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子どもと教育のはた4−806
実態を見てびっくり・・定年前の教職員の退職が激増

●この数年、定年をはるかに前にして、教員が退職していくという話を良く聞いていたので、資料を取ってみてびっくりしました。下の表を見てください。
 現職死亡者の人数も私は深刻だと思いますが、それでも年によって増減があります。
 ところが、定年前の退職者の人数は、毎年確実に増えて、昨年度はついに1000人を大きく突破してしまったのです。もうすぐ団塊の世代の大量退職を迎えるときに、40代以下でも400人近い退職者がいるということは、規模の小さい小学校などでは、ベテランや中堅の先生が本当に足りなくなってしまうでしょう。


●しかも、辞めていく教員が、怪我や一般的な病気による退職より、精神的な疾患や、いわゆる「燃え尽き」症候群、さらには組合の活動家が、当局などからの執拗な差別と攻撃でやめざるを得なくなるなど、まじめで教育熱心な教員が追いつめられての退職という事態が、かなりの人数含まれているというのです。

●私も、昨年の文教委員会で、自民党の議員から、「頑張っている先生には高い給料、怠けている先生には低い給料で差をつけるべき」という趣旨の発言があったので、急遽、自分の質問の冒頭に「教員は、おしなべて大変な残業を強いられていて、通常の残業代を払ったら4%の調整手当てをはるかに超えるだろう」と発言したことがあり、そんな統計を取っているところがないものかと思っていましたが、実は教員組合と文部科学省の双方で調査したものがありました。

●文科省の国立教育政策研究所が中心となった、01年3月発表の調査によれば、教員は平日、平均11時間働いていて、「教師を辞めたくなるほど忙しいと感じたことがある」という教員が61%に上るといいます。
 全日本教職員組合(全教)が02年5月に発表した、休日出勤も含む超過勤務は月平均80時間を越えており、厚生労働省が「緊急に改善の必要あり」と指摘する過労死の危険ラインに達しているというのです。労使双方の統計は休日分を差し引けばほぼ一致しているので、実態を正確に反映しているといえるでしょう。

●しかも、私が教員の人たちから聞いて実感するのは、超過勤務の圧倒的な部分は子どもへの教育内容を準備するためにではなく、校長や教育委員会への報告書類、教育上疑問を持たざるを得ない内申書類などの膨大な生徒評価を作成するために費やされていることが、教員の徒労感を倍化させているということです。

●さらに、少しでも校長や当局ににらまれれば、いつ「指導力不足」の烙印を押されて研修所送りにされ下手をすると精神疾患扱いにされかねないという不安感を、まじめな先生ほどかかえこんでいるようです。「教員評価システム」をいち早く導入した東京都で定年前の退職が多く出ていることも、それを象徴していると思います。

●日本共産党は、今年6月に、「教員に教育者としての誇りとよろこびを」という政策提言を発表しています。ぜひ参考にしてください。

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