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はじめ通信・子どもと教育のはた4−925

文科省の設置審で「首大」が認可に
真の都立大改革めざすたたかい新たな局面へ

●文部科学省の大学設置・学校法人審議会は、21日に開かれ、都立4大学の統合と独立行政法人化による「首都大学東京」の設置を認める答申を、河村大臣に提出しました。
 首都大学は、当初の設置申請の段階から、石原知事の改革にはついていけないと、有力な教員が次々と辞任。今年春の法科大学院も、法学部の民法の担当教授がのきなみ辞めてしまったため、入試を延期するトラブルもあったほどでした。

●その後も、知事の横暴で唐突な構想によって、当初は守られていた学部構成がおおきく破壊される中で、学部が事実上解体される「人文科学部」の教授陣のなかから、「毎年の受験では、全国から都立大の人文学部に優秀な受験生が集まるのに、ここまでの蓄積を反古にされるのには耐えられない」などと、多くの優秀な教員が首都大学への就任承諾書を出しませんでした。

●こうした状況を見て、7月に予定されていた「設置審議会」での承認は先送りとなってしまったのです。このため、夏休みの首都大学の説明会には、受験生側も出席が思わしくなく、出したパンフレットも、学部の詳しい紹介はできず。例年紹介されていたクラブ活動や同好会など、学生の多様な活動実績の宣伝は何もなしというお粗末なものでした。案内地図に吉祥寺が2箇所もあるという間違いも、新聞に皮肉られました。

●今月開かれた設置審議会の議決を得られなければ、首都大学の来年度入試は、極めて困難だったでしょう。9月の承認でギリギリ間に合うとはいうものの、来年の入試問題作成自体が可能なのか、採点などはできるのかなど、事務職も含めて今の人数では過労死が出るのではないかとさえいわれています。
 大学管理本部長は、承認を得られないままわずか1年ちょっとで8月1日に異動。知事や官僚側はあれだけ混乱させた責任を誰も取らないのでしょうか。

●審査会は、以下のような「留意事項」を決めました。非公開ですが、都知事のやりかたに手厳しい批判意見もあったようです。
 承認が降りたからには、都は何が何でも来春、首大を発足させようとするでしょうが、一番大事な主役である学生・院生などがどういう要望や意見を持っているのか、4大学の教職員は何を求めているのか、都民は納得するのか、改めて世論の動向が注目されます。

●大学設置審の「留意事項」は、以下の通りです。

1.既設大学の教育研究資源を有効に活用し.統合の趣旨、目的等が活かされるよう、設置者及び各大学間の連携を十分図りつつ,開学に向け,設置計画(教員組織、教育課程の整備等)を確実かつ円滑に進めること。

2.名称に「都市Jを冠する「都市教養学部」の教育理念を一層明確にし,これにふさわしい特色を持つ体系的な教育課程の編成に一層の配慮をすること。特に分野横断型の「都市政策コース」や「都市教養プログラム」等、要となる科目
群の教育内容について独自性が十分発揮されるよう,その充実を図ること。

3.関係組織間の適切な連携の下、単位バンクシステムや学位設計委見会等の新たな試みが円滑かつ有効に機能するよう努めること。

4.学生の選択の幅を拡大するコース制等を導入するに当たっては、大学設置基準第19号に掲げる教育課程の体系的な編成に十分留意すること。また、学生が科目等の選択を円滑に行えるよう,きめ細やかな履修指導体制の一層の充実を図ること。

5.平成18年度開設に向けて構想されている新たな大学院については、新大学の趣旨・目的等にふさわしいものとなるよう十分に配慮した上で、その構想を可及的速やかに検討し、示すこと。


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