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はじめ通信・子どもと教育のはた0604

都立学校卒業生の保護者ら都民署名の会が都教委に質問状
「生徒が起立せねば先生の処分をするぞというのは卑劣な脅し」

●6月3日に、杉並の都立高校の卒業生の保護者で、わずかな人数から87校1000名近い保護者に「日の丸・君が代」押しつけ反対の声を広げた、丸浜江里子さんたちのグループが、横山教育長宛に事実上公開の質問状を提出し、記者会見で発表しました。

●前回、卒業式の前に、同じグループで、近藤指導部長と面会して「日の丸・君が代の実施指針」の真意をただし、再検討を要請しましたが、そのとき、近藤部長は、「学習指導要領にもとづいて指導する」と応えるばかりで、何を聞いてもらちがあかなかったそうです。

●本番の各校卒業式は、監視役が配置され、校長が立たない教員や生徒を怒鳴りつけたり、都議が来賓席から起立斉唱を拒否した卒業生を叱咤するなど、まさに「日の丸・君が代」の強制が行なわれました。

●昨年までフロアー形式で行なっていた養護学校も、すべて障害児は壇上で証書を受け取るため、豪華なスロープを後ろから押して登らされたり、卒業生と在校生が向き合ってあいさつしあう形式も、「国旗に正面を向かないから」と禁止になったり、否応なく変更された学校も多かったようです。

●丸浜さんたちは、生徒の不起立まで教員の処分の理由として、生徒自身の信念にもとづく行動として認めないのは、都の教育目標にも反するし、子どもの権利条約にも違反していると指摘して、6月10日までの回答を要求しています。

●七生養護学校卒業生の母親で、親が台湾出身の洪美珍さんも出席して、在日外国人や外国出身の人にも「君が代」を無理やり歌わせるのは、とても納得できないと訴えていました。
 いずれにしても、保護者のこのようなネットワークが出来たのは、都の教育はもちろん、都民の自主的運動として初めてのケースであり、今後も活躍しそうです。

●6月12日(土)午後6時からは、中野ゼロホールで2回目の集会計画しています。どうぞ多くの方々のご参加を。
 教育長への質問状は、以下の通りです。
東京都教育委員会 横山洋吉殿
2004年6月3日
 私たちはこの春、子どもが都立高校を卒業した保護者および、現在も都立学校に子どもが在学する親、および東京に住む住民です。様々な国籍の子ども、養護学校をはじめ、さまざまな条件の子どもが通っている都立学校で、子ども達がお互いの違いを認めあい、未来に希望をもち誇り高く生きる若者になって欲しいと願っています。
 2003年10.23に東京都教育委員会が出した卒業式・入学式に関する通達に不安を覚え、通達の再検討を求め、貴教育委員会に要請し、都議会に5686筆の署名を添え陳情をしてきました。陳情に賛同する保護者は87校に及んでいます。
 しかし、私たちの要藷を全く聞き入れなかったばかりか、10.23通達を踏みこえ、「君が代」斉唱時、生徒達が不起立だったことをもって教師を処分するという教師、生徒の意見表明権をまったく認めない野蛮な決定をしました。
 東京都教育委員会の教育目標には「互いの人格を尊重し、思いやりと規範意識のある人間、自ら学び考え行動する、個性と想像力豊かな人間」とあります。「自ら学び考え行動する」自由を認め、個性と想像力豊かな人間に育つことをめざしています。上意下達で、生徒にも強制する今回のやり方は教育目標にも違反していると思います。1999年に成立した「国旗・国歌法」は成立時に、複数の政府関係者が「強制するものではない」と言明しました。
 「学習指導要領」を理由としていますが、「起立するよう指導する」と書いてはありません。指導要額を逸脱した指導の強制です。
 以上の理由から、私たちは貴委員会に対し、次のことを質問し、6月10日までにご回答を下記連絡先までお送り下さいますようお願い致します。ご回答をいただいた上で、あらためて、要請させて頂きます。

1,今回の通達、および一律の強制は「自ら学び考え行動する、個性と想像力豊かな人間」と東京都教育萎員会の教育目標に逸脱していると思いますが、如何お考えか、見解をお聞かせください。

2,日本も批准している子どもの権利条約には、第12条意見表明権、第2条差別の禁止、第8条アイデンティティの保全、第14条思想・良心・宗教の自由を定めています。今回の通達及び処分はまったく反しています。見解をお聞かせください。

 最後に、2003年度の卒業式は、10・23通達による強制で多くの混乱がもたらされ、教職員も保護者も生徒も苦しみました。この混乱の責任はひとえに教育委員会、とりわけ横山教育長にあります。
 横山教育長の再任に、わたし達は強く反対します。

 卒業式・入学式に関する都教委通達の再検討を求める都民署名の会(仮称)

 

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