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臨海副都心開発
土地処分を現物出資に切り換え1兆1千億円をただ取り
「新方式は条例違反の疑い」曽根はじめ議員が矛盾をつく
 93年10月4日、曽根はじめ議員は、都議会・住宅港湾委員会で質問に立ち、臨海副都心開発の方針変更に条例違反があるのではないか、と指摘しました。

●破綻した事業への出資は、事実上の〃無償提供〃

 毎年地価が6%ずつ上昇することを前提とした、臨海開発の土地の貸付方式は、第1次公募が行われた90年には、企業が殺到する人気ぶりでしたが、バブル経済の崩壊にともない地価が急速に下落し始めると、当選した企業が契約をしりごみし始め、93年3月末の期限になっても未契約を残す結果となり、開発の破綻が明瞭になりました。

 6月の都議会議員選挙でも、このことが大きな争点となりましたが、都は9月になって臨海開発の破綻を取り繕うために、「臨海」開発を進めるための臨海開発事業会計に、都の埋立地を優勝で売却する方針をやめ、「現物出資に切り換える」と発表しました。

 これは、売却額で6700億円、長期返済の利息もふくめて1兆2千億円の土地代金の支払いが帳消しになるので、まさに臨海会計の破綻の救済です。

 将来、臨海開発が利益を上げた場合には、建前では出資分への配当があり得ますが、すでに財政破綻に陥っている臨海会計への新たな出資は、都民の財産の、事実上の無償提供にほかなりません。(写真は93年2月臨海部を視察する曽根議員)

●埋立会計は条例の規定で出資できないはず

 曽根はじめ都議は「開発で大赤字が生まれそうなので、その穴埋めに急きょ考えた苦肉の策だ」と指摘しながら、「方針変更は、条例違反の疑いがある」と質しました。

 「東京都地方公営企業の設置等に関する条例」では、埋立事業は、埋めたて地の造成、整備、開発を行うことになっていますが、臨海副都心開発に関するものは、除かれているのです。

 曽根都議は「埋立地を現物出資することで、埋立事業会計は開発に参入することになる。しかし条例で「臨海」開発は、除かれているではないか」と矛盾をつき、条例違反ではないか、指摘しました。

 これに対して都港湾局は「出資は、両会計の合併ではない」と質問しないことを答弁しながら「出資行為と開発行為は別だ」としました。

 曽根都議は、「方針変更の本質は、埋立地のただ取りだ。都民の土地を大切に使う姿勢があるなら、こういう使い方はしないはずだ。」と都の姿勢を厳しく批判しました。

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