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はじめ通信7−0515
三宅島調査結果を知事に申し入れ・記者会見
「バイクレースきっぱり断念し真の三宅復興に支援を」

●5月15日、都議団は5月10日より12日にかけて行なった三宅島調査の結果について知事宛の申し入れを行なうとともに、その後記者会見を行ないました。
 参加したのは現地調査した吉田、清水、古舘議員と、松村、たぞえの各議員。テレビカメラ数台も含め、マスコミからも大きく注目されました。

●三宅島の調査で明らかになったのは、島の周回コースに代わって検討されている2・5キロのコースで、とりわけ村道の部分は、下記の写真の通り、道路幅は4メートルしかなく、周りは崖や溶岩だらけで転倒したら命の危険もあり、安全確保の設備を置いたり道路を拡幅することも極めて困難な環境です。島の外周の都道よりさらに危険ということが誰の目にも明らかで、とうてい代替案にはなりえません。

●島の有力者の方々は口々に「レースは帰島後知事が一度も来ないで決められた」「空港も再開していないのに滑走路をレースに使うのは納得できない」「我々には上で決まったことが遅れて降りてくるだけ」など問題点を指摘しました。
 レースに賛成している人にも都に対する不安や意見が渦巻いていると感じました。

●島の復興についても、下記の申し入れの通り、空港の定期便早期再開をはじめ、多くの要望が出されました。都がいまやるべきことが、まさにそこにあるとの確信を得た調査でした。
 以下に、知事への申し入れ文書を紹介します。

東京都知事 石原慎太郎 殿
  2007年5月15日
  日本共産党都議会議員団

三宅島バイクレースの中止と島の復興・振興を求める申し入れ

 石原知事のトップダウンですすめてきた三宅島公道バイクレースは、「危険すぎる」としてバイクメーカーやテストライダーからつよい批判の声があげられ、日本共産党都議団も予算議会で中止を求めました。批判の高まりの中で、都知事選挙後、石原知事は全島一周の公道レースを断念したものの、代替案として、阿古地区の都道の一部と村道をつかった公道レースを提案し、現在、東京都は計画の練り直しをすすめています。
 こうしたもとで日本共産党都議団は、5月11日・12日の2日間、三宅島を訪問、公道レース予定道路を調査するとともに、三宅村長をはじめ、バイクレース実行委員会、観光協会、商工会などの団体、島民と懇談をおこないました。
 現地調査と懇談を通じて、あらためて三宅島での公道レースがいかに無謀であるかが確かめられました。同時に、計画の内容がおおくの島民に知らされていないこと、島にとって必要な支援が、知事の提案するバイクレースではなく、島へのアクセスの改善、村のイベントへの支援、産業振興などの、現実的な復興・振興対策であることが明らかになりました。
 現時点にたって、以下のことをつよく求めるものです。

1.公道バイクレース大会はただちに中止すること
 もともとの計画であった島一周の公道レース予定道路は、道路に面して家屋や擁壁があったり、海に面した断崖にあったりで危険きわまりなく、何より、クローズドサーキットでは必須とされるエスケープゾーンの確保は至難であり、レースの開催は無謀であることは明らかです。しかも、とりわけ、知事があらたに公道レースを提案している村道は、海岸線に沿った道路で、片側は断崖絶壁の場所があり、先の噴火による溶岩地帯があるなど、危険きわまりないコースであることが判明しました。(別紙写真参照)
・現地の関係者からも、「一番心配しているのは事故のこと」「周回公道レースが中止になりホットしている」と率直な声も寄せられました。
・私たちは、今回の調査にあたって、あらためてバイクメーカーやライダーの方々の意見を伺いましたが、その内容は、たとえ、距離を短くしても公道を使うレースの危険性に変わりはなく、とりわけ村道は危険だとして、「いかなるかたちでも公道レースは認められない」というものでした。また、レースの内容を知った島民からは共通して、安全性に関する疑念や反対の声があげられています。
 以上、代替コースも危険であることに変わりなく、公道バイクレース大会はただちに中止することを求めるものです。

2.バイクレースは島民から歓迎されていない
 関係団体や島民との懇談を通じて、バイクレースは島民から歓迎されていないことが実感されました。「復興予算をバイクレースに使うのは納得できない」「バイクレースは三宅の文化になじまない」などの率直な声も寄せられました。
 三宅空港を使うレース計画についても、一日もはやい空港再開を求める島民の願いに反するとの声も寄せられました。

3.東京都がやるべきは、村と島民の要求にそった復興・振興に全力をつくすこと
三宅島は、いまだに噴火の被害に苦しめられており、観光、漁業、農業などの産業は復興にはいたっていません。こうしたもとで、東京都が、おこなうべきことは復興の名のもとにバイクレース大会をむりやり押しつけることではなく、島民の自主的とりくみを尊重し、現実的な復興・振興にむけて全面的に支援することにほかなりません。

@産業振興
  島の観光資源となるイベントについては何よりも、島の自主的とりくみを尊重するとともに、財政的支援をおしまないこと。今年度で打ちきりとなる激甚災害法にもとづく復興予算を継続するよう国につよく求めること。東京都が実施しているトコブシやサザエの放流のための補助を来年度も継続するなど、産業振興支援を強化すること。

Aアクセスの改善
  三宅空港の定期便の早期再開にとりくむこと。三宅航路の改善(下記の提案参照)につとめること。

B帰島対策
  いまだ、帰島できずにいる島民が一日も早く帰島できるよう、住宅、就労など対策を講じること。

C各団体、島民の方々から貴重な提案をいただきました。東京都が積極的にこれらの要望に応えるよう求めるものです。
イ 風向きによって着岸できないということがないよう伊ガ谷港を第3の停泊地と認め、整備をおこなうこと。観光シーズンにも定員の大きい(100名)サルビア丸を就航するよう要請すること。
ロ 噴火で消滅した「あじさい公園」を復活し、観光資源とすること。
ハ 伊豆7島の交流イベント「マリンスコーレ」を継続できるように支援すること。
ニ 2013年の国体の会場として選定して欲しい。(トライアスロン)
ホ テングサやトコブシなど漁場の再生のために、都行造林の継続など、森林の復原のためのとりくみを。
ヘ 定置網漁が復活するが、獲れた魚を本土に出荷するには、定期船が毎日就航することが必要。
ト 建て替えで空き家となる都教員住宅の村民住宅としての活用。
チ 専門家グループがすすめている三宅島での、噴火災害の全国的な交流・シンポジュウムの開催。
リ マンゴーなどのフルーツや南国の花など、あたらしい農産物の開発と普及。

以上

0705現地調査写真3.pdf へのリンク

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