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 体験的マンションレポート(5)      2001・9・6 曽根はじめ

◎給排水管取り替えの大工事・・その1

 84年の暮れに入居するとすぐに、翌85年度の管理組合理事の順番が回ってきました。ところが5月に総会が終わると間もなく、中間階である7階廊下の天井を走っていた水道本管が継ぎ目のところから漏水し、そこを直すと他の継ぎ目でまた漏れるという具合。一回ごとに60万円ぐらいの費用がかかり、250万円あった営繕費がすぐに底をつきました。

●漏水管を専門家に見てもらったところ、直径8センチ程度の亜鉛メッキ鋼管で、しかも電縫管という一枚の鉄板をくるりと巻いて電気溶接した管が使われていました。団地が建った71年当時は一般的だったが、利根川の水が入ってきて塩素を増やしたため10年過ぎると亜鉛メッキが溶けてさびがつき、継ぎ目(ネジを切るため薄くなる)部分でしかも電気熔接したところから縦一列に穴が開きやすいと分かりました。今は継ぎ目なしで内側は樹脂加工された管が一般的です。理事会は、次々漏水を修理しているより全体を直すべきと腹をくくりました。新築以来の大規模工事です。

●水道管の工事には2種類あって、通常は管を取り替える「更新」工事。ところがまださびが進行していなければ、空気ジェットで鉄砂利を吹き込んでさびを削り落とし、後に樹脂を吹き込む「ライニング方式」による「更生」工事という開発されたばかりの技術があるという。

●いずれにせよさびの度合いを調べる必要があり検査会社を探したところ、「管を切り取らなくとも超音波で管の肉厚が分かる」というこれまた新技術の会社が登場。説明担当が、当時売り出し中の明石屋さんまそっくりで口八丁手八丁。どうも信用し苦いもののサンプル実験で合格したので100万円で調べさせました。

●ここまでで1年が終わり、実際の工事計画は翌年度回し。そのため管理組合理事の半分が1年間任期を延ばせるように規約を改正し、私を含め6人が次の年度も役員を担当。理事長には、一級建築士の方を推薦で選び、当時としては万全の態勢で臨みました。

●調査の結果、上水本管は全てさびがひどくて取り替えが必要。住宅のメーターから先の蛇口までがライニング可能と出ました。(さびは本管ほどひどく、蛇口に近い枝管ほど塩素がなくなりさびも減る)問題は、部屋の内部で台所の流しの脇を縦に通っている排水管も取り替えが必要なこと。今の管をそのままにして、新管を部屋の外にひくことも検討しましたが、ドアの周りがパイプだらけになるのでやめ。現在位置で取り替えを決めました。

●水道管はコンクリートの中に埋まっているのでそのまま埋め込み、新管を廊下に引くことに。いろいろなデザインをシミュレートして比べた結果、全て屋上から、各個の縦系列で統一することにしました。パイプラインをどう見せるかがいかに美観に影響するか、初めて知りました。


(水道管取り替えの大工事・・その二に続く)

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