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臨海開発特別委員会96年11月22日

 進出企業への権利金返還・賃料特別減額を批判

 

◯曽根委員 今回、臨海副都心開発がいわゆるバブルの計画といわれる最大のゆえんでありました新土地利用方式が、破綻は前からわかっていたんですが、ついに始末をつけなきゃならない事態になったわけであります。

  臨海部の土地が六%ずつ毎年価値が上がり、物騰分も含めると八%ずつ地代を上げていけるんだという、錬金術のようなおとぎ話が、全くの砂上の楼閣であったということが、今日明らかですが、改めて、このツケが極めて重くこれから都政にのしかかってくるということについて確認しておかなければならない。しかも、今回の決着のつけ方、そのしわ寄せのツケの持っていきどころ、これが新たな開発の破綻の入り口であり、都民犠牲の泥沼の入り口であるということも申し上げておかなければなりません。

  それにしても、今回、権利金五百二十三億円を含めて、都政への影響が六百億円近く出るということについて、ましてや特別の地代も減額とか、聞いた人たちはみんなあきれているわけです。

臨海開発の企業だけ何だと、零細業者の人なんか、かんかんです。青島知事の泣きそうな顔の漫画を入れて、都財政は火の車だって宣伝をしておいて、こういうところになると、ぽんと五百億円以上のお金が出てくる。一体そんな金どこにあったんだという話であります。

  まず、権利金の精算についてお聞きしますが、今回のような都有地の賃貸契約の変更に当たって、権利金を返還した例がこれまであったのか。臨海副都心関連ではどうか、また、港湾局の所管事業では過去に例がありますか。

 

◯曽根委員 臨海開発でさえないし、港湾局所管のいろんな契約関係にはないという。  きょうは、せっかく各事業局がいらしてますので、それぞれの局にお聞きしたいと思うのですが、建設局は区画整理部長さんがいらしてますよね。区画整理部長さんの仕事の中で、もしくは建設局の中で、いろいろな土地絡みの契約があると思いますが、権利金を返還するというようなことがありますか。

 

◯高本建設局区画整理部長 建設局におきましても、権利金を返還した例はございません。

 

◯曽根委員 土地の値段が下がったから権利金の精算ができるとなれば、今、区画整理部長が抱えている、難航している区画整理の事業なんか、もう随分解決しますよ。

 それから、住宅局は住宅政策担当部長がいらしてますが、住宅局の政策にこういうのはあるんですか。

 

◯椋住宅局住宅政策担当部長 住宅局においては、権利金を返還した例はございません。

   〔「わかり切ったことを聞くなよ」と呼び、その他発言する者あり〕

 

◯曽根委員 今、事業局、大きいところね、土地絡みの契約をいっぱい抱えているところに聞いたけれども、ないと。  まあ、わかり切ったことというお話でしたが、詳しくご存じのようですけれども、東京都、都政の行政全部シラミつぶしに調べて、こういう例はほかにないんじゃないですか。いかがですか。

 

◯前川港湾局開発部長 今お尋ねの件につきましては、私どもで関係の局に聞いた限りでは、ないと聞いております。

  ただし、念のため申し添えますが、今回の措置は、いわば通常の契約の変更に伴う権利金の返還ではございません。土地処分方式の変更に伴う特別な措置でございます。

 

◯曽根委員 そんな、前川さん、余計ないいわけするから、かえって墓穴を掘ることになるんですよ。

  賃貸契約が続いていて、その同じ場所を借りてるわけですよ、企業は。契約は事実上続行しているわけですよ。それを、土地が三年後に下がっている分を、権利金をそっくり補償してやる、こういう話はちまたじゃ通らないということなんですよ。

  私の近くでは、赤羽西口再開発というのをやっていて、この間完成したんですけれども、この再開発では、私いろいろな相談を受けているんですけれども、地価が一番高いときに権利変換が行われたんですよ。それまで借家で営業してきたお店は、権利床を買わなきゃならない。そうじゃないと再開発地域内にお店が残れないわけですね。一番高いときに床を買わされた。その後、地価はどんどん下落する。もう借金抱えて大変なんで、廃業したいけれども、今売ったって借金返せないんですよ。どうしようかと。

こういう中小企業の人たちがこの話を聞いたら、怒って当然じゃないですか。嫌なら出ていけでしょう、普通の再開発なら。ここの臨海の企業だけそうならない、特別優遇。もしこの契約変更が実施されて、こういういろいろと再開発やその他、公的な、民民の関係でもいいですよ、土地契約で苦しんでいる人たちがこういう話を聞いて、東京都の契約の相手方だった場合に、うちもこういうふうにやってくれといわれたら、どういうふうに答えるんですか。

 

◯前川港湾局開発部長 先ほどちょっと触れましたが、今回の契約の変更は、確かに土地賃貸借契約自体は継続をしておりますけれども、その重要な根幹部分が変わったことによるものでございます。ですから、土地処分方式が同じ形で継続をしていて権利金を返還する場合ではございませんので、通常の場合とは違うと考えております。

 

◯曽根委員 そんな理屈は通りませんよ。

 それじゃ、一般の長期貸付の賃貸契約でも、三年たって、契約を一たん解除して、そこからまた新たな契約を結んで、権利金はその場で精算するというようなことが事実上できるんですか。

 

◯前川港湾局開発部長 契約の解約、新契約ということでございますが、私ども、今回の対応につきましても、旧契約を解除し新契約を結ぶわけではございません。

 

◯曽根委員 一般にはそんなことできるわけないわけですよ。臨海副都心開発だから、こういう特別な扱いが堂々とまかり通るという事態になっている。この発想は、私は大問題だと思います。

大体都財政が厳しいと、五千億円足りないから、投資的経費は原則として五割減らせという依命通達が出ているわけでしょう。やむを得ないものも含めて、もう全体で投資的経費は三割減らせという来年度予算の方針が出されているときに、臨海開発の進出企業には、五千億円足りないというときに、逆に五百億円以上、東京都のお金を返してやる。それも、過去にも例がない権利金の返還だと、そういうやり方で返していく。要は、臨海開発は特別扱いなんだ。つまり、全くの聖域だということじゃないですか。

 今回の五百二十三億円、これが、先ほど、契約上、不均衡是正という話があるというような、義務的な支出であるというようなニュアンスの答弁もありましたが、そんなことはだれも納得しません。この不均衡是正という、契約の第三十五条に入っている、この項目というのは、どういういきさつで入ったんでしょうか。

 

◯前川港湾局開発部長 現在の契約は、平成五年三月に締結をしたわけでございます。この時点の社会状況ですが、地価の下落はもちろん始まっていたわけでございますけれども、その時点で、今後地価の下落が継続する可能性は高いけれども、下落傾向の定着が確実かどうか、その認定ができなかったために、将来そういう場合には新土地利用方式を変更する可能性があると、それを考慮して、契約に不均衡是正条項を入れた、こういうわけでございます。

 

◯曽根委員 我が党は、この平成五年の三月の契約時点で、とにかく地価はもう下がり始めていたんですから、そういうときに、長期の収支の見通しがどんどん瓦解しているときに契約なんかするなと要求したんだが、当時の港湾局長は、断固として契約するということで押し切ったわけですね。

しかも、そのときには、新土地利用方式は将来瓦解する、崩壊することはもう大体わかっていた。だから、切りかえができるようにということで、こういう条項が入れられたんじゃないですか。

これは、だれが考えたって、契約する企業の側で要求を出して、東京都がそれを、とにかく開発を続行するために企業には出てもらわなきゃならないから、のまされたという図式だったということはもう明らかじゃないですか。いざとなれば、この条項を盾に東京都を揺さぶれば何とかなると。現に何とかなったわけです。

そして東京都も、企業をつなぎとめたいので、こういう筋の通らない条項ものまされて、予想どおり今回権利金を返すと。進出企業の思惑どおり、異例の譲歩というふうになったんじゃないでしょうか。

これからも、この調子で次々と企業の要求をのまされて、そのたびに結局はお金は都財政に回り、都財政から最後は都民に回るということになれば、東京都の財政再建どころじゃないと思います。

  私たちは、もともとこの臨海部に副都心をつくるという開発の基本目標自体が根本的な問題を抱えているということを追及してまいりました。

都心からわずか六キロ、しかも通勤人口を吸収できる後背地を持たない臨海部で、みんな都心を通らないとここに通ってこれない、地盤も悪い、副都心としても最も立地条件の悪い上に、東京湾やその沿岸の自然環境にも、ヒートアイランド現象など、負荷も大きい、やればやるほど都民との矛盾は大きくなると警告してまいりました。

  東京都は、都民の反対を抑えつけるために、都民に財政で迷惑はかけないといいわけして、開発者負担の大きい無謀な財政計画を立てて、これを押し切った。バブルの当時はそれでも企業が群がりましたが、しかしバブルがはじけて矛盾が一気に噴き出した。

第一には、不況の到来と都心のオフィスビルの供給過剰で企業進出が見込めなくなってきた。二つ目に、地価の下落で開発の収入見込みが大幅に減少した。

  結局、都民に迷惑をかけないという財政計画が破綻したわけです。そのツケが今大きくのしかかろうとしている。問題は、この間も議論したことですけれども、ここで大企業向けの副都心づくりの開発目標を都民の要望に沿って根本から見直すチャンスだった。にもかかわらず、開発の根本問題は先送りして、企業の進出を最優先するために、企業の要求に応じてその負担を減らしてやる。そのかわり、都民の財政を次々投入する。開発の財政破綻を都民の財政で穴埋めをする、ここにあるわけです。

  この企業進出優先、開発の継続優先の姿勢が続く限り、私は、この権利金問題に限らず、都民犠牲はますます拡大していくということを申し上げておかなければなりません。

(「青島が都市博をやめたからそういうことになっているんだ、それはさっきから自民党がいっているじゃないか」と呼ぶ者あり)

先ほども、都市博が今回の破綻の原因であるかのような、いわばとぼけた議論がありましたけれども、(「それは問題だぞ」「公党の意見として問題だぞ」と呼ぶ者あり)

都市博が中止になる前から、新土地利用方式の(「とぼけたとはなんだ」と呼ぶ者あり)破綻が見えていたというのは、先ほど当局のご答弁にもありました。

  地価がどんどん下がっているから、バブルの財政計画はもう破綻するかもしれない。だからこういう条項が入ったんですからね。私たちはそのことを申し上げているわけです。

(「委員長、訂正させてよ、不穏当な発言があったから」と呼ぶ者あり)

その上に、三年間、これから三年間の、現在下げようとしている賃料の、そのまた減額措置がとられるという計画が出されました。

  発表された翌日の朝日新聞ですけれども、先行進出企業にご褒美、こういう大きな見出しをつけました。私はまさにこのご褒美という言葉が当たっていると思うんです。このご褒美の理由が、この資料1に載っていますけれども、大変振るっております。第一次進出企業は厳しい社会経済状況下にあったにもかかわらず、(発言する者あり)当初の契約条項をおおむね……

 

◯田中委員長 速記をとめてください。

  〔速記中止〕

◯田中委員長 速記を再開してください。  理事会を開きますので、暫時休憩いたします。

   午後二時三十分休憩   

   ━━━━━━━━━━  

  午後二時四十六分開議

◯田中委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。  この際、傍聴人に申し上げます。  傍聴人の方々は、東京都議会委員会傍聴規則を守って、静粛に傍聴を願います。傍聴人は可否を表明したり、騒ぎ立てるなど、議事の妨害となる行為をすることは禁じられております。委員会傍聴規則等に違反する場合には、退場を命ずることがありますので、念のため申し上げておきます。ご協力をお願いをいたします。   

   ━━━━━━━━━━

◯田中委員長 それでは、曽根委員。

◯曽根委員 冒頭に申し上げたいと思います。

  先ほどの私の発言の中に、とぼけた発言という表現がありましたが、これは表現が不適切でしたので、おわびして訂正いたします。  それでは、質問を続けます。

  先ほど資料1を紹介しましたが、ここにある今回の特別減額の理由、先ほど1)は申し上げましたが、2)は進出企業の先導的役割を評価するというものがあります。これは一体どういう意味なのか。東京都は、契約を守ったという当たり前のことだけで地代を五割もおまけするという、つまり、朝日新聞によれば、ご褒美だということができるのでしょうか。

 

◯前川港湾局開発部長 賃料の減額措置についての評価の理由でございますが、私どもは都が当初にお示しをした開発スケジュールを延伸する中でも、まちづくりに先導的な役割を果たした事業者に対して、今後とも臨海副都心開発に貢献をしていく、このことを評価して実施するものでございます。契約条項の遵守は、その事業者のまちづくりへの貢献のいわば指標の一つとしたものでございます。

  なお、今ご褒美というあれがございましたが、私どもそういうことは毛頭考えておりません。

 

◯曽根委員 この間、臨海副都心が厳しい社会情勢であったから契約を守らなくていいという理由なんかになるはずもないし、逆に、この情勢の中で、契約どおりやったからといって、もちろんご褒美の理由になるはずもありません。これが理由になるのだったら、この数年間の都の契約相手はみんなご褒美もらえるじゃないですか。みんな社会情勢厳しかったんです。

  しかも、今回の契約では、先ほど申し上げたように、過去に例がない権利金の値引き返還までやるというわけですから、その上に何が必要なのか。おまけの上におまけを重ねるようなものだ。三年間で特別減額は六十九億円になるわけですけれども、財務局にお聞きしたいのですが、臨海副都心ならこういうことを認めてしまうのでしょうか。

 

◯木内財務局主計部長 今回の措置につきましては、先般七月に見直されました基本方針に基づくところの臨海副都心の開発につきまして、これを着実に推進するために必要なものであるという判断をしたものでございます。

 

◯曽根委員 臨海副都心開発を着実に推進するためにはこういうこともやっていいんだということ自体が、結局臨海副都心を聖域扱いしていることにほかなりません。しかも、そのご褒美を契約内容を守り切れなかった企業にも二割から四割の範囲で出そうというのは、ますますわけがわからない。これを説明してください。

 

◯前川港湾局開発部長 今契約内容を守らなかった企業にもというお話がございましたが、今回の減額の判断基準として採用した五項目と申しますのは、着工を基本として契約から今年度内の開業まで、ここに至る一連の客観的事実から構成したものでございます。いわば、この五項目への該当の度合いに応じて、まちづくりへの先導的役割を果たしたか否かの評価をしている、こういう次第でございます。

 

◯曽根委員 ちゃんとした説明になっていないと思うんですよ。具体的にお聞きしますよ。例えば、住友商事なんかは、九三年三月の契約期限までに契約しなかったわけですね。

当時の港湾局長は、もうこの期限までに契約しなければその意思がないものとみなすとまで議会で述べていた相手ですよ。

それだけじゃありません。その後も、契約の期限をずるずると東京都は認めてきましたが、結局、一年後の九四年の三月末まで延ばしたけれども、住商は契約に応じなかった。そのときに、これは議会でも西田議員から質問していますけれども、その住商グループの社長から五カ月後の契約に向けて最大限の努力をしたいんだ。だから、そのあかしとして十億円を都に預託したいという申し出があった。

これは法令上受け入れる性質のものではないのでお断りしましたという答弁があります。会社の側も、さすがに一年の契約を延ばして、さらにそれも守れないというんじゃ、ちょっとお金でも出さなきゃしようがないかというぐらいのとんでもない契約──それが二割もご褒美をもらえる。私、こういうのは一般の契約にかかわる人たちから見ると、異常というか、異様というか、全然信じられないような話だと思うのです。

  結局今後の、この住商についてお聞きしておきますけれども、この住商が結局一年五カ月契約がおくれたわけですね。これによって、権利金はそのおくれた分だけ上乗せして取ったようですけれども、これは今回精算されます。利息分は若干違いが出るでしょう。地代の方は、今回の精算に入っていませんので、一年半分地代を払わないで、残り一年半、一年七カ月ですか、払った。ほかの九三年三月に契約した企業を想定した場合と比べて、東京都はこの地代をどれぐらい取り損なったのですか。

 

◯前川港湾局開発部長 住商についてのお尋ねでございますが、まず事実から確認をさせていただきます。契約がおくれたことによりまして、賃料収入につきましては、約八億八千万ほど、フルに三年間契約した場合と比べますと減ったことは事実でございます。

しかしながら、権利金につきましては、当初よりも結果として二十億円も多く支払っている。これは、新土地利用方式で地価が上がっていきますので、それを反映しまして約二十億円多く払っている。したがいまして、トータルでいいますと、約十一億円ほど多くを支払ったという結果になっている。これが事実でございます。

  それから、問題は住友商事についての評価でございますが、私どもはこの減額基準五項目に照らして評価をいたしておりまして、今申しましたように、契約がおくれた、それから協定内容と違う内容のものをつくったといったことを勘案して減額率は低くなった、こういう次第でございます。

 

◯曽根委員 権利金の話もされましたので、私から申し上げておきますが、権利金は今回同じ百三十八万の平均基準地価格のベースで精算をしたわけですから、残されるのは一年七カ月の間の利息だけなんですよね。そのことを申し上げておきたいと思います。

  こういう東京都が契約をするに当たって全く振り回されたといいますか、そういう相手にさえ特別の減額をしてやるというむちゃくちゃなやり方を、都議会で特別委員会もつくっていてきちんとチェックできないのは、私議員として、都民の代表機関としての存在価値が問われるなというふうに本当に自分で思うんですよ。

  最後に、港湾局長にお聞きしたいのですけれども、先ほど私も気がついたことをちょっと申し上げましたが、投資的経費の削減方針がある中で、臨海副都心事業会計があってどうしてこういうことになっちゃうのか、大盤振る舞いじゃないかというのが都民の率直な声だと思いますが、どうしてこの臨海副都心だけが聖域になってしまうのですか。

 

◯今沢港湾局長 先ほど来答弁申し上げておりますように、今回の措置につきましては、土地処分方式を新土地利用方式から通常の貸付方式に変更するという契約の根幹の変更を前提として権利金の精算等を行うものでございます。これをすることによりまして、先ほども私お話し申し上げましたけれども、今後の臨海副都心の着実な推進にとって効果があるであろうという、明るい臨海副都心の開発ができるだろうということを思い、これを提案したわけでございます。

 

◯曽根委員 明るい臨海副都心開発の見通しを立てるためには、ほかは犠牲にしてもいいんだという発想じゃないですか。これは、本当に臨海副都心開発というのが今都政の中で聖域中の聖域になっている。手つかず状態、進出企業の要求はどんどんのまされていく。

この図式を何としても打ち破らなければ都政のあすはないと私たちは思っております。このことを申し上げておきたいと思います。

  例えば、教育庁なんかは、この投資的経費の削減方針を受けて、今年度実施するはずの予算のついた事業まで先延ばししようというのですよ。

それも真っ先にやらなきゃならないはずの学校や体育館の耐震改修とか、養護学校に通う生徒が送迎バスに乗りおりするときに、せめて雨にぬれないように学校の駐車場に屋根をかけるといったごくささやかなものまで、八年度分で十校、九年度分六校、既に実施に一たん予算がついたものまで先延ばしするということまでやっているんですよ。それで削減額は八年度、九年度分合わせて四億三千六百万ですよ。

こういうところにまでしわ寄せをしながら経費を削っていく。その一方で、こちらの金の使い方は何だという都民の声にどう答えるのか。

  私は、今進められている臨海副都心開発は、まさにこの都民の疑問に答える何らの資格も持っていないというふうに考えております。この点で、冒頭に申し上げましたように、今回の措置は、開発について明るい見通しという局長のお話はありましたけれども、企業が第二次公募以降、どんどん進出してくる見通しが立っているわけでもないし、長期出資の問題もあります。したがって、新たな破綻の入り口になる可能性が強い。

しかも、都民の犠牲はますます膨らんでいく。こういう流れにならざるを得ないということを厳しく指摘して、私の質問を終わりたいと思います。

 

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