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98年11月26日経済港湾委員会
豊洲の埋め立て事業について、臨海開発の採算について

◯曽根委員 臨海副都心の開発に関連して幾つか聞きたいと思います。  臨海副都心は、今、中山理事からも質問が幾つかありましたが、都民のレジャーの場として大変にぎわっているのは事実だと思うんですね。一方で、小松委員が明らかにしたように、三セクのオフィスビルは、都が増資や無利子貸付、地代減額などで救済してもまだ経営は厳しい。今後どうなるかはまだ推移を見なければならない部分もありますけれども、私たちは早晩何らかの根本的な対策を必要とするだろうというふうに考えております。経営評価報告書にも、もう自力での努力には限界があるというふうに、厳しい評価が総務局から下っているところなんですね。二次公募も含めて、今後もオフィス開発を推進できるかどうか。都の立場からいいますと、そのかぎというのは、やっぱり都心との道路アクセスだろうというのは衆目一致していると思うんです。それで、初めに都心との幹線道路アクセスと切り離せない問題として、豊洲・晴海の開発、特にきょうは豊洲の水際線の埋立事業について何点か聞いておきたいと思います。  最初に、豊洲地区で、今もう既に環境アセスの終わりの段階まで来ているようですが、水際線埋立事業の目的、それから事業費、規模はどの程度のものか。それから事業費の負担の割合、だれがどれぐらいを負担することになっているのか。  以上、お聞きします。

◯小池臨海部開発調整担当部長 豊洲地区の防潮護岸に関連したご質問でございますけれども、豊洲地区では、居住、業務・商業、文化、レクリエーションなどの諸機能が効果的に複合された活力ある市街地の形成を図ることを目的に現在事業を進めつつあります。その中で、地域が高潮に対して安全であるとともに、人々に開かれた水辺空間を創造していく、こういう目的で、親水性のある緩傾斜型の防潮護岸を整備するものでございます。  この事業の事業費といたしましては約六百億円を見込んでございまして、そのうち地権者が二分の一を、残り二分の一を東京都が負担することといたしてございます。

◯曽根委員 豊洲地区の最初の埋め立ての経過というのは随分古い話になるようで、私がいうのも僣越なんですけれども、都民へのエネルギー供給を目的として、今では考えられないことですが、民間の企業に埋立権が認められたということで、通常では公共しか今認められていない埋め立てが、民間工事によって行われたわけです。首都東京で、丸の内からほんの数キロという非常に一等地の場所を埋め立てで活用できるというのは、しかも埋立原価で使えるという点で、異例の優遇措置ということに、今から思えばなるわけですが、これは当時の都民生活を支えるための判断だったんだろうというふうに思います。それが今日、電力やガスの供給場所がほかにいろいろ確保されるようになった中で、一つには、臨海開発が、幹線道路との連動でここの開発が必要になったということと、第二に、周辺土地の都市化が進んだということによって開発の機運が高まってきたというふうに説明を受けました。  都市開発を進める、つまり市街地化するためには当然防潮護岸が整備されなければならないわけですが、問題の第一は、だれがそれを負担すべきかという問題があると思います。もともと都が埋め立てて売却したものでもなく、もとから民有地として、つくる段階から経過があるわけですから、それをなぜ東京都が半分持たなければならないのか。その根拠はどこにあるのか。この点をお聞きしたいと思います。

◯小池臨海部開発調整担当部長 豊洲地区につきましては、現在あります防潮堤の外側にあるということで、防潮護岸の整備が必要になるわけでございますが、この防潮護岸の整備につきましては、新たに埋立地を造成して、親水性にすぐれた緑地を確保するということとあわせまして、防潮機能を確保するという公共目的がございます。このために、従来はその整備は東京都の負担で行うこととしてございました。しかしながら、防潮護岸の整備によりまして土地利用の転換が図られ、土地の利用価値が大きく増進することが見込まれます。そのことから、受益の範囲内におきまして、二分の一の開発者負担を導入するといたしたものでございます。

◯曽根委員 もともと公共が全額負担しようかという話もあった、それが半分に減ったんだという経過説明ですが、しかし古くからの経過を見ますと、埋め立ててきたのは、もともと民間でやってきた。その用地を所有もし、使ってきた。そういう地権者が、当初の目的から変更して都市化していきたいという場合、これは一つの再開発なり再整備だというふうに考えれば、それにかかわる基盤整備は地権者の負担で行うというのが、区画整理にしろ再開発にしろ原則じゃないかと思うんですね。そういう点からいえば、はっきりいって原則から外れているというふうにいわざるを得ないと思うんです。はっきりいえば、早く道路を通したいばっかりに、東京都が豊洲の地権者に譲歩し過ぎているんじゃないかという点を指摘しておきたいと思います。  しかも、このやり方に譲歩のし過ぎがもう一つあらわれていると思うんですね。これが二つ目の問題なんですが、臨海副都心地域で、ここは開発者が東京都ですが、東京都の臨海会計が防潮施設をやはりつくっているわけですよね、ここも都市化していくということで。臨海副都心地域の防潮施設、臨海会計が負担した分については、延長何キロつくって、費用はどれぐらいかかっていますか。

◯小池臨海部開発調整担当部長 臨海副都心地域におきましては、臨海副都心開発事業会計が負担いたしました防潮堤の整備延長は約六・五キロメートルでございまして、その事業費は約六十億円となってございます。

◯曽根委員 豊洲よりも長い延長距離六・五キロを整備しているのに、費用は六十億円。一メートル当たり約九十万円で臨海副都心地域の防潮護岸はつくられている。聞いてみましたら、要するに陸上にコンクリートのブロックを入れるという形をとっているそうで、豊洲は、先ほど規模についてはお話なかったんですが、四千三百メートルぐらいですかね。四・三キロぐらいのところに六百億円ですから、一メートル当たり約千四百万円ぐらいですかね。そうすると、臨海副都心地域でつくった防潮護岸の十五倍の費用をかけるということになるわけなんです。なぜわざわざ海側に埋め立てを行って、防潮護岸を豊洲ではつくらなければならないのか。臨海部では陸上につくって、それで十分防潮護岸としてできているわけですから、同じ方法をなぜとれないのか。豊洲はちょっと地面が低いんだという話も聞いたことありますが、だったら少し高目の護岸をつくれば済むわけで、少なくとも十五倍の費用のかかる埋め立てをしなくても、もっと安い費用で、しかも十分機能を持つ防潮護岸をつくる方法があったはずなんですが、なぜそうしなかったんでしょうか。

◯小池臨海部開発調整担当部長 豊洲地区の既設護岸につきましては、昭和三十年代に建設されたものでございまして、現在老朽化が進んでございます。一方で背後地は新たなまちづくりを行うということでございますので、地震に強い護岸の整備が必要になってございます。また、新たに外周部に埋立地を造成することによりまして、まちづくりにふさわしい親水性のある緑地を確保するとともに、既存の埋立地空間を最大限有効に活用したい。こういうようなことを考慮いたしまして、陸上防潮堤によらず、既設護岸の前面に緩傾斜型の防潮護岸を新たに整備することといたしたものでございます。

◯曽根委員 耐震性とか、豊洲は埋め立てが古かったからだとかいうことなら、技術的に幾らでもやりようがありますよ。要するに陸上型はできないということじゃないはずですよ。そういう点もう一度確認しておきたいのですが、陸上型は技術的に不可能じゃないですよね。どうでしょうか。

◯小池臨海部開発調整担当部長 陸上防潮堤の整備が不可能ということではございません。技術的には可能でございます。

◯曽根委員 だとすると、最後におっしゃったのが理由だと思うんですよね。つまり、既存の埋立地を最大限利用したいと。利用したいというのは東京都じゃないんですよ、これは地権者なんですよ。ここはほとんど大企業が持っているわけですよね。そこの土地を、少なくとも自分の土地なんですから自分で整備すればいいものを、わざわざ東京都が、都市化するために、それに不可欠な防潮護岸をつくってやる。つくってやる上に、その地権者の土地を少しも削らなくて済むように海側にも建てる。そうすれば地権者の土地は一〇〇%使える。こういう配慮から、本来なら十五分の一の四十億円程度でできる防潮護岸を六百億円かけてつくってやる。半分はさすがに地権者に持たせなければならないけれども、半分は出してやる。これはとても都民が納得できるような措置じゃないということを申し上げておきたいと思います。余りくどくどいってもしようがないので、これだけにしておきますけれども。

●臨海開発の今後の採算性はどう取れるのか

 そういう埋め立てをして、防潮護岸をつくって豊洲・晴海を開発しながら、広域幹線道路を急いで今整備を始めようというところですね。予算を見ましたら、臨海基盤整備事業会計ですか、ここが昨年度十億円、今年度も十億円程度ですが、来年度からいよいよ三十億円以上の予算がついてくるということで、道路整備が本格的に始まるところにかかっているなという感じがしました。  そこで、広域幹線道路を、これから当面二〇〇五年までに、七年間に早期整備路線ということでつくっていくということになっているようですが、都民にも大きな負担がかかるし、同時にやはり、負担を減らしたとはいっても臨海会計にも負担がかかります。臨海会計は基本的には賃貸料収入しかないはずなんで、今年度一年間で、臨海会計の、要するに進出企業などに土地を貸して得られる収入というのはどの程度なんでしょうか。

◯渡辺開発部長 土地賃貸料収入の見込みでございますが、現時点での契約済み額に基づきまして、年間で約八十億円の見込みを持っております。

◯曽根委員 年間約八十億円ということですから、毎年のようにほかの会計からお金を借りているぐらいですから、お財布の中はほとんどないということははっきりしているんで、この毎年の八十億円程度の、これから第二次公募がもし進んでいくとか、地価が上がっていけば多少上がるでしょうけれども、そう大きく、二倍三倍と拡大する状況じゃないですよね、今後七年間ぐらい考えれば。したがって、これをベースにして臨海の広域幹線道路をつくっていく整備費の会計負担分を支えていくというのは、結構大変じゃないかと思うんですよ。前は、整備路線は、いただいた資料では六路線ありましたね。そのうち一部を、整備時期は検討するということで当面は見合わせるというふうになったし、環状三号線については一般会計でも持ってくださいというふうになった。これで四千七百億円ぐらい浮かした。それから、当面整備する路線も、七割ぐらい臨海会計が負担するといっていたのを五割以下にした。いろいろ負担を減らしましたよね。その結果、西暦二〇一五年までに整備すべき路線の臨海会計の負担分というのは幾らぐらいに減らしたんでしょうか。

◯渡辺開発部長 お尋ねの広域交通基盤整備に係る臨海副都心開発事業会計が負担をするということにしている開発負担金でございますけれども、全体で約九百七十億円でございます。

◯曽根委員 二〇一五年、平成二十七年までには三千百十億円ぐらいの費用をかけて広域幹線道路をつくることになっていますから、そのうち臨海会計が負担するのは約三分の一、九百七十億円。残り三分の二は代替区区画整理の地権者だとか、半分以上は都民の負担ということになりますよね、一般会計負担。かなり都民の税金負担に押しつけたわけですよ。しかしそれでも約九百七十億円の今後十七年間の負担がある。  私は、当面整備を急いでいる環状二号線の一部とか放射三四号線の費用について、もう少し詳しく知りたかったんですが、お聞きすると、その内訳は、つまり平成十七年、二〇〇五年までの整備事業費は出ないということなので、非常に大ざっぱですけれども、道路の延長距離でちょっと計算をしてみました。  二〇一五年、平成二十七年までに整備すべき路線が延長距離で十一・五キロ。そのほかに道路の上に「ゆりかもめ」をつくりますね。この「ゆりかもめ」だけでも道路一本分とほぼ同じような費用がかかりますので、これが二・九キロですか。合計十四・四キロ。そのうち平成十七年までに早期に整備する路線は、道路で五・五キロ。「ゆりかもめ」は早期整備ですから豊洲までの延伸ですね。これで二・九キロで、大体八・四キロぐらいだと思います。全体十四・四キロのうち八・四キロ。半分以上をいわば十七年までに前期で整備するというふうにしますと、九百七十億円のうち、二〇〇五年、平成十七年までには五百六十億円ぐらいの費用を、この道路に会計として負担しなければならない。もっと大きい額が都民の負担になるんですけれどもね。会計で五百六十億円、来年度から七年間でやるとしますと、一年間にちょうど八十億円なんですよ。ですから、広域幹線道路を予定どおり整備を進めていく、環二、放射三四号線をどうしても十七年までに整備ということになれば、毎年平均で八十億円ずつのお金がかかる。それはちょうど今収入を得ている賃貸料収入とほぼ同額になる。同程度ということですから、この道路整備による負担というもので、今入っている収入は大体飛んでしまうというふうに見ていいんじゃないかと思うんです。非常に大きな負担だと思うんですよね。  臨海の支出はこれだけじゃないわけですから。利払いがあるわけですよね。利払いをしなければならないというのは、今、転貸債で五千二百億、加えてほかの会計から三千二百億、年利三%としても物すごい額ですよね。毎年物すごい額の利払いをしていかなきゃならない。この利払いのお金というのは、もし道路に全部今の収入がいってしまうとすれば、これはほかから持ってくるしかないということになるわけです。第二次公募で、そうそう簡単に第一次公募分の八十億円に匹敵する収入が入るとも思えないし、地価がどんどん上がっていく状況でもない。私ははっきりいって、道路整備をこれでも急がなきゃならない理由はないんじゃないか。思い切ってまちづくりの方向を変えて、広域幹線道路中心のいわば都心とのアクセス、そしてオフィス街をつくるというこの目標を、先ほどちょっとありましたけれども、現状も違う方向に行っているんですから、都民の憩いの場、レジャーの場ということで、本当はどういう方向がいいのか、東京都の負担も臨海会計の負担も考えて考え直すときじゃないか。  一つの方法としては、最近政策報道室が打ち出して、各局の協力を受けてやっているTDMですね、交通需要マネジメント。例えば臨海の入口付近に駐車場を用意して、そこに全部車を置いてもらって、中は公共交通で、低公害もしくはLRTそのほか活用して運営するというような方法だって十分考えられるのじゃないかと思うんですが、こういうまちづくりの方向に転換すべきときが来ているんじゃないか。このまま道路をとにかくつくるとすれば、都民にも重い負担がかかると同時に、会計もつぶれてしまうというふうに思うんですが、いかがでしょう。

◯小池臨海部開発調整担当部長 臨海副都心と既成市街地を結ぶ広域幹線道路の整備につきましては、臨海副都心の今後の発展にとって極めて重要でありますし、また東京全体の交通ネットワークの形成のためにも不可欠であると認識しております。ただいまお話のございましたTDM方式につきましては、これはただいまございましたように交通需要マネジメントと呼ばれているものでございますが、基本的な考え方といたしまして、既に整備してある道路や公共交通を活用することによりまして、自動車交通量を抑制して道路混雑の緩和を図る、いわばソフト面での取り組みを総称した呼び名だということと考えております。  一方、臨海副都心にありましては、既成市街地の都心部とを結びます交通基盤がまだまだ不十分だと考えておりますので、この方式はこの基幹的インフラであります広域幹線道路の整備の代替をするのではないと認識しております。したがいまして、広域幹線道路の着実な整備が今後とも必要だと考えております。

◯曽根委員 広域幹線道路が東京全体の交通の円滑化にとってどうなのかという問題は、ちょっと置いておきます。臨海にとってどうかという点でいうと、今お答えがあったように、やっぱり都心との基幹的自動車交通アクセスがまだ不十分だと。不十分だという理由は、オフィス街をきちんとつくっていくという東京都の基本方針からすれば、どうしてもビジネスのための車の出入りが、今ではあふれてしまうということが理由だと思うんです。  しかし、そういうふうにいいながら、道路整備を急ぐことによって何が起きるかという問題について、港湾局所管じゃないので、ちょっと私、参考までに資料をつくってみたんですよ。私、おととしから都市計画審議会の委員をやっていまして、委員になってちょうど二年になります。その間に、都市計画審議会に私が出ていて、都心部の再開発なり、再開発を前提とした地区計画がどれぐらい決定されたかというのを図にしてみたんですよ。(資料を示す)これがその図なんですけど、赤いのが再開発として決定されたところなんですね。今東京都が整備を急いでいる環二ですね。環二の先には汐留が、ついこの間再開発で変更になっている。これ全域、区画整理事業ですけれどもオフィス街があります。その先、例の立体道路を使った環状二号線の虎ノ門から新橋までの区間、ここは途中に森ビルの開発も含めて第二種市街地再開発、その南に愛宕地区の再開発、環二の沿線は再開発だらけなんですよ。しかも環二が地下を通る中央市場は、先ほどお話のあったように豊洲移転という話が浮上している。移転した跡、ほっとくわけないですよ、これ。川沿いの一等地ですから。それから、それ以外にもずっと都心にかけて、丸ビルの再開発、それから神保町、西神田と、再開発が既に動き出している。  それだけじゃなくて、こちらを見ていただきたいんですが、中央区の日本橋から銀座にかけて、全部、容積率一〇〇〇%以上の容積緩和で地区計画がかかっているわけです。物すごいビルがつくれる状態になっているわけです。つくるという計画は、赤い色まではまだいってませんよ。しかし可能性は十分にある。秋葉原から始まって、中央区、日本橋、銀座と、そしてすぐ南の月島、ここまでもう地区計画ができちゃっているんですよ。その南が晴海、豊洲、臨海なんですね。  私、これ見ると、都心の機能を分散して副都心をつくるという話が、実は全く分散じゃなくて、全部連担して副都心までつながっちゃうじゃないか。これじゃ分散じゃなくて、はっきりいって都心機能の延長だ。しかも道路を急げば、その道路をつくることによって、臨海よりもっとはるかに都心に近い場所でビル開発が進んでしまうんですよ。これからここと勝負しなきゃならないわけですよ、臨海は。この規模が非常に大きいんですね。これは審議会でも私たちやりましたけれども、秋葉原の周辺地区で三十・八ヘクタール、銀座地区で二百五十一・九ヘクタール、ここはそれぐらいの規模のビル街がつくれる、総床面積をトータルしてみるとそれぐらいになる。これは現状がありますから、どれぐらい拡大するかというのは正確にはわからないんですけれども、少なくとも汐留地区では百五十ヘクタール前後の新しいビル街がつくられるし、環二の例の立体道路を使った虎ノ門−新橋間の再開発は既に計画ができ上がっていまして、今四万六千平方メートルですから、四・六ヘクタールぐらいのビルの床面積が十九・二ヘクタールですから、大体四倍以上に膨れ上がってしまうわけで、これは環二の沿線なんですね。したがって私は、臨海開発を急ぐ、そのために都心とのアクセスが必要だと、道路によるアクセスということを急げば急ぐほど、臨海のオフィス開発というのは都心に対して太刀打ちできなくなってくるんじゃないかというふうに思えてならないんです。  先ほど港湾局長が、臨海は、外国のようだと聞かれてほっとすると。日本にどこにでもあるようなまちにしたくないと。私も同感なんですよ。この都心と同じようなまちづくりしたって勝負にならない。はっきりいって違う道を行くべきだ。それはやっぱり都民の憩いの場を中心にした開発だろうというふうに私たちは考えています。  例えば先ほどTDMの話をしましたが、私は水上交通も、なかなかネックがあって、今、水上バス便数少ないですよ。少ないから、なお乗る人が少ないということになっていますが、思い切って拡充して、通勤にも使えるぐらいの便利な乗り物にできないものか。そういう点での水上交通の日の出などからの拡充についても考えるべきだと思うんですが、この点でいかがでしょうか。

◯小池臨海部開発調整担当部長 ただいまご質問のございました水上バスの件でございますが、臨海副都心の混雑緩和と活性化を図るためには、陸上交通手段の整備に加えて、海上交通の充実を図ることも重要であると認識してございます。  現在、日の出から青海、台場、有明を結ぶ海上バスが一日三十六便運航しておりまして、特にイベント開催時には大きな役割を果たしているところでございます。今後とも臨海副都心の来訪者の増大が予想されますので、その需要の動向に応じまして、海上交通の増強に適宜努めてまいりたいと思います。

◯曽根委員 水上交通については外国の例も学ぶ必要があると思うんですよね。今ネックになっているのは、日の出の桟橋が、浜松町から歩いて十分以上かかりますよね。これが通勤にとってはネックですよ。それから臨海部でおりてまた歩かなきゃならない。だから外国方式でいえばフェリーがあるんですよね、小型のフェリーで。ミニバスを走らせておいて、浜松町駅からお客さん乗っけて、そのまま桟橋で船に乗せる。それで臨海部に着いたら、そのままおりて域内交通になる。これだとほとんど乗りおりの時間、歩く時間が必要なくて、これで便数をふやせば相当運送能力としては上がると思うんですね。  そういうことも含めて、自動車一本やりの時代はもう終わりつつあるわけですから、(「渡し船やらなければ」と呼ぶ者あり)ああ、それおもしろいですね。新しい交通需要を考えて、ぜひ臨海副都心を、やっぱりオフィス街じゃなくて、都民の求めている方向に開発を根本的に改めるべきだ、今がその決断のときじゃないかというふうに思うんですが、最後に、港湾局長に皆さん聞いているようですので、私も局長さんのお考えを聞いて、そろそろ終わりにしようかなと思うんですが。

◯今沢港湾局長 臨海副都心につきましては、いつも申し上げることでございますけれども、あすの東京の活力と創造力を生み出し、都民生活に貢献する東京の新しいまちを創造する重要な事業であるというふうに私は認識もしております。  現在、この副都心では多彩な事業活動が展開されておりまして、大変活況を呈しております。それらの状況も十分認識しながら、今後とも、臨海副都心まちづくり推進計画に基づきまして、用地の処分、広域交通基盤の整備など着実に開発を推進してまいりたい、こういうふうに考えております。

◯曽根委員 今沢さんはみずから体験しているように、臨海の推進計画、基本計画は、やっぱり時と場合によっては政策的な変更があり得るわけで、今沢さんもその渦中に巻き込まれたお一人ですので、私たちはその基本のところを変えていくために頑張っていきたいということを最後に意見として申し上げて、終わります。

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