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何としても東京でも30人学級の実現を
都議団の取り組みを中心に


○ 石原都政の教育破壊と対峙し教育条件整備を求める

 いま、東京の教育は石原都政の横暴な政治路線の攻撃にさらされています。
 昨年10月、都教委は君が代の起立・斉唱を職務命令で強制する実施指針を通達し、これに違反したとして、この間二百数十名の教員を処分しました。
 民主党都議などの求めに応じ、生徒が君が代斉唱で起立しないのも教員の責任だとして、生徒には、「君たちが大きな声で歌わないと、担任が処分される」と校長が説得するなど、生徒の良心の自由まで踏みにじる憲法違反のおしつけが行なわれ、生徒が起立しなかった板橋高校などの教員には事実上の処分がされました。処分された者の「再発防止研修」の受講を命令し、“反省文”を書かせることまでやらせています。
 これに対し、いま都民の中に「学校への強制はやめよ」「子どもたちの良心の自由を守れ」との運動が急速に広がっています。
 同時に、教育行政の役割は、教育内容に介入したり上から強制するやり方ではなく、何よりも教育条件の整備をすすめることが使命のはずです。
 都教委がこの本来の立場に立ち戻って、少人数学級実現などにこそ全力を注ぐべきだという大きな世論を広げていくことが必要ではないでしょうか。

○ 30人学級拒否に根拠なく固執する都の姿勢

 都教委と石原都政は学級定数改善を否定し、都の独自実施はもちろん、区市町村の単独実施にも、同意を求めてきても認めないと宣言してきました。
 知事は「他の道府県の中に、学級編制の弾力化を実施し、もしくは検討している団体があることは十分承知しております。教育水準の維持向上を図るためには、それぞれの自治体が、地域の実態に応じて、生徒の数も含めまして、さまざまな努力、工夫を行うことが重要であると思います。」(02年1定本会議代表答弁)と答弁する一方で、都の実施は全面拒否で、「生活集団の場ととらえ、教育効果を考えた場合、一定の規模が必要」として学級定数は四十人にとどめ、学習集団だけ少人数指導を編成するとの答弁を繰り返しています。
 石原流の「教育革命」の実態は、エリート教育を行なう中高一貫校などには重点的に予算を振り向ける一方で、障害児学校の教室不足などは放置し、学校の耐震補強は補助を出さないなど、教育予算全体は一貫して切り下げるという”安上がりの教育”というべきものです。

○ 都民からも区市町村、議会からも要望が続々集中

 30人学級を求める都民運動は、私立、公立の学校関係者の全国的な3000万人署名運動として、2001年度は都内で170万人に達するなど毎年100万人以上の署名を集めて都議会に請願が提出されています。
 都内の多摩の市長会、教育長会からも少人数学級の「都の独自実施を」との要望が、毎年出されています。
 しかし都はもちろん、自民党や公明、民主の多くの議員も含めて、知事の「教育革命」を持ち上げながら、少人数学級やそれを求める都民運動は一切受け入れようとしません。相変わらず「クラス人数が少ないと切磋琢磨ができない」「学級人数が20人を割り込むとサッカーの試合ができなくなる」「三〇人学級を行なえば莫大な費用がかかる。」「教員が楽をしたいための運動だ」などの使い古された主張を繰り返しています。

○ 学校現場の要求、実施県の効果など調査し徹底追求

 日本共産党都議団は、子どもたちの学校での実態から、少人数学級が求められている根拠を明らかにし、実施道府県の教育効果を具体的につかむこと、国の学級定数改善につながるあらゆる制度を生かすことに全力をあげてきました。
 今春の代表質問では、ある小学校一年生が、四十人ちょうどのため、まるで授業にならないという事例を挙げ、同じ40人状態の学級が都内で百六十もあり、いわゆる「小1プロブレム」といわれている実態を指摘しました。
 原因として、子どもの体を調査している日本体育大学名誉教授の正木健雄氏が「そわそわ型」の増加を学級崩壊の実態と分析していることを紹介。さらに最近、都の調査でも4・4%の子どもが「知的な発達に遅れはないものの、学習面や行動面で著しい困難を示す」と通常学級の担任等が回答していることを指摘し、こうした学校教育の実情に対して少人数学級できめ細かい対応が求められている(04年一定・清水ひで子議員の文書質問)と、実現を求めました。
 都は、少人数学級実施は拒否する態度でしたが、「小1プロブレム」問題を、4月の「教育ビジョン」で提起せざるをえませんでした。
 またいち早く少人数学級の本格実施に踏み切った自治体を視察し、子どもたち、父母、教員の誰もが歓迎していることを示して、実施を迫ってきました。
 どの実施県でも、「少子化に歯止めをかけ、地域を活性化するには、未来を担う子どもたちの教育の充実しかない」との世論が一気に広まると、反対していた自民党が賛成にまわるなど、変化があったことも学んできました。

○ 区市町村の意向も聞かず「教員定数の弾力的運用」握りつぶし

 文部科学省は昨年11月21日に、小中学校への少人数授業のための教員定数加配を少人数学級実施のため振り替えることを認めるとの河村文科大臣の記者会見とともに、希望を聞く事務連絡を都道府県に出しました。
 ところが、都は区市町村に照会もせずに「該当なし」の回答を送り返してしまいました。
 都議団は、教育長に対して抗議するとともに、改めて区市町村の意向を問い合わせ、尊重するよう強く要請。代表質問でも追及しました。そして、15名の議員全員が過半数の自治体の首長や教育長を訪問し事実を知らせ、区市町村からも都に、意向調査を要望してもらうよう申し入れるなど、精力的に取り組みました。
  さらに今年5月19日の都議団の文科省との交渉において、国の担当者は、3万人の加配定数全てを学級定数改善に使えることを認め、少人数学級の必要性を認める発言を行ないました。教員定数の弾力的運用についての調査では、区市町村の意向を無視させないため、取り組みを事前に急ぐ必要があります。

○ 「財政負担」など「できない」理由をくり返し論破

 都議団は、「生活集団は一定規模が必要」「財政負担が莫大」などの都の主張を打ち破ってきました。
 都は、「生活集団としては、社会性を養い、切磋琢磨できる人数が必要」などの国の言い分をオウム返しに持ち出しています。これに対して、国立教育政策研究所の少人数学級の効果についてのレポートを詳しく分析し、ここでは学習効果だけでなく、学校生活についても20人以下のクラスのほうが35人以上のクラスより、「答えが分からず恥ずかしい思い」「友達のせいで授業に集中できない」「友達どうしの争いやいじめを見る」などのマイナス経験が少なく、「クラスのまとまりが良い」「助け合って学習できる」などプラス経験が多いことが、小・中ともに明瞭に見られたと分析していることなどを突きつけると、都側はまったく反論できませんでした。
 30人学級の独自実施の財政負担については、小学校1年から年次的に計画実施することや、増やす教員は新採用教員の給与で計算し、少人数加配定数も活用すれば、初年度は31億円で全公立小学校での三〇人学級がスタート可能だと明らかにしました。これはその後の地方選挙の政策提案として活用されました。

○ 残りは5都県。ともに石原都政をおいつめましょう
 少人数学級実施県は一気に増加し、残るは東京都を含む5都県のみです。
 30人学級の実現のためにも、それを求める声を都民世論として広げ、石原都政を追いつめるとともに、区市町村から都の独自実施を迫る世論を巻き起こすためにいっそう奮闘する必要があります。
 そして東京都の教育行政が日本の侵略戦争を賛美する「愛国心」のおしつけ、教育基本法改悪の先頭に立っていることを知らせ、都民世論といっしょに石原都政からの転換をめざすたたかいをおし進めていくつもりです。

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