます。

○安田課税部長 もちろん発注というのは例えで申し上げたわけでございまして、当然、契約行為そのものが発注なわけでございます。ただ、協議の点でいえば、例えていえば、コピーをするその書類、それをこの台の上に置きますよという、つまり当局職員が行う仕事はそれでございます、こちらから先は委託業務の範疇でございますといったことを確定する作業というのを、例えていえば、あなたの行っていただく仕事はこういう作業であるというのを、今、例えで発注といったわけで、作業する方の業務を確定させる行為であるというふうに考えております。

○曽根委員 そういうことですよね。これは厳密にいえば、発注というのは契約で行われるのであって、現場でのいわば指示の確定、東芝側からいえば、どの文書をコピーするのかがわかるのは、最終的には現場での都税の職員からの、この資料を、これをコピーするようにという、これが出ない限りは、どれをコピーするかわからないわけですから、この時点で指示が完結するわけですね。それが、東京都の職員が指示するという意味ですよね。

 これが(資料を示す)、東京労働局が発行したパンフレットをコピーして皆さんのところに資料を出しておりますが、発注者が業務の細かい指示を労働者に出したり、出退勤、勤務時間の管理を行ったりしている、偽装請負によく見られるパターンですという、「代表型」そのものだと思うんです。 つまり、業務上必要な・・・都の職員が指示すると書いてあるんですから・・・まさに指示である、これが業務上必要でないということはいえないでしょうし、これは指示だと書いてあるんですから、まさに現場で都の職員が指示をしているという、これ自体が、どう見ても偽装請負の代表型にならざるを得ないと思うんですが、いかがでしょうか。

○加島総務部長 曽根委員の質問にお答えしますが、あくまでも作業場所において都の職員の指示というのは、受託者に対してです。現場の作業着に対して行うものではございません。

○曽根委員 受託者が相手であっても、作業現場で指示を出せば偽装請負なんですよ。それは、下の方の線を引いてある部分にありますね。「作業場所においては都の職員の指示に従うこと」と。
 だれが都の職員の指示に従うかというふうに先日お聞きしたら、これは東芝の会社であり、具体的にいえば、東芝の会社を代表する、ここでの地区責任者というんですか、現場責任者であるというお話だったんですが、そうすると、東京都の職員は、必要があれば現場責任者にまず連絡をとって指示を行い、現場責任者はその指示を作業者側に伝えるというような関係があるから、これは請負委託であるというふうにいえるということですか。

○安田課税部長 私、勉強させていただきまして、ちょっとご紹介をさせていただきますけれども、昭和六十一年に旧労働省が告示として公表している基準、これは労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準というものがございます。ここの中で「労働者に対する業務の遂行方法に関する指示その他の管理を自ら行うこと。つまり雇用者がみずから行うことということで書いてございます。
 今の先生のご質問でございますけれども、私どもが委託している業務は、コピーをとってもらうという業務を委託しているわけです。当局の職員は、そのコピーのとり方、つまり業務の遂行方法、こちらの指示は何らしていないわけでございます。ただ、何をコピーをとるかというのは、そこまでは私どもの職員でなければ関与し得ないところでございますので、もちろんそういった業務を委託しているわけではございません。したがって、職員がこの書類のコピー・・・先ほどもちょっと申し上げましたけれども、あなたがとっていただく書類は、この分をコピーしていただくことがあなた方の仕事ですといった業務を付与して・・・付与というか、またちょっと言葉が、今、指示というのを、それはたまたま指示ということで仕様書には書いでございますけれども、あなたが遂行すべき業務はこういったことに関する業務でございますということで示している、それが指示という表現になっているということでございます。

○曽根委員 それは先ほどの質問の関係だと思いますが、現場責任者もしくは社の代表者・・・東芝の・・・その方を通じて指示を出せば、これは請負であるというふうにいえるんですか。

○安田課税部長 委託している業務は書類のコピーということでございますので、それをどういう方法で、またどういった順序でそれをコピーするかといったことにつきましては、事業者みずからの研修等でそういった教育をしている、そこで、ただ、実際上、ご案内のように、税務署という、そういった特殊な場所で働いているところでございます。先ほど、労働省の告示においても、安全管理上もしくは秘密保持上、そういった例外事項はあるといったことも設けられているところでございます。 通常であれば、当然、そういった地区管理者等にも指示する必要はほとんどないということでございますが、税務官公署の秘密保持上、入出場あるいはそういった秘密保持上要請が私どもの方に来る場合も、まれではございますが、ございます。そういったときは、地区責任者に直ちにそのものを伝え、必要があればその業者の責任と管理に応じて、作業員に業者の方から指示をしてもらうための、そういった例外規定ということで設けでいるところでございます。

○曽根委員 例外であっても、少数回数や部分的ではあっても、発注者側が直接作業者に指示をするのはもちろんのこと、業務の内容について、たとえ会社を通してであっても、指示をすれば、これは偽装請負になるんです。
 しかも、この作業現場が(「それは労働局に持っていかなきゃわからないでしょう」と呼ぶ者あり)そうです。なるんだと私たちは考えているということです。

 しかも、この作業現場はどういうところかというと、東芝の地区の責任者が不在であっても作業はできますが、都税の職員がいないことには作業は一歩も進まないと。つまり、この作業場というのは都税職員が主導している作業現場なんです。課税の資料というのはその日その日によって、国税の方も、どんどんどんどん、今、届いているところですよね、本人から申告で。ですから、日によって枚数も違うと。そこから個人事業税を抜き出して、その日の作業がたまたま早く終わることもある。その作業が早く終わるかどうか、この流れを見ながら判断するのは、都税の職員じゃなければできません。ですから、作業全体が都税職員抜きにはあり得ない作業ですね、これはね。どうしたって抜き取り作業があるんですから。地区責任者はいなくても作業は進むという、逆転したことになっているんですよ。
 そういうところで、都の職員が、きょうはもうこれぐらいで、作業はもうコピーするものがないから終わりにしましょうと、直接作業員にいうことはもちろんですけれども、地区責任者を通して、きょうはもう仕事がありませんから終わりにしてくださいというパターンも、いずれもこれは、結局は会社を通じて都の職員側の指示を伝えているだけですから、これは偽装請負なんですよ。
 このパンフレットにも(実物を示す)「形式だけ責任者型」というのがあるんです。「現場には形式的に責任者を置いていますが、その責任者は発注者の指示を個々の労働着に伝えるだけで、発注者が指示をしているのと実態は同じです。単純な業務に多いパターンです」と。これは偽装請負の一つのパターンなんです。これは国のつくった文書ですよ。(「と考えているんでしょう」と呼ぶ者あり)まあ、そういうことですね。そういうことにしておきましょう。

 ですから、このパンフレットは、ごくごく端的な例を四つ並べているものですが、「代表型」にも「形式だけ責任者型」にも・・・私、後でちょっと具体的に話しますが、「使用者不明型」、「一人請負型」にも何か近いところがあるなというふうに思うんですが、そういう要素は、この作業現場にはあるということをいわざるを得ないと思うんですよ。

 これは今、仕様書の範囲の話です。次に、実際の現場で働いている方の話なんですが、まず、昨日、直接指示を与えられているとかそういうことがあれば、その現場と本人の氏名を明らかにしてくださいというふうに、局長いわれました。しかし、これはとんでもない話なんですよ。今はもう時代は変ってまして、(資料を示す)公益通報者保護法というのがあるんですよ。公益にかかわる情報を提供した方に、不利益がこうむらないように、その人の身分を守るための法律がもうできているんですよ。こういう法律がありながら、名前を出せと・・ほかでも、銀行のほうでもありましたけどね・・こういうことを言うのは、この法律を知らないんですか。これは局長がお答えになったから、ちょっと確認します。

○熊野主税局長 私が申し上げたのは、万が一、そういう事実があれば調査をいたしますので、そういう情報をいただきたいと申し上げたわけでございます。

○曽根委員 それでは、情報について私たちなりにお話ししますので、調べていただきたいんですが、私は具体的に、数カ所の都税事務所の・・・実は国税の事務所に行って作業しているんですが・・・実態について、働いている労働者の方、都税の職員の側の方、それから、客観的にそれを知っている方などから話を聞きました。いずれの場所でも、朝始まって夕方終わるまでに、直接都の職員から作業をしている方に口頭で指示が一切なかったということはありません。必ず何らかの指示は出さざるを得ないんです、これは。仕事のスタート時には地区責任者がいない。それから、コピーのスピードが遅いとか速いとかいう話は、地区責任者を呼び出しても、居なければ直接するしかありません、作業者に。
 昼休み、休憩時間、これを決められるのは、都税の職員が仕事を続けていれば、作業者はとめられません。職員の方が、はい、昼休み、休みますといわないと、とまらないんですよ。
 作業は、この労働者の労務管理も、実態としては都の職員の方がやっています。終わった時点でも、地区責任者は何カ所かの事務所をかけ持ちしていますから、地区責任者が来て、はい、これで終わりですね、じゃ、作業員の方、帰ってくださいということも・・・どこかでやっているかもしれませんが、少なくとも私が知る限り、夕方来たのは一カ所だけでした。というようなことがどこでもあります。したがって、これは、二十何カ所ですか、すべての都税事務所について調査して、実態を正確につかんでいただきたいんです。いかがでしょうか。

○安田課税部長 私どもでは、そういったご指摘のような事実は確認しておりません。ただ、一般論で申し上げますと、同じ作業場所で働く、そういった者の間で、始業時あるいは作業の合間、そういった際に、あいさつあるいはねぎらいの言葉、そういった声かけをするといったことは、通常のコミュニケーションの一環であろうというふうに考えます。
 なお、参考までに、先ほど申し上げました労働省告示で、労働者の服務上の規律に関する事項についての指示その他の管理を自ら行うこと、つまり、これは受託した事業者が、今の例でいえば、みずから行うことというふうにされておりますけれども、そこの判断基準等を読みますと、ちょっと長くて恐縮でございますが、「当該労働者に係る事業所への入退場に関する規律、服装、職場秩序の保持、風紀維持のための規律等の決定」、その他管理について事業主がみずから行うということを総合的に勘案すると。この総合的に勘案するという意味は、合理的な基準で例外を許容しないわけではないという全体の注釈がついておりますが、特にこの間に関
しては「安全衛生、機密の保持等を目的とする等の合理的な理由に基づいて相手方が労働者の服務上の規律に関与することがあっても、直ちに当該要件に該当しないと判断されるものではない。」と、これは労働省の告示に記されてあることでございます。
 繰り返しになりますが、税務の職場においては、私ども、当然そうでございますけれども、秘密の保持といったことは最も重要なことでございます。まして確定申告書の時期であれば、そのセキュリティーレベルは最高に達しております。私自身も、税務署の構内に立ち入ることは、それは常時可能でございますけれども、その作業場所に立ち入るためには、当然、当該作業者の立ち会いと、そして、しかるべき相手方の責任者、そういった承諾なり確認がなければ、私でも立ち入ることは不可能でございます。そういった管理をしている職場であるといったことを、まずはご認識いただきたいと思います。
 したがいまして、作業場所に入る、それから休憩時問に作業場所から出るといったことも、当該当局の職員がまずは管理をしなければいけない、そういう職場であるということをご理解いただければと存じます。

○曽根委員 そのことについていえば、そういうところに、請負業者が全責任を負って仕事を持った請負業者が入ること自体が非常にふさわしくないといわざるを得ないんですが、その大きな問題としては、守秘義務の問題があります。
 これは確認しておきたいんですが、都が直接雇用している臨時職員の方、アルバイトの方、この方から取る誓約書と・・・これは地方公務員法に基づく誓約も入っていますよね・・・それから、ここには、請負った会社が派遣会社から送られてきた人をここに送っているんだけれども。
 だからこれが偽装請負と言うことになると、同時に二重派遣になるわけですけれども、その方が、フジスタッフというところの人材登録で、その際に行っている誓約書というのは、個人情報保護法に基づくものだと思うんですが、これは違いがあるということは確認してください。

○加島総務部長 臨時職員については、地方公務員法第三十四条第一項の守秘義務を負う。
 また、東京都個人情報の保護に関する条例第三条二項に基づいております。
 委託業者に関しましては、東京都個人情報の保護に関する条例第九条第一項、また、受託事務に従事している者については、東京都個人情報の保護に関する条例第九条第二項により守秘義務が守られております。

○曽根委員 明らかに直接雇用のアルバイトの方の方が、地方公務員法でしっかり縛ってあるわけです。したがって罰則もあります。しかし、派遣労働者については、もし情報の漏えいがあった場合も、公務員法で罰することはできないわけですね、民間の労働者ですから。そういう違いが明確にあるということです。
 しかも、ここから現場の話になるんですが、当日になって急に人が来れなくなった、事前の研修を受けてない、つまり守秘義務についても話を聞いてない人が現場に来たというのは、具体的に私もその作業に当たっている方から聞きました。あまつさえ、昨日、その研修を受けていない方にフジスタッフという派遣会社の方から指示があって、研修を受けたことにしておいてくれという指示があったそうなんですよ。そちらが動いたのかどうか知りませんけど。さらに、きょうになって東芝から、全員、作業者は携帯を持たせると・・・きょうになってですよ・・・午前、昼、午後と、一時間か二時間置きに責任者から携帯で連絡をとるからというような大きな変更があったそうです。
 いろいろ手を打たれているんだなというふうに思いますが、こういうことをしても、本質問題は何ら変わらないんですよ。この業務が都税の職員なしにはできない業務であり、ここにはっきり書いてあるように、職員が指示した文書をコピーするしかないわけですから、明らかに業務上の指示は都税の職員から出て、流れ作業が出発しているというものであって、私は明確だと思います。

 しかも、守秘義務という点でも、しっかり守られているというお話、部長さんでさえ入れないというところに、地方公務員法で縛られていない派遣労働者が、東京都の職員のようなネームプレートをつけて入っちゃうわけですよ、与えられて。そういう現実があるということなんです。
 これは、私は是正が必要だと思います。

 あわせて、コピー機の問題を、昨日、提起しました、古館委員の方から。最後に、年度末にハードのディスクを破壊することを発注しているんだというお話でしたが、これを発注したのは、今年度末、つまり今度の三月末からじゃないんですか。

○加島総務部長 データがたまってからでないと破壊できませんので、最後にやるという形になっております。

○曽根委員 お聞きしたところでは、昨年度までほ、口頭ではお願いしていたかもしれないが、ハードを破壊するために費用も払って注文をしたのほ今年度からだと聞きましたが、どうなんですか。

○加島総務部長 民間委託に当たっては、データ及び個人情報の保護について、管理体制の明確化、目的外使用、複写の禁止、第三者への権利義務の譲渡、再委託の禁止などについて、契約書及び仕様書に詳しく明記しております。
 さらに、受託者には業務を行うために必要なものに限って貸与し、これらの内容について守秘義務を課して、事故防止に万全の対策を講じているところでございます。
 なお、受託者の具体的な措置としては直接業務に携わる者に対して社内研修を行い、その趣旨を徹底するとともにご個人から誓約書を徹して自覚を促すなど、個人情報保護の措置を講じております。
お尋ねのハードディスクについても、任様書に明記しているところでございます。

○曽根委員 その仕様書は来年度の仕様書からじゃないですか。

○加島総務部長十九年度からさらに一段と強めるために、このような規定を設けたところでございます.。

○曽根委員 そうですか。十九年度ということは、ことしの三月末ですよね。ことし三月末には、仕様書に、私、見たけど、ないんで、追加で注文したんじゃないんですか、破壊のための費用は。

○加島総務部長 随契で、追加でやるものでございます。

○曽根委員 ちょっと時間が伸びて申しわけなかったんですが…。

○鈴木委員長 もうぽちぽち所定の時間が来ておらまずので、取りまとめてください。

○曽根委員 まとめなんですけれども、私、長い経過があるので、もちろん最初からこれは違法行為だとわかってやっていたのではないと思います。その点は、主税局の皆さんは本当に大変な作業を、この時期、集中的にやらなければならない。三月三十一日は夜中までかかる場合だってあるわけですよね。国税事務所を借りているから、自分たちの自由にできるスペースじゃないし、非常に気を使うわけですよ。そこに、今やコピー会社が派遣まで連れてきて、入ってきているわけですから、よくよく注意しなければこういう問題が起きてしまうんですよ。私はこういう職場こそ、本当にセキュリティーを・・・先ほど安田部長がおっしやったように厳密に守るんであれば、やはり都の職員がやるべきなんだと思うんです。集中的な期間だけの問題だからというのであれば、直接雇用の職員を、今やっているような、時給八百円以下じゃなくて、せめて派遣労働者だって時給千百円ぐらいもらっているようですから、それぐらい出せば、人は来ると思うんですよ。そうすれば地方公務員法に基づく守秘義務を課せられるし、やっぱり安心して働けるようになるでしょう、アルバイトの方も。そういう点では、抜本的な、そこ自体がワーキングプアの問題ですから、改善をする中で、やっぱり都民の大事な課税資料・・・現場の話をちょっと聞くと、「あ、この人」っていうふうに、多分有名人なんでしょうね、有名人、「ああ、この人、こんなにもうけているんだ」なんていうことをちょっと口走っちゃうような現場もあるそうなんですよ。こういう事態をやっぱり招いてはいけないと、本当に個人の秘密の、最も秘密にすべき課税資料ですから、そういうものにふさわしい扱い方に改善するように求めて、質問を終わります。
ありがとうございました。

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